今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
3月9日 〜 3月15日
ドル/円
156.50〜160.50
ユーロ/円
181.00〜186.00
豪ドル/円
110.00〜113.00

今朝の6時の時点ですでに106ドル台まで急騰していた「WTI原油価格」はその後も買いが止まらず、午後の本稿執筆時点では何と「115ドル台」までさら上昇しています。先週末比では27%ほど上昇しました。中東情勢の緊迫化で主要産油国が相次いで生産を抑制し、重要な海上輸送路が事実上閉鎖となる中、米国は紛争の一段の拡大を示唆していることが背景です。通常、WTIよりも高値で取引される「北海ブレント原油」も一時28%高の118ドル台を付けました。ホルムズ海峡が事実上閉鎖され、貯蔵施設が限界に近づく中、UAEとクウェートは減産を開始。イラクも先週、生産停止に着手しました。原油価格に詳しい専門家は、「心理的節目である100ドルは、紛争が長期化し、タンカーに積み込みできず、貯蔵施設が満杯となることで原油生産が抑制される中、より高い水準に向かう過程の短期的な目標に過ぎない可能性がある」と述べています。紛争はインフレ危機への懸念を強めており、米国の小売りガソリン価格は24年8月以来の高水準に達し、年後半に中間選挙を控えるトランプ氏と共和党にとって大きな試練となっています。またこの先、FRBにとっても難しい舵取りを迫られます。先週末に発表された「2月の雇用統計」では、失業率の上昇に加え、非農業部門雇用者数(NFP)も前月比増加ではなく、9万2千人の減少でした。さらに直近2ヵ月分も下方修正されています。トレンドで見ても、米労働市場の鈍化傾向は明らかで、雇用者側はトランプ政権の政策の行方を不安視し、今後はさらに採用には慎重になると見られます。労働市場の減速はFRBに追加利下げを促しますが、原油価格の急騰に直面していることから、そう簡単に利下げできない可能性もあります。今月は19日(木)にFOMC会合があり政策金利が決定されますが、今回は据え置きとしても、パウエル議長の発言がかなり注目されそうです。

ドル円もやはり上昇しました。158円台では介入警戒感がありながらも、158円90銭近辺まで円が売られ、159円が視野に入ってきました。上でも述べたように、原油価格がこれほど短期に急騰する中では、止む得ないところです。159円付近では、これまでも述べてきたように、さらに介入警戒感が高まりますが、個人的には介入は難しいのではないかと予想しています。原油価格の高騰と円安が、輸入物価をさらに押し上げる可能性が高いと思われます。これ以上のインフレ再燃を防ぐには「利上げ」が必要ですが、今日は日経平均株価が大きく下げています。一時は先週末比4200円も下げる場面がありました。もし利上げを行えば、株価にとってはさらにネガティブとなり、株価を押し下げる可能性もあります。そしてそれは、積極財政を柱に、経済成長を図ることを目指している高市政権にとっては逆風となります。日銀が政治的配慮を考えるとすれば、この局面では簡単に利上げは出来ないのではないかと考えます。足元では、ドル円を動かす最大のドライバーは、金利差でも、株価の動向でもなく、原油価格の動きです。

今週の注目材料

  • 3/9(月)
    日 1月国際収支・貿易収支
    日 1月景気先行指数(CI)(速報値)
    日 2月景気ウオッチャー調査
    中 中国2月消費者物価指数
    中 中国2月生産者物価指数
    独 独1月貿易収支
    独 独1月鉱工業生産
    米 2月NY連銀インフレ期待
  • 3/10(火)
    豪 豪3月ウエストパック消費者信頼感指数
    豪 豪2月NAB企業景況感指数
    日 10−12月GDP(改定値)
    中 中国 2月貿易収支
    米 2月中古住宅販売件数
  • 3/11(水)
    独 独2月消費者物価指数(改定値)
    米 2月消費者物価指数
    米 2月財政収支
  • 3/12(木)
    日 1月貿易収支
    米 新規失業保険申請件数
    米 1月住宅着工件数
    米 1月建設許可件数
    加 カナダ1月貿易収支
    加 カナダ1月住宅着工件数
  • 3/13(金)
    欧 ユーロ圏1月鉱工業生産
    英 英1月鉱工業生産
    英 英1月貿易収支
    米 10−12月GDP(改定値)
    米 1月個人所得
    米 1月個人支出
    米 1月PCEデフレータ(前月比)
    米 1月PCEデフレータ(前年比)
    米 1月PCEコアデフレータ(前月比)
    米 1月PCEコアデフレータ(前年比)
    米 1月耐久財受注
    米 3月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
    米 1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
  • 3/14(土)
  • 3/15(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。