「WTI原油価格4ヵ月ぶりに68ドル台まで低下」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 相変わらず動きのないドル円は161円台後半で推移。値幅もわずか18銭と、様子見の展開が強まる。
- ユーロドルは小幅に反発。1.1434まで買われ、ユーロ円も184円台後半まで上昇。
- 株式市場では3指数が揃って下落。ナスダックとS&P500は小幅ながら5日続落。
- 債券は買われ、長期金利は4.36%台に低下。
- 金は続伸。原油は大きく売られ、一時は4ヵ月ぶりに68ドル台まで低下。
6月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 49.5
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| ドル/円 | 161.60 〜 161.78 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1381 〜 1.1434 |
| ユーロ/円 | 184.07 〜 184.77 |
| NYダウ | −44.51 → 51,876.11 |
| GOLD | +48.70 → 4,096.30ドル |
| WTI | −2.69 → 69.23ドル |
| 米10年国債 | −0.024 → 4.369% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏6月消費者信頼感(確定値)
- 欧 ユーロ圏6月景況感指数
- 欧 ECBフォーラム、ラガルド総裁が開会の辞
- 英 英5月消費者信用残高
本日のコメント
スイスで米国とイランとの和平に向けた協議が行われたものの、予想した通り、早くも両国の小競合いが始まりました。25日にイランがコンテナ船を攻撃したことを受け、米国は翌日イランを攻撃しました。さらにイランがカタール産原油を積載した船舶を攻撃したことを受け、米国は27日に再び報復しました。米国とイランは、双方で「相手側が停戦に違反した」と非難しています。米中央軍は27日、「イランには停戦合意を順守する機会が与えられたが、そうしない道を選んだ」と、Xに声明を投稿しています。その上で、「ホルムズ海峡の商船航行は継続している。米軍は引き続き警戒態勢を維持し、十分な戦闘能力と即応態勢を備えている」と表明しました。トランプ大統領もイランへの攻撃後、「われわれがもはや理性的でいられなくなり、軍事的に任務を完遂せざるを得なくなる時が来るかもしれない。そうなれば、イランはもはや存在しなくなる」と、SNSへの投稿で警告し、再び大規模な軍事行動に出る可能性を示唆しました。一方イラン革命防衛隊は、中東地域にある米軍の主要軍事インフラ8カ所に対し、ミサイルとドローンを発射し、「イスラマバード覚書に基づき、ホルムズ海峡の通航規制はイランが管理しており、今後は違反船舶に以前より厳しく対処する」と強調しています。次回の協議は30日にオマーンで行われる予定ですが、ここで協議が進展しないようだと、トランプ氏の「我慢」も限界に達し、攻撃を指示する可能性もありそうです。110ドルを大きく超えて上昇したWTI原油価格は先週末のNYでは一時68ドル台まで低下しましたが、再び上昇するかもしれません。早朝のアジア市場では70ドル台で取り引きされています。
ECBは29日から、ポルトガルのシントラで年次シンポジウムを開催します。ここでウォーシュFRB議長がパネル討論会に参加する予定で、実現すれば、国際的な公開討論の場に就任後初めて臨むことになります。パネル討論会では、ウォーシュ氏の他に、ECBのラガルド総裁、BOEのベイリー総裁、カナダ中銀のマックレム総裁が参加するようです。ブルームバーグは、「金利の先行きの手掛かりに加え、トランプ大統領に指名され、初の連邦公開市場委員会(FOMC)を主宰したばかりのウォーシュ氏と、他の中銀総裁との相性も注目される。トランプ氏からの攻撃に耐えながら揺るぎない姿勢を貫いた前任のパウエル氏は、昨年のシンポジウムでスタンディングオベーション(総立ちの拍手喝采)を受け、繰り返し称賛された」と報じ、ウォーシュ議長がどのように意見を述べるのか、同シンポジウムに注目しています。
先週は、25日の欧州市場で161円95銭までドル高が進み、2024年7月に付けた、直近のドル最高値に並びましたが、当局による介入はありませんでした。22日には片山財務相とベッセント財務長官がオンラインで会談したとの報で、161円06銭前後までドルが急落する場面もありましたが、当局による介入の影は市場で確認できていません。特に気になるのが、介入の指揮をとる三村財務官からはけん制の声も聞かれません。以前この欄でも触れましたが、三村氏は、あえて介入を示唆する発言は控えているようにも伺えます。だとすれば、介入を実施する場合事前の前触れもなく、一気に市場に参入する考えなのかもしれません。161円95銭でも介入を実施しなかった当局の介入レベルは、162円台に入ってからかもしれません。個人的には、さらに円安が進んだ場合、そのまま放置しておくことはないという考えを維持しており、依然として注意が必要かと思います。
本日のドル円は161円〜162円50銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/17 | ウォーシュ・FRB議長 | FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 | -------- |
| 6/17 | FOMC声明文 | 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 | -------- |
| 6/17 | 内田・日銀副総裁 | 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 | -------- |
| 6/11 | ラガルド:ECB総裁 | 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 | -------- |
| 6/9 | 片山・財務大臣 | 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 | -------- |
| 6/4 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 | -------- |
| 6/4 | デーリー・SF連銀総裁 | 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 | -------- |
| 6/3 | 植田・日銀総裁 | 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 | ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。 |
| 6/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 | -------- |
| 6/3 | ローガン・ダラス連銀総裁 | (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 | -------- |
| 6/2 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 | -------- |
| 5/28 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 | -------- |
| 5/28 | ムサレム・セントルイス連銀総裁 | 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 | -------- |
| 5/21 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 | -------- |
| 5/21 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 | -------- |
| 5/21 | 小枝・日銀審議委員 | (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 | -------- |
| 5/20 | トランプ・米大統領 | 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 | 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。 |
| 5/19 | 片山・財務大臣 | 「断固たる措置を取るときは取る」 | ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。 |
| 5/19 | トランプ・米大統領 | 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 | -------- |
| 5/14 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 | -------- |
| 5/12 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 | -------- |
| 5/7 | デーリー・SF連銀総裁 | 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 | -------- |
| 5/7 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 | -------- |
| 5/7 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



