「ドル円、約3週間ぶりに158円台後半に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は続伸。米株式市場でAI株が買い戻された安心感と、9月のJOLTSが好調だったことでドルが買われ、ドル円は約3週間ぶりに158円76銭まで上昇。
- ユーロドルは小幅に反落。前日1.12台前半まで買われたユーロは1.1176まで下落。
- 株式市場ではAI株が買い戻され、ナスダックは207ポイント上昇。一方ダウは197ドル下落。
- 前日大きく買われた債券は反落。長期金利は前日の4.91%台から4.96%台に上昇。
- 金は反落。原油価格は続落し96ドル台に。
9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 752.3万件
9月製造業受注 → 1.8%
9月耐久財受注 → 1.9%
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| ドル/円 | 157.99 〜 158.76 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1176 〜 1.1200 |
| ユーロ/円 | 176.88 〜 177.68 |
| NYダウ | −197.26 → 51,786.72ドル |
| GOLD | −29.20 → 3,940.40ドル |
| WTI | −0.37 → 96.09ドル |
| 米10年国債 | +0.050 → 4.962% |
本日の注目イベント
- 中 10月RatingDogサービス業PMI
- 中 10月RatingDog総合PMI
- 独 独10月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏10月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(改定値)
- 米 10月ADP雇用者数
- 米 9月貿易収支
- 米 10月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値)
- 米 10月S&Pグローバル総合PMI(改定値)
- 米 10月ISM非製造業景況指数
- 米 決算発表 → ウーバー、マクドナルド、クアルコム
- 加 カナダ9月貿易収支
本日のコメント
トランプ政権2期目に対する米国民の審判の日を迎えました。投票は順調に進み、最も早く結果が判明すると見られるケンタッキー州とインディアナ州では、日本時間今朝8時に投票が締め切られます。一方、時差の関係で最も遅いのがアラスカ州アダック島にある投票所で、こちらは日本時間午後3時が締め切りです。毎回のことですが、米国の選挙に接する度にアメリカ大陸の大きさを知らされます。中間選挙は3日朝に投票所が開き、すでに数千万人が期日前投票を済ませているようです。日経新聞が上院選の候補者でSNSの「X」に選挙用の公式アカウントを持つ共和党33人、民主党24人の投票データ約9200件を取得し分析した結果、民主党では「戦争」、「物価」、「医療」という単語が上位に並び、共和党では、「アメリカ」、「国」、「大統領」といった言葉が多かったと伝えています。当然のことです。民主党では、物価高を引き起こしたトランプ大統領を厳しく批判し、一方の共和党は「アメリカ・ファースト」を標榜する、トランプ大統領を持ち上げ、国を守るのは共和党だと、国民に訴えるしか方法はありません。まだ投票中ですが、多くのメディアが伝えているように、民主党が勝利し、「ブルーウェーブ」が広がるのでしょうか。個人的には、バンス副大統領の地元であるオハイオ州の結果に注目しています。同氏は2028年の大統領選に出馬する最有力候補者だからです。投票日3日の全米のガソリン平均価格は1ガロン4ドルを超え、投票日としては初めて節目の「4ドル」を上回ったと報告されています。
「イランと米国は、双方の隔たりを埋め、全面的な戦争の再燃を回避するため、仲介国が示した最新案を検討していると、事情について説明を受けた外交関係者が明らかにした」と、ブルームバーグが報じています。同関係者によると、カタールの仲介団は2日、イラン当局者との追加協議のためテヘランを訪問し、協議は前向きな内容だったと、話しています。そして、カタールは2日以内に双方から回答を得ると見込んでいるとのことです。イランのファルス通信によれば、米国との交渉を担うイランのガリバフ国会議長は「米国側に強力かつ合理的な回答を伝えた」と述べています。また、ガリバフ氏は「戦争を防ぐため、今やボールは米国側にある」とし、「米国とイスラエルによるいかなる攻撃に対してもイランは激しく報復する用意がある」と改めて表明しました。イランの最高国家安全保障会議のレザイ事務局長はXへの投稿で、イラン側の要求に対する米国のこれまでの反応は「満足できるものではない」としています。WTI原油価格が2日のNYで大きく下げ、昨日も続落し96ドル台まで低下してきたのは、交渉再開の期待かもしれませんが。この種の報道はこれまでに何度も繰り返されており、その度に失望させられてきました。まだまだ不透明です。
さらに、米国側でも動きがありました。トランプ大統領は、米国による40億ドル(約6300億円)の対イスラエル支援を年末までに打ち切ることで、同国のネタニヤフ首相と合意したと明らかにしました。トランプ氏は3日、FOXニュースとのインタビューで「ビビ・ネタニヤフ氏と私は合意した」と発言。「米国はイスラエルに年間40億ドルを供与しているが、数カ月前にこれを打ち切ることで合意した。イスラエル側もそれで問題ないとしている」。さらに「イスラエルは非常に成功した国になった。もはや支援を必要としていない。米国はもう支払わない」と述べていました。報道では、直近の電話会談でネタニヤフ氏がトランプ氏にイラン攻撃を続けるよう要請したとありました。パレスチナ・ガザ地区への攻撃に加え、イラン戦争で巨額な戦費を費やしたイスラエルです。米国からの支援が無くなることはかなり痛手かと思いますが、今後のイスラエルの動きにも注目です。ブルームバーグは、「トランプ氏による今回の発表には、民主党候補が選挙戦で取り上げてきた問題を沈静化する狙いがある。ミシガン州では、民主党の上院候補アブドゥル・エルサイード氏が米国の対イスラエル支援を批判し、その資金を米国内の優先課題に充てる方が有効だと主張している」と論じていました。
