「米長期金利は5.3%まで上昇」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円はほぼ前日と同じような展開。東京時間には156円台半ばを割り込む場面があったが、NYでは米金利高に引っ張られ157円52銭まで反発。
- ユーロドルは小幅に反発。1.13台で推移し、1.1380まで買われる。
- 株式市場では3指数がまちまちの展開。ダウとS&P500は金利高を受け3日続落。ナスダックは小幅高。
- 債券は続落。長期金利は一時2007年6月以来となる5.30%台に乗せ、5.28%台で引ける。
- 金は小幅に続伸。原油も小幅に買われ90ドル台に。
9月ADP雇用者数 → 9.0万人
8月個人所得 → 0.2%
8月個人支出 → 0.9%
8月PCEデフレータ(前月比) → 0.3%
8月PCEデフレータ(前年比) → 3.4%
8月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.2%
8月PCEコアデフレータ(前年比) → 3.0%
4−6月GDP(確定値) → 2.2%
9月シカゴ購買部協会景気指数 → 58.8
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| ドル/円 | 156.73 〜 157.52 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1323 〜 1.1380 |
| ユーロ/円 | 178.01 〜 178.57 |
| NYダウ | −443.87 → 50,906.05ドル |
| GOLD | +7.00 → 4,186.70ドル |
| WTI | +1.04 → 90.42ドル |
| 米10年国債 | +0.049 → 5.285% |
本日の注目イベント
- 豪 豪8月貿易収支
- 日 7−9月期日銀短観
- 日 日銀金融政策決定会合における主な意見(9月17、18日分)
- 独 独9月製造業PMI(確報値)
- 欧 ユーロ圏8月失業率
- 欧 ユーロ圏9月製造業PMI(確報値)
- 欧 ラガルド・ECB総裁講演
- 英 英9月製造業PMI(改定値)
- 英 ベイリー・BOE総裁講演
- 米 9月ISM製造業景況指数
- 米 9月S&Pグローバル製造業PMI(確報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 ローガン・ダラス連銀総裁、質疑応答に参加
本日のコメント
米金利の上昇が止まりません。昨日は、「8月PCEコアデフレータ(前年比)」が3.0%と、市場予想を下回り、米金利は安定するかに見えましたが、それでもFRBが目標とするインフレ率には程遠いとの見方から債券が売られ、10年債利回りは一時5.3%台に乗せました。また、2年債はほぼ横ばいでしたが、30年債も一時5.65%まで上昇。156円台半ばまで売られたドル円は米金利高に支えられ157円台半ばまで買われました。一方、「8月のPCE」は1年振りの大幅な伸びでした。インフレが高止まりする中でも、個人消費を中心に米経済は堅調に推移していることが示された格好です。さらに「9月ADP雇用者数」も、9万人の増加と堅調で、米景気が底堅く推移することで、よりインフレ圧力が増すといった構図になっています。今月のFOMCでの利上げ確率は、現時点で「37.1%」と徐々に低下してきましたが、明日の「雇用統計」や14日の「CPI」の結果次第では再び盛り返す可能性はあります。個人的には、今月のFRBの利上げは「五分五分」と予想していますが、それでも日銀が利上げする確率よりは高いと考えています。植田総裁が前回の利上げ後の会見で「局面は変わった」と発言して以来、連続利上げを実施するとの見方は増えています。しかし、どちらかと言えば中銀の中では保守的なことから、連続利上げはそう簡単ではないとみています。日銀は先月、前回の利上げから3カ月しか経過していない中での利上げを実施したわけですから、「先ずはその効果を見極めたい」というのが、基本的なスタンスかと思われます。
高市首相が5日に召集される臨時国会の初日に行う所信表明の原案が明らかになったようです。報道によると、「責任ある積極財政」を巡り、「経済や市場が想定と異なる動きを示した場合には、影響を分析して対応を機動的に講じる」と、表明する模様です。積極財政の基本路線に修正はないと考えていましたが、足元の「円安」にかなり配慮した形跡が伺えます。「責任ある積極財政」の御旗は降ろさないものの、状況によっては修正すると受け止められ、首相としてはかなり「譲歩」したのではないかと推察できます。ただ現実的には、財政悪化懸念が払拭できず円安がさらに進んだ場合、簡単に修正できるものなのでしょうか?もしそうだとすれば、政権発足1年が経過する中、とっくに出来ていたのではないかと思われます。「責任ある積極財政」が本格的に修正されるのであれば、財政悪化懸念の後退につながり「円高」要因になります。
