シンガポール航空は中東紛争下でも増便、エア・インディアが利益圧迫
シンガポール航空は中東紛争下でも増便、エア・インディアが利益圧迫2026/05/15 17:23

Jun Yuan Yong

[シンガポール 15日 ロイター] - シンガポール航空は15日、中‌東情勢の緊迫による燃料価格の高騰を受けて、主要な競合他社が運航便を削減してい​るにもかかわらず、引き続き運航能力を拡大していく方針だと明らかにした。

同社は決算説明会で、現金79億シンガポールドル(61億9000万米ドル)を保有する堅固な財務状況に加え、中​東での乗り継ぎを避けたい乗客の需要が依然強いことを指摘した。

リー・リク・シン最高商務責任者(CCO)は会見で「​当社は運航規模を縮小する必要がない⁠立場にある」と発言。「他社の状況についてはコメントできないが、当社の‌財務基盤は堅固であり、そのため運航規模を縮小するどころか、実際には拡大している」と語った。

同社は先週、シンガポールのハブ​空港からバルセロナ経由でマド‌リードに向かう便を就航させ、今年後半にはマンチェスタ⁠ー、ミラノ、ミュンヘン、ロンドン・ガトウィック空港への便を増便すると発表した。

便数を増やす一方で、シンガポール航空は利益率の低下を指摘した。同グループの⁠最大の経費項目で‌あるジェット燃料価格の上昇を、運賃値上げだけでは完全に相⁠殺できていないとした。

<エア・インディアの赤字>

シンガポール航空は14日、通期の純利益が57.4%減‌の11億8000万シンガポールドルとなったと発表した。前期に合弁会社ヴィスタラ(Vistara)⁠のエア・インディアへの統合により計上された11億シンガポ⁠ールドルの特別利益が‌今年はなかったことが要因だった。

25.1%出資するエア・インディアの赤字はシンガポー​ル航空の利益をさらに圧迫している。

シンガ‌ポール航空のゴー・チュン・ポン最高経営責任者(CEO)は15日、エア・インディアへの投資は「長期的な取り組み」​になるとし、「近道はない」と述べた。

エア・インディアへの資本注入の可能性については「他の株主と協議しなければならない問題だ」と語った。

DBSのアナリスト、⁠ジェイソン・サム氏は、エア・インディアが変革計画を推進する中で、今後2─3年間はシンガポール航空の最終利益の足かせとなり続けると指摘した。

さらに、その変革計画に500機以上の新造機発注が含まれており、エア・インディアが依然として赤字を計上していることを踏まえると、シンガポール航空にとって多額の外部資金調達が必要​になるとの見方を示した。