ドル円はおよそ3週間ぶりのドル高です。昨日のNYの動きはうまく説明できない動きでした。中間選挙で民主党優勢の流れは変わっておらず、もし共和党が敗北すれば「株安→債券高→金利低下→ドル安」のシナリオが描けますが、昨日の株価はまちまちながらAI株が上昇。これと経済指標の上振れがドルを支えた可能性があります。ただそれでも、158円台後半までの上昇はやや驚きです。さらに原油価格はここ2日間でかなり下げており、こちらは円高要因です。まだ159円台に乗せて安定する相場ではないと思いますが、テクニカルでは「一目均衡表の雲を上抜けする気配」になっており、注意が必要な状況であることは付け加えておきたいと思います。本日のドル円は157円〜159円30銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/30 | 日銀金融政策決定会合 | 「2%の物価安定目標とおおむね整合的な水準となっている」、「政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」、「基調物価が2%の物価安定の目標を超え、上振れていくリスクがある」、(ETFの売却について)、「これまでは3300億円程度だったものを、簿価ベースで8600億円程度とする」 | やや円高方向に振れる。 |
| 10/29 | ECB声明文 | 「エネルギーショックの規模拡大と長期化に加え、間接的な影響や二次的影響により、インフレ率が押し上げられ、成長率は押し下げられる可能性が高い」、「前回の政策委員会以降、金融環境は引き締まっており、インフレと成長の重しになる可能性が高い」 | -------- |
| 10/29 | ラガルド・ECB総裁 | 「政策会合では利上げ案を協議したが見送った」、「われわれは非常に注意深く見ている。現時点では、すでに予測に織り込まれているものに加え、二次的影響のリスクは見られない」 | -------- |
| 10/28 | FOMC声明文 | 「経済活動は強いペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは強く、設備投資は力強い。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない。インフレは高止まりしている。委員会はさらに情報を蓄積することで、インフレ率を目標の2%に速やかに戻す上で適切となる政策スタンスを判断することが可能になる。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 10/28 | ウォーシュ・FRB議長 | 「Inflation is too high」、「われわれは状況に応じて行動する用意があると明確にしており、実際に行動する意思があることも示してきた」、「インフレを抑えるのはわれわれの責務だ。ここ数日のFOMCの議論が、われわれの責務のうち主に物価安定の側面に集中したのはそのためだ」 | ドル円は158円台前半から157円78銭まで下落 |
| 10/15 | 小枝・日銀審議委員 | 「物価上昇リスクが相応にある中で、利上げに過度に慎重になることはない」、(今後の利上げについて)、「経済・物価の状況をみながら、政策金利を適時に調整していくべきだ」、「金利のある社会で、金融環境の分析は視野を広げることも重要」 | ドル円158円前後から157円50銭台まで下落。 |
| 10/13 | ボウマン・FRB副議長 | 「追加措置が必要かどうかを判断する前に、金融環境や経済がどのように推移するかを見極める時間はある」、「現時点では、追加措置を講じることに緊急性は感じていない。時間をかけて、経済がどのように推移していくのかをしっかりと見極める必要がある」 | -------- |
| 10/13 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「あと1回の利上げを実施するのが適切かもしれないとの見方は変えていない」、「さらなる利上げが必要になると考える理由は、現時点ではない」 | 米金利が低下し、やや円高方向に振れる。 |
| 10/13 | 植田・日銀総裁 | 「賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが定着してきている下で、一時的な要因を除く物価の基調は2%にかなり近づいてきている」、「基調物価を2%程度の水準で安定させていくという観点が、金融政策にとって重要な局面だ」 | -------- |
| 10/12 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「対応を先送りして後で大幅な軌道修正を迫られるリスクを負うより、可能であれば、小幅な調整を比較的速やかに行う方が望ましいと考えている」 | -------- |
| 10/8 | ウォラー・FRB理事 | 「経済指標が引き続き予想通りに推移すれば、インフレ率を2%の目標により速やかに戻すため、追加利上げが必要になると予想している」、「しかし利上げをいつ実施するかについては、ある程度の柔軟性がある。連続する会合で利上げする必要はないが、妥当な期間内に実施すべきだ」 | -------- |
| 10/6 | 佐藤・日銀審議委員 | 「段階的に調整していく方針には賛成している」、「個人消費の勢いはそれほど強くない」 | -------- |
| 10/1 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 | -------- |
| 10/1 | ボウマン・FRB副議長 | 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 | -------- |
| 9/29 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 | 10月の利上げ確率が後退 |
| 9/24 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 | -------- |
| 9/24 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 | -------- |
| 9/24 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 | -------- |
| 9/23 | ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 | -------- |
| 9/18 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 | -------- |
| 9/16 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 | -------- |
| 9/16 | ウォーシュ・FRB議長 | 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 | ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



