今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円続伸し159円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はさらに買われ、一時は159円03銭辺りまで上昇。米金利高、原油高に、米国のインフレがさらに進むとの見方がドルを押し上げる。
  • ユーロドルもさらに売られ、一時は1.1360までユーロ安が進む。
  • 株式市場でも金利高を受け、ナスダックは若干プラスを維持したものの、他の2指数は続落。
  • 債券は続落。10年債利回りは5.22%台まで上昇し、5.19%台で取引を終える。30年債も2004年以来となる5.50%台まで上昇。
  • 金は4日続落。原油は2ドルを超える上昇で、94ドル台に。
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新規失業保険申請件数 → 19.7万件
経常収支(4−6月) → −246.0b
8月新築住宅販売件数 → 68.4万件
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ドル/円 158.61 〜 159.03
ユーロ/ドル 1.1360 〜 1.1391
ユーロ/円 180.43 〜 180.79
NYダウ −161.61 → 51,349.98ドル
GOLD −20.40 → 4,298.00ドル
WTI +2.45 → 94.61ドル
米10年国債 +0.084 → 5.198%

本日の注目イベント

  • 独 独10月GFK消費者信頼調査
  • 米 8月耐久財受注
  • 米 9月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
  • 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、パネル討論会に参加
  • 米 ハマック・クリーブランド連銀総裁、パネル討論に参加

本日のコメント

中国の習近平主席夫妻が米国を訪れ、トランプ大統領は異例の歓迎を行ったと多くのメディアが報じています。うがった見方をすれば、中間選挙まで1ヶ月と少しを残すのみ。ここでトランプ氏の外交の目玉として、大国中国との首脳会談を成功させることは、かなり効果的だと判断しているのかもしれません。トランプ氏が主張する「G2」に日本が入り込む余地はありません。ワシントンで行われた首脳会談では、「イラン問題」、「AI」、さらには「台湾問題」を中心に協議されている模様です。ブルームバーグは、「トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は24日、米中の関係安定を目指す首脳会談で、AIを巡る両国の激しい競争について協議した。両首脳がAIにどう対応するかは、首脳会談の主要な焦点の一つだ。トランプ氏は、AI分野で中国に対する米国の優位性を維持するため、技術開発を制約なく進めるべきだと主張している。一方、中国政府は、米国による半導体などの輸出規制が中国企業を制約しているとして批判している」と伝えています。また、台湾問題についても「習氏は、台湾に関する米国の立場を変更するようトランプ氏にこれまでで最も明確に求め、中国政府が自国領と見なす台湾の独立に『反対』するよう促した。米政府の公式な立場は、台湾の独立を支持せず、中国政府と台湾のいずれによる一方的な現状変更にも反対するというものだ」としており、台湾問題についての現状認識に変化はなかった模様です。

原油高、米金利高に、ドル円は連日で「大台」を変え、昨日のNYでは159円03銭近辺までドル高が進みました。ややスピードが速いとは思いますが、30年債も22年ぶりとなる「5.50%」台まで上昇し、金融政策の影響を受けやすい2年債も「4.92%」で引けています。前日「68%」程度だった10月のFOMC会合での利上げ確率も「70.9%」に上昇しています。通貨を取り巻く環境からしたら、「ドル独歩高」もやむを得ないところです。米国では、いわゆる「ハイパースケーラー」を中心に社債発行が活発で、2026年の投資適格社債の年間発行額は2.3兆ドル(約360兆円)になる見込みだと報じられています。データセンターなど旺盛なAI関連投資に巨額な資金が必要なことが背景ですが、金利の高い社債への投資が旺盛なことが、相対的に米国債への売り圧力になっている可能性もありそうです。因みに、日本の社債発行額はおよそ年間で15兆円程度だそうで、如何に米国企業の社債発行が旺盛かを理解できます。

