「ドル円ついに161円81銭まで上昇」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は大きく続伸。FRBによる利上げの可能性が高まったことや、160円台後半でも当局からの動きがないことで、介入警戒感が高まりながらもドル買い円売りが進む。161円81銭までドルが買われる。
- ユーロドルでもドル高ユーロ安が進み、ユーロは1.1451まで下落。
- 株式市場では3指数が揃って反発。インテルが相場を牽引する形で、ナスダックは496ポイント高。
- 債券は買われ、長期金利は4.45%台に低下。
- 金はドル高が進んだことで反落。原油は小幅に下落。
6月フィラデルフィア連銀景況指数 → 10.3
5月景気先行指標総合指数 → 0.1%
新規失業保険申請件数 → 22.6万件
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| ドル/円 | 160.81 〜 161.81 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1451 〜 1.1487 |
| ユーロ/円 | 184.30 〜 185.37 |
| NYダウ | +72.15 → 51,564.70 |
| GOLD | −135.50 → 4,245.90ドル |
| WTI | −0.19 → 76.60ドル |
| 米10年国債 | −0.034 → 4.453% |
本日の注目イベント
- 日 5月全国消費者物価指数
- 日 日銀金融政策決定会合議事録(4月27日−28日分)
- 独 独5月生産者物価指数
- 英 英5月小売売上高
- 米 株式・債券市場休場(奴隷解放記念日)
- 加 カナダ4月小売売上高
本日のコメント
「161円81銭」・・・・。ドル円は昨日のNY市場で、今年4月末の介入時の最高値であった160円73銭だけではなく、2024年7月の介入時の161円95銭に迫る水準まで円売りが進みました。昨日の動きは、これまでの動きとやや異なり、あたかも当局の介入を誘い出すような円売りの動きでした。東京時間ではさすがにドルの上値が重い展開でも、NYでは一段とドルが買われる流れが続いていましたが、それでもそのスピードは極めて緩慢でした。昨日のNYでは161円台に乗せると、これまでとは異なり、かなりの早さで上昇しています。恐らく「ドルショート」の「ストップロス」注文がその近辺にあったものと考えます。
そもそも昨日の時点で、4月の介入時の高値を抜けていましたが、当局からは介入どころか、けん制発言もありませんでした。昨日、懇意にしているある通信社の記者は、「今日、三村財務官からはけん制発言は出ないよ」と、耳打ちされましたが、今朝その真意を尋ねたところ、「口先介入をして、下がったところでドルを安く買う投資家がいるから、発言しない」といった趣旨の話をしていたそうです。思い起こせば、4月に介入を行う前に片山財務相は「かねてより断固たる措置に言及をしてきたところだが、いよいよかねてから申し上げてきた断固たる措置を取るタイミングが近づいている」と述べ、三村財務官も為替市場を強くけん制し、「非常に投機的な動きが高まっている」と述べた上で「私としても、いよいよ断固たる措置を取る時が近づいていると思っている」と発言しました。その上で、投機筋を念頭に「これを最後の退避勧告として申し上げる」と、実弾介入を匂わせる発言をしていました。そして・・・・。ご存知のように、その直ぐ後でGW中も含め3回の介入を実施し、都合11兆7000億円もの「円買い・ドル売り」を行いました。筆者が考えるに、円のジリ安がこれほど進んでいる中で、何も行動しないということは「われわれは、投機筋に対して、最早それほど優しくする必要はない」と考え直したのではないかと思っています。言い変えれば、前ぶれもなく突然介入を行い、投機筋を「ぎゃふん」と言わせることを意図した介入のことです。今夜のNYは解放記念日で休み。ドル円が2024年7月の水準に近い。しかも今日は金曜日である・・・・・。「このことを考えあわせると、そろそろ行動を起こす」と考えても不自然ではありません。筆者は、4月の介入後のレポートでも「経験では、介入で流れが変わった記憶はない」と書きましたが、それはやはり事実です。それでも、上記161円95銭を上抜けると、テクニカル的にも上方は「青天上」です。ここは、今日を含め来週早々にも介入があってもおかしくはなく、気象庁の予報官のようになりますが、「最大級の警戒態勢」が必要かと思います。
米国とイランの暫定和平合意が発効し、米国が海上封鎖の終了を宣言したことを受けて、ホルムズ海峡では船舶の航行が再開し始めたようです。バンス副大統領は18日、ホワイトハウスで、17日遅くに署名された覚書を巡り、争点となっている詳細事項を詰めるための60日間の協議期間が始まったと述べました。そのうえで、イランが将来的にホルムズ海峡の通航料を徴収するとの懸念については、それほど大きくないとの認識を示しました。バンス氏は「まず第一に、国際的な海上航路に通航料が課されるべきではないと考えている」と指摘し、地域の国々が「将来的にホルムズ海峡の安全確保に向けた適切な枠組みを整備していくだろう」と語り、「ホルムズ海峡が開放されなければ、最終合意は成立しない」と釘を刺しました。トランプ大統領も18日、「原油は流れている」とSNSに投稿。また米中央軍もこの日、イランの港湾および沿岸海域に対する海上封鎖を全て解除したと発表しました。ブルームバーグによると、原油計約1000万バレルを積載した船舶が、すでに海峡の外へ出るか、海峡を航行中であることが確認されています。サウジアラビア所有の超大型原油タンカーも、戦争開始以来初めてホルムズ海峡を通過したとのことです。
