今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「48時間以内に分かる・・・」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は引き続き157円台前半から後半でもみ合う。イラン情勢が改善するとの観測や、介入警戒感もある中、ドルは底堅く推移。
  • ユーロドルは前日からやや水準を切り上げたが、引き続き1.15台で推移。
  • 株式市場はまちまちの展開。ダウが5日続伸し最高値を更新するも、ナスダックとS&P500は軟調。
  • 債券は横ばい。明日の雇用統計を確認するまでは動けない状況で、長期金利は4.61%台で推移。
  • 金はイラン情勢の改善観測から大幅に続伸。原油は続落。
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7月S&Pグローバルサービス業PMI(確報値) → 54.6
7月S&Pグローバル総合PMI(確報値) → 54.5
7月ADP雇用者数 → 4.4万人
7月ISM非製造業景況指数 → 54.1
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ドル/円 157.32 〜 157.82
ユーロ/ドル 1.1540 〜 1.1579
ユーロ/円 181.73 〜 182.29
NYダウ +263.24 → 54,349.12ドル
GOLD +152.60 → 4,305.20ドル
WTI −0.55 → 75.22ドル
米10年国債 ±0 → 4.613%

本日の注目イベント

  • 豪 豪6月貿易収支
  • 独 独6月製造業新規受注
  • 欧 ユーロ圏6月小売売上高
  • 欧 ECB経済報告
  • 米 新規失業保険申請件数

本日のコメント

トランプ大統領が前日、「最後の機会を与える」としたことを受けて、ホルムズ海峡の開放を巡り、米国とイランが合意に達するとの期待が高まっています。仲介国のカタールが4日、合意案が作成されたと明らかにしたのに続き、米・イラン双方も政府当局者が合意への期待感を示しました。トランプ氏は4日夜、ロサンゼルスで記者団に対し、イランとの協議は「非常に順調に進んでいる」と述べ、「48時間以内に分かる」と語っています。4日夜に収録されたFOXニュースとのインタビューでも、トランプ氏はイランとの協議に楽観的見方を示す一方で、「もし合意に至らなければ、残念な結果になるだろう」と付け加えていました。米ニュースサイトのアクシオスは4日、「米国、イラン、オマーンが早ければ5日にも、ホルムズ海峡の航行に関する60日間の暫定合意を発表する準備を進めている」と報じました。この提案では、ホルムズ海峡を通ってペルシャ湾内へ向かう船舶はイラン寄りの北側航路を利用し、湾外に出る船舶はイランとの調整の下でオマーン領海を通航するとしているようです。またアクシオスによると、この60日間の合意期間中は通航料や手数料は徴収されない模様で、イランとオマーンは双方向の航行を可能にするため、航路上の機雷除去でも協力するとのことです。ホルムズ海峡の再開に向けた合意への期待が高まる中、WTI原油価格は続落しましたが、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、中東地域の海運を巡り新たな警告を出したことから、大幅下落には至っていません。ただイラン側からは相変わらず合意期待を打ち消す情報があります。イラン国営テレビは5日、事情に詳しい関係者の話として、イランとオマーンの合意の可能性について「ホルムズ海峡の即時開放とは無関係」と報じています。報道では、交渉はイランとオマーンの間だけで行われており、米国とは関係がないとしています。また、関係者の談話として「イランとオマーンの間で合意が成立したとしても、米国が違反行為を続ける限り、ホルムズ海峡は再開されない」と報じています。イラン側には、アラグチ外相のような穏健派もいる一方、革命防衛隊のように、あくまでも米国との戦いを主張する強硬派がおり、仮に60日間の暫定合意に至ったとしても「恒久的な停戦合意」までの道のりは簡単ではないと思われます。

