今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米、イラン攻撃」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は156円を挟みもみ合い。米国とイスラエルによるイラン攻撃が伝わったものの大きな動きにはならず。
  • ユーロドルも前日と水準は変わらず、1.18を挟む展開。
  • 株式市場では、イランへの攻撃が材料となり3指数は下落。ダウは521ドル安と、大幅下落。
  • 安全資産の債券は買われ、長期金利は3.93%台まで低下。
  • 金はリスク回避の流れから反発。原油も上昇。
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1月生産者物価指数     → 0.5%
2月シカゴ購買部協会景気指数→ 57.7
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ドル/円 155.89 〜 156.23
ユーロ/ドル 1.1791 〜 1.1827
ユーロ/円 183.71 〜 184.55
NYダウ −521.28 → 48,977.92ドル
GOLD +53.70 → 5,247.90ドル
WTI +0.81 → 67.02ドル
米10年国債 −0.073 → 3.937%

本日の注目イベント

  • 日 氷見野日銀副総裁、和歌山県金融経済懇談会で講演
  • 中 2月RatingDog製造業PMI
  • 独 独2月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏2月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ラガルド・ECB総裁講演
  • 英 英2月製造業PMI(改定値)
  • 英 英1月消費者信用残高
  • 米 2月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
  • 米 2月ISM製造業景況指数

本日のコメント

想定はしていたものの、アメリカとイスラエルによる28日朝方のイラン攻撃はサプライズでした。しかも、翌日にはイランの最高指導者ハメネイ師の死亡も確認されています。週明けのオセアニア市場早朝では、ドル売りで始まりましたが、日本時間7時ごろには一転してドルが買われています。

トランプ大統領は「イランは核の野心を放棄するあらゆる機会を拒絶した。容認できない」とSNSに投稿し、攻撃は必要な限り続くとしています。トランプ氏は28日早朝、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に8分間の動画を投稿し、米軍による最新のイラン攻撃について、その正当性を説明しました。トランプ氏は、「目的はイラン政権からの差し迫った脅威を排除し、米国民を守ることだ。イラン政府は悪意に満ちた集団であり、彼らは極めて強硬で、危険な人々だ」と動画で述べていました。トランプ氏は「USA」の刺しゅうが入った白い帽子をかぶっており、背後には星条旗が置かれており、場所はフロリダ州の私邸マールアラーゴのようです。さらにトランプ氏はイラン国民に向けて、「政府はあなた方のものだ」と蜂起を呼びかけ、「何世代に一度しか来ない機会かもしれない」と訴えています。また、ハメネイ師の死亡についても、「歴史上最も邪悪な人物の一人であるハメネイ師が死亡した。イラン国民だけではなく、世界中の多くの国々の人、偉大なる米国民に対する正義だ」と主張していました。

一方で、「脅威が差し迫っていると判断した根拠についての説明はなく、米本土を攻撃できるミサイル開発を進めていると、過去の主張を繰り返したが、情報機関の評価とは整合しない」(ブルームバーグ)など、メディア各社の評価は決して高くはありません。トランプ氏は、「世界最強の軍事力を誇示したにすぎない」とか、「トランプ氏の暴走を止める人は、最早いない」といった、厳しい見方もあります。トランプ氏は28日に国民に向けてあらためて演説を行うとみられていましたが、ホワイトハウス当局者はそれを否定していました。今後の展開はイラン側の出方次第でしょう。ハメネイ師以外にも、側近の最高指導者顧問や、革命防衛隊の司令官なども死亡しており、イラン側の報復行動や指揮系統も限られるとの見方がある一方、イラン側もバーレーンやカタールなどの中東諸国に攻撃を加えており、徹底抗戦する構えも見せています。それに対してもトランプ氏は、「全面的な免責を得るために」降伏するよう求め、「さもなければ確実な死に直面する」と語っています。米軍は1日、イランによる反撃で米兵3人が死亡し、5人が重傷を負ったと発表しています。トランプ氏はこれらの死を「正義の任務の一環」と表現し、死傷者について「これが終わるまでに恐らくさらに出るだろう。それが現実だ」とコメントし、「米国は彼らの死に対し報復し、文明そのものに戦争を仕掛けてきたテロリストに対し、最も苛烈な打撃を与える」と述べています。

ただ、それでもトランプ氏は、アトランティック誌に、「彼らは協議を望んでいる。私は応じることに同意したので、話し合うことになる」と語っています。市場は、今回の米国の攻撃は短期間で終わると想定しているようで、株価は下げていましたが、ドルは買われています。もっとも、ドル円については、ホルムズ海峡が事実上封鎖されていることから、「石油に弱い日本」ということを考えれば、円売り材料の一つになりそうです。海運の業界団体である日本船主協会は1日、長沢会長(日本郵船会長)をトップとする海上安全等対策本部を設置したと発表しました。長沢氏はあわせて書面でコメントを出し、日本は原油の9割以上を中東からの輸入に依存していることから、今回の攻撃により、船舶の航行安全が脅かされ、エネルギー資源の安定輸送に重大な支障が生じる懸念があるとの認識を示した。その上で、安定輸送に「最善の努力を尽くしていく」としていました。WTI原油価格先物は、今朝8時の時点ですでに5ドル以上(約7.5%)も上昇しています。為替と同様に将来の物価高要因にはなりますが、すぐに影響は出ません。日本の石油備蓄は、国と民間を合わせて2025年末時点で合計約254日分あります。

