「ドル円欧州時間に156円台半ばまで下落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は東京時間午後から156円を割り込むなど下げ足を速め、欧州時間には157円69銭まで下落。NYでは米金利が大きく低下したものの、156円75銭がドルの安値。
- ユーロドルでは、ドルが売られた割にはユーロ高が進まず。ユーロ円が売られたことで、「円買い・ユーロ売り」が作用したものと思われ、ユーロドルは1.1231までの上昇に留まる。
- 株式市場ではAI関連銘柄が大きく売られ、ナスダックは694ポイント(2.6%)下落。S&P500も売られたがダウは小幅高で引けるなど、AI関連株の下落が顕著。
- リスク回避の動きから、債券は大きく買われた。長期金利は急低下し、一時は4.93%まで下げる。
- 金は反落し4100ドル台を大きく割り込む。原油は反発。
新規失業保険申請件数 → 19.4万件
9月景気先行指標総合指数 → 0.0%
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| ドル/円 | 156.75 〜 157.35 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1188 〜 1.1231 |
| ユーロ/円 | 175.87 〜 176.25 |
| NYダウ | +11.89 → 52,867.98ドル |
| GOLD | −89.60 → 4,060.40ドル |
| WTI | +2.32 → 99.47ドル |
| 米10年国債 | −0.166 → 4.953% |
本日の注目イベント
- 日 9月全国消費者物価指数
- 独 独10月製造業PMI(速報値)
- 独 独10月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(速報値)
- 英 英10月製造業PMI(速報値)
- 英 英10月サービス業PMI(速報値)
- 米 10月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
- 米 10月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
- 米 10月S&Pグローバル総合PMI(速報値)
- 米 10月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
- 米 決算発表 → アメックス
- 加 カナダ8月小売売上高
本日のコメント
「面妖な・・・・」
テレビの時代劇などで、悪代官がよく口にする言葉ですが、昨日のマーケットはまさに「面妖な」動きで、なかなか理解し難いものでした。事の始まりは昨日の午後の東京市場でした。下落していた日経平均株価が午後からさらに下げ幅を拡大し、6万3000円の大台を割り込むと、ドル円は目先のレンジの下限であった157円50銭を割り込み、夕方4時頃には157円も割り込みました。NYではAI関連銘柄株の下げがきつく、さらにリスク回避の流れが強まり、安全資産の債券が高騰。長期金利は一気に5%の大台を割り込み、一時は4.93%台まで低下しました。リスクオフが強まると、債券が買われるのは当然ですが、これほど金利が低下したにもかかわらず、金は下落。ドル円も156円75銭までしか下げていません。米長期金利が前日比16bp以上も低下すれば、イメージとすれば155円台程度まで円高が進んでもおかしくはないと思いますが、原油価格が上昇したことが円高を抑制した可能性があります。
ただ、ここまで円が買われ157円50銭を割り込んだことで、ドルの上値は重くなったと思われますが、基本的な「ドル上昇局面」は終わったとは、まだ判断できません。トレンド転換には、まずこの先ドル円が155円を割り込み、今年のドルの最安値である152円前後を明確に下回る必要があると考えています。中東情勢が混迷を続けている以上、米国のインフレ懸念は払拭できません。また同時に、日本の原油輸入に伴うドル需要も減りません。財務省が21日に発表した貿易統計によると、今年上半期(26年1月〜6月)の輸入額は66兆2753億円で、半期としては統計を遡れる1979年以降で最高額でした。原油価格の上昇と、半導体の輸入が数字を押し上げました。輸出額も増えてはいますが、貿易赤字額は2兆8184億円となり、11期連続の貿易赤字となっています。単純計算で、1年で5兆6000億円相当のドル買い需要が発生するということです。
「スペースXのイーロン・マスク氏が、ウクライナが対ロシア防空で使う衛星通信システム『スターリンク』の通信速度を低下させるよう指示した」と、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報道しましたが、同紙はさらに「トランプ米大統領が、スペースXの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏と電話で協議し、同社の衛星通信システム『スターリンク』の制限を解除するよう求めていたことが分かった」と、22日に報じました。WSJによると、トランプ氏はマスク氏に対し、同システムの通信速度の制限に不満を表明したとのことです。ウクライナ政府は、防空能力の強化や砲撃の照準支援で、スターリンクの軍用版である『スターシールド』に依存しているとのことです。ロシアのプーチン大統領はウクライナの都市にドローンやミサイルによる攻撃を相次いで仕掛けており、スターシールドは同国の防空に不可欠とみられています。そのプーチン氏を「人道主義者」だと称賛する人がいます。4年前にロシアで有罪判決を受け、拘束されていた米国の元教師、スティーブン・ハバード氏が解放されたことに伴い、米国のウィトコフ特使はサンクトペテルブルクでプーチン氏と会談し、「あなたは私の大統領であるトランプ氏について、人道主義者だとよく語っているが、あなたも人道主義者だ。敬意を表し、称賛する」と述べていました。拘束されていた米国人が解放されたことのお礼だとしても、2022年2月以来4年半にわたって今も続いているウクライナ戦争では、ウクライナ人は子供も含めて1万7000人以上が亡くなっています。ジェノサイドの首謀者が「人道主義者」とは、荒唐無稽としか言いようがありません。