トランプ大統領は30日、FRBのパウエル理事について「辞任させられるべきだ」と、SNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿しました。トランプ氏は、よほどパウエル氏がお嫌いのようで、「建物の改修費は記録的な規模で予算を超過している。これはジェローム・パウエルの責任であり、直ちに辞任させられるべきだ!」とし、「辞任しないのであれば、汚職あるいは職務執行能力の欠如を理由に、米政府が最高レベルで訴えるべきだ。どちらも到底容認できない」と投稿しました。これに先立ち、FRBの内部監察機関である監察総監室(OIG)は報告書を公表。ワシントンのFRB本部改修工事に関して、犯罪行為を示す証拠は見つからなかったと結論付けていました。ブルームバーグは、「総工費24億ドル(約3780億円)の同プロジェクトを巡っては、トランプ大統領が利下げを強く要求する流れの中で、政権とFRBの対立点となってきた。報告書は『調査のどの段階においても、監察総監法に従って米司法長官への付託が必要となるような連邦刑法違反があったと信じるに足る合理的な根拠は認められなかった』と説明した。同時に、2020年当初に13億ドルとされていた総工費が大幅に膨らむ原因となった一連の不手際を指摘した」と伝えています。工事費の大幅な増加は、設計変更やインフレなどが要因のようですが、これについては、政権側である上院銀行委員長を務めるスコット議員(共和党)は、「インフレは工事費超過の言い訳にはならない」と発言。「インフレがあったからといって、FRBが資金を慎重に管理し、議会に対して説明をする責任が変わるわけではない」と述べる一方、同委員会で民主党筆頭格のウォーレン上院議員は、「FRBにおける透明性と説明責任の必要性を浮き彫りにしている」と指摘。その上で、犯罪行為は認められなかったことに言及し、「大統領はFRB理事を解任しようとするのをやめるべきだ」と主張していました。
本日のドル円は156円50銭〜158円50銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/29 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 | 10月の利上げ確率が後退 |
| 9/24 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 | -------- |
| 9/24 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 | -------- |
| 9/24 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 | -------- |
| 9/23 | ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 | -------- |
| 9/18 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 | -------- |
| 9/16 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 | -------- |
| 9/16 | ウォーシュ・FRB議長 | 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 | ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
| 8/28 | ウォーシュ・FRB議長(ジャクソンホールでのシンポジウムで) | 「インフレ率を2%の目標に戻す」、「私の判断基準はこうだ。基調的なインフレが明確かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない。そうでなければ、われわれにはやるべきことがある。それがわれわれの仕事だ」、「やるべきことがある」、「私はきょう、特定の政策決定ではなく、規律を重んじる決意を持ってここに立っている」と述べ、さらに、「インフレ率が2%を上回っている中、FRBは現時点で、最大の重点を物価に置くべきだと」 | ドル円は159円台半ばから160円20銭まで上昇。米金利高、株安が進む。 |
| 8/27 | ベッセント:財務長官(介入に対するウォーレン上院議員への回答で) | 「日本は米国債の主要な保有国だ」、「円相場が無秩序な動きとなれば、ポジションの強制的な巻き戻しを引き起こす。そうなれば、世界の市場を不安定化させ、最終的には米国の家計や企業の借り入れコストを押し上げる可能性がある」 | -------- |
| 8/13 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 | -------- |
| 8/13 | ハマック・クリーブランド連銀総 | 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 | -------- |
| 8/12 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 | -------- |
| 8/11 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 | -------- |
| 8/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 | -------- |
| 8/5 | クック・FRB理事 | 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 | -------- |
| 8/4 | ベッセント・財務長官 | 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 | -------- |
| 8/3 | ベッセント・財務長官 | (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 | -------- |
| 8/3 | 片山・財務相 | (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



