「カナダ、米国に対して同規模の報復措置を発表」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京時間で買われたドル円はNYでも小動きの中、終始159円台前半で底堅く推移。
- ユーロドルでも目立った動きはなく、1.16台後半での取引。
- 株式市場では、米金利の低下に3指数は揃って上昇。ダウは160ドル買われ、3日続伸。
- 債券は買われ、長期金利は4.62%台に低下。
- 金は小幅に反落し、原油は2ドルを超える下落。
6月S&P Cotality CS20−City YoY NSA → 2.10%
6月FHFA住宅価格指数 → 0.0%
8月リッチモンド連銀製造業景況指数 → 4
7月新築住宅販売件数 → 60.7万件
8月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 89.4
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| ドル/円 | 159.10 〜 159.32 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1660 〜 1.1679 |
| ユーロ/円 | 185.67 〜 185.93 |
| NYダウ | +160.24 → 53,577.40ドル |
| GOLD | −3.23 → 4,694.50ドル |
| WTI | −2.65 → 82.36ドル |
| 米10年国債 | −0.067 → 4.629% |
本日の注目イベント
- 米 4−6月GDP(改定値)
- 米 7月個人所得
- 米 7月個人支出
- 米 7月PCEデフレータ(前月比)
- 米 7月PCEデフレータ(前年比)
- 米 7月PCEコアデフレータ(前月比)
- 米 7月PCEコアデフレータ(前年比)
- 米 7月耐久財受注
本日のコメント
ドル円は動きません。ここ2週間ではほぼ158円台前半から159円台半ばで推移しており、今日も大きな動きは期待できない状況です。ただ、明日からは恒例のジャクソンホール会合が始まりウォーシュFRB議長が講演を行います。同氏にとっては初めての同会合での講演となり、発言次第では動きがあるかもしれません。市場が注目するのは、議長が簡素化したコミュニケーション手法をどのような形で表現するのかという点と、利上げに関するスタンスです。ブルームバーグは、「ウォーシュ議長が直面している課題は、将来の政策運営に関する手がかりを投資家に手取り足取り教えるつもりはないという決意を曲げることなく、経済に関する自身の見解を率直に伝えていないという批判に反論することだ。ワイオミング州ジャクソンホールで開催される年次シンポジウムは、そのバランスを取る絶好の機会となる」とその手法に注目しており、市場からは「ウォーシュ氏は明らかに、情報を出し過ぎないよう控えたいと考えている。しかし、なぜ現在の政策姿勢を取っているのか、現在の状況をどう見ているのかについて、ある程度の透明性とコミュニケーションは、市場が求める合理的な要求だ」との声も聞こえています。SF連銀のデーリー総裁はブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、「われわれの信頼性が危ぶまれているとは思わない」と述べ、ボストン連銀のコリンズ総裁は25日、「現時点では金利を据え置くことを支持する」としつつも、その前提として、「インフレ率が2%の目標に向けて鈍化する動きがさらに進展する必要がある」との考えを示していました。
カナダのカーニー首相は25日、トランプ大統領が週末に発動した新たな関税に対し、同規模の「報復措置」を打ち出しました。また、貿易戦争の激化で打撃を受けるカナダ企業への支援策もあわせて発表しています。発表によると、米国産の鉄鋼・アルミニウム製品に課している報復関税を現行の2倍となる「50%」に引き上げ、米国製の家具や衣料品のほか、家庭用ゲーム機やスマートフォンなどの電子機器にも新たに「50%」の関税を課すというものです。今回の報復関税の対象は、年間輸入規模で約200億ドル(約3兆1800億円)に上るとのことです。これは、トランプ氏が関税法338条に基づき、22日未明に発動したカナダ製品に対する関税とおおむね同規模のようです。カナダが発表した新たな関税は9月8日に発効する予定になっています。このほか、米国産の家電製品やチーズ、魚介類、一部の鉄鋼・アルミニウム派生製品には新たに「25%」の関税を課し、米国製の各種機械や産業用工具、農業機械には「15%」の関税を適用します。カナダ中銀総裁や、バンク・オブ・イングランド(BOE)総裁を歴任したカーニー氏は、極めて論理的で、公正な人物と評されていますが、さすがにトランプ氏の「暴挙」には、報復するしかないと判断したのでしょう。ブルームバーグは、「今回の報復関税は、トランプ氏に対するカーニー首相の姿勢が大きく転換したことを示す。カーニー氏は1年前、関係改善と交渉入りを目指し、米国製品に対するカナダの報復関税の多くを撤廃。合意を実現するため、これまで特にデジタル政策を巡って数多くの譲歩を重ねてきた。しかし、両国の通商協議は21日に決裂。カーニー氏は24日、米当局が鉄鋼やアルミニウム、自動車といったカナダの主要産業を壊滅させることを狙っているのが明らかになったとの認識を示した」と報じています。報復関税を発表したカナダは声明文で、「米国はカナダの利益にならない新たな条件を提示した。要するに、カナダに過剰な要求を行う一方、見返りはあまりに少なかった」と説明していました。
かつて、トランプ氏は、「カナダを米国の51番目の州にする」と暴言を放ったこともあり、トランプ氏第2期就任時から両国の関係はギクシャクしていました。また、今回の交渉決裂後トランプ氏は5大湖の一つ「オンタリオ湖」を、「アメリカ湖」に改称すると警告し、激化するカナダ当局者との舌戦をエスカレートさせました。トランプ氏はSNSへの投稿で、「米国はオンタリオ湖の名称をアメリカ湖に変更することを真剣に検討している。われわれは今後、オンタリオ州とあまりビジネスをすることはないと考えているからだ」と述べ、カナダが報復関税を発表したとはいえ、まるで子供のけんかのような発言を行っていました。
