「WTI原油価格95ドル台に続伸」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ホルムズ海峡の緊張がやや高まったことで原油価格が上昇。ドル円は159円84銭まで買われた。この日、日本時間に片山財務相が円安を強くけん制する発言を行ったが効果はなかった。
- ドル高が進み、ユーロドルは1.17台を割り込む。
- 米国とイランとの協議再開のメドがたたず、株式市場では3指数が反落。
- 債券も続落。長期金利は4.32%まで上昇。
- 金は反落し、原油は95ドル台に上昇。
4月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) → 54.0
4月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) → 51.3
4月S&Pグローバル総合PMI(速報値) → 52.0
新規失業保険申請件数 → 21.4万件
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| ドル/円 | 159.32 〜 159.84 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1670 〜 1.1716 |
| ユーロ/円 | 186.37 〜 186.75 |
| NYダウ | −179.71 → 49,310.32ドル |
| GOLD | −29.00 → 4,724.00ドル |
| WTI | +2.89 → 95.89ドル |
| 米10年国債 | +0.022 → 4.324% |
本日の注目イベント
- 日 3月消費者物価指数
- 独 独4月ifo景況感指数
- 英 英3月小売売上高
- 米 4月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
- 米 決算発表 → P&G
- 加 カナダ2月小売売上高
本日のコメント
ホルムズ海峡の緊張が続いています。米軍は南インド洋で、イラン産原油を積載した制裁対象の超大型タンカーに乗り込んだとSNSに投稿。トランプ大統領は、ホルムズ海峡で機雷を敷設する船舶を撃沈するよう海軍に命令しました。一方、イランが商船に対して発砲し、少なくとも2隻を拿捕したと発表しています。米アクシオスは、イランがホルムズ海峡で新たな機雷施設を計画していると報じています。このように、同海峡の緊張が緩和する気配はありません。
米軍は22日夜から23日朝にかけて、「制裁対象の無国籍船『Majestic X』に乗り込んだと米国防総省がXへの投稿で発表しました。同船は「Phenix」としても知られ、200万バレルの原油を輸送できる超大型原油タンカーだとしています。過去数日にわたり、米軍による複数の超大型タンカーの拿捕が相次いでいますが、今回の作戦は、米国がペルシャ湾沿岸から数百マイル離れた海域でもイランの石油取引を標的にする用意があることを改めて示しています。米軍は20日にも、同じ海域のスリランカ東方付近で別の原油タンカーを拿捕していました。イランの港湾を行き来する船舶を力で封鎖し、イランからの原油輸出を止めることで、イランの収入源を断つ狙いのようです。イラン戦争の緊迫化を示す新たな兆候を受け、ホルムズ海峡の開放見通しが後退しています。その結果さらに原油価格は上昇し、WTI先物は3.1%上昇し96ドル付近で終了。北海ブレントは105ドルを上回って引けています。トランプ氏は23日SNSへの投稿で、イランが和平に積極的でないのは、指導部内の対立が原因だとの持論を改めて展開。強硬派と穏健派の間で争いが続いていると述べ、そのうえで、ホルムズ海峡については「米海軍の承認なしに、いかなる船舶も出入りできない」とし、「イランが合意に至るまでは『完全に封鎖されている』状態だ」と強調していました。
原油価格上昇を受け各市場はこれまでと同じく定型的な動きを見せています。株と債券は売られ金利が上昇。ドル円は159円84銭までドル高が進み、再び160円をうかがう動きです。この日の東京時間には、片山財務相が都内で開催されたブルームバーグのイベントに登壇。過去の為替介入は効果があったとし、当局は再び行動を取り得ると、円安の動きをけん制していました。介入に関して片山氏は「われわれにフリーハンドがある」と述べ、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」と表明していました。また為替市場についても、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」と述べています。
米国とイスラエルがイラン攻撃に踏み切ってから、まもなく2ヵ月が経過します。一度は双方の協議は行われましたが物別れになっており、現時点では再開のメドが立たないばかりか、ホルムズ海峡ではさらに緊張が高まっている状況です。停戦への糸口が見つけられない状況の中、ブルームバーグは、協議が進まないのはトランプ大統領のSNSへの強硬な投稿に一因があるとの記事を配信しています。記事は、「イランが米国との対面による和平協議に応じる可能性は、トランプ米大統領の威圧的な発言や強硬なSNS投稿によって損なわれている。事情に詳しい複数の当局者が明らかにした。米当局者2人によると、トランプ氏のトゥルース・ソーシャルへの投稿や対イラン海上封鎖継続の判断が、パキスタンなど仲介国を通じて進められている交渉に悪影響を及ぼしている。イラン側の交渉担当者も、トランプ氏の投稿はイラン指導部を辱める狙いがあり、それが合意に応じる意欲を低下させていると指摘する。具体的には『国全体を吹き飛ばす』や『石器時代に逆戻りさせる』といった投稿だ。事情に詳しいイラン当局者と中東の外交官が明らかにした。事案の性質上、当局者はいずれも匿名を条件に話した」とし、その上で「こうした膠着状態の主因となっているのがトランプ氏の発信だと、当局者らは指摘する。イラン側の交渉担当者と接触している欧州の外交官によると、ここ1日、進展がほとんどみられていない」と伝えています。また、同記事は、トランプ氏の過激な発言として、『米国とイランが停戦に入る直前に一つの文明が今夜にも滅びるだろう』と述べた文言も挙げていました。
ドル円は再び160円に近づいて来ました。東京時間ではさらに円安が進むと実弾介入の可能性が高まるので、一気に160円台に乗せ、さらにドル高が進むかどうかは不明ですが、「原油価格の高止まり」、「財政懸念」、さらには「政策金利据え置き」など、日本の「ファンダメンタルズ」が円売りを推しているとも言えなくはありません。
本日のドル円は158円70銭〜160円70銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/23 | 片山・財務大臣 | 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 | -------- |
| 4/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 | -------- |
| 3/30 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 | 債券と株が買われ、金利は低下。 |
| 3/27 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 | -------- |
| 3/27 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 | -------- |
| 3/23 | デーリー・SFシスコ連銀総裁 | 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 | -------- |
| 3/23 | グールズビー・シカゴ銀総裁 | 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 | -------- |
| 3/18 | パウエル・FRB議長 | 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 | 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。 |
| 3/18 | FOMC声明文 | 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 | -------- |
| 3/15 | ライト・エネルギー長官 | 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 | -------- |
| 3/15 | ハセット・NEC委員長 | この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 | -------- |
| 3/15 | アラグチ・イラン外相 | 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 | -------- |
| 3/14 | トランプ大統領裁 | 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 | -------- |
| 3/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 | -------- |
| 3/3 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 | -------- |
| 3/3 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 | -------- |
| 3/2 | 氷見野・日銀副総裁 | 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



