「米7月のPPIは4.7%に低下」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は「米7月のPPI」発表後に159円03銭まで下げたが、その後は再びドル買いが旺盛に。159円57銭までドル高が進み、160円を試す展開か。
- ユーロドルは依然として1.15台を、上へも下へも抜けきれず。値幅も21ポイントと膠着状態が続く。
- 株式市場では、インフレの鈍化傾向を好感し3指数が揃って上昇。S&P500は50ポイント買われ、先週に続き最高値を更新。
- 債券は買われ、長期金利は4.64%台に低下。
- 金は5日ぶりに反落。原油も2ドルを超える下落。
新規失業保険申請件数 → 20.9万件
7月卸売物価指数 → 4.7%(前年同月比)
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| ドル/円 | 159.03 〜 159.57 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1524 〜 1.1545 |
| ユーロ/円 | 183.55 〜 183.94 |
| NYダウ | +69.72 → 53,839.99ドル |
| GOLD | −47.10 → 4,420.40ドル |
| WTI | −2.02 → 81.25ドル |
| 米10年国債 | −0.057 → 4.643% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏4−6月期GDP(改定値)
- 欧 ユーロ圏6月貿易収支
- 米 7月小売売上高
- 米 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
本日のコメント
ドル円は、先週末の雇用統計発表後に156円台半ばまで下落しましたが、今週はジリジリと上値を切り上げ、昨日のNYでは159円57銭までドルが買われました。介入警戒感が再び強まる中、160円をテストする可能性が高まっていると観られます。
米国側からは、ドル安材料が観られ、米金利が低下傾向を見せている中でも円が売られています。先日発表された「米7月の消費者物価指数」でインフレの鈍化傾向が観られ、さらに昨日は「7月の卸売物価指数」が市場予想を大きく下回ったにもかかわらず、ドル円は159円台半ばまで戻っています。労働市場の減速も受け、FRBが9月会合で利上げに動く可能性はかなり低下してきました。NY株式市場と債券市場ではそれを織り込む形で株と債券が買われ、「S&P500」は今月5日に続いて最高値を更新しています。ただ、為替市場では相変わらず円売り圧力が強く、この動きは、160円台を見ないと収まらない相場つきになっている印象もあります。昨日はさらに、高市政権が日銀の利上げを支持しているとの報道もありましたが、円売りの流れは止まっていません。
ブルームバーグは、「政府が日米協調の為替介入の効果を維持する観点から早期の利上げを支持しており、日本銀行は9月か10月に開催する金融政策決定会合での政策金利引き上げを視野に入れている。複数の関係者への取材で分かった。同関係者らによると、円安進行による物価上昇を警戒する日銀と、円買い介入の効果を強めたい政府との思惑が一致したという。高市政権はこれまで早期利上げに慎重だったが、関係者の1人は、7月31日の会合後の会見で植田和男総裁が利上げについて踏み込んで発言することを支持する考えを事前に伝えていたと話した」との記事を配信しましたが、円買いにはつながっていません。市場は、高市氏は基本的には利上げには反対しており、これが「本音」ではないことを知っているかのようです。米国側の「円高材料」にも反応せず円売りが続いていることで、今後の焦点は、日銀の「利上げのタイミングとそのペース」に、市場の注目が移ったと考えます。筆者は10月会合での利上げを予想していますが、今の状況が続くとすれば、9月利上げの可能性が高まったと思います。さらに会見で、植田総裁はかなり「タカ派」色を前面に出す必要があります。これまで通り、「物価情勢を見極めながら、緩和度合いを調整していく」といった弱いメッセージでは、再び円が売られてしまう可能性があるからです。
米国では、7月のCPIとPPIでインフレが思ったほど進んでいなかったことが確認されましたが、クリーブランド連銀のハマック総裁は、最近みられるインフレ鈍化の兆しが今後も続くかどうかに疑問を示し、今すぐに利上げを実施すべきだと改めて表明しました。ハマック氏は13日、オハイオ州の商工会議所でのイベントで講演。「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」と述べ、その上で、金利に関して「今こそ行動する必要がある」と話しました。ハマック氏は、先月のFOMCで利上げ支持し、政策金利の据え置きに反対票を投じていました。10日のヤフー・ファイナンスとのインタビューでも、金利は経済を「有意には抑制していない」として、複数回の利上げが必要になる可能性があるとの考えを示していました。もっとも、同氏はタカ派の中でも「代表格」であることを理解しておくべきかもしれません。一方、リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレ鈍化の兆しを踏まえ、金利据え置きには根拠があるとの見方を示しました。ただ、一部の物価上昇圧力が根強く残ることで、金融当局が最終的に政策引き締めを迫られるリスクがあることも認めています。バーキン氏は13日、サウスカロライナ州グリーンビルでの講演で「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」と述べ、さらに「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」とし、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」と述べていました。現時点での9月の利上げ確率は「34.9%」まで低下しています。
