[ジュネーブ 10日 ロイター] - 米国がパレスチナ自治区ガザの人権に関する国連特別報告者でイスラエルによるガザ攻撃を強く批判してきたフランチェスカ・アルバネーゼ氏に制裁を科すと発表したことを巡り、人権専門家などは10日、相次いでアルバネーゼ氏への支持を表明した。
アルバネーゼ氏は今月発表した報告書で、米企業を含む60社以上の企業がイスラエルによる入植とガザでの軍事行動を支援していると非難。ルビオ米国務長官が9日にアルバネーゼ氏への制裁を公表した。
こうした米国の政策に対して国連のターク人権高等弁務官は10日、「激しい意見対立があろうとも、国連加盟国は懲罰的措置ではなく、実質的かつ建設的に関与すべきだ」と訴え、米政府にアルバネーゼ氏への制裁を撤回するよう求めた。
グテレス国連事務総長の報道官は、アルバネーゼ氏への制裁は危険な前例を作るものであり、特別報告者はグテレス氏の直属ではなく、同氏には報告者への権限がないと説明。「特別報告者や他の国連職員、専門家に対する一方的な制裁は容認できない」と述べた。
また、国連人権理事会の議長を務めるスイスのユルク・ラウバー国連大使も制裁に遺憾の意を表明し、専門家への「いかなる威嚇や報復行為も控えるよう」各国に呼びかけた。