米国がベネズエラに対して空爆を実施し、マドゥロ大統領夫妻を拘束したことで、地政学リスクが高まり、週明けの東京市場でどのような動きになるのか注目されましたが、東京に限ってみると、その懸念は杞憂に終わりました。今日5日は「大発会」でもあり、日経平均株価は前場の時点で、昨年末から1400円以上も上昇し、5万1000円台を大きく回復しました。株価の大幅上昇にドル円も「リスク選好」が進み、157円30銭前後までドルが買われ、2週間ぶりのドル高水準を付けています。また、円の長期金利は2.125%と、1999年以来の高水準を記録しています。今年最初の取引となった東京市場では、「ドル高・株高・金利高」で取引を終えそうな気配ですが、昨年の流れから何も変わっていない印象です。今年1年の動きを象徴しているような気がするのは、筆者だけではないと思います。
リスク回避が進み、円高に振れることで株価が下落するのではないかとの予想もありましたが、実際には楽観的な見方が優勢でした。米軍によるベネズエラ攻撃を当初は非難し、拘束されたマドゥロ大統領の復帰を求めていたベネズエラのロドリゲス暫定大統領は4日、米政府に対し、協調アジェンダ(政策課題)への協力を呼び掛けています。融和的トーンに転換した模様で、声明では、ベネズエラの和平と平和共存へのコミットメントを再確認する一方、「米国とベネズエラとの相互尊重に基づく、均衡の取れた国際関係への移行」を優先課題として挙げていました。これが楽観的な見方につながったと思われ、ブルームバーグは「今回の声明は、トランプ政権との協力の用意を示す可能性がある一方、米国を帝国主義的脅威と見なし、マドゥロ大統領の拘束を国家主権の侵害と捉える政府内の強硬派から反発を招く恐れもある。ロドリゲス氏は、マドゥロ氏の他の側近らの足並みをそろえながら、対米関係の今後の展開に対処しようとしている」と説明しています。
片山財務相は5日、全国銀行協会の新年賀詞交歓会であいさつし、今年は「成長型経済移行の正念場だ」との認識を示した上で、「官民連携の成否が成長戦略の成否だ。金融・銀行界の協力なく実現できない」と述べ、日本経済成長の実現に向け業界の支援を求めていました。2週間ぶりに157円台まで円売りが進みましたが、円安をけん制する発言はなかったようです。また同賀詞交歓会に出席した植田日銀総裁は、日銀の中心的な見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくと説明。この適切な調整が2%の物価安定目標を「スムーズに実現するとともに、日本経済の息の長い成長につながる」と、これまでの発言を繰り返すのみでした。
2026年も、米国がベネズエラを攻撃するという衝撃的なニュースで幕を開けました。やはり、今年も相場を大きく動かす「源泉」は米国であり、トランプ大統領である可能性が高いと予想します。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
