[22日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーは22日、肥満治療薬の開発を手掛ける米メッツェラを将来の支払いを含め最大73億ドルで買収すると発表した。
ファイザーは1株当たり現金47.50ドルを支払う。LSEGのデータによると、メッツェラ株の19日終値(33.32ドル)に約42.5%のプレミアムを乗せた水準。ファイザーは特定の業績マイルストーン達成で1株当たり22.50ドル追加で支払う。
世界の肥満治療薬市場は2030年代初頭には1500億ドルに達すると予測されている。製薬各社はまた、ホルモンを標的とし脂肪を減らす一方で筋肉を維持する薬など、次世代の肥満治療薬の開発にしのぎを削っている。
ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は、今回の買収で「重要な治療領域に参入する」とし、同社の専門性とグローバルなインフラを活用し、次世代肥満治療薬の開発を加速させると語った。
メッツェラは、ベンチャーキャピタルのARCHベンチャーと投資会社のポピュレーション・ヘルス・パートナーズが2022年に設立した会社で、GLP─1のメカニズムなどに基づく肥満治療薬を開発している。今年、主力薬候補「MET─097i」の中期臨床試験で平均11.3%の体重減少を示したと発表している。
ファイザーも、「ダヌグリプロン」という肥満治療薬の開発を進めていたが、肝障害の発症などを受けて今年4月に開発を中止した。メッツェラ買収で、失地回復を狙う。
寄り付き前の取引でファイザー株は2%程度上昇、メッツェラ株は約60%上昇の53.16ドル。