イスラエル、イランガス田にも攻撃 応酬続く 米・イラン核協議中止
イスラエル、イランガス田にも攻撃 応酬続く 米・イラン核協議中止2025/06/15 08:31

Alexander Cornwell Parisa Hafezi

[テルアビブ/ドバイ 15日 ロイター] - イスラエルとイランは14日夜から15日未明にかけて互いに攻撃を行った。イスラエルが世界最大級のガス田にも標的を拡大したことから、紛争がさらに拡大する恐れが高まっている。

イスラエル軍は、14日夜にイランからさらにミサイルが発射され、迎撃対応をしていると述べた。また、首都テヘランの軍事目標を攻撃しているとも述べた。

イラン側によると、イスラエルが攻撃を始めた13日には78人が死亡し、14日はテヘランの14階建て集合住宅がミサイルで破壊され、60人が死亡した。

イランは13日夜にミサイルで報復攻撃を行い、イスラエルで少なくとも3人が死亡した。

イスラエルの救急当局によると、この日は北部の民家にミサイルが直撃し、20代の女性が死亡、13人が負傷した。イスラエルメディアは、パレスチナ人が多く住む北部タムラで3人が死亡したと伝えた。

イランは、テヘランの石油施設や近郊の精油施設が攻撃を受けたと発表した。イランのタスニム通信は15日、イラン国防省の庁舎も攻撃を受け、軽微な被害が出たと報じた。

イランの革命防衛隊は、ミサイルと無人機(ドローン)がイスラエルのエネルギーインフラと戦闘機向けの燃料施設を攻撃したと述べた。イスラエルが敵対行為を続ければ、テヘランの攻撃は「より激しく、より広範囲に及ぶ」とも警告した。

15日にオマーンで開催される予定だった米国とイランの核協議は、イランのアラグチ外相がイスラエルの攻撃を受けている間は協議できないと述べ、中止された。米当局者は交渉への関与を続ける考えを示し、イランが直ちに交渉のテーブルに着くことを期待していると述べた。

タスニム通信によると、イスラエルの攻撃でイラン南部沖合にある世界最大級のガス田、サウスパース油田の生産を一部停止したという。同油田はイランで生産されるガスの大半を供給している。

また、イラン議会の安全保障委員会委員であるエスマイル・コサリ元将軍は14日、イランはホルムズ海峡の閉鎖について検討していると述べた。