今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ナスダック、S&P500が最高値更新」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は158円台前半で小動き。米金利は低下したが、ドル円は堅調に推移。この日のドルの高値は158円23銭に留まる。
  • ユーロドルは反発。前日の1.11台後半から水準を切り上げ、終始1.12台で推移。フランス国債が反発したこともユーロの支援材料に。
  • 株式市場では3主要指数が揃って続伸。ハイテク株が買われたことで、ナスダックとS&P500が最高値を更新。
  • 債券は反発。長期金利は5.27%台へと低下。
  • 金は反発。原油はほぼ横ばい。
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8月貿易収支 → −105.6b
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ドル/円 157.92 〜 158.23
ユーロ/ドル 1.1245 〜 1.1275
ユーロ/円 177.74 〜 178.12
NYダウ +253.38 → 51,521.28ドル
GOLD +30.30 → 4,187.10ドル
WTI +0.01 → 89.44ドル
米10年国債 −0.025 → 5.279%

本日の注目イベント

  • 日 8月景気先行指数(CI)(速報値)
  • 日 8月景気一致指数(CI)(速報値)
  • 中 中国 9月外貨準備高
  • 独 独8月鉱工業生産
  • 米 FOMC議事録(9月15−16日分)
  • 米 8月消費者信用残高

本日のコメント

米金利の上昇が一服し、株式市場では3指数が買われ、中でもナスダックとS&P500は最高値を更新。金利が低下した割にはドル円は堅調に推移し158円台で戻って来ました。ユーロドルも前日からは大きく反発し、1.12台後半まで買われました。連日売られていたフランス国債が買い戻されたことが、ユーロの買い戻しにつながった模様です。筆者がフランスの銀行に在籍していたころ、フランス国債は欧州で最も安全な債券の一つとされていました。銀行と異なる1階下の証券部門では、債券チームが日本の機関投資家を相手にフランス国債を電話で売りさばいていた光景が思い起こされます。欧州債のパフォーマンスを比較する際、通常用いられるのが「ドイツ国債とのスプレッド」です。フランスとドイツの10年債利回り差(スプレッド)は、今月2日に159bp(1.59%)まで拡大し、2012年の「ユーロ圏危機」以来の大きさとなりました。その後スプレッドは縮小したものの、投資家の警戒感は依然として強いようです。ただ、ここ1年間の動きを「G10」でみると、フランス国債が最も売られ金利が「1.19%」上昇しましたが、第2位は米国で、第3位は日本です。価格が下落し、金利はそれぞれ「1.11%」、「1.03%」上昇しており、フランス国債だけが際立って売られた動きでもありません。価格が安定し、最も金利上昇が少ないのが、スウェーデンで「0.34%」、続いてカナダ、ドイツが続きます。言うまでもなく、この3ヵ国は全て「AAA(トリプルA)」の格付けを持っている国々です。フランス国債が売られている理由は、政治的リスクと財政リスクがメインです。次期大統領選に関する世論調査では、極右のルペン氏が首位に立っており、同氏は過去の選挙戦では、フランスのユーロ離脱を含む劇的な政策を提案していました。現在は投資家の不安払拭を図っており、EUへの拠出金や移民関連支出を削減することで財政赤字を大幅に縮小する計画を示していますが、フランスの財政赤字からの脱却はそう簡単ではないと投資家はみているようです。

米国の「8月の貿易収支」が発表され、赤字額は大幅に拡大し、2025年初頭以来の高水準となりました。財とサービスを合わせた貿易赤字は前月比13.7%増の1056億ドル(約16兆6950億円)でした。ブルームバーグは、「インフレ調整前の月次の貿易統計は、米国の関税政策やイラン戦争を背景とする原油価格の変動もあり、2025年初頭以降、大きく振れやすくなっている。サプライチェーン関連の制約や、巨額のAI投資に必要な技術を輸入に依存していることも影響している」と伝え、このままでは、7−9月期(第3四半期)のGDPを押し下げる可能性が高いと見られます。「実際にそうなれば、トランプ政権が『解放の日』と称して大規模な関税措置を発表する前の25年初頭以来の大幅な押し下げとなる」(ブルームバーグ)

日銀の金融政策決定会合は10月29−30日に開催されますが、筆者は、それほど自信はありませんが、「利上げはない」と予想しています。前回9月会合で据え置きを主張し、利上げに反対票を投じた佐藤審議委員が共同通信とのインタビューに応じています。佐藤氏は、政策金利について「段階的に調整していく方針には賛成している」と述べ、利上げ継続の立場を示す日銀の方針に同調したと、報じられています。ただ一方では、「個人消費の勢いはそれほど強くない」と述べ、次回の利上げ時期については明言を避けた形になっています。9月の金融政策決定会合では、高市政権の指名で審議委員に就任した佐藤氏と浅田委員が利上げに反対票を投じ、市場では、利上げに慎重な高市政権のスタンスが確認されたとの見方が広がりました。ドル円は決定直後から円安方向に進んだ経緯があります。個人的には上記2名と、植田総裁を含む日銀執行部の3名が据え置きを主張し、「5対4で政策金利が据え置かれる」といったストーリーを想い描いていますが、どうでしょう?

本日のドル円は157円20銭〜158円80銭程度を予想しています。

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What's going on?

「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/6 佐藤・日銀審議委員 「段階的に調整していく方針には賛成している」、「個人消費の勢いはそれほど強くない」 --------
10/1 ジェファーソン・FRB副議長 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 --------
10/1 ボウマン・FRB副議長 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 --------
9/29 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 10月の利上げ確率が後退
9/24 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 --------
9/24 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 --------
9/24 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 --------
9/23 ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 --------
9/18 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 --------
9/16 フォンデアライエン・欧州委員長 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 --------
9/16 ウォーシュ・FRB議長 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。
9/16 FOMC声明文 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 --------
9/15 ベッセント・財務長官 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 --------
9/10 ラガルド・ECB総裁 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 --------
9/2 高田・日銀審議委員 (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。
9/1 バー・FRB理事 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和