今後60日間をかけて恒久的な停戦に向けての協議が行われますが、そこで障害の一つになりそうなのがイスラエルです。トランプ大統領が17日に署名した覚書は、イスラエル国内で広く批判されています。イスラエル国民の多くやネタニヤフ政権の一部閣僚は、この合意がイランに過度な経済的譲歩を与える一方、同国の弾道ミサイル計画の抑制には何ら寄与しないと考えている模様です。また、レバノンでの恒久停戦を宣言する条項にも反対しています。「批判派の一人が極右のベングビール国家治安相だ。同氏はXへの投稿で、『トランプ氏の合意はわれわれを拘束しない』と述べ、イスラエルと米国との間で緊張が高まっていることを浮き彫りにした。さらに、『イスラエルは米国に従属しておらず、われわれは独立した主権国家だ』と主張した」(ブルームバーグ)とのことです。これに対してバンス氏は、「ネタニヤフ首相の閣僚の中には、この合意を攻撃し、ある意味では米大統領個人に対する攻撃にまで踏み込んでいる者がいる」と述べ、いらだちを見せています。さらに、バンス氏は「イスラエルを守ってきた防衛兵器の3分の2は米国人の手で製造され、米国の税金で賄われている」と述べ、その上で、「イスラエルにとっての問題はトランプ氏ではない。イスラエル国内で最大の問題が米大統領だと考えている人は、現実を直視する必要がある」と語っていました。
本日のドル円は、通常の動きであれば160円〜162円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/17 | ウォーシュ・FRB議長 | FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 | -------- |
| 6/17 | FOMC声明文 | 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 | -------- |
| 6/17 | 内田・日銀副総裁 | 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 | -------- |
| 6/11 | ラガルド:ECB総裁 | 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 | -------- |
| 6/9 | 片山・財務大臣 | 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 | -------- |
| 6/4 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 | -------- |
| 6/4 | デーリー・SF連銀総裁 | 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 | -------- |
| 6/3 | 植田・日銀総裁 | 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 | ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。 |
| 6/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 | -------- |
| 6/3 | ローガン・ダラス連銀総裁 | (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 | -------- |
| 6/2 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 | -------- |
| 5/28 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 | -------- |
| 5/28 | ムサレム・セントルイス連銀総裁 | 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 | -------- |
| 5/21 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 | -------- |
| 5/21 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 | -------- |
| 5/21 | 小枝・日銀審議委員 | (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 | -------- |
| 5/20 | トランプ・米大統領 | 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 | 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。 |
| 5/19 | 片山・財務大臣 | 「断固たる措置を取るときは取る」 | ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。 |
| 5/19 | トランプ・米大統領 | 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 | -------- |
| 5/14 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 | -------- |
| 5/12 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 | -------- |
| 5/7 | デーリー・SF連銀総裁 | 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 | -------- |
| 5/7 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 | -------- |
| 5/7 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