本日のドル円は158円50銭〜160円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/13 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 | -------- |
| 8/13 | ハマック・クリーブランド連銀総 | 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 | -------- |
| 8/12 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 | -------- |
| 8/11 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 | -------- |
| 8/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 | -------- |
| 8/5 | クック・FRB理事 | 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 | -------- |
| 8/4 | ベッセント・財務長官 | 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 | -------- |
| 8/3 | ベッセント・財務長官 | (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 | -------- |
| 8/3 | 片山・財務相 | (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 | -------- |
| 7/29 | FOMC声明文 | 「経済活動が堅調なペースで拡大しつつある。設備投資と生産性の伸びが力強い。(インフレ率は、)「2%目標に比べて高止まりしている」 | ドル円は163円台後半から下落。株式と債券も売られる。 |
| 7/29 | ウォーシュ・FRB議長 | 「一部の家計や企業、市場関係者の間では、5年にわたる高インフレを受けて、FRBは2%を超えるインフレ率を事実上容認しているとの誤った認識が根強く残っている。改めて強調したい。インフレの緩やかな目標など存在しない。少なくとも、この委員会の下では、暗黙の緩やかな目標も存在しない」、「インフレ率が見通し期間を通じて高止まりするようであれば、金利はその対応策の一つになり得るが、それだけが手段というわけではない」、「市場に影響を与えようとする姿勢を一部後退させたことで、市場は自ら判断を下した」と説明。「米国債の利回り曲線全体で名目金利に対する市場の見方は上方修正された」 | 短期ゾーンの金利が低下し、中長期ゾーンの金利が上昇。 |
| 7/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」、「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」、「インフレ見通しには上振れリスクがある。エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある。エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」、「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」、「6月のユーロ圏総合インフレ率は2.8%へ鈍化し、市場予想も下回った。しかし、今月に入り戦闘が再開したことで、政策当局者の間では金融引き締めをまだ終わらせることができない可能性が認識され始めている」 | ドル高の流れの中、ややユーロ売りに拍車。 |
| 7/16 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」、「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」 | -------- |
| 7/14 | ウォーシュ・FRB議長 | 「FOMC参加者は、高止まりするインフレを長期にわたって容認することはない。われわれは物価安定の回復に向け、揺るぎない決意を共有している」、「われわれが適切な政策運営を実現すれば、そして実現する所存だが、過去5年間の高インフレは過去のものとなる」米6月のCPI発表を受けて)、「朝発表された統計を見て『任務は完了した』と考える人もいるかもしれないが、それは私の見解ではない」、(トランプ氏から公に批判された場合でも経済指標に基づいて政策判断を行うのかと問われ)「そうする」 | -------- |
| 7/13 | ウォラー・FRB理事 | 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 | 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。 |
| 7/9 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 | -------- |
| 7/1 | ウォーシュ・FRB議長 | 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



