[パリ 16日 ロイター] - 高級ブランド「カルティエ」などを展開するスイスのリシュモンが16日発表した第4・四半期(1─3月期)決算は、総売上高が7%増の51億7000万ユーロ(58億ドル)となり、増収率は市場予想の6%を上回った。
宝飾品の売上高が前年同期比で11%増加したことが寄与。不動産危機を背景とする中国事業不振で11%の減収となった時計部門の影響を相殺した。
JPモルガンは宝飾品の売上が好調だったことについて、時計部門の低迷を補うには「十分過ぎる」と指摘した。
超富裕層を顧客とするリシュモンは、ファッション販売に依存する他の高級ブランドグループよりも景気低迷への耐性が強いと見られている。
16日午前のリシュモン株は5%上昇した。
<値上げ>
リシュモンは、米国の関税を注視しており、影響を緩和するために「あらゆる選択肢」を検討すると表明。ヨハン・ルペール会長は記者団との電話会見で「われわれは調整する」と述べた。
カルティエは3月、為替レートの変動を主な理由にすでに値上げを行っている。
同業のエルメスは、関税の全額を米国の顧客に転嫁するとしている。