「ユーロ圏、1月のCPIは1.7%」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- アジア市場での堅調な流れを受けたドル円は、経済指標の上振れに反応し156円94銭まで続伸。
- ユーロドルは引き続き1.18を挟んでもみ合い。1月のCPIは市場予想と一致していたことで為替への影響は軽微。
- 株式市場はまちまちの展開。ハイテク株が売られ、ナスダックは350ポイント下落。一方ダウは260ドル上昇。
- 債券は小動きながら価格は低下。長期金利は4.27%台で推移。
- 金は小幅に続伸。原油は3日続伸し65ドル台に。
1月ADP雇用者数 → 2.2万人
1月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) → 52.7
1月S&Pグローバル総合PMI(改定値) → 53.0
1月ISM非製造業景況指数 → 53.8
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| ドル/円 | 156.36 〜 156.94 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1791 〜 1.1827 |
| ユーロ/円 | 184.45 〜 185.26 |
| NYダウ | +260.31 → 49,501.30ドル |
| GOLD | +15.80 → 4,950.80ドル |
| WTI | +1.93 → 65.14ドル |
| 米10年国債 | +0.008 → 4.274% |
本日の注目イベント
- 豪 豪12月貿易収支
- 独 独12月製造業新規受注
- 欧 ユーロ圏12月小売売上高
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
- 英 BOE金融政策発表
- 英 BOE金融政策委員会(MPC)議事録
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 12月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
本日のコメント
ドル円は堅調に推移し、これまで説明してきたように「半値戻しは全値戻し」の様相になってきました。昨日のレポートでは、「一目均衡表の先行スパン1」が156円11銭近辺にあり、さらにその上には「フィボナッチ・リトレースメント」でいうところの「61.8%戻し」が156円45銭の水準にあると指摘しましたが、いずれもクリアしています。直近底値の151円94銭からはすでに5円ほど戻したことになりますが、この間、ドル円を取り巻く環境が大きく変わったわけではありません。米金利はほぼ横ばい、日米金融政策の見通しについても大きな変化はありません。敢えて言えば、日本の株高が円売りにつながっているのかもしれません。また、8日投開票の衆院選で、高市自民党がかなり優位であるとの報道には、当初反応しませんでした。しかし冷静に考えれば、自民圧勝となれば、「財政規律」が脇に置かれる可能性もあり、じわじわと円売りを促しているのかもしれません。ドル円ではまだ159円台回復には至っていませんが、ユーロ円などクロス円では概ね元の水準を回復しており、円の弱さが際立っています。「フィボナッチ・リトレースメント」の次のタ−ゲットは「76.4%戻し」の157円51銭近辺ということになります。
トランプ大統領と中国の習近平主席が4日、台湾を含む貿易や地政学上の懸案について電話で協議しました。トランプ氏は今回の電話会談を「素晴らしい」と評価し「時間も内容も申し分ない」と発言。中国が今シーズンに購入する米国産大豆を2000万トンに増やすことや、石油・ガスの購入に加え「航空機エンジンの納入」についても話し合ったと述べていました。トランプ氏によると、両首脳は4月に計画されている訪中のほか、幅広い貿易問題や、ロシアによるウクライナ侵攻、台湾問題も協議した模様です。いずれも「極めて前向きだった」とトランプ氏は述べています。一方の中国政府は台湾を巡る議論について、より緊張感のある形で伝えており、中国が自国の領土と見なす台湾についての議論は、習主席が提起したようです。習氏は特に、台湾への武器売却については「最大限の慎重さ」をもって対処するよう米国に求め、中国政府は台湾の分離・独立を決して容認しないとあらためて述べたと、国営新華社通信は伝えています。習氏はまた、米中双方が意思疎通を強化し、相違を適切に管理し、協力を拡大するよう呼び掛け、「小さな善意を大切にし、小さな過ちを犯してはならない」と述べ、「一つ一つ着実に進め、相互の信頼を築いていくべきだ」と語ったと伝えられています。
そのトランプ大統領、筆者も本レポートで、次期FRB議長に指名されたウォーシュ氏がトランプ氏の意にそぐわない場合、「解任」されるリスクがあることに触れましたが、やはりその可能性があることをうかがわせています。トランプ氏は4日NBCニュースとのインタビューで、「もし彼が来て『利上げをしたい』と言っていたら、彼がその職に就くことは絶対になかっただろう」と語っていました。その上で、トランプ氏は「金利があまりにも高過ぎる一方で、今やわれわれは再び豊かな国になった」として、「FRBが利下げを行うことにさほど疑いはない」と述べています。さらにトランプ氏は、政策金利を引き下げたいという自身の意向を、ウォーシュ氏は理解しているかと問われ、「理解していると思う。ただ、彼自身もそれを望んでいると思う」と答えています。このように、早くもトランプ氏から牽制球を投げられたウォーシュ氏ですが、利下げを進めていくことは間違いないとしても、トランプ氏が望む「大幅な利下げ」を行えるのかがポイントになりそうです。FRB議長といえども、投票権は1票で、いかに執行部を取りまとめられるのかがその手腕ということになります。
EU統計局(ユーロスタット)が4日発表した「1月の消費者物価指数(CPI)」は、前年同月比「1.7%」と、2024年9月以来の低水準で、ECBが目標とする「2%」も下回りました。変動が大きな食品やエネルギーを除くコアインフレ率は「2.2%」と、こちらも2021年10月以来の低水準まで低下していました。本日は、ECBの政策金利発表がありますが、これで据え置きは決まりのように思います。ECBの政策当局者の中には、インフレ率のさらなる下振れリスクに敏感になっている委員もおり、フランス中銀総裁はユーロドルの水準にも言及しています。今夜のラガルド総裁のコメントにも注目したいと思います。
本日のドル円は156円〜157円50銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/3 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 | -------- |
