11月3日の「米中間選挙」まで1ヵ月を切ってきました。多くのメディアから、同選挙の行方を予想する記事が多く出回り、トランプ大統領の顔が紙面を飾るようになってきました。トランプ氏自身の支持率が低下していることもあり、多くのメディアでは共和党が厳しい戦いを強いられていると報じています。筆者は先日、バークレイズ証券主催のセミナー「2026年中間選挙の最新見通し」に参加してきました。同セミナーでは特筆すべき事柄や新事実などを得ることができ、その一部を紹介したいと思います。
先ず、前提として、「米国では国が間違った方向に進んでいると判断する国民が、世論調査の結果、「59%」もいるという事実です。特にこのように考える人は、トランプ大統領第2期就任時の「50%前後」から、直近では「59%」に増えています。逆に、正しい方向に進んでいると考える人の割合は同任時の「45%」前後から「33%」に低下しています。やはり、イラン戦争に突き進んだことが大きく影響していると分析できます。
トランプ氏自身の支持率をみても、2期目就任時は1期目を上回る支持率を得ていましたが、現在では1期目の同時期を下回っています。支持層の属性をみても、「白人・大卒」、「白人・非大卒」、「黒人」、「ヒスパニック」、あるいは「男性」、「女性」など、主要な属性グループの多くでトランプ氏の支持率は低下しています。有権者が最も関心を寄せる政策課題をみると、第1位は「インフレ・物価」となっており、2位は「雇用・経済」となっています。これら2つに加え、「貿易」、「ロシア・ウクライナ」、「外交政策」、「イラン」、「イスラエル・ハマス」といった主要項目でも、トランプ大統領の対応への評価では全てでマイナスでした。このような世論調査の結果を踏まえて、議会選挙の政党ベースの投票意向では「民主党がリードしている」との結果が示されています。事前調査では共和党不利との予想を受け、トランプ氏は「共和党が勝利したら成人全員に『トランプ配当』と銘打った5000ドルを支給する」などと、カネの力を利用する策に出してきました。最後まで勝敗の行方は分かりませんが、全議席が改選される下院議会で民主党が過半数を獲得できるのかが、今後2年の期間を残すトランプ氏の暴走を止めることができるのかどうかを決めることになります。
本日午後には高市首相が衆院本会議で所信表明演説を行いました。首相は「新しい経済財政運営」を掲げ、強い経済と財政の持続可能の両立を強調していました。また、積極財政を掲げながらも、引き続きその財源は示されていません。「減税=国債の増発」というイメージを払拭できるのかどうか、依然として不透明です。本稿執筆時では為替、株、債券市場はほとんど反応していません。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
