「原油価格急落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は163円台で小動き。原油価格が大幅に下落したが、円買いにはつながらず、値幅はわずか19銭に収まる。
- ユーロドルは1.13台半ばから後半で推移し、上値は重い展開。
- 株式市場はまちまち。エヌビディアなど半導体株が売られ、ナスダックは下落。一方、ダウは262ドル高で取引を終える。
- 債券は小幅に買われ、長期金利は4.64%台に低下。
- 金は続伸。原油はトランプ大統領の「イランとの合意十分あり得る」との発言に反応し、一時81ドル台まで急落。
6月耐久財受注 → 0.3%
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| ドル/円 | 163.61 〜 163.80 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1367 〜 1.1390 |
| ユーロ/円 | 186.03 〜 186.36 |
| NYダウ | +262.83 → 52,210.08ドル |
| GOLD | +6.20 → 4,077.00ドル |
| WTI | −6.70 → 82.60ドル |
| 米10年国債 | −0.028 → 4.649% |
本日の注目イベント
- 日 片山財務相、金融イベントに参加
- 米 5月S&P Cotality CS20−City YoY NSA
- 米 5月FHFA住宅価格指数
- 米 7月リッチモンド連銀製造業景況指数
- 米 7月コンファレンスボード消費者信頼感指数
- 米 決算発表 → ボーイング、コカ・コーラ、UPS、フォード、VISA
本日のコメント
中東情勢をにらみながら原油価格は荒っぽい動きを見せ、高いボラティリティが続いています。一時は67ドル台まで低下したWTI原油価格でしたが、米国とイランの双方が攻撃を繰り返し、さらにイエメンの「バベルマンデブ海峡」の封鎖まで加わったことから同価格は再び上昇に転じ、92ドル台まで反発しました。しかし、昨日は一転して一時は81ドル台まで急落するなど激しい動きが続いています。トランプ大統領が、米国とイランが中東での紛争終結に向けた外交協議を進めていると明らかにしたことに反応したものです。ただ、交渉が合意に至らなければ、双方は再び戦闘に戻ると警告しています。トランプ氏は大統領専用機エアフォース・ワン内で、「向こうが会談を望んでいるのは、われわれが非常に激しい攻撃を加えてきたからだ」と述べました。その上で「何かがまとまる可能性は十分ある。そうなれば、それでいい。まとまらなければ、われわれはこれまでしきたことを再開するだけだ」と続けました。トランプ氏はこれまでも「協議は進展しており、合意は近い」と繰り返し述べてきましたが、その後も戦闘は続いていました。米中央軍は23日までに13日連続でイランに対す攻撃を続けていましたが、一転してそれ以降26日夜まで、3夜連続でイランへの攻撃を見送っています。報道では、弾薬が枯渇しているからとの見方が有力のようですが、トランプ氏は27日、「米国には十分な弾薬がある」と述べる一方、「正直に言えば、もっとあればいい」とも発言。弾薬備蓄の減少については、「バイデン前政権とウクライナへの武器供与に責任がある」と主張していました。
一方、イラン国営テレビは27日、イラン当局がオマーン沿岸に近い南側航路を航行していた6隻の船舶を引き返させたと報じています。イラン外務省報道官も、「われわれは米国が戦争のタイミングを決めることをこれまでも、今後も許さない。国益上必要であれば、いつでも自衛する。適切と判断すれば、外交手段も必ず用いる」と語っています。米国とイスラエルがイランを攻撃してからまもなく5ヵ月が経過し、6ヶ月目に突入します。これまでに米兵18名が死亡していますが、費やした戦費は約375億ドル(約6兆1000億円)に達していると、ヘグセス国防長官が上院歳出委員会の公聴会で明らかにしています。専門家の中には「イラン戦争は年内には終わらない」と予想する人もおり、戦費のさらなる拡大は避けられない模様です。インフレ懸念に加えて、財政赤字拡大が米金利上昇の火種になっており、その先には、FRBによる利上げ、そして一段の円安といったシナリオも描ける可能性があります。イラン攻撃開始から6カ月目に突入するのを前に、イスラエルのネタニヤフ首相は、28日にワシントンでトランプ氏と会談する予定です。「ネタニヤフ氏はイランの核開発計画について、米国が『継続的な監視』を続けるようトランプ氏に求める考えを示している」(ブルームバーグ)とのことです。
今日からFOMC会合が始まります。政策金利の据え置きが予想されていますが、それでもウォーシュFRB議長は今後に利上げについて、前向きな発言を行うのではないかという見方が増えています。ブルームバーグは「中東での衝突は明らかに激しさを増しており、原油価格が足元の水準から大幅に上昇するリスクも高まっている」とした上で、「こうした地政学的要因によってインフレが少し長引くリスクを市場は織り込み始めている」といった意見を紹介しています。ダラス連銀のローガン総裁は今月、「インフレ率が連邦準備制度の目標である2%へ持続的に戻るとは考えにくい」として、「小幅な利上げを支持する」姿勢を示していました。また、クリーブランド連銀のハマック総裁も最近、連邦準備制度の責務に「相反するものはない」としたうえで、「現時点では雇用よりもインフレの方がより大きな懸念材料だ」との考えを示していました。両総裁はいずれも今週の会合で「議決権を持ち」、据え置きに反対票を投じる可能性もありそうです。
ドル円は引き続き「有事のドル買い」と「介入警戒感」との綱引き状態が続いており、その中でも前者が優勢のようです。昨日、特別国会の閉会を受けて首相官邸で行われた高市首相の会見では、自身の積極財政が円安の一因になっていることなど、「どこ吹く風」といった雰囲気でした。極端な言い方をすれば、現政権が続く限り、大幅な円高は見込めないのかもしれません。
本日のドル円は163円〜164円30銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」、「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」、「インフレ見通しには上振れリスクがある。エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある。エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」、「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」、「6月のユーロ圏総合インフレ率は2.8%へ鈍化し、市場予想も下回った。しかし、今月に入り戦闘が再開したことで、政策当局者の間では金融引き締めをまだ終わらせることができない可能性が認識され始めている」 | ドル高の流れの中、ややユーロ売りに拍車。 |
| 7/16 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」、「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」 | -------- |
| 7/14 | ウォーシュ・FRB議長 | 「FOMC参加者は、高止まりするインフレを長期にわたって容認することはない。われわれは物価安定の回復に向け、揺るぎない決意を共有している」、「われわれが適切な政策運営を実現すれば、そして実現する所存だが、過去5年間の高インフレは過去のものとなる」米6月のCPI発表を受けて)、「朝発表された統計を見て『任務は完了した』と考える人もいるかもしれないが、それは私の見解ではない」、(トランプ氏から公に批判された場合でも経済指標に基づいて政策判断を行うのかと問われ)「そうする」 | -------- |
| 7/13 | ウォラー・FRB理事 | 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 | 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。 |
| 7/9 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 | -------- |
| 7/1 | ウォーシュ・FRB議長 | 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 | -------- |
| 6/17 | ウォーシュ・FRB議長 | FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 | -------- |
| 6/17 | FOMC声明文 | 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 | -------- |
| 6/17 | 内田・日銀副総裁 | 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 | -------- |
| 6/11 | ラガルド:ECB総裁 | 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 | -------- |
| 6/9 | 片山・財務大臣 | 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 | -------- |
| 6/4 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 | -------- |
| 6/4 | デーリー・SF連銀総裁 | 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 | -------- |
| 6/3 | 植田・日銀総裁 | 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 | ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。 |
| 6/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 | -------- |
| 6/3 | ローガン・ダラス連銀総裁 | (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 | -------- |
| 6/2 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