今朝のドル円はすでに157円手前まで円が売られています。株価の方はかなりの下落は避けられないと思いますが、東京市場の動きに加え、今日の欧州の反応を見極める必要があります。

本日のドル円は155円〜157円50銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「予測されているようなインフレの進展が確認できている限り、年内に金利をあと数回引き下げることが可能との自信をある程度持っている。インフレがわれわれの望む水準に戻りつつあるという証拠が実際に得られる前に、利下げをあまり前倒しで進めたくない」 --------
2/26 高田・日銀審議委員 「既に賃金と物価が上がらないというノルムは解けており、物価安定の目標実現がおおむね達成した局面」、「日本経済は真の夜明けが視野に入った」とし、「金融政策は幅広いデータや情報から緩和度合いを丁寧に確認しながら、「段階的にギアシフトを行っていく途上にある」、(先行きは海外を中心に物価上昇要因が生じた場合)、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」 ドル円156円台前半から155円70銭まで下落。
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 --------
2/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 --------
2/17 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 --------
2/11 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 --------
2/10 ローガン・ダラス連銀総裁 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 --------
2/10 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 --------
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
1/28 ベッセント・財務長官 (ドル・円相場への米国の介入について質問され)、「絶対にしていない」、(その可能性について)、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」、「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」、「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」、「米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだ」 ドル円は152円台後半から1円ほど上昇。
1/28 パウエル・FRB議長 「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」、(労働市場については)「安定化の兆しが見られる」、「過度に踏み込むべきではない」、「冷え込みが続いている兆候もある」、(今後の利下げについて)、「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」、「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」、(中央銀行の独立性について)、「独立性の要は政策当局者を守ることではない」、「国民にとって有効に機能してきた制度的な枠組みに過ぎない」、」(任期が終了した後も理事としてFRBにとどまるかどうかの質問に)、「決めていない」 --------
1/20 カーニー・カナダ首相 「世界の中堅国は、攻撃的な超大国の強制に抵抗するために協力しなければならない」、「最近の出来事はルールに基づく国際秩序が事実上死滅したことを示しており、カナダやその他の国々は、世界の大国による圧力戦術や威嚇に対抗するため、新たな同盟関係を構築するしか選択肢がない」、「中堅国は協力しなければならない。交渉の席につかなければ、餌食になるからだ」 --------
1/15 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「われわれが直面している最も重要な課題は、インフレ率を2%に戻すことだ」、「労働市場に関するこれまでの懸念はいったん後退した。不透明感から企業は採用を鈍らせているものの、大規模なレイオフには踏み切っていない」、「シカゴ連銀の指標は、労働市場が安定していることを強く示している。依然として強さがあり、かなり堅調だ」、「インフレを2%に戻す軌道に乗せるべく、5年間にわたって取り組んできた。一定の進展はあったが、目標の達成が必要だ。それが実現すれば、金利は引き下げられると思う」 --------
1/14 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「この国の長期的なインフレ率にとって、FRBの独立性はこれ以上ないほど重要だ」、(トランプ政権によるパウエル議長への圧力について問われ)「中銀の独立性がないところでは、インフレは勢いよくぶり返す」、「われわれは過去5年間、インフレ率を引き下げるために闘ってきており、それは容易なことではなかった。FRBの独立性が攻撃されれば、その問題はさらに悪化する」 --------
1/14 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「トランプ大統領が過去1年間にFRBに圧力をかけてきたのは、金利が原因だ」、「政策担当者は今年後半に再び利下げを行う可能性はあるが、今月末の次回の会合では金利は据え置かれるべきだ」 --------
1/14 三村・財務官 「最近の為替について、経済的なファンダメンタルズを反映しているようには見えない」、「最もいけないのはボラティリティー(大きな変動)だ。円安に伴う輸入インフレのデメリットが目立つという声もいろんなところから聞こえてくる」 --------
1/14 片山・財務大臣 (足元で進む円安に)「極めて遺憾であって憂慮している。その見方については日米財務相ともに共有した」、(日本政府としては)「日米財務相共同声明の考え方を踏まえて、投機的な動きを含めて行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」 --------
1/8 ミラン・FRB理事 「約1.5%の利下げを想定している。この想定はインフレに関する私の見解に大きく基づいている」、「基調的なインフレはFRBの目標からノイズのレンジ内で推移しており、総合インフレが中期的にどのようになるかを見極める良い示唆になっている」 --------
1/8 ベッセント・財務長官 (FRB議長人事の決定時期はダボス会議)「その直前か直後になる可能性がある。1月中だと思う」、(金利は高過ぎるかとの質問に対して)、「現在の金利水準は中立金利を依然として大きく上回っている。景気抑制的なスタンスであるべきではないと考えている」、(適切な金利水準について)、「多くのモデルでは2.50−3.25%程度を示すだろう」 --------
1/6 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在の金利水準が、中立と推定されるレンジ内にある」、「今後の政策運営については、2大責務の両面での進展を見極めながら、きめ細やかな判断が求められる」、「採用率が低い中で、労働市場のさらなる悪化は誰も望んでいない一方、インフレ率が目標を上回る状態が5年近く続いており、高インフレ期待の定着も避けたいところだ。まさに微妙なバランスだ」 --------
1/6 ミラン・FRB理事 「政策が中立水準付近にあるとは、かなり言いがたい。現状は明らかに景気に抑制的であり、経済の足かせになっている」、「今年は100ベーシスポイントを大きく超える利下げが正当化されると考えている」 株価の上昇に寄与。
1/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「景気の底堅さを踏まえ、今は中立にかなり近い状態だと推測される」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和