財務省は2027年度一般会計当初予算の概算要求で、利払い費や債務償還に充てる「国債費」を「36兆6386億円」要求する模様です。高市政権が掲げる予算制度改革でその他の要求も増え、総額は「130兆円超」と、過去最大を更新する見込みです。ブルームバーグが26日、確認した国債費の資料によると、内訳は利払い費が16兆5888億円、債務償還費が20兆25億円と、足元の金利上昇を反映させ、国債費の総額が26年度当初予算の31兆2758億円から17%増と、債券市場での金利高を受け大幅に伸びることになります。債券市場では高市政権発足以降、財政悪化懸念も相まって長期金利は急ピッチで上昇してきました。当初予算は高市政権の財政運営の方向性を示すもので、今後も同政権下では積極財政が継続されると思われます。その結果、債券が一段と売られ、金利上昇に伴い、さらに「国債費」が増加。財政悪化懸念が拡大し、円がさらに売られるといった構図も予想されます。
本日のドル円は158円50銭〜160円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/13 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 | -------- |
| 8/13 | ハマック・クリーブランド連銀総 | 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 | -------- |
| 8/12 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 | -------- |
| 8/11 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 | -------- |
| 8/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 | -------- |
| 8/5 | クック・FRB理事 | 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 | -------- |
| 8/4 | ベッセント・財務長官 | 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 | -------- |
| 8/3 | ベッセント・財務長官 | (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 | -------- |
| 8/3 | 片山・財務相 | (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 | -------- |
| 7/29 | FOMC声明文 | 「経済活動が堅調なペースで拡大しつつある。設備投資と生産性の伸びが力強い。(インフレ率は、)「2%目標に比べて高止まりしている」 | ドル円は163円台後半から下落。株式と債券も売られる。 |
| 7/29 | ウォーシュ・FRB議長 | 「一部の家計や企業、市場関係者の間では、5年にわたる高インフレを受けて、FRBは2%を超えるインフレ率を事実上容認しているとの誤った認識が根強く残っている。改めて強調したい。インフレの緩やかな目標など存在しない。少なくとも、この委員会の下では、暗黙の緩やかな目標も存在しない」、「インフレ率が見通し期間を通じて高止まりするようであれば、金利はその対応策の一つになり得るが、それだけが手段というわけではない」、「市場に影響を与えようとする姿勢を一部後退させたことで、市場は自ら判断を下した」と説明。「米国債の利回り曲線全体で名目金利に対する市場の見方は上方修正された」 | 短期ゾーンの金利が低下し、中長期ゾーンの金利が上昇。 |
| 7/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」、「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」、「インフレ見通しには上振れリスクがある。エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある。エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」、「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」、「6月のユーロ圏総合インフレ率は2.8%へ鈍化し、市場予想も下回った。しかし、今月に入り戦闘が再開したことで、政策当局者の間では金融引き締めをまだ終わらせることができない可能性が認識され始めている」 | ドル高の流れの中、ややユーロ売りに拍車。 |
| 7/16 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」、「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」 | -------- |
| 7/14 | ウォーシュ・FRB議長 | 「FOMC参加者は、高止まりするインフレを長期にわたって容認することはない。われわれは物価安定の回復に向け、揺るぎない決意を共有している」、「われわれが適切な政策運営を実現すれば、そして実現する所存だが、過去5年間の高インフレは過去のものとなる」米6月のCPI発表を受けて)、「朝発表された統計を見て『任務は完了した』と考える人もいるかもしれないが、それは私の見解ではない」、(トランプ氏から公に批判された場合でも経済指標に基づいて政策判断を行うのかと問われ)「そうする」 | -------- |
| 7/13 | ウォラー・FRB理事 | 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 | 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。 |
| 7/9 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 | -------- |
| 7/1 | ウォーシュ・FRB議長 | 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



