今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円、東京市場で一時152円台後半まで下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 東京時間に円高が進み、一時は152円89銭近辺まで売られたドル円は、NYでは思った程円買いは進まず。中東情勢の悪化で原油価格が上昇。米金利の上昇もあり、154円38銭まで反発。
  • ユーロドルは1.16台前半で小動き。ドル円が下落したことで、ユーロ円は178円台と、およそ10ヵ月ぶりの水準まで売られる。
  • 株式市場では中東情勢の緊張が続いていることで、3指数が揃って続落。ダウは628ドル安と、大幅に下落。
  • 債券は売られ、長期金利は4.78%台に上昇。
  • 金は続落。原油は1.55ドル買われ、6日続伸。
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7月消費者信用残高 → 18.062b
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ドル/円 153.50 〜 154.38
ユーロ/ドル 1.1611 〜 1.1634
ユーロ/円 178.44 〜 179.48
NYダウ −628.18 → 52,786.07ドル
GOLD −37.60 → 4,439.00ドル
WTI +1.55 → 93.03ドル
米10年国債 +0.006 → 4.788%

本日の注目イベント

  • 中 中国8月消費者物価指数
  • 中 中国8月生産者物価指数
  • 米 共和党大会(テキサス州ダラス、10日まで)

本日のコメント

節目の155円を割り込んだドル円は昨日の東京時間に大きく下げ、153円台も割り込みました。一時は152円89銭近辺まで売られたことでNYではもう一段の円高を予想していましたが、上記水準を底値に反発しました。中東情勢がさらに悪化し、原油価格が高騰したことが大きな要因であったと思います。FOXニュースは、「米軍はイランのカーグ島付近と港湾都市ジャスクの標的を攻撃した」と報じました。FOXニュースの記者は匿名の米政府高官の話として、「標的にはイランの石油タンカーが含まれていた」とSNSに投稿しました。イラン政府に降伏を迫る取り組みの一環だとしています。イランの国営タスニム通信はこれに先立ち、米軍のミサイルがカーグ島沖でイランのタンカーに命中したと報じていました。この報道で原油価格は直ぐに反応し、WTIは6日続伸し93ドル台に乗せています。また債券も売られ、米金利が上昇。昨日の本欄でも触れましたが、155円の重要な節目を割り込んだドル円は大きく下落すると予想しましたが、一方で原油価格の上昇や、日本の財政悪化懸念といった「円売り材料」は依然として存在していることから、この先ドル円がさらに円高方向に進むのか、正直、判断に迷っているところです。決め手は、やはり金曜日の「米8月の消費者物価指数(CPI)」ということになるのでしょう。

カナダが、米国から輸入する数百品目に15−50%の関税を課すという措置が発動されたことに伴い、カナダはEUと、貿易から安全保障まで幅広い分野で関係を強化することを決めました。ブルームバーグによると、EUの執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長が16日に仏ストラスブールで行う一般教書演説で計画を発表する見通しで、カナダのカーニー首相も演説に出席し、翌日には欧州議会で演説するとのことです。同通信は、「匿名を条件に語ったカナダ政府当局者によると、カーニー政権はEUとの関係深化を最優先課題の一つに掲げており、正式加盟には至らない範囲であらゆる選択肢を積極的に検討している。協議では、防衛や宇宙開発、科学研究での協力といった『戦略的能力』に特に重点が置かれているという」と伝えています。カーニー氏は今年、世界経済フォーラムで行った演説で、「ルールに基づく国際秩序は事実上終わった」と警告。「世界の大国による圧力や威圧に対抗するため、中堅国が協力して新たな国際秩序の枠組みを構築する」と、「脱米国」を呼びかけていたことが話題になりました。

米国の特使がロシアとウクライナを相次ぎ訪問し、プーチン大統領とゼレンスキー大統領とも会談を行ったことで、両国の戦争終結に向けた動きが期待されましたが、米国の特使とプーチン氏との会談では、進展がなかったことが判明。欧州および米国の当局者らは、「ロシアのウクライナ侵攻が来年まで続くことを覚悟している」と、メディアが報じています。事情に詳しい欧州の当局者によると、プーチン氏は冬の間も攻撃を強化し、ウクライナの抵抗力と同国支援国の決意を試そうとしているようです。また、プーチン氏は戦争を終結させるいかなる合意においても、ウクライナ東部のドネツク州全域をロシアの支配下に置くことを求めており、この件に関してプーチン氏はいかなる妥協もしない意向のようです。

中国の習近平主席は9月23−25日に訪米し、トランプ大統領と首脳会談を行う予定ですが、この会談を成功裏に終わらせる意向であれば、米国はこの先イランに対して大規模な軍事行動を行使できない可能性もあります。イランの石油の大部分は中国に輸出されており、両国は良好な関係にあります。トランプ氏は先週、イランに対する大規模な経済制裁の中で、「イランと貿易関係のある国も、制裁の対象にする」と述べていました。中国に対してあからさまに制裁を課すようだと、訪米そのものが中止になるリスクもあります。余談ですが、友人からの話では、訪米にあたって中国は「米国債を購入する」ことを「手土産」にするといった話がありました。米金利の上昇を何としても止めたいトランプ氏とベッセント財務長官にとって、これが事実なら「渡りに船」と言えます。一方米国は、中国のファーウェイやBYDの米国でのビジネス拡大を許可するというものでした。果たしてどこまでが真実なのか・・・・?

本日のドル円は152円30銭〜154円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 --------
9/2 高田・日銀審議委員 (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。
9/1 バー・FRB理事 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 --------
8/28 ウォーシュ・FRB議長(ジャクソンホールでのシンポジウムで) 「インフレ率を2%の目標に戻す」、「私の判断基準はこうだ。基調的なインフレが明確かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない。そうでなければ、われわれにはやるべきことがある。それがわれわれの仕事だ」、「やるべきことがある」、「私はきょう、特定の政策決定ではなく、規律を重んじる決意を持ってここに立っている」と述べ、さらに、「インフレ率が2%を上回っている中、FRBは現時点で、最大の重点を物価に置くべきだと」 ドル円は159円台半ばから160円20銭まで上昇。米金利高、株安が進む。
8/27 ベッセント:財務長官(介入に対するウォーレン上院議員への回答で) 「日本は米国債の主要な保有国だ」、「円相場が無秩序な動きとなれば、ポジションの強制的な巻き戻しを引き起こす。そうなれば、世界の市場を不安定化させ、最終的には米国の家計や企業の借り入れコストを押し上げる可能性がある」 --------
8/13 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 --------
8/13 ハマック・クリーブランド連銀総 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 --------
8/12 コリンズ・ボストン連銀総裁 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 --------
8/11 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 --------
8/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 --------
8/5 クック・FRB理事 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 --------
8/4 ベッセント・財務長官 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 --------
8/3 ベッセント・財務長官 (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 --------
8/3 片山・財務相 (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和