[パリ 19日 ロイター] - フランスの2026年予算案を巡る交渉は19日、合意に向けて前進した。社会党のボリス・バロー国民議会(下院)議員団長が仏紙パリジャンに対し、政府が各政党に譲歩した最終提案を示したことを明らかにした。
マクロン政権は議会で過半数を持たず、断片化した議会での交渉は数カ月に及んでいる。この間、国家機能を維持するために暫定予算を編成せざるを得ない事態が続いていた。
ルコルニュ首相は16日、保守派を離反させずに社会党の支持を取り付けるため、年金への税還付削減を撤回すると表明。さらに低所得者向けの月次手当を300万世帯で月額約50ユーロ引き上げる方針を示した。
学生向け学食の安価な提供の継続や、手頃な価格の住宅供給支援も盛り込まれた。これらの財源として、当初1年限定だった大企業への増税を26年まで延長し、80億ユーロを確保する。
バロー氏は19日付のパリジャン紙で「首相の発表により、内閣不信任案に投票する必要がない状況を想定できるようになった」と述べた。
ルコルニュ首相の事務所は先週末、予算案の議会採決による採択は不可能との認識を示した。首相は憲法の特別規定を行使して採決を経ずに通過させるか、行政命令で採択するかの選択を迫られている。いずれの場合も内閣不信任案が提出されることになるが、中道政権が存続できるかどうかは、キャスティングボートを握る社会党の支持にかかっている。
バロー氏は、財政赤字削減に向けて不動産富裕税の再導入や持ち株会社への課税について、依然として「確約」が必要だと述べた。ルコルニュ首相は、26年の財政赤字を対国内総生産(GDP)比で5%以下に抑える方針を改めて示している。
閣僚は19日に会合を開き、議会採決なしで予算を成立させる手法について協議する予定だ。
INGのアナリストは18日付のリポートで「解散総選挙の可能性が遠のき、当面は現政権が維持される見通しとなったことは朗報だ」と指摘。一方で「最終的な予算案は企業にとって決して好意的ではなく、増税が2026年の投資や雇用、経済成長の重石になる可能性が高い」と分析している。