今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「トランプ大統領、戦争終結の理由を模索」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は反落。米国とイランとの戦争終結の可能性が浮上したことで、これまでの取引の巻き戻しがドル売り円買いにつながる。ドル円は159円台を割り込み、158円56銭まで下落。
  • ユーロドルも反発。ドルが売られたことで1.1563まで上昇。
  • 株式市場では中東情勢の緊張緩和観測から主要3指数が大きく上昇。ダウは1100ドルを超える上昇を見せ、金利低下も株価上昇に寄与。
  • 債券は続伸。長期金利は4.31%台に低下。
  • 金は3日続伸。一時は107ドル台まで買われた原油は反落。
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1月S&P Cotality CS20−City YoY NSA → 1.18%
1月FHFA住宅価格指数 → 0.1%
3月シカゴ購買部協会景気指数 → 52.8
3月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 91.8
2月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 6882千件
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ドル/円 158.56 〜 159.55
ユーロ/ドル 1.1487 〜 1.1563
ユーロ/円 183.07 〜 183.65
NYダウ +1125.37 → 46,341.51ドル
GOLD +121.10 → 4,678.60ドル
WTI −1.50 → 101.38ドル
米10年国債 −0.032 → 4.317%

本日の注目イベント

  • 豪 豪2月住宅建設許可件数
  • 日 1−3月期日銀短観・大企業製造業業況判断
  • 日 1−3月期日銀短観・大企業非製造業業況判断
  • 中 3月RatingDog製造業PMI
  • 独 独3月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏3月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏2月失業率
  • 英 英3月製造業PMI(改定値)
  • 米 3月ADP雇用者数
  • 米 2月小売売上高
  • 米 3月ISM製造業景況指数
  • 米 3月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
  • 米 3月自動車販売台数
  • 米 ムサレム・セントルイス連銀総裁講演

本日のコメント

トランプ大統領がイランからの早期撤退を示唆したことで、全ての市場ではこれまでの巻き戻しの動きが加速しました。一時は107ドル台まで買われたWTI原油価格は101ドル台まで下落し、株価は主要3指数が大幅高。債券も買われ金利が低下したことでドル円は159円を割り込み、1週間ぶりに158円56銭近辺まで売られました。

トランプ氏は、「われわれが撤退すれば海峡は自動的に開く。われわれがイランにあまり長くとどまる必要はない」と述べながらも、NATO加盟国やその他の同盟国に対して怒りを表していました。トランプ氏はSNSへの投稿で、ホルムズ海峡の実質的な閉鎖によりエネルギー供給を確保できない国々に対し、「自ら取りに行け!」と述べ、さらに「自国のために戦う方法を学び始めなければならない。あなたたちがわれわれを助けなかったのと同様に、米国はもはや助けに入らない」とし、原油・ガス価格の急騰や世界経済への深刻な懸念を招いている今回の戦争から、米国が距離を置こうとしている姿勢を示しました。ブルームバーグによると、トランプ氏は停戦に向けた姿勢を一段と強める一方で、イランとの外交的な協議の進展を主張したり、攻撃拡大を示唆したりと発言が揺れているのが実情だと報じ、「非公開協議を理由に匿名で語った別の関係者によると、トランプ氏は現状が持続不可能であることを認識しているという。最近では、大統領側が、海上輸送される原油の約2割が通過するホルムズ海峡の再開が、戦争終結の必須条件ではない可能性を示唆している」と伝えています。トランプ氏は、ニューヨーク・ポスト紙に対し「自動的に開放すると思う。ただ私としてはその国(イラン)を壊滅させた。彼らにはもはや力が残っていない。海峡を利用している国々が自ら行って開放すればいい」と述べています。

一方、イランのペゼシュキアン大統領も「30日に行われたEUのコスタ大統領との電話会談で、戦争終結に必要な意思はあると述べた」、とイラン国営通信が伝えています。ただ、「侵略の再発防止に不可欠な保証」など、一定の条件が満たされるよう求めているということで、これらの発言がイラン側の立場の変化を意味するのかどうかは、現時点では明らかになっていません。また、イランはイスラエルやペルシャ湾周辺国への攻撃を続けており、UAEやサウジアラビアも標的となっています。昨日はドバイ沖ではクウェートの大型タンカーが攻撃を受け、これが原油価格を高騰させました。昨日の朝、東京市場が始まると102ドル台だった原油価格が一気に107ドル近辺まで上昇しました。イランがドバイ港周辺で、満載の状態で停泊中のクウェートの超大型原油タンカー「AL−SALMI」を攻撃したと、国営クウェート石油公社が声明を発表したことが原因でした。

頭に浮かんだことを常に言葉で発信するトランプ氏です。このまますんなり戦争から撤退するかどうかはわかりません。中東へは艦隊も集結させ、地上戦への準備も進めている状況の中、「一抜けた」とはいかないのではないでしょうか。一方のイランも戦争終結には、「戦争が繰り返されないことを保証する具体的な条件提示を要請」、「補償および戦争賠償が保証されなければならない」、「ホルムズ海峡に対する主権の行使は、現在も将来もイランの当然かつ合法的な権利である」などの条件を提示しており、果たして米国側、というよりもトランプ大統領がこれらの条件を飲むのかという点では不透明です。金融市場が想定外の反応を見せたことや、原油価格の上昇が、自身が主張する金利引き下げに逆行するなど、トランプ氏は「想定外の動き」にあせっているのではないかと思われます。国内でも、先週の日曜日には戦争反対の大規模なデモが全米各地で起き、11月の中間選挙にも暗い影を落としています。そもそも、イランの執拗な抵抗が想定外だったのではないでしょうか。

本日のドル円は158円〜159円50銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/30 パウエル・FRB議長 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 債券と株が買われ、金利は低下。
3/27 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 --------
3/27 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 --------
3/23 デーリー・SFシスコ連銀総裁 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 --------
3/23 グールズビー・シカゴ銀総裁 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 --------
3/18 パウエル・FRB議長 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。
3/18 FOMC声明文 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 --------
3/15 ライト・エネルギー長官 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 --------
3/15 ハセット・NEC委員長 この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 --------
3/15 アラグチ・イラン外相 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 --------
3/14 トランプ大統領裁 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 --------
3/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 --------
3/3 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 --------
3/3 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 --------
3/2 氷見野・日銀副総裁 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 --------
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「予測されているようなインフレの進展が確認できている限り、年内に金利をあと数回引き下げることが可能との自信をある程度持っている。インフレがわれわれの望む水準に戻りつつあるという証拠が実際に得られる前に、利下げをあまり前倒しで進めたくない」 --------
2/26 高田・日銀審議委員 「既に賃金と物価が上がらないというノルムは解けており、物価安定の目標実現がおおむね達成した局面」、「日本経済は真の夜明けが視野に入った」とし、「金融政策は幅広いデータや情報から緩和度合いを丁寧に確認しながら、「段階的にギアシフトを行っていく途上にある」、(先行きは海外を中心に物価上昇要因が生じた場合)、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」 ドル円156円台前半から155円70銭まで下落。
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 --------
2/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 --------
2/17 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 --------
2/11 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 --------
2/10 ローガン・ダラス連銀総裁 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 --------
2/10 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 --------
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和