米国のAIに対する巨額な投資が、インフレを加速させるとか、はたまた、その巨額な投資額に見合うだけの収益を上げることが困難で、AIバブルの崩壊まで予言する人も出てきました。武者リサーチは、「アマゾン、アルファベット、マイクロソフト、メタなどの主要ハイパースケーラーによる2026年間投資額は、会社見通し7300億ドル(約115兆3400億円)に続きGSは2027年も前年比6割増の1兆2000億ドルと予想している。これにリースファイナンスなどを含めた総投資額は、1.4兆〜1.5兆ドルに達するとの試算もある」と報じ、それでも、米株式市場は金利高にも十分対応でき、株価は今後も上昇すると予想しています。確かに、米国の経済力は突出しており、日本とは比較になりませんが、欧州などと比べてもフリーキャッシュフロー(FFC)など、稼ぐ力は抜きん出ています。一方で、今朝の日経新聞でも報じられていますが、10月という月は、「過去に大異変が起きた月」としても知られており、その例として「ブラックマンデー」や「リーマンショック」などを挙げていました。株価は、基本的には金利高には弱いことから、今後も警戒感を維持しながら、仮に上昇が続いたとしても慎重に見ておくべきかと思います。
為替は、ユーロドルでユーロが売られる展開が続いています。その最大の要因はフランスの政治的リスクと財政問題です。加えて、この週末にはフランス各地で複数の抗議デモが警察と参加者の衝突に発展し、略奪や有名な建造物への放火も相次つぎました。フランスではここ数年で最悪規模の騒乱となっています。マクロン大統領は18日夜の演説で、「国に必要なのは秩序と平和であり、事態のエスカレートではない」と述べていました。17日に全国各地で行われた抗議活動には50万人以上が参加しました。当初は学校・病院の劣悪な環境や生活費高騰への不満を訴える平和的なデモでしたが、すぐに事態は悪化し、内務省が18日夜に公表した最新の数字によると、17日には2397人が逮捕されています。フランスではマクロン大統領の任期満了が近づき、来年4月に大統領選を控える重要な時期を迎えています。物価高や教育制度に対する学生の反発を背景に、国内で高まっている不満が大規模なデモにつながっています。その大統領選では、現時点で、極右政党代表のマリーヌ・ルペン氏が最も支持を集めており、第2位のメランション氏の支持を倍以上引き離しており、このまま行けば、ルペン氏が大統領に選ばれる可能性が高いことになります。同氏は、これまでも、「自身が大統領になったらEUを離脱する」などといった過激な発言を繰り返してきましたが、さすがに大統領を意識し始めたのか、最近の発言は温厚になっており、財政規律を守るなどと述べています。ただ、それでも実際に大統領に就任した際には、どのような予想外の言動があるのか、見通せません。ユーロ圏第2位の経済規模を誇り、歴代ECB総裁も、現在の第4代総裁のラガルド氏を含め2人、つまり半分も排出しているフランスです。影響力は無視できないと思われ、今後ともユーロが売られる要因になる可能性は十分あり得るということです。
ドル円は来週には日米金融政策会合を控えていますが、筆者が予想するように、日米とも「据え置き」だとすれば、大きな動きは期待できません。155−160円の鉄壁レンジは維持されると予想されます。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
