今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「WTI原油価格87ドル台に低下」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は引き続き159円台で推移。原油価格が下がり、米金利が低下する中でも、159円10銭がドルの最安値となる展開だった。
  • ユーロドルではユーロが買われ1.1686まで上昇。
  • 株市場では3指数が揃って続伸し、最高値を更新。ナスダックとS&P500は7連騰。
  • 債券も買われ、長期金利は4.43%台に低下。
  • 金は続伸。原油は続落し87ドル台に。
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5月シカゴ購買部協会景気指数 → 62.7
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ドル/円 159.10 〜 159.36
ユーロ/ドル 1.1641 〜 1.1686
ユーロ/円 185.46 〜 185.98
NYダウ +363.49 → 51,032.46
GOLD +60.64 → 4,593.00ドル
WTI −1.54 → 87.36ドル
米10年国債 −0.012 → 4.435%

本日の注目イベント

  • 中 5月RatingDog製造業PMI
  • 独 独5月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏4月失業率
  • 欧 ユーロ圏5月製造業PMI(改定値)
  • 英 英5月製造業PMI(改定値)
  • 米 5月ISM製造業景況指数
  • 米 5月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)

本日のコメント

引き続きドル円は159円台で推移し、原油価格が下げ、米金利の低下にも円が買われる動きは見られません。以前から指摘してきたように、当局の介入だけが「円買い材料」であって、介入や円安けん制発言がなかったら自然とドル高が進む状況です。当局からはその介入も、けん制発言さえ、ドル高がジリジリと進んだ先週も一向に見られませんでした。イラン戦争が終結し、ホルムズ海峡が開放されれば、「円が買い戻される」といった状況を期待して「時間稼ぎ」を行っていると思われる当局の「もくろみ」も、ひょっとしたら期待外れに終わる可能性もありそうです。ドルと円を取り巻く環境は、それほどドルに有利だと言えそうです。財務省は先週末、4月28日〜5月27日に政府・日銀が実施した為替介入の総額が「11兆7349億円」だったことを発表しました。これは円安局面での介入額としては、過去最大規模となります。介入はドル円が160円台まで上昇した際に実施され、この日は155円台までドルが急落しましたが、その後もドル買いは続き、日本がGW中にも3回ほど実施されたと観られていましたが、これも実際に介入が行われたことになります。それでも、足元のドル円は159円台半ばで推移しており、介入実施時の水準から1円程度しか「効果」がなかったということになります。この事実をどのように捉えるのかは市場参加者の自由ですが、筆者はこれまで通り、「介入で市場のトレンドを変えることはできない」と考えています。

米国とイランが60日間の停戦延長と、イランの核開発計画を巡ってさらなる協議を開始することで暫定合意に達するとの期待が高まっている中、ニュースサイトのアクシオスは、「トランプ米大統領はまだ条件に同意しておらず、合意について検討するため『2、3日』の時間を求めた」と報じ、イランのペゼシュキアン大統領はXへの投稿で、「マレーシアおよびパキスタンの首相との電話会談で外交に対するイランのコミットメントを強調した」と述べ、さらにイランの対米交渉責任者であるガリバフ国会議長は「われわれは保証や言葉を信用していない。唯一の基準は行動だ。相手側が行動を起こす前に、われわれが行動を取ることはない」とXに投稿し、そして「いかなる合意であっても、その勝者は翌日に向けてより万全の戦争準備を整えている側だ」とも語ったとされています。トランプ大統領は29日午前、シチュエーションルーム(作戦司令室)での会議に先立ち、イランとの停戦延長を盛り込んだ暫定合意について「最終判断を行う」と投稿しましたが、2時間続いた会議は、トランプ氏による発表がないまま終了しています。米アクシオスは30日、「トランプ大統領が29日の会議で、覚書の草案について複数の修正を要求した。高濃縮ウランの米国への引き渡し方法や時期に関し、より具体的な詳細を盛り込むよう求めた」とし、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、「トランプ大統領がイランとの戦争終結に向けた合意枠組みの条件を厳しくし、それらの変更案をイランに送り返し検討を求めた」と報じました。現時点では、どのような変更かは明らかになっていません。ブルームバーグは、「これはイランが核開発計画を放棄し、濃縮ウランの備蓄を手放し、ホルムズ海峡を開放するという大統領の要求を指している」と報じていました。

一方で、イスラエルは引き続きレバノンへの攻撃の手を緩めていません。イスラエルはレバノン南部での地上作戦を拡大し、約25年ぶりの大規模な越境攻勢に踏み切っています。イスラエル軍によると、親イラン武装組織のヒズボラが週末にかけて、レバノン国内のイスラエル軍やイスラエル北部に300発超の「飛翔体」を発射したことを受け、数日前に始めた地上作戦を強化し、リタニ川を越えて南部の主要シーア派都市ナバティエ近郊まで進軍したと発表しました。ネタニヤフ首相もボーフォート高地を制圧したとして、ヒズボラ支配地域への侵攻拡大を指示したと表明し、カッツ国防相は、「国防軍がナバティエ近郊の歴史的建造物であるボーフォート城に、イスラエルの国旗を掲げた。今回の作戦拡大は同地域における『恒久的な駐留』を意味する」と語っています。覚書の草案についてトランプ氏は複数の修正を要求したと伝えられていますが、合意案には、イスラエルによるレバノンへの攻撃停止も含むのかどうか、定かではありません。

本日のドル円は158円50銭〜160円程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/28 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 --------
5/28 ムサレム・セントルイス連銀総裁 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 --------
5/21 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 --------
5/21 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 --------
5/21 小枝・日銀審議委員 (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 --------
5/20 トランプ・米大統領 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。
5/19 片山・財務大臣 「断固たる措置を取るときは取る」 ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。
5/19 トランプ・米大統領 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 --------
5/14 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 --------
5/12 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 --------
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
4/23 片山・財務大臣 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 --------
4/6 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和