「イランとの停戦合意近い?」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 引き続き底堅いドル円ですが、159円台では上値を追う動きとはならず、この日も159円23銭までドル高が進んだ後、押し戻される展開。
- ユーロドルは1.16を挟みもみ合いが続く。
- 株式市場では3指数が揃って続伸。ダウは294ドル買われ、連日の最高値更新。
- 債券は買われ、長期金利は4.55%台に低下。
- 金は売られ、原油は小幅高。
5月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 44.8
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| ドル/円 | 159.00 〜 159.23 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1587 〜 1.1618 |
| ユーロ/円 | 184.44 〜 184.86 |
| NYダウ | +294.04 → 50,579.70ドル |
| GOLD | −19.30 → 4,523.20ドル |
| WTI | +0.25 → 96.60ドル |
| 米10年国債 | −0.012 → 4.558% |
本日の注目イベント
- 英 LDN市場休場(バンクホリデー)
- 米 NY市場休場(メモリアルデー)
本日のコメント
昨日の日曜日のNHKでは、トランプ大統領が再び、「戦争終結に向けた合意がまもなく発表される」との認識を示したと報道されていました。今朝の日経新聞も「大部分の交渉は終わった」として、「ホルムズ海峡は開放される」とのトランプ氏の談話を伝えています。さらに、ルビオ国務長官も「重要な進展があった。間もなく朗報があるかもしれない」と語っていました。これを裏付けるように、早朝の商品市場では、金は40ドル以上も買われ、WTI原油先物価格は4ドルを超える下げで、92ドル台を付けています。ただ、ドル円では思ったほど円が買われていません。
今朝のブルームバーグは、ややニュアンスを異にしています。同通信は、「複数の米政府高官は24日、米国とイランがホルムズ海峡再開に向けた合意に近づきつつあるとの認識を示したものの、主要論点の文言に関して双方が協議を続けているため、同日中に署名が行われる状況にはないと記者団に述べた。双方が最終的な承認を得るまでに数日を要する可能性がある」という内容で報じています。またトランプ氏の発言についても、「米国としてイランとの合意を急ぐつもりはない」と述べ、「双方が適切な内容に仕上げるために時間をかける必要があるとの認識を示した」としています。トランプ氏は「イランとの関係は、より専門的かつ建設的なものになりつつある」と自身のSNSに投稿。「ただし、イランは核兵器や核爆弾を開発ないし入手できないことを理解しなければならない」とも記し、「合意が成立するまで米国によるホルムズ海峡周辺の封鎖を維持する」としていました。
米国とイランはアラブ諸国首脳らに促される形で、停戦を延長する可能性について協議しています。しかし、暫定合意に盛り込む内容に関しては、双方の説明がこれまで異なってきています。イランの準国営タスニム通信は24日、同国が要求する資産凍結解除など、いくつかの重要項目で米国が妨害しているとし、草案はまとまらない可能性があると伝え、さらに「事情に詳しい関係者」の話として、イランと米国の間には、なお「一つか二つの点」を巡って隔たりが残っていると報じています。また、ファルス通信は、合意が近いとしていたトランプ氏の主張について「現実から程遠い」と一蹴していました。今回も「またTACOに終わるだろう」との声もある中、筆者は、今回はこれまでの楽観的な発言とやや異なり、もしかしたら「合意」もあるのではと予想しています。その根拠は、サウジ、カタール、エジプト、トルコなど、多くの中東諸国の首脳が議論に加わっており、さらにイスラエルのネタニヤフ首相も理解しているようです。また、イランが攻撃されてからまもなく3ヵ月が経過し、世界の原油在庫も100日割れが近づいているとのデータもあります。一方、産油国の収入も激減しているはずです。イラン攻撃以来、米国のインフレ圧力は強まる一方です。これらを考えると、そろそろ「合意」も近いのではと予想しています。上記、金と原油の動きは合意を先取りしているとも考えられ、日経平均先物も6万4000円台に乗せてきました。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、「中国の習近平国家主席が今月行われた米中首脳会談で、高市首相が再軍備を推し進めているとの批判を展開していた」と報じています。それによると、習主席は北京で行ったトランプ大統領との会談で日本の防衛費増額について協議した際、口調が激しくなり、出席していた米当局者らを驚かせたとのことです。首脳会談で最も熱を帯びた場面だったとのことで、首脳会談に先立つ米中の協議では日本は議題になっていなかったため、トランプ政権の当局者らは不意を突かれたと、FTは伝えていました。トランプ氏はこれに対し、高市首相が安全保障に関してより積極的な姿勢を取らざるを得ないのは、北朝鮮の脅威が高まっているためだと説明したそうです。今回の米中首脳会談は北京で行われたため、トランプ氏にとっては「アウェー」であったこともありますが、習氏が常にリードしていた印象がありました。米中首脳会談の席で、高市政権が話題に出ること自体異例ですが、あの「台湾有事」発言以来、両国の溝は全く埋まっていないと同時に、中国はこの発言を日本が考えている以上に拘っていることだと思います。今後の対中外交の改善は簡単ではないかもしれません。
本日のドル円は158円〜159円30銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/21 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 | -------- |
| 5/21 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 | -------- |
| 5/21 | 小枝・日銀審議委員 | (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 | -------- |
| 5/20 | トランプ・米大統領 | 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 | 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。 |
| 5/19 | 片山・財務大臣 | 「断固たる措置を取るときは取る」 | ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。 |
| 5/19 | トランプ・米大統領 | 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 | -------- |
| 5/14 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 | -------- |
| 5/12 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 | -------- |
| 5/7 | デーリー・SF連銀総裁 | 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 | -------- |
| 5/7 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 | -------- |
| 5/7 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 | -------- |
| 4/23 | 片山・財務大臣 | 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 | -------- |
| 4/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



