「ドル円158円台半ばまで続伸」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- NYの朝方、ドル円は157円27銭まで急落し、介入を連想させる動きがあったものの、その後直ぐに切り返し158円41銭まで上昇。再び158円台で折り返して来る。
- ユーロドルでもユーロ売りが優勢となり1.1666まで下落。
- 株式市場では3指数が揃って買われる。ダウは5万ドルの大台を回復し、ナスダックとS&P500は最高値を更新。
- 債券は反落。長期金利は4.48%台に上昇。
- 金は反落。原油は下げる場面もあったが小幅高で引ける。
4月小売売上高 → 0.5%
4月輸入物価指数 → 1.9%
4月輸出物価指数 → 3.3%
新規失業保険申請件数 → 21.1万件
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| ドル/円 | 157.27 〜 158.41 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1666 〜 1.1705 |
| ユーロ/円 | 184.02 〜 184.86 |
| NYダウ | +370.26 → 50,063.46ドル |
| GOLD | −21.40 → 4685.30ドル |
| WTI | +0.15 → 101.17ドル |
| 米10年国債 | +0.013 → 4.482% |
本日の注目イベント
- 米 5月NY連銀製造業景況指数
- 米 4月鉱工業生産
- 米 4月設備稼働率
- 米 パウエル議長、任期満了
- 加 カナダ4月住宅着工件数
本日のコメント
北京で行われた米中首脳会談は、2時間を超える長丁場となり、全体的には友好的な雰囲気の中で行われたようです。ただ予想外だったのは、台湾問題が中国側から持ち出されたことでした。習近平主席は、「台湾問題は、対応を誤れば、両国は衝突、さらには紛争に至りかねず、米中関係全体を極めて危険な状況に追い込むことになる」と述べ、友好的な滑り出しとなった空気に水を差す率直な発言でした。米国は台湾独立を支持しない立場を公式に示していますが、武器輸出や人的交流も頻繁に行われており、中国としては会談にあたって「先制攻撃」を行うことで、米国に釘をさした形になりました。ただ一方で習氏は会談の冒頭、「われわれは競争相手ではなくパートナーであるべきだ」と発言。「互いの成功を後押しし、共に繁栄し、新時代において大国同士がうまく共存する正しい道を見いだすべきだ」と述べており、なごやかな雰囲気も演出していました。習氏に続いて発言したトランプ氏は、自身が受けた歓迎を称賛し、習氏を「偉大な指導者」と呼んでいました。両国関係の困難さを認めつつも、世界の2大経済大国にとっての「素晴らしい将来」への期待を示し、「米中関係はこれまで以上に良好になる」と発言していました。
ブルームバーグは「習近平主席が、台湾を巡り両国が『衝突』することもあり得ると、強い警告を発した。全てが予定調和的な共産党政治において、この発言は衝撃的だった。米国の大統領に台湾問題に介入しないよう促すのは、中国の常とう手段だ。だが、それが『極めて危険な状況』を引き起こし得るとの今回の発言ほど率直な言い回しを、習氏は台湾についてこれまで使ったことはなかった。約2時間半に及んだトランプ氏との会談が終了する前に中国側が発言内容を公表したことも、このメッセージの重大さを浮かび上がらせた」と総括していました。トランプ氏は晩餐会の席で、「あなたと彭麗媛夫人を9月24日にホワイトハウスへお招きできることを光栄に思う。お会いできるのを楽しみにしている」と述べています。
昨日の東京市場では介入警戒感がさらに高まり、157円台後半でほとんど動きがありませんでしたが、NYでは米経済の強さや金利高を背景に158円41銭までドル高が進みました。朝方には、介入かどうか確認できてはいませんが、ドル円が157円27銭まで急落する場面もありました。ただこれまでと同様に、直ぐに買いが入り元の水準に戻る展開です。今日の東京市場では158円台と、週末ということもあり、さらに介入に対する警戒感が強まると見られます。繰り返しになりますが、介入以外に円を買う材料は見当たらず、何もしなければドルが買われる展開が続いています。イラン戦争が終結し、原油価格が大きく下がれば円高に振れると思われますが、足元の状況ではその見通しが立っていません。当局の介入も「それまでの時間稼ぎ」との指摘もあります。
カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は、米経済のファンダメンタルズは健全だが、インフレ率は依然として高過ぎるとの認識を示しました。シュミッド氏はカンザスシティーでのイベントで「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」と指摘し、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」と述べていました。また、シュミッド氏は「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」と語り、足元の懸念は雇用ではなく原油価格の上昇に伴うインフレであることを明確に述べていました。
本日のドル円は157円20銭〜158円90銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/14 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 | -------- |
| 5/12 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 | -------- |
| 5/7 | デーリー・SF連銀総裁 | 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 | -------- |
| 5/7 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 | -------- |
| 5/7 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 | -------- |
| 4/23 | 片山・財務大臣 | 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 | -------- |
| 4/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