10月利上げの可能性が徐々に高まって来ましたが、FOMCメンバーの中からも利上げを支持する発言が目立って来ました。フィラデルフィア連銀のポールソン総裁は24日フィラデルフィアでのイベントで、「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」と述べています。さらにポールソン氏は、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近い」として、「勢いが増している兆しがある」と評価しています。同じく24日に発言したクリーブランド連銀のハマック総裁も米経済について、「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」との見解を示しています。リッチモンド連銀のバーキン総裁も同日、ワシントンで、「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」として、「より引き締め的な金融政策が必要になる」と述べていました。次回のFOMC会合は、中間選挙6日前の「10月27、28日」に開催されます。トランプ大統領の言動にも注目です。

トランプ大統領がカナダからの輸入品に50%の関税を課したことに対して、同じように米国からの輸入品に50%の関税を課し、経済・戦略面での米国への依存を減らす「米国離れ」を目指しているカナダのカーニー首相が米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューに応じています。米国によるカナダへの軍事行動のリスクを真剣に捉えたかとの質問に対しカーニー氏は、「極端なテールリスク(確率は低いが、発生すれば甚大な損失をもたらし得るリスク)を検討した」と明らかにし、「こうした立場にある以上、極端なテールリスクを検討する責任があると思う」と答えています。そのうえで、「それは単なるリスク管理だ」と述べていました。トランプ大統領がカナダを米国の51番目の州にすると何度も発言していることや、米国による侵攻について重ねて問われると、「基本シナリオではない」とする一方、「備えないのは無責任だ」とも語っていました。米国依存を減らす一例として、イーロン・マスク氏率いるスペースXの衛星ブロードバンドサービスを挙げ、「スターリンクへの依存は間違いなく減らす」と述べていました。

上でも述べましたが、ドル円の上昇スピードはやや速い感じがします。昨日も触れましたが、これで日足の「200日移動平均線」を超えてきました。残るは一目均衡表の「雲」です。入り口は「159円26銭」辺りにあり、出口は「159円61銭」にあります。こう考えると、やはり160円前後は相当な壁になり易いと考えられます。また、この辺りでは介入警戒感も再び高まりそうです。

本日のドル円は158円〜159円70銭程度を予想します。

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What's going on?

「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/24 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 --------
9/24 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 --------
9/24 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 --------
9/23 ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 --------
9/18 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 --------
9/16 フォンデアライエン・欧州委員長 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 --------
9/16 ウォーシュ・FRB議長 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。
9/16 FOMC声明文 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 --------
9/15 ベッセント・財務長官 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 --------
9/10 ラガルド・ECB総裁 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 --------
9/2 高田・日銀審議委員 (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。
9/1 バー・FRB理事 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 --------
8/28 ウォーシュ・FRB議長(ジャクソンホールでのシンポジウムで) 「インフレ率を2%の目標に戻す」、「私の判断基準はこうだ。基調的なインフレが明確かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない。そうでなければ、われわれにはやるべきことがある。それがわれわれの仕事だ」、「やるべきことがある」、「私はきょう、特定の政策決定ではなく、規律を重んじる決意を持ってここに立っている」と述べ、さらに、「インフレ率が2%を上回っている中、FRBは現時点で、最大の重点を物価に置くべきだと」 ドル円は159円台半ばから160円20銭まで上昇。米金利高、株安が進む。
8/27 ベッセント:財務長官(介入に対するウォーレン上院議員への回答で) 「日本は米国債の主要な保有国だ」、「円相場が無秩序な動きとなれば、ポジションの強制的な巻き戻しを引き起こす。そうなれば、世界の市場を不安定化させ、最終的には米国の家計や企業の借り入れコストを押し上げる可能性がある」 --------
8/13 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 --------
8/13 ハマック・クリーブランド連銀総 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 --------
8/12 コリンズ・ボストン連銀総裁 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 --------
8/11 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 --------
8/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 --------
8/5 クック・FRB理事 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 --------
8/4 ベッセント・財務長官 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 --------
8/3 ベッセント・財務長官 (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 --------
8/3 片山・財務相 (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和