今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米主要3指数が揃って最高値更新」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 米中貿易協議「第一段階」の合意が近いという見方や、米株式市場の続伸を受けて、ドル円は反発。108円81銭までドル高が進み高値圏で越週。
  • ユーロドルは反発し、1.1057近辺までユーロが買われた。ユーロは対円でも反発し120円台半ばまで上昇。
  • 米中貿易協議の「合意が近い」というクドローNEC委員長の発言を好感し、3主要指数が揃って節目を抜き、最高値を更新。ダウは初の2万8千ドル台に乗せ、ナスダックも初の8500ポイント台に。
  • 債券は小幅に下落。長期金利は1.83%台へと上昇。
  • 金は反落し、原油は反発。
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11月NY連銀製造業景況指数 → 2.9
10月小売売上高 → 0.3%
10月輸入物価指数 → −0.5%
10月鉱工業生産 → −0.8%
10月設備稼働率 → 76.7
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ドル/円 108.65 〜 108.81
ユーロ/ドル 1.1032 〜 1.1057
ユーロ/円 119.92 〜 120.31
NYダウ +222.93 → 28,004.89ドル
GOLD −4.90 → 1,468.50ドル
WTI +0.95 → 57.72ドル
米10年国債 +0.014 → 1.831%

本日の注目イベント

  • 米 11月NAHB住宅市場指数
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演

米中貿易協議の明るい見通しを材料に、再び米株市場では3主要指数が揃って最高値を更新しています。クドロー国家経済会議(NEC)委員長は14日ワシントンで、米中貿易協議「第一段階」の合意に関して、「われわれは取りまとめに近づいている」と発言し、「米国側は毎日彼らと連絡をとっている」とし、「合意に近づいている」と述べました。ただ同時に「まだ終了していない」とも述べています。またその後、16日には両国が閣僚級電話会談を行い、詳しい内容は明らかになってはいませんが、「第一段階」の合意に向け双方の中核的な懸案事項について「建設的な議論」を行ったことを中国国務省が明らかにしました。(ブルームバーグ)

米国株式市場ではこの報道を受け株価が大きく上昇しましたが、相変わらず「米中通商協議」の行方が市場の大きな材料になっていることが窺えます。為替は緩やかな動きに終始していますが、市場にあふれた資金は株式市場に向かい、株価を大きく押し上げています。ただ個人的には危うさは禁じ得ません。米中協議は確かに良い方向に向かっているようですが、最終的にはトランプ大統領と習近平主席が直接会って署名をする必要があります。しかしまだ会談の予定も、場所も決まっていない状況です。気まぐれなトランプ氏のこと、協議に最終段階で折り合わない部分でもあれば、「合意はしない」といった「ちゃぶ台返し」が、ないとは言えません。この段階で、米主要3指数が揃って節目を超え、最高値を更新したのを目にすると、株式市場は「ややはしゃぎすぎ」との印象を拭いきれません。

特に先週末には多くの米経済指標が発表され、小売売上高を除く全ての指標が予想を下回る状況でした。株式市場はそんな指標など無視して上昇したようです。今朝の日経新聞一面トップには「世界の上場企業、減益続く」といった見出しが躍り、世界約1万8000社の2019年7〜9月期の純利益は前年同月比8%減だったと報じています。減益幅は4〜6月期より約3ポイント拡大しており、地域別では米国、欧州、中国を除くアジア、日本となっていまが、その原因は製造業の不振だと分析しています。このような状況の中、「カネ余り」とは言え、株式市場が連日最高値を更新することに違和感を覚えている次第です。為替も、債券もそれほど際だった動きは見られません。ダウが1日で1000ドルを超える下げを見せた際には、長期金利が急低下し、円も急騰する可能性が高くなります。そのような状況がいつ来るのかは分かりませんが、備えておくことは必要です。

ドル円は、再び109円に迫る水準まで戻ってきましたが、上下どちらも勢いがありません。米国株の最高値更新を受け、本日の日本株がどこまで伸びるのか、材料はその辺りになりますが、本日のドル円は108円30銭〜109円10銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/13 パウエル・FRB議長 「景気に関する最新情報がわれわれの見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き適切となる可能性が高いだろう」「ただし、この見通しに対する留意すべきリスクは残る」 ややドル高に影響したが、動きは限定的。
11/12 トランプ大統領 「合意は近い。重要な第一段階の合意が近く実現する可能性がある」「合意に至らなければ、われわれは対中関税を大きく引き上げる」 リスクオンがやや後退し、ドル円、株価は小幅下落。
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「貿易政策を起因とする不確実性や世界経済の成長減速から国内経済を守るため、米金融当局は金利を引き下げたが、一旦(利下げを)休止する良い時期と考えている」 --------
11/5 カプラン・ダラス連銀総裁 「1.5−1.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジは恐らく妥当な水準だ」 --------
10/30 トランプ大統領 「パウエル議長とFOMCに国民は非常に失望している。」「われわれはドイツや日本など、他の国のどこよりも低い金利とすべきだった。米国は現在、間違いなく最も強大な国だが、FRBのせいで競争上、不利な立場に置かれている。われわれにとって問題なのは中国ではなくFRBだ。」 --------
10/24 ドラギ・ECB総裁 「成長の勢い鈍化が賃金上昇のインフレへの転化を遅らせている」と指摘し、見通しへのリスクは下方向だ」「ドイツは恐らくリセッションに陥っている」 --------
10/24 ペンス・米副大統領 (米中関係について)「両国がデカップリングするのではなく、米国は中国との関わり、および中国による世界との関わりを模索している」 ややリスクオンの流れが強まる
10/19 劉鶴・中国副首相 「中国と米国は多くの側面で大きく前進し、第一段階の合意に向け重要な基盤を築いた」、「中国は平等を相互尊重に基づいて双方の中核的な懸案事項に対処するため米国と協力して取り組む用意がある」 --------
10/15 ブラード・セントルイス連銀総裁 「今後の会合で追加の保険を検討する必要がある」 --------
10/15 ギータ・ゴピナート・IMFチーフエコノミスト 「減速の同時発生と不確かな回復に伴い、グローバルな見通しはなお不安定だ。政策ミスの余地はなく、政策担当者が貿易摩擦を地政学的緊張の緩和で協調することが急務だ」 --------
10/10 トランプ大統領 米中貿易協議について、「非常にうまく行った。われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」 ドル円107円80銭から108円台を回復。
10/8 エバンス・シカゴ連銀総裁 「さらなる保険として、25ベーシスポイント引き下げる根拠は十分ありそうだ」 --------
10/6 ジョンソン・英首相 「われわれは荷物をまとめて出て行くことになるだろう。EUが相互に受け入れ可能な合意の下でわれわれを陽気に見送るか、われわれが勝手に出て行かざるを得ないか、それだけの問題だ」(英紙テレグラフで) --------
10/4 ジョージ・カンザスシティー連銀 「一段の成長減速の兆候があれば追加利下げに賛成する用意がある」 --------
10/4 パウエル・FRB議長 「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、総じて良好な状態にあると言えるだろう」「失業率は半世紀ぶりの低水準付近にあり、インフレ率は当局の2%目標付近だがそれをやや下回った水準で推移している。われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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