今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円は動けず」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 前日の片山財務相とベッセント財務長官とのオンライン会談の影響からドル円は動きが取れず小動き。161円台半ばを中心に15銭程度の値幅に収まる。
  • ユーロドルではドル高傾向が続き、1.14台を割り込み1.1375までユーロ安が進む。
  • 株式市場では3指数が揃って下落。エヌビディアも大きく下げ、ナスダックは579ポイントの大幅下落。
  • 債券は買われ、長期金利は4.49%台に。
  • 金は3日続落。原油も小幅安となり73ドル台前半に。
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6月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) → 55.7
6月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) → 51.3
6月S&Pグローバル総合PMI(速報値) → 52.2
6月リッチモンド連銀製造業景況指数 → 4
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ドル/円 161.46 〜 161.61
ユーロ/ドル 1.1375 〜 1.1400
ユーロ/円 183.78 〜 184.09
NYダウ −45.87 → 51,666.84
GOLD −53.30 → 4,149.40ドル
WTI −0.65 → 73.21ドル
米10年国債 −0.012 → 4.497%

本日の注目イベント

  • 豪 豪5月消費者物価指数
  • 日 氷見野日銀副総裁、全国信用金庫大会で挨拶
  • 独 独6月ifo景況感指数
  • 米 経常収支(1−3月)
  • 米 5月新築住宅販売件数

本日のコメント

前日の片山財務相とベッセント財務長官とのオンライン会談の詳細は不明ですが、会談は為替の水準についての内容ではとの見方もあり、一応円安を抑制する形にはなっています。昨日の東京時間では161円台半ばでほとんど動かず、欧州時間に入るとやや円高方向に振れる場面もありましたが、それも限定的でした。NYでは値幅が15銭程で無風でした。イラン情勢や、原油価格の変化にも動かず、昨日は日経平均株価が大きく下げ、NYでもナスダックが大幅安を見せましたが、ドル円を動かす材料にはなっていません。ここはやはり、介入がどの水準であるのか、あるいは米国も関わってくるのかどうかという所が最大の焦点のようです。それでもユーロドルを見るとドル高傾向が鮮明で、ユーロは2025年6月以来1年ぶりの安値まで売られました。市場全体で見れば「ドル独歩高」の様相です。

米国とイランとの恒久的な和平協議に向けた話し合いは続いていますが、協議が核心的な部分に及んできたのか、双方の主張に違いが見え始めています。トランプ大統領は23日、和平協議の一環として、制裁を解除される見込みのイランの凍結資産について、米国からの食料と医療用品購入にのみ充てられると述べました。トランプ氏は、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に「米財務省が解除する資金、制裁措置の対象資産は米国が管理する『エスクロー口座』に入れられ、その資金は米国からの食料・医療用品の購入にのみ使用される」と投稿しました。さらに、核問題に関して、「イランが将来にわたり最高水準の核査察を受け入れることで合意した」とも付け加えています。一方、イラン外務省のバガエイ報道官はこれら両方の主張に異議を唱え、資金は米国産品の購入に限定されず、自国が「適切と判断する方法で自由に」使用できると主張しています。核査察に関するトランプ氏の主張についても否定し、「われわれは国際原子力機関(IAEA)の事務局長と会談しておらず、IAEAがイランの核施設を査察する計画もない」と述べています。ブルームバーグによると、「イランは凍結資金120億ドル(約1兆9390億円)が和平協議の一環として、2回に分けて同額ずつ解除される見通しだとしている。メヘル通信がガリババディ外務次官の発言として報じた。一方、米国側はイランが受け取る金額について、まだ確認していない」と伝え、凍結が解除される金額についても認識が異なっています。

ただ、そのような状況の中でもホルムズ海峡では位置情報を発信したまま通過する船舶が増えているようです。ブルームバーグが集計した船舶追跡データによると、23日には、イラン船籍以外の満載状態の超大型タンカー2隻を含む計7隻のタンカーがホルムズ海峡内を航行中、または既に通過したとのことです。これら全てが位置情報を発信していたことが確認されています。それでも、船舶の安全な航行が確保されるかどうかはなお不透明で、ホルムズ海峡の再開を巡る動きはなお不安定だとの、専門家の指摘もあります。ただ原油価格は、緊張緩和が進み、船舶の通航再開に向けた動きが広がったことで、紛争中に付けた高値から4割近くも下落しています。

本日も大きな材料はなく動きづらい展開になりそうです。氷見野日銀副総裁の挨拶がありますが、追加利上げを決めたばかりで注目度は低いようです。「今後も物価の動向を見ながら金融緩和度合いを調整していく」といった趣旨の内容かと思います。

本日のドル円は160円30銭〜162円30銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/17 ウォーシュ・FRB議長 FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 --------
6/17 FOMC声明文 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 --------
6/17 内田・日銀副総裁 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 --------
6/11 ラガルド:ECB総裁 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 --------
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
5/28 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 --------
5/28 ムサレム・セントルイス連銀総裁 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 --------
5/21 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 --------
5/21 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 --------
5/21 小枝・日銀審議委員 (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 --------
5/20 トランプ・米大統領 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。
5/19 片山・財務大臣 「断固たる措置を取るときは取る」 ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。
5/19 トランプ・米大統領 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 --------
5/14 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 --------
5/12 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 --------
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和