「PHP」と言えば、学生の頃よく読みましたが、それとは違うようです。昨日も日本の金融機関などが、世界のウェブサイトで広く使用されているプログラム言語「PHP」に深刻な脆弱性が見つかり、システム停止を余儀なくされました。加えて、データセンターなど、AIが必要とする巨額な投資などを考えて、今は「AIバブルだ」と指摘する専門家もいます。日本の株価も半導体銘柄を中心に下げ、日経平均株価も足元では6万2000円台です。「貯蓄から投資へ」の流れにも、やや水を差された印象です。ドル円も以前よりは株価の動きの影響を受けています。
本日のドル円は155円50銭〜157円50銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/15 | 小枝・日銀審議委員 | 「物価上昇リスクが相応にある中で、利上げに過度に慎重になることはない」、(今後の利上げについて)、「経済・物価の状況をみながら、政策金利を適時に調整していくべきだ」、「金利のある社会で、金融環境の分析は視野を広げることも重要」 | ドル円158円前後から157円50銭台まで下落。 |
| 10/13 | ボウマン・FRB副議長 | 「追加措置が必要かどうかを判断する前に、金融環境や経済がどのように推移するかを見極める時間はある」、「現時点では、追加措置を講じることに緊急性は感じていない。時間をかけて、経済がどのように推移していくのかをしっかりと見極める必要がある」 | -------- |
| 10/13 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「あと1回の利上げを実施するのが適切かもしれないとの見方は変えていない」、「さらなる利上げが必要になると考える理由は、現時点ではない」 | 米金利が低下し、やや円高方向に振れる。 |
| 10/13 | 植田・日銀総裁 | 「賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが定着してきている下で、一時的な要因を除く物価の基調は2%にかなり近づいてきている」、「基調物価を2%程度の水準で安定させていくという観点が、金融政策にとって重要な局面だ」 | -------- |
| 10/12 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「対応を先送りして後で大幅な軌道修正を迫られるリスクを負うより、可能であれば、小幅な調整を比較的速やかに行う方が望ましいと考えている」 | -------- |
| 10/8 | ウォラー・FRB理事 | 「経済指標が引き続き予想通りに推移すれば、インフレ率を2%の目標により速やかに戻すため、追加利上げが必要になると予想している」、「しかし利上げをいつ実施するかについては、ある程度の柔軟性がある。連続する会合で利上げする必要はないが、妥当な期間内に実施すべきだ」 | -------- |
| 10/6 | 佐藤・日銀審議委員 | 「段階的に調整していく方針には賛成している」、「個人消費の勢いはそれほど強くない」 | -------- |
| 10/1 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 | -------- |
| 10/1 | ボウマン・FRB副議長 | 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 | -------- |
| 9/29 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 | 10月の利上げ確率が後退 |
| 9/24 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 | -------- |
| 9/24 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 | -------- |
| 9/24 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 | -------- |
| 9/23 | ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 | -------- |
| 9/18 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 | -------- |
| 9/16 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 | -------- |
| 9/16 | ウォーシュ・FRB議長 | 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 | ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



