FILE PHOTO: Deutsche Bundesbank President Joachim Nagel speaks on measures to spur growth in the German economy in Berlin
ECB、政策の柔軟性維持すべき 不確実性高い=独連銀総裁2025/06/16 16:31

[フランクフルト 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連邦銀行(中銀)総裁は16日、ユーロ圏のインフレ率は目標に達しており、今後も継続的に目標を下回る可能性は低いとの見解を示した。しかし、不確実性が異例なほど高いため、ECBは将来の政策変更に向けてあらゆる選択肢を残しておくべきだと述べた。

ECBは昨年6月以降8回の利下げを実施したが、7月は金融緩和の一時停止する可能性を示唆した。市場は現在、年内にもう1回の利下げを織り込んでおり、これにより預金金利は1.75%になると見込まれている。

しかしナーゲル氏はフランクフルトでの会合で、状況が極めて急速に変化する可能性があるとし、現時点では利下げの一時停止も、さらなる利下げも約束するのは賢明ではなく、ECBは柔軟性を保つべきだと述べた。

「むしろ物価安定を脅かすリスクに常に注意を払うべきだ。これは現在の中東情勢の進展を考慮しても同様だ」と語った。

ドイツの経済成長は第2・四半期に停滞すると予想し、世界的な貿易戦争が中期的にドイツの成長率を0.75%ポイント押し下げる可能性があるとの見方を示した。