今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
8月14日 〜 8月20日
ドル/円
142.00〜146.50
ユーロ/円
156.00〜161.00
豪ドル/円
92.00〜96.00

ドル円は先週末のNY市場で、7月の生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回る結果であったことから、FRBによる利上げが継続されるとの観測が強まり、145円ちょうどまでドル高が進みました。7月中旬には137円台前半まで売られたドル円は、1カ月で8円もの「ドル高円安」が進み、6月に記録した年初来高値に迫る状況でした。週明けの東京市場では朝方にドル買いの勢いが残っていたのか、一時145円22銭までドルが買われ、上記「年初来高値」を若干ですが、更新しています。その後はやや水準を下げてはいますが、当局の介入を試すような動きとも見られます。

ドル買いを仕掛ける言い分としては「日米金利差の拡大」をその理由の一つに挙げています。足下の10年債利回りを見ると、米国債は4.165%、日本の10年債は0.617と、長期金利で比較した場合の金利差は「3.548%」になります。ただ、10月にドルの高値を付けた際には「3.97%」程度ありました。日銀がイールドカーブコントロール(YCC)修正を12月に0.25%から0.5%に、さらに7月会合では0.5%から1%への引き上げを決めたことで、相対的に日本の長期金利の上昇が一段と進んでいると言えます。もっとも、為替相場は金利差だけでは測れない部分も当然あります。その意味では8月1日に格付け会社「フィッチ・レーティングス」が米国の長期債を「AAA」から「AA+」に格下げしたことは本来ドル売り材料でしたが、格下げによって金利が上昇したことに、市場はより敏感に反応したと言えます。

個人的にはここから一段とドル高が進むとは考えていませんが、テクニカルを見る限りほぼ全てのもので「ドル高を示唆」しています。ドルロングで向かった場合、利益が取れる場合には、早めに取っておくべきでしょう。今週は日本サイドでは「お盆休み」を終えて、週後半には市場参加者も戻って来るころです。取り分け重要な経済指標の発表はありませんが、それでも今年は値動きが大きく、夏場と言えどもそこそこの値幅はありそうです。まだショートを振るタイミングではないかもしれませんが、ドルロングには注意しながらのトレーディングになりそうです。

今週の注目材料

  • 8/14(月)
  • 8/15(火)
    豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
    豪 豪第3四半期賃金指数
    日 4−6月GDP(速報値)
    日 6月鉱工業生産(確定値)
    中 中国7月小売売上高
    中 中国7月鉱工業生産
    独 独8月ZEW景況感指数
    英 英ILO失業率(4−6月)
    英 英6月失業率
    米 7月小売売上高
    米 8月NY連銀製造業景況指数
    米 7月輸入物価指数
    米 7月輸出物価指数
    米 8月NAHB住宅市場指数
    米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
    加 カナダ7月消車者物価指数
  • 8/16(水)
    欧 ユーロ圏4−6月期GDP(改定値)
    欧 ユーロ圏6月鉱工業生産
    英 英7月消費者物価指数
    米 7月住宅着工件数
    米 7月建設許可件数
    米 7月鉱工業生産
    米 7月設備稼働率
    米 FOMC議事録(7月25−26日分)
  • 8/17(木)
    豪 豪7月雇用統計
    日 7月貿易統計
    欧 ユーロ圏6月貿易収支
    米 新規失業保険申請件数
    米 8月フィラデルフィア連銀景況指数
    米 7月景気先行指標総合指数
  • 8/18(金)
    日 7月消費者物価指数
    欧 ユーロ圏7月消費者物価指数(速報値)
    英 英4−6月期GDP(速報値)
    英 英7月小売売上高
    米 日米韓首脳会議(米キャンプデービッド)
  • 8/19(土)
  • 8/20(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。