今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米8月のCPIは前年同月比3.4%」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 米8月のCPIが市場予想通りだったことを受け、ドル円は153円24銭まで下落。発表後ドルが買われる場面もあったが、米金利が低下し株価の上昇がドルの上値を抑えた。
  • ユーロドルは引き続き1.16を挟んでのもみ合い。
  • 株式市場では5日ぶりに3指数が揃って反発。これまで売られた銘柄が買い戻されたが、自律反発の域を出なかった。ダウは509ドル高。
  • 債券は朝方売られ、長期金利が5%に接近。その後低下に転じたが、再び上昇し、4.96%台で越週。
  • 金は小幅高。原油は反落し100ドル台に。
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8月消費者物価指数 → 3.4%(前年同月比)
9月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 47.8
8月財政収支 → −166.83b
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ドル/円 153.24 〜 154.50
ユーロ/ドル 1.1570 〜 1.1615
ユーロ/円 177.80 〜 178.70
NYダウ +509.19 → 52,573.29ドル
GOLD +1.60 → 4,408.90ドル
WTI −2.43 → 100.05ドル
米10年国債 +0.004 → 4.967%

本日の注目イベント

  • 日 7月鉱工業生産(確定値)
  • 欧 IAEA年次総会(ウイーン)
  • 加 カナダ8月消費者物価指数

本日のコメント

「米8月の消費者物価指数(CPI)」は市場予想と一致。前月比で「0.4%」、前年同月比では「3.4%」でした。米金利が上昇したこともあり、ドル円は一旦買われましたがその後反落。WTI原油価格が低下したことで、米主要3指数は上昇。今回のCPIはかなり注目されていましたが、結局大きな動きにはつながっていません。市場の関心はいよいよ、今週のFOMCと日銀決定会合に移ります。現時点では、日銀の利上げは確実ですが、FOMCでの利上げは高まってきたとはいえ、まだ不透明な部分があります。それでも金利先物市場が示す確率は「84.4%」と高い確率を示しています。日米とも利上げに踏み切ると考えておいた方がいいのかもしれません。

ただ、今週FRBが利上げに踏み切れば、筆者もこれまで指摘してきたように、ウォーシュ議長とトランプ大統領との間に亀裂が入る可能性が高まります。ブルームバーグも、この可能性を取り上げており、「連邦準備制度に繰り返し大幅な利下げを求めてきた大統領と衝突する可能性が高まっている。トランプ氏は最近、金融政策が緩和されなければ貿易戦争を激化させると警告し、13日には米国の借り入れコストは世界で最も低くあるべきだとの従来の主張を繰り返した」と報じています。今週の会合で米金融当局が、「利上げすると予想しているか」との質問に対し、トランプ氏は「分からない」と答えていましたが、相変わらず利下げ圧力をかけ続けており、「算式については誰よりも分かっている。世界で最も信用力の高い国なのに、われわれは他国を豊かにしている。これは2分で止められる」と語り、「米国の金利は最も低くあるべきだ」と主張しています。ブルームバーグは続けて、「金融緩和を求める圧力は、ホワイトハウス内の政治的な焦りで一段と強まっている。11月の中間選挙を控え、世論調査では生活費の上昇に対する有権者の不満が高まっている。利下げの効果が実際の住宅ローンやクレジットカードの支払いに波及するまで数カ月かかるとしても、トランプ氏にとっては経済的な負担軽減が近づいていると訴える材料となり、政権への批判をそらすことができる可能性がある」と伝えています。こうした状況により、ウォーシュ議長は制度上の板挟みに陥っているとみられます。ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー、オブストフェルド氏は金融当局について、「大統領の怒りを買うか、市場の信認を損なうかという、まさに逃げ場のない状況にある。後者の場合、将来的にインフレへの影響がより深刻になる可能性が高い」と話しています。

ホルムズ海峡を通る暫定航路の創設を巡り、イランと複数の湾岸諸国が14日に予定していた会合を延期したと、オマーンのブサイディ外相が13日にSNSへの投稿で明らかにしました。ブサイディ氏は、延期について「合意形成のため」と説明しましたが、今後の対応について詳細は明らかにしていません。さらに、攻撃を受けた、サウジアラビアが主要な原油パイプラインを停止したことを受け、アジア時間早朝に原油価格が上昇。WTIは再び102ドル台まで買われ、北海ブレントも106ドル台後半まで上昇しています。イエメンのフーシ派が紅海のバベルマンデブ海峡で攻勢を強めており、米国とイランの戦争中にホルムズ海峡を迂回するルートとして利用されてきた輸送経路が寸断され、世界的なエネルギー供給逼迫が一段と深刻化しています。アイルランドのダブリンを訪問中のトランプ大統領は、湾岸諸国とイランによる会合の可能性について質問され、「気にしていない。彼ら次第だ」などと、意に介していません。そのトランプ氏、同国のマーティン首相との会談後、「アイリッシュ・ウイスキーに対する米国の関税を撤廃する」と述べていました。

今週は日米で政策金利の発表があります。上述のように、日米で利上げが行われる可能性の方が高いとみられますが、足元の原油価格が100ドル台で推移するようなら、この先もさらにインフレが加速することになります。イラン戦争を終結させることが、原油価格を下げる唯一の手段ですが、トランプ政権の複数の高官は、「トランプ氏の在任中にイラン戦争は終わらない」との見方を示しています。テクニカル的にはドルの上値が重いことを示していますが、果たしてその通りに動くのか、しっかりと見極めていく必要があります。

本日のドル円は152円80銭〜154円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/10 ラガルド・ECB総裁 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 --------
9/2 高田・日銀審議委員 (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。
9/1 バー・FRB理事 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 --------
8/28 ウォーシュ・FRB議長(ジャクソンホールでのシンポジウムで) 「インフレ率を2%の目標に戻す」、「私の判断基準はこうだ。基調的なインフレが明確かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない。そうでなければ、われわれにはやるべきことがある。それがわれわれの仕事だ」、「やるべきことがある」、「私はきょう、特定の政策決定ではなく、規律を重んじる決意を持ってここに立っている」と述べ、さらに、「インフレ率が2%を上回っている中、FRBは現時点で、最大の重点を物価に置くべきだと」 ドル円は159円台半ばから160円20銭まで上昇。米金利高、株安が進む。
8/27 ベッセント:財務長官(介入に対するウォーレン上院議員への回答で) 「日本は米国債の主要な保有国だ」、「円相場が無秩序な動きとなれば、ポジションの強制的な巻き戻しを引き起こす。そうなれば、世界の市場を不安定化させ、最終的には米国の家計や企業の借り入れコストを押し上げる可能性がある」 --------
8/13 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 --------
8/13 ハマック・クリーブランド連銀総 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 --------
8/12 コリンズ・ボストン連銀総裁 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 --------
8/11 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 --------
8/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 --------
8/5 クック・FRB理事 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 --------
8/4 ベッセント・財務長官 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 --------
8/3 ベッセント・財務長官 (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 --------
8/3 片山・財務相 (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和