「WTI原油価格3日続伸し92ドル台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 米国とイランとの協議再開が見通せず、ドル円は動けない状況。159円台前半から、原油高にともない159円57銭まで買われる。
- ユーロドルでも状況は同様で、ユーロは小動き。利上げ観測が依然強いものの、今回の会合では据え置きの可能性が高い。
- 株式市場では3指数が揃って大幅に反発。ナスダックとS&P500は再び最高値を更新。
- 債券は続落。長期金利は4.30%台に。
- 金は反発。原油は続伸し、92ドル台に。
| ドル/円 | 159.10 〜 159.57 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1703 〜 1.1743 |
| ユーロ/円 | 186.51 〜 186.91 |
| NYダウ | +340.65 → 49,490.03ドル |
| GOLD | +33.40 → 4,753.00ドル |
| WTI | +3.29 → 92.96ドル |
| 米10年国債 | +0.011 → 4.303% |
本日の注目イベント
- 日 片山財務相インタビュー(ブルームバーグ)
- 独 独4月製造業PMI(速報値)
- 独 独4月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)
- 英 英4月製造業PMI(速報値)
- 英 英4月サービス業PMI(速報値)
- 米 4月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
- 米 4月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
- 米 4月S&Pグローバル総合PMI(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 決算発表 → ロッキード、ブラックストーン、アメックス、インテル
本日のコメント
トランプ大統領がイランとの停戦期限を延長しましたが、いつまで延長されるのか。また、協議再開の可能性はあるのか。イラン情勢は引き続き不透明な状況が続いています。
トランプ大統領は21日、イランとの停戦を無期限に延長すると表明し、イランが新たな提案を提出し、「協議が何らかの形で決着する」まで停戦を延長するとしました。一方、イラン側は当面、協議に参加する予定はないとしています。このように、今の所米国とイランとの新たな和平協議が実現せず、ホルムズ海峡の支配を巡る対立を強めています。停戦期間が延長される中、エネルギー輸送の要衝である同海峡の封鎖を材料にした駆け引きが続いている状況は変わりません。22日の原油価格は3日続伸しました。WTI原油価格は、前日比3.29ドル(3.7%)高の1バレル92.96ドルで取引を終え、北海ブレント先物も3.43ドル(3.5%)上昇して101.91ドルで引けました。昨日の東京時間では上値を重くしていたドル円は、原油価格の上昇に再び159円台半ばまで買われています。
トランプ氏は停戦延長の必要性について、イラン指導部内の対立に原因があると指摘しています。イランでは、停戦に前向きな政権幹部と革命防衛隊を軸とする強硬派の間に、最高指導者のモジタバ師がいるとの見方もあります。FOXニュースは22日、停戦は最長でも5日程度にとどまる可能性があると報じていました。ホルムズ海峡問題以外でも、イランの核・ミサイル開発の扱いや、中東各地の親イラン武装勢力への支援といった長期的な課題を巡り、双方の隔たりは依然として大きいと伝えています。一方、イスラエルとレバノンは23日にワシントンで直接協議を再開する見通しです。国務省当局者によると、トランプ氏の盟友であるハッカビー駐イスラエル米大使が同協議に出席する見込みです。
ホルムズ海峡を通航できず、原油の供給がストップしている状況の中、商船三井の田村社長はシンガポールでのインタビューで、「これが終われば戦争前の状況に戻ると考えるのはやや楽観的だ」と発言。「かつての世界に戻ることはない」と述べています。商船三井は現在、ペルシャ湾内に足止めされた船舶を抱えています。同社はこれらの船の退避を進める一方で、乗組員への支援を最優先としており、食料や飲料水の十分な確保に注力していると、田村氏は話していました。また田村氏は、中長期的には、サプライチェーンの変化が同社の事業運営に影響を及ぼす見通しだと述べ、「ここ数週間、日本などアジアの主要国では、中東から離れ、他のエネルギー輸出市場へと調達先を切り替える動きが進んでいる。日本の一部石油会社は、米国産原油を確保するため、コスト増を伴いながら小型船の利用に踏み切っている」と説明していました。ただそれでも、ほぼ中東からの輸入に依存している日本では、米国産の原油を輸入しても原油の質の違いから、新たな精製設備が必要で、その設備構築には時間がかかるとの指摘もあり、直ぐに代替出来るものではないようです。
28日の日銀決定会合では、利上げの可能性はほぼなくなったと思われますが、反対に6月会合での利上げの可能性が高くなっています。OISが予測する現時点での利上げ確率は「78.1%」です。6月利上げが確実だとすれば、利上げ実施が4月から6月に2ヵ月先延ばしになっただけで、日銀の緩やかな利上げスタンスは変わりません。それでも28日の会合で利上げ見送りが決定されれば、ドル円が円安に振れる可能性はあります。そのように考えると、決定後の植田総裁の会見が「タカ派的」な内容になることも予想されます。GW前ということもあり、円安に弾みを付けることだけは避けたいはずです。
本日のドル円は158円50銭〜160円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 | -------- |
| 3/30 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 | 債券と株が買われ、金利は低下。 |
| 3/27 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 | -------- |
| 3/27 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 | -------- |
| 3/23 | デーリー・SFシスコ連銀総裁 | 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 | -------- |
| 3/23 | グールズビー・シカゴ銀総裁 | 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 | -------- |
| 3/18 | パウエル・FRB議長 | 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 | 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。 |
| 3/18 | FOMC声明文 | 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 | -------- |
| 3/15 | ライト・エネルギー長官 | 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 | -------- |
| 3/15 | ハセット・NEC委員長 | この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 | -------- |
| 3/15 | アラグチ・イラン外相 | 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 | -------- |
| 3/14 | トランプ大統領裁 | 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 | -------- |
| 3/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 | -------- |
| 3/3 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 | -------- |
| 3/3 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 | -------- |
| 3/2 | 氷見野・日銀副総裁 | 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



