歴史は繰り返す「【オプション】Vol:3」|FX|外為オンライン FX取引 − あなたの為の、外為を。

歴史は繰り返す


オプション

第三話:哲学者ターレスの目論見


暑い夏が来ました。ターレスの予想どおり毎日いい天候が続きました。
そして、ついに秋。オリーブの木は豊かな実りを付けました。ターレスの思惑は当たったのです。
村人たちはこの豊作にオリーブの実をたくさん収穫し、搾り機屋に急ぐのでした。そして「さあ搾
るぞ。搾り機の借り賃はいくらだい?」と搾り機屋に尋ねるのですが、今年はどうも様子が違います。
搾り機屋は頭をかきながら「今年は搾り機はお貸しできません」村人たちは「貸せないとはどうゆう
ことだ、搾り機屋!」と搾り機屋に詰め寄りますが、搾り機屋は小さな声で「搾り機はもう他の人に・・・・・・」

そこへターレスが現れ「みなさん!村中の搾り機を使う権利は全てボクにあります。」

