「米イランの再協議見通し立たず」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 原油高と介入警戒感から動きが取れないドル円は、159円台で推移。東京時間には159円84銭まで買われたが160円には届かず。
- ユーロドルも1.17前後で小動き。
- 株式市場はまちまち。ダウは下げたものの、半導体銘柄が牽引する形でナスダックとS&P500は最高値を更新。
- 債券は反発。長期金利は4.30%台に低下。
- 金は小幅高。原油は小幅安。
4月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 49.8
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| ドル/円 | 159.31 〜 159.65 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1699 〜 1.1722 |
| ユーロ/円 | 186.53 〜 186.86 |
| NYダウ | −79.61 → 49,230.71ドル |
| GOLD | +16.90 → 4,740.90ドル |
| WTI | −1.45 → 94.40ドル |
| 米10年国債 | −0.024 → 4.301% |
本日の注目イベント
- 日 2月景気先行指数(CI)(改定値)
- 日 2月景気一致指数(改定値)
- 独 独5月GFK消費者信頼調査
本日のコメント
昨日のNHK「昼のニュース」にはやや驚きました。トランプ大統領が出席したホワイトハウス記者協会主催の夕食会会場のホテルで銃撃戦があったと報じられました。幸い死傷者はなかったようですが、ホワイトハウスのレビット報道官はソーシャルメディアへの投稿で、容疑者は大統領の暗殺とトランプ政権の高官をできるだけ多く殺害することを狙っていた可能性があると示唆しました。ただ、この見解が法執行機関の調査結果に基づくものかどうかは現時点では不明です。容疑者の具体的な標的や動機は明らかになっていません。ただ、家族に送った長文の声明文をブルームバーグが確認したところ、トランプ大統領を「犯罪をおかした裏切り者」と非難する内容が含まれていたとのことです。被害を最小限に抑えるため、スラッグ弾ではなくバックショット弾を使用すると記していたそうです。文書には「友好的な連邦の暗殺者」と署名されていたと伝えられていました。トランプ氏は、「大統領は最もリスクの高い仕事だ」とのコメントを残しています。
この週末に何か進展があるのではとの期待もありましたが、米国とイランとの協議再開のメドは依然として立っていません。トランプ氏は、イラン紛争を巡る交渉のため予定されていた特使団のパキスタン訪問を中止したと、ホワイトハウスのレビット報道官が明らかにしました。一方イランのアラグチ外相は25日にパキスタンで仲介者らと会談した後、イスラマバードを離れています。SNSへの投稿では、「米国が外交に本気で取り組むかどうかまだ見極める必要がある」と説明しています。ただ、アラグチ氏は26日にはオーマンを訪問し、同国の国王と会談し、その後、イスラマバードに戻ったとイラン国営通信は伝えていました。
トランプ大統領が何度も停戦に向けた楽観的な見通しを述べてはいますが、停戦に向けての協議再開は不透明で、ホルムズ海峡での緊張は続いています。軍事力では圧倒的に優勢な米国がその力を発揮できないのは、イランが「石油」という武器を持っているのも、その理由の一つです。しかし、米軍によるイラン港湾への封鎖が続いており、石油収入が断たれているイランですが、ではいつまでこの状況に耐えられるのか、ブルームバーグは米シンクタンクの見方を紹介しています。米シンクタンク、新アメリカ安全保障センターは、「ホルムズ海峡は明らかに交渉上の重要なカードであり、イランの対応がどの程度統制されているかを測る指標でもある。米国の封鎖はイランの影響力を抑えるため部分的に実施されたが、イランには一定の余力と最近の収入があり、時間稼ぎが可能だ」としています。「イランの耐久力は、長年の自給体制や衝撃に耐える制度設計、そして最近の石油収入に支えられている」と分析。ある程度耐えることができるとする一方で、「世界経済に残された時間は限られている」と、指摘しています。「戦争が長引くほど、供給不足や価格高騰がエネルギー市場と世界のサプライチェーンに波及し、輸入依存度の高いアジアだけでなく、米国を含む世界全体への経済的打撃は拡大する」と指摘しています。さらに、ゴールドマン・サックス・グループは、「ペルシャ湾岸諸国の原油生産はすでに戦前水準を57%下回っている。海峡が完全に再開しても回復には数カ月を要する可能性があり、長期封鎖の後での持ち直しは部分的にとどまる恐れがある」と先週のリポートで分析していました。戦争の長期化は、トランプ政権がもたらした複雑な問題の解決をさらに難しくしており、新たな協議にも見通しが立っていません。昨日は米国産の原油を積んだタンカーが初めて、千葉県の港に到着したことが話題になっていました。今後日本に入る原油は徐々に中東から米国に移行するようですが、米国産と中東原油では質が異なることに加え、日本までの距離も障害になります。中東から日本までの航海日数は「20日程度」ですが、米国からはパナマ運河経由でも「30日程」かかり、喜望峰経由では「50日程」かかると言われています。航海費用の増加は石油価格に転嫁されることになります。
WTI原油は、早朝の取引で上昇しています。ドル高を促すものの160円前後では介入警戒感が依然として強く、両材料に挟まれている状況が続いています。本日のドル円は158円80銭〜160円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/23 | 片山・財務大臣 | 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 | -------- |
| 4/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 | -------- |
| 3/30 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 | 債券と株が買われ、金利は低下。 |
| 3/27 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 | -------- |
| 3/27 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 | -------- |
| 3/23 | デーリー・SFシスコ連銀総裁 | 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 | -------- |
| 3/23 | グールズビー・シカゴ銀総裁 | 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 | -------- |
| 3/18 | パウエル・FRB議長 | 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 | 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。 |
| 3/18 | FOMC声明文 | 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 | -------- |
| 3/15 | ライト・エネルギー長官 | 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 | -------- |
| 3/15 | ハセット・NEC委員長 | この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 | -------- |
| 3/15 | アラグチ・イラン外相 | 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 | -------- |
| 3/14 | トランプ大統領裁 | 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 | -------- |
| 3/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 | -------- |
| 3/3 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 | -------- |
| 3/3 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 | -------- |
| 3/2 | 氷見野・日銀副総裁 | 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



