今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
2月12日 〜 2月18日
ドル/円
146.50〜151.00
ユーロ/円
158.00〜163.00
豪ドル/円
96.00〜98.50

ドル円は1月2日の140円80銭近辺を底値に一方的なドル高円安が続いています。2月も中旬に差しかかり、早ければ今週にも「春一番」が予想される時期になりましたが、150円を試す気配さえ漂っています。筆者も含め、多くの専門家がFRBの利下げ開始と日銀の政策修正が近いと想定されることから「どこかの時点で円が買われ、ドル安に向かうはず」との相場観を維持していますが、そのタイミングが後ずれしているのが現状です。日米金利差は昨年秋程拡大してはいませんが、それでもまだ10年債利回りで4%ほどあり、ドル買いが有利な状況は変わっていません。

問題はここから昨年のように150円台に乗せ、152円を目指す展開になるのかどうかです。思い起こされるのが、2022年と23年の相場展開です。いずれも1月をドルの底値として、その後大幅なドル高が進んだ年でした。今年も現時点では、1月にドルの底値を付け、すでに「わずか2カ月半で8円もの円安」が進んでいる「事実」です。「ひょっとしたら今年も同じ道を辿っているのではないか?」と、個人投資家の多くが思いを巡らせるのも無理はありせん。今年もドル円が同じような動きを見せたら3年連続ということになります。

筆者はちょうどこの良いタイミングに、バークレーズ証券の「経済セミナー」に参加する機会がありました。同社は、5月にFRBが利下げを開始し4月には日銀が政策修正に動くとの見方を維持していましたが、それでも、「好調な労働市場を背景にFRBが急激な連続利下げに動く可能性は低い。同時に日銀もマイナス金利の解除を決めても、長期金利の水準は、せいぜい1%前後が予想される」と分析していました。「日本は長い間超低金利に慣れ過ぎており、日銀は急激な利上げは避ける可能性が高い」との見方もありました。その結果、150円台に乗せてドルがどんどん買われる地合いではないものの、かつての円高水準である110円、120円は考えにくい」と予想しており、これまでよりもドル高方向に見方をシフトしたように思えます。

やはり、一度は150円を見ないと収まらない動きかと思われ、今夜の米1月の消費者物価指数(CPI)がそのきっかけになるのか、注目です。

今週の注目材料

  • 2/12(月)
    日 東京市場休場(建国記念日の振替休日)
    英 ベイリー・BOE総裁講演
    米 1月財政収支
    米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
    米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、討論会で司会
  • 2/13(火)
    豪  豪2月ウエストパック消費者信頼感指数
    豪  豪1月NAB企業景況感指数
    中東 OPEC月報
    独  独32月ZEW景気期待指数
    英  英1月失業率
    英  英ILO失業率(10−12月)
    米  1月消費者物価指数
  • 2/14(水)
    欧 ユーロ圏10−12月期GDP(確定値)
    欧 ユーロ圏12月鉱工業生
    英 英1月消費者物価指数
    米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、質疑応答に参加
    米 バー・FRB副議長講演
  • 2/15(木)
    豪 豪1月雇用統計
    日 10−12月GDP(速報値)
    日 12月鉱工業生産(確定値)
    欧 ユーロ圏12月貿易収支
    英 英10−12月期GDP(速報値)
    英 英12月鉱工業生産
    英 英12月貿易収支
    米 新規失業保険申請件数
    米 2月NY連銀製造業景況指数
    米 2月フィラデルフィア連銀景況指数
    米 1月小売売上高
    米 1月鉱工業生産
    米 1月設備稼働率
    米 1月輸入物価指数
    米 1月輸出物価指数
    米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
    加 カナダ1月住宅着工件数
  • 2/16(金)
    英 英1月小売売上高
    米 1月生産者物価指数
    米 1月住宅着工件数
    米 1月建設許可件数
    米 2月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
    米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 2/17(土)
  • 2/18(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。