米国が日本と歩調を合わせ、「協調介入」を実施しましたが、その舞台裏には様々な思惑もあったようです。日経新聞がトランプ政権の高官と単独インタビューに成功し、その内容を掲載しています。それによると。「米当局の真の懸念材料は日本円売りではなく、日本国債売りにある」とのことです。財政懸念に伴う国債売りが日本の金利を押し上げ、それが世界に伝播することが米国にとってもっとも懸念すべき材料のようです。米高官は、「日本の金利は一種の世界のアンカー役だった」と述べていますが、実際はそれほど重要な役割を演じていたのではありません。世界中でインフレの芽が徐々に高まって来た時でさえ、「日本は何をやっても、長い間デフレから脱却できなかった」ことから、ゼロ金利政策を続けざるをえなかったのが実態でした。今回の米高官の話からすると、日本の金利が一段高にならないように、為替市場で「協調介入」に応じたのが、真実のようです。その財政懸念を一層拡大させるように政府は昨日、食料品の消費税率を2027年4月から1%に引き下げることを閣議決定しました。年末には防衛費の増額も計画されており、これも今回の消費税減税と合わせて、具体的な財源は示されていません。筆者が、「ドル高トレンド終焉」なのか、あるいは「ドル高トレンド継続」なのか、現時点では判断できない理由の一つがここにあります。

「7月のADP雇用者数」が4万4千人と、市場予想を下回り労働市場の鈍化懸念も一部には出て来る中、FOMCメンバーの2名が利上げに前向きな認識を示しました。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は5日CNBCとのインタビューで、「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」と述べました。カシュカリ氏は7月31日に公表した声明で、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」と警告していました。カシュカリ氏はこの日、9月の次回FOMCでどのような政策判断が適切になるかについては、「現時点ではなお判断できない」と述べた上で、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」と語っていました。また、年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問には、「それは不可能ではない」と答えています。クックFRB理事も、「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」と5日、アラスカ州での講演で述べています。「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」と話しています。

一方、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」と述べた上で、それでも、自身の最優先事項は変わらず、インフレ率をFRBの目標に下げることだと理事は述べ、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」と語っていました。(ブルームバーグ)

本日のドル円は156円50銭〜158円50銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
8/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 --------
8/5 クック・FRB理事 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 --------
8/4 ベッセント・財務長官 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 --------
8/3 ベッセント・財務長官 (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 --------
8/3 片山・財務相 (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 --------
7/29 FOMC声明文 「経済活動が堅調なペースで拡大しつつある。設備投資と生産性の伸びが力強い。(インフレ率は、)「2%目標に比べて高止まりしている」 ドル円は163円台後半から下落。株式と債券も売られる。
7/29 ウォーシュ・FRB議長 「一部の家計や企業、市場関係者の間では、5年にわたる高インフレを受けて、FRBは2%を超えるインフレ率を事実上容認しているとの誤った認識が根強く残っている。改めて強調したい。インフレの緩やかな目標など存在しない。少なくとも、この委員会の下では、暗黙の緩やかな目標も存在しない」、「インフレ率が見通し期間を通じて高止まりするようであれば、金利はその対応策の一つになり得るが、それだけが手段というわけではない」、「市場に影響を与えようとする姿勢を一部後退させたことで、市場は自ら判断を下した」と説明。「米国債の利回り曲線全体で名目金利に対する市場の見方は上方修正された」 短期ゾーンの金利が低下し、中長期ゾーンの金利が上昇。
7/23 ラガルド・ECB総裁 「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」、「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」、「インフレ見通しには上振れリスクがある。エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある。エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」、「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」、「6月のユーロ圏総合インフレ率は2.8%へ鈍化し、市場予想も下回った。しかし、今月に入り戦闘が再開したことで、政策当局者の間では金融引き締めをまだ終わらせることができない可能性が認識され始めている」 ドル高の流れの中、ややユーロ売りに拍車。
7/16 ローガン・ダラス連銀総裁 「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」、「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」 --------
7/14 ウォーシュ・FRB議長 「FOMC参加者は、高止まりするインフレを長期にわたって容認することはない。われわれは物価安定の回復に向け、揺るぎない決意を共有している」、「われわれが適切な政策運営を実現すれば、そして実現する所存だが、過去5年間の高インフレは過去のものとなる」米6月のCPI発表を受けて)、「朝発表された統計を見て『任務は完了した』と考える人もいるかもしれないが、それは私の見解ではない」、(トランプ氏から公に批判された場合でも経済指標に基づいて政策判断を行うのかと問われ)「そうする」 --------
7/13 ウォラー・FRB理事 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。
7/9 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 --------
7/1 ウォーシュ・FRB議長 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和