今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「トランプ氏、2週間の延期に合意」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • NYの午前中、イラン情勢のさらなる悪化を懸念し原油価格がさらに上昇。ドル円は160円03銭まで買われた。ただその後パキスタンが2週間の期限延長要請を行っていることが伝えられドル円は下落。159円台半ばまで円が買い戻される。
  • ユーロドルも1.1554まで売られたがその後反発。
  • 株式市場でも、午前中は売り優勢だったが午後には買いが入り、ナスダックとS&P500がプラス圏で取引を終える。
  • 債券は買われ、長期金利は4.29%台に低下。
  • 金は変わらず。原油は一時117.65ドルまで続伸したが、112ドル台で引ける。
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2月耐久財受注(改定値) → −1.4%
2月消費者信用残高 → 9.484b
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ドル/円 159.51 〜 160.03
ユーロ/ドル 1.1554 〜 1.1605
ユーロ/円 184.68 〜 185.17
NYダウ −85.42 → 46,584.70ドル
GOLD ±0 → 4,684.70ドル
WTI +0.54 → 112.95ドル
米10年国債 −0.038 → 4.293%

本日の注目イベント

  • 日 2月国際収支・貿易収支
  • 日 3月景気ウオッチャー調査
  • 独 独2月製造業新規受注
  • 欧 ユーロ圏2月小売売上高
  • 欧 ユーロ圏2月卸売物価指数
  • 米 FOMC議事録(3月17−18日分)

本日のコメント

イランとの交渉期限まであと2時間ほどです。

仲介国のパキスタンが、イランへの交渉期限を2週間延長するよう、トランプ大統領に要請しているようで、FOXニュースとの電話インタビューでトランプ氏はパキスタンの要請について問われ、「今まさに激しい交渉のさなかにあるため、話すことはできない」と語っています。ホワイトハウスのレビット報道官は声明で、トランプ氏は「提案について報告を受けており、対応は示される見通しだ」と述べていました。

トランプ氏はこれに先立って、「一つの文明全体が今夜滅び、二度と戻ることはないだろう」とSNSに投稿。その上で「そうなってほしくはないが、おそらくそうなる」と述べ、「革命的に素晴らしいことが起きるかもしれない。誰にも分からない。今夜分かる」とも書き込んでいました。さらにトランプ氏は、それほど過激ではない新たなイラン指導部であれば、期限までに合意に至る可能性があるとも指摘。「今夜、その答えが明らかになる。長く複雑な世界の歴史の中でも、最も重大な瞬間の一つだ。47年にわたる恐喝や腐敗、死の時代はついに終わりを迎える」と述べていました。一方 パキスタンのシャリフ首相がSNSに、「協議は着実かつ力強く進展している」と投稿し、「善意の措置として2週間にわたりホルムズ海峡を開放するようイランに求めた」と書き込んだと報道されています。

本稿執筆中に、「トランプ氏、攻撃延長に合意!」との速報が入って来ました。WTI原油価格が急落し103ドル台まで売られ、ドル円は159円05銭まで円が買い戻されています。今日の金融・商品市場では、これまでの巻き戻しが大きく起こりそうです。

ニュースが入って来ました。ブルームバーグは、「トランプ米大統領は、イラン全土の民間インフラを攻撃するとの脅しを2週間延期した。交渉担当者らが停戦合意に近づく中で、イランはホルムズ海峡の通航再開に動く見通しとなっている。トランプ氏は7日、SNSへの投稿で、この合意はイランが『ホルムズ海峡を完全かつ即時、安全に開放することを条件とする』との認識を示した。同時に『イランへの爆撃と攻撃を2週間停止することに合意する。これは双方による停戦となる!』と強調した」と報じています。CNNも、『Iran accept Pakistan's Two Weeks ceasefire Proposal』と報じています。

この間も、WTI原油先物価格の下落は止まらず、100ドルの大台を割り込み94ドル台(約16%)まで急落する場面もありました。まだ東京市場が始まる前で、ドル円も158円台半ばから後半で推移しています。問題は、この戦争が2週間の延長後、本当に終わるのかどうかです。この後の欧州、NY市場の動きにも注意が必要です。

本日のドル円は157円〜159円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
4/6 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 --------
3/30 パウエル・FRB議長 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 債券と株が買われ、金利は低下。
3/27 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 --------
3/27 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 --------
3/23 デーリー・SFシスコ連銀総裁 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 --------
3/23 グールズビー・シカゴ銀総裁 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 --------
3/18 パウエル・FRB議長 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。
3/18 FOMC声明文 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 --------
3/15 ライト・エネルギー長官 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 --------
3/15 ハセット・NEC委員長 この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 --------
3/15 アラグチ・イラン外相 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 --------
3/14 トランプ大統領裁 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 --------
3/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 --------
3/3 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 --------
3/3 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 --------
3/2 氷見野・日銀副総裁 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 --------
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「予測されているようなインフレの進展が確認できている限り、年内に金利をあと数回引き下げることが可能との自信をある程度持っている。インフレがわれわれの望む水準に戻りつつあるという証拠が実際に得られる前に、利下げをあまり前倒しで進めたくない」 --------
2/26 高田・日銀審議委員 「既に賃金と物価が上がらないというノルムは解けており、物価安定の目標実現がおおむね達成した局面」、「日本経済は真の夜明けが視野に入った」とし、「金融政策は幅広いデータや情報から緩和度合いを丁寧に確認しながら、「段階的にギアシフトを行っていく途上にある」、(先行きは海外を中心に物価上昇要因が生じた場合)、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」 ドル円156円台前半から155円70銭まで下落。
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 --------
2/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 --------
2/17 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 --------
2/11 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 --------
2/10 ローガン・ダラス連銀総裁 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 --------
2/10 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 --------
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和