今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「WTI原油価格91ドル台で引ける」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 朝方は158円台前半で推移していたドル円は、午後には157円52銭まで下落。米金利が低下し、上昇していた原油価格が上げ幅を縮小したことがドル売りにつながる。
  • ユーロドルはやや水準を切り上げ、1.12を挟み揉み合う。
  • 株式市場では3指数がまちまちの展開。ダウはマイナス圏から51ドル高で取引を終えたが、ナスダックとS&P500は小幅安。
  • 債券は買われ、長期金利は5.22%台に低下。
  • 金は反発。原油は大きく上昇したが、トランプ大統領のSNSへの投稿を受け、上げ幅を縮小。
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新規失業保険申請件数 → 19.7万件
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ドル/円 157.52 〜 158.37
ユーロ/ドル 1.1178 〜 1.1226
ユーロ/円 176.70 〜 177.45
NYダウ +51.77 → 51,231.64ドル
GOLD +16.30 → 4,157.00ドル
WTI +3.21 → 91.49ドル
米10年国債 −0.057 → 5.227%

本日の注目イベント

  • 米 10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 加 カナダ9月新規雇用者数
  • 加 カナダ9月失業率

本日のコメント

WTI原油価格が一時93ドル台まで急騰しましたが、トランプ大統領が自身のSNSへの投稿で、「11月3日に行われる米中間選挙より前にイランを攻撃することはない」と、表明しました。イランとの間で「建設的な協議」が行われていることを理由に挙げています。「トランプ氏の発言は、安全保障と国内政治を結び付ける異例の内容だ。新たな攻撃を控えるとの判断は、イランがホルムズ海峡でタンカーへの攻撃を激化させ、親イラン武装組織フーシ派がサウジアラビアのエネルギー施設を攻撃する中で示された。トランプ氏はまた、イランが関与した可能性のある脅威を受け、英国の基地から米軍爆撃機を移すことも決めた。」(ブルームバーグ)これは事前に想定されていたことです。そもそも2月28日のイランへの攻撃には、米国民の中にもかなり非難する声も多く、トランプ氏自身にとっても重要な中間選挙を前に大規模な攻撃を行うことは得策ではないはずで、仮に攻撃があるとすれば「選挙後」と予想されていました。ただ、トランプ氏はこれまでもイランと建設的な協議を行っている、あるいは継続中だと繰り返し述べてきましたが、成果にはつながっていません。また、イランへの軍事攻撃を強化すると繰り返し警告する一方、実際には新たな攻撃を命じないこともありました。8日の投稿では、イランからの輸出を阻止する米海軍の封鎖は継続すると表明していました。WTI原油価格はこの投稿で上げ幅を縮小しましたが、それでも引け値では91ドル台でした。米メキシコ湾岸にハリケーン「アサイアス」が接近しており、同地域の作業員が避難していると報じられたことが原油価格を高止まりさせています。

米新規失業保険申請件数は、前週比2000件減少の19万7000件でした。市場予想の20万件を下回り、20万件を下回るのはこれで4週連続です。言うまでもなく、失業保険申請件数は雇用統計の結果と密接に関係してきますが、新規申請件数は1960年代以来の低水準近辺にとどまっているのが実情です。9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが市場予想から大きく鈍化していました。ブルームバーグは、「同統計と併せて見ると、申請件数の抑制は、雇用主がコスト上昇を背景に採用拡大には慎重な一方、現在いる従業員の雇用は維持している状況を示す」と分析しています。9月の雇用統計の結果を受け、市場では、「好調だった労働市場の局面が変わった」といった見方も浮上しました。失業保険申請件数が今後も同水準を維持していくとすれば、雇用統計で大きな崩れはないのかもしれません。

FRBのウォラー理事は8日、トルコ中央銀行がイスタンブールで主催したイベントで講演し、「経済指標が引き続き予想通りに推移すれば、インフレ率を2%の目標により速やかに戻すため、追加利上げが必要になると予想している」と述べ、そのうえで、「しかし利上げをいつ実施するかについては、ある程度の柔軟性がある。連続する会合で利上げする必要はないが、妥当な期間内に実施すべきだ」と語っていました。ウォラー氏の発言は、次の利上げを検討する前に経済情勢を見極める時間的余裕がFRBにはあるとの見方を示した他のFRB高官による最近の発言とおおむね一致しています。来週には、次回会合で利上げを見送るのかどうかの重要な指標になる「米9月の消費者物価指数(CPI)」を確認しないと何とも言えない部分はありますが、現時点では徐々に「利上げ見送り」に近付いているように思えます。

国債が売られ金利上昇が続いているフランスですが、フランス銀行(Banque de France)のムーラン総裁は8日、イスタンブールで、中東危機による地政学的ショックが、財政基盤が比較的強固な国も含め、全ての国の経済に影響を及ぼしていると述べ、国債利回りが急上昇した自国フランスについての直接的な言及は避けました。ECB政策委員会のメンバーでもあるムーラン氏は講演で、インフレが世界の債券利回りに及ぼす影響を指摘し、「原油価格と米国の長期金利、欧州の金利には強い相関関係があることが分かる。こうした金利上昇は、財政状況にかかわらず全ての国に影響する。実際、財政基盤が非常に強固な国も、財政基盤が弱い国と同様に影響を受けている」と語った。

ドル円は、方向感のない動きを続けていますが、チャートを見ると、ここ1週間程は158円台半ばでキャップをされている状況です。ドルが底堅く推移する中でも、まだ159円台に乗せるには支援材料が必要です。逆に、目先155円台を割り込むと、再び152円台前半にある「岩盤サポート」をテストすることもないとは言えません。来週後半からは重要イベントがあるため、それまでは上も下も抜け切れない展開かとみています。本日のドル円は157円20銭〜158円70銭程度を予想します。

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What's going on?

「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/8 ウォラー・FRB理事 「経済指標が引き続き予想通りに推移すれば、インフレ率を2%の目標により速やかに戻すため、追加利上げが必要になると予想している」、「しかし利上げをいつ実施するかについては、ある程度の柔軟性がある。連続する会合で利上げする必要はないが、妥当な期間内に実施すべきだ」 --------
10/6 佐藤・日銀審議委員 「段階的に調整していく方針には賛成している」、「個人消費の勢いはそれほど強くない」 --------
10/1 ジェファーソン・FRB副議長 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 --------
10/1 ボウマン・FRB副議長 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 --------
9/29 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 10月の利上げ確率が後退
9/24 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 --------
9/24 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 --------
9/24 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 --------
9/23 ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 --------
9/18 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 --------
9/16 フォンデアライエン・欧州委員長 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 --------
9/16 ウォーシュ・FRB議長 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。
9/16 FOMC声明文 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 --------
9/15 ベッセント・財務長官 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 --------
9/10 ラガルド・ECB総裁 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 --------
9/2 高田・日銀審議委員 (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。
9/1 バー・FRB理事 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和