今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米軍、連日でイランを攻撃」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 東京では上値を重くしていたドル円だったが、NYでは好調な米経済指標を材料に162円54銭まで上昇。介入警戒感がありながらも、ドルは底堅く推移。
  • ユーロドルは1.14台半ばを中心にもみ合う。
  • 株式市場では半導体株が大きく売られ、3指数は揃って下落。特にナスダックは387ポイント下げ、下落幅が拡大。
  • 債券は小幅に下落。長期金利は4.55%台で推移。
  • 金は続落し、原油も反落。
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新規失業保険申請件数 → 20.8万件
7月フィラデルフィア連銀景況指数 → 41.4
6月小売売上高 → 0.2%
7月NAHB住宅市場指数 → 34
6月中古住宅販売成約指数 → −5.4%
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ドル/円 162.15 〜 162.54
ユーロ/ドル 1.1431 〜 1.1470
ユーロ/円 185.68 〜 185.97
NYダウ −105.67 → 52,552.97ドル
GOLD −59.70 → 3,992.10ドル
WTI −0.65 → 78.95ドル
米10年国債 +0.006 → 4.553%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏5月経常収支
  • 米 6月輸入物価指数
  • 米 6月輸出物価指数
  • 米 6月住宅着工件数
  • 米 6月建設許可件数
  • 米 6月鉱工業生産
  • 米 6月設備稼働率
  • 米 7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

本日のコメント

米軍は16日、イランに対する追加攻撃を実施しました。米中部軍によると、攻撃は米東部時間午後2時(日本時間17日午前3時)に開始された模様です。声明では「イラン軍の能力をさらに低下させることが目的だ」としています。米軍はこれに先立ち、イランの石油積み出し拠点であるカーグ島近くで、港湾封鎖を再開して以降初めて、石油タンカーを攻撃しています。「ペルシャ湾の奥深くでの今回のタンカー攻撃は、米国がイランの軍事施設への空爆を継続するのと並行して、海軍作戦の対象範囲を拡大していることを示している」(ブルームバーグ)との見方もあるように、トランプ政権は執拗に抵抗するイランに業を煮やし、攻撃の対象を拡大しているようです。これに対しイランは、米軍の攻撃への報復として、クウェートとヨルダンの米軍基地を攻撃しました。クウェート軍は、防空システムが飛来物を迎撃したことで爆発が発生したと明らかにしました。トランプ大統領は前日、発電所や橋を攻撃する可能性をちらつかせてホルムズ海峡を再開するよう威嚇していましたが、イランは譲歩する姿勢を全く見せず、双方による攻撃の応酬が続いています。

一方、イランの交渉団を主導するガリバフ国会議長は、戦争終結を目指す外交努力を継続する姿勢を示し、暫定和平合意の破棄や最高指導者殺害への報復を求める強硬派をけん制するなど、やや微妙な立場に立たされているようです。ガリバフ氏は15日遅く、国営テレビのインタビューで、「交渉は妥協と同義ではない」と述べ、「軍事力と並ぶ抵抗の戦略であり、国益を守るための戦略の一部だ」と述べ、さらに、「軍事的アプローチと外交的アプローチの相乗効果を生み出さなければならない」とした上で、「この2つの手段のどちらか一方だけを唯一の解決策とみなすのは戦略的な誤りだ」と付け加えました。ブルームバーグは、「こうした発言は、6月の暫定合意に応じたガリバフ氏やアラグチ外相ら穏健派を『裏切り者』と非難するイラン当局者らを念頭に置いたものとみられる。当局者らは、戦況で優勢なのはイランであり、6月の暫定合意は米国が戦争再開に向けた時間を稼ぐための罠だと受け止めている」と報じました。今回、イラン国内でもイラン革命防衛隊などの強硬派とガリバフ氏などの穏健派との間で、意見の相違があることが明らかになってきました。ガリバフ氏は特定の人物の名前は挙げず、「国民やさまざまな集団の間で投げかけられている疑問」に言及し、国民に団結を呼びかけています。イラン情勢が再び混迷さを増したことで、ホルムズ海峡を通航する商船は目に見えて落ち込んでいるようです。ただ、原油価格の動きには、以前ほどの高騰は観られていません。

今週発表された2つのインフレ指標で、いずれも予想を下回る結果が示されたことで、金利オプション市場では年内利上げを見込んで積み上げていたポジションが急速に手仕舞われています。さらに、NY連銀のウィリアムズ総裁が講演で、「米国のインフレはピークを過ぎた」と発言し、ウォーシュFRB議長も、インフレが加速する可能性を否定したことなどが、この動きに拍車をかけているようです。一方で、米長期金利はそれほど低下していません。要は、単月の動きだけでは判断できないということで、市場は「常にオーバーシュートするもの」と考えるべきです。現時点で筆者は、依然として「FRBによる利上げは年内最低でも1回はある」と予想しています。そんな中、ダラス連銀のローガン総裁は16日、インフレ率がFRBの目標である2%へ持続的に戻るとは考えにくいとして、利上げを支持する姿勢を示しました。ローガン氏はテキサス州ヒューストンでの講演で、「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」と述べていました。そのうえで「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」と語っていました。FOMC会合では、それまでのほとんどの会合では「全会一致」で政策金利の方向性が決められていましたが、今や、意見が分かれるのが常態化しています。先月公表されたFRB当局者の経済見通しでも、18人のうち9人が年内に少なくとも0.25ポイントの利上げを見込んでいました。ローガン氏も最後に、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」と述べていました。同氏は今年のFOMC会合では、投票権を持っています。

ドル円は、依然として高値圏で推移しています。4月のGW以来、これまで介入は観られていません。162円台後半まで2回ドル高が進んでも介入がなかったことを考えると、介入水準は163〜165円レベルかと思われますが、2ヵ月以上も介入がなかったことで、「市場の警戒感がやや薄れています」。このような時こそ、注意が必要です。

本日のドル円は161円50銭〜163円程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/16 ローガン・ダラス連銀総裁 「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」、「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」 --------
7/14 ウォーシュ・FRB議長 「FOMC参加者は、高止まりするインフレを長期にわたって容認することはない。われわれは物価安定の回復に向け、揺るぎない決意を共有している」、「われわれが適切な政策運営を実現すれば、そして実現する所存だが、過去5年間の高インフレは過去のものとなる」米6月のCPI発表を受けて)、「朝発表された統計を見て『任務は完了した』と考える人もいるかもしれないが、それは私の見解ではない」、(トランプ氏から公に批判された場合でも経済指標に基づいて政策判断を行うのかと問われ)「そうする」 --------
7/13 ウォラー・FRB理事 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。
7/9 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 --------
7/1 ウォーシュ・FRB議長 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 --------
6/17 ウォーシュ・FRB議長 FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 --------
6/17 FOMC声明文 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 --------
6/17 内田・日銀副総裁 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 --------
6/11 ラガルド:ECB総裁 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 --------
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和