| 2/3 | ミラン・FRB理事 | 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 | -------- |
| 2/2 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 | -------- |
| 1/28 | ベッセント・財務長官 | (ドル・円相場への米国の介入について質問され)、「絶対にしていない」、(その可能性について)、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」、「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」、「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」、「米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだ」 | ドル円は152円台後半から1円ほど上昇。 |
| 1/28 | パウエル・FRB議長 | 「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」、(労働市場については)「安定化の兆しが見られる」、「過度に踏み込むべきではない」、「冷え込みが続いている兆候もある」、(今後の利下げについて)、「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」、「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」、(中央銀行の独立性について)、「独立性の要は政策当局者を守ることではない」、「国民にとって有効に機能してきた制度的な枠組みに過ぎない」、」(任期が終了した後も理事としてFRBにとどまるかどうかの質問に)、「決めていない」 | -------- |
| 1/20 | カーニー・カナダ首相 | 「世界の中堅国は、攻撃的な超大国の強制に抵抗するために協力しなければならない」、「最近の出来事はルールに基づく国際秩序が事実上死滅したことを示しており、カナダやその他の国々は、世界の大国による圧力戦術や威嚇に対抗するため、新たな同盟関係を構築するしか選択肢がない」、「中堅国は協力しなければならない。交渉の席につかなければ、餌食になるからだ」 | -------- |
| 1/15 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「われわれが直面している最も重要な課題は、インフレ率を2%に戻すことだ」、「労働市場に関するこれまでの懸念はいったん後退した。不透明感から企業は採用を鈍らせているものの、大規模なレイオフには踏み切っていない」、「シカゴ連銀の指標は、労働市場が安定していることを強く示している。依然として強さがあり、かなり堅調だ」、「インフレを2%に戻す軌道に乗せるべく、5年間にわたって取り組んできた。一定の進展はあったが、目標の達成が必要だ。それが実現すれば、金利は引き下げられると思う」 | -------- |
| 1/14 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「この国の長期的なインフレ率にとって、FRBの独立性はこれ以上ないほど重要だ」、(トランプ政権によるパウエル議長への圧力について問われ)「中銀の独立性がないところでは、インフレは勢いよくぶり返す」、「われわれは過去5年間、インフレ率を引き下げるために闘ってきており、それは容易なことではなかった。FRBの独立性が攻撃されれば、その問題はさらに悪化する」 | -------- |
| 1/14 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「トランプ大統領が過去1年間にFRBに圧力をかけてきたのは、金利が原因だ」、「政策担当者は今年後半に再び利下げを行う可能性はあるが、今月末の次回の会合では金利は据え置かれるべきだ」 | -------- |
| 1/14 | 三村・財務官 | 「最近の為替について、経済的なファンダメンタルズを反映しているようには見えない」、「最もいけないのはボラティリティー(大きな変動)だ。円安に伴う輸入インフレのデメリットが目立つという声もいろんなところから聞こえてくる」 | -------- |
| 1/14 | 片山・財務大臣 | (足元で進む円安に)「極めて遺憾であって憂慮している。その見方については日米財務相ともに共有した」、(日本政府としては)「日米財務相共同声明の考え方を踏まえて、投機的な動きを含めて行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」 | -------- |
| 1/8 | ミラン・FRB理事 | 「約1.5%の利下げを想定している。この想定はインフレに関する私の見解に大きく基づいている」、「基調的なインフレはFRBの目標からノイズのレンジ内で推移しており、総合インフレが中期的にどのようになるかを見極める良い示唆になっている」 | -------- |
| 1/8 | ベッセント・財務長官 | (FRB議長人事の決定時期はダボス会議)「その直前か直後になる可能性がある。1月中だと思う」、(金利は高過ぎるかとの質問に対して)、「現在の金利水準は中立金利を依然として大きく上回っている。景気抑制的なスタンスであるべきではないと考えている」、(適切な金利水準について)、「多くのモデルでは2.50−3.25%程度を示すだろう」 | -------- |
| 1/6 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「現在の金利水準が、中立と推定されるレンジ内にある」、「今後の政策運営については、2大責務の両面での進展を見極めながら、きめ細やかな判断が求められる」、「採用率が低い中で、労働市場のさらなる悪化は誰も望んでいない一方、インフレ率が目標を上回る状態が5年近く続いており、高インフレ期待の定着も避けたいところだ。まさに微妙なバランスだ」 | -------- |
| 1/6 | ミラン・FRB理事 | 「政策が中立水準付近にあるとは、かなり言いがたい。現状は明らかに景気に抑制的であり、経済の足かせになっている」、「今年は100ベーシスポイントを大きく超える利下げが正当化されると考えている」 | 株価の上昇に寄与。 |
| 1/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「景気の底堅さを踏まえ、今は中立にかなり近い状態だと推測される」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



