米国とイランが21日、スイスで開いたハイレベル協議の第1回会合が終了しました。レバノン戦争の終結で進展があったほか、イラン産石油・同製品輸出への制裁適用除外、封鎖および一部資産凍結の解除で前進があったもようです。仲介国のカタールとパキスタンがSNSに投稿した共同声明によれば、さらなる技術的協議の枠組み創設など、「勇気づけられる」進展が見られたほか、交渉責任者らが定期的に報告を行う「ハイレベル委員会」の設置でも合意しました。また、ホルムズ海峡での民間商船の安全な航行に向け、衝突や行き違いを回避する連絡体制の構築も決まった模様です。「ハイレベル委員会」は60日以内の最終合意に向けたロードマップ(工程表)で一致してします。一方、イランのアラグチ外相はXへの投稿で、パキスタンとカタールによる仲介がレバノン戦争の終結に向け大きな進展をもたらしたとコメントしました。アラグチ氏によれば、同国の石油と石油化学製品の輸出が免除対象となり、封鎖および一部資産の凍結が解除されるほか、イランの大規模な復興・開発計画も始動するとのことです。
協議は21日、混乱の中で進められました。トランプ大統領は同日、レバノンの親イラン派武装組織ヒズボラがイスラエルへの攻撃を続ける場合、対イラン攻撃に再び踏み切る可能性があると改めて警告しています。これを受け、イランが協議を中断したとの報道が同国のメディアから伝わり、一時情報が錯綜していました。トランプ氏はまた、イランと合意に至らなければ、米国がホルムズ海峡の通航料徴収を開始するかもしれないと、FOXニュースに語っていました。そんな状況の中始まった協議でしたが、第1回目としては予想されていたよりも平和裏に事が進展した印象です。これら一連の報道を受け、東京市場では日経平均株価が一時1500円程上昇し、7万2000円台に乗せ、原油価格も小幅に低下しています。ただ、ドル円は小動きの中でも円売りが優勢な状況は変わらず、161円台半ばを超える水準までドルが買われています。この水準では介入警戒感が依然として強いものの、それでも、おそるおそるドル買いを進めている状況です。「今日のアナリストレポート」でも触れましたが、当局は介入に対する方針を変えたのではないかといった噂が出るなど、この水準でも介入を実施しない当局の姿勢をいぶかる声もありますが、油断はできません。依然として細心の注意が必要なことは変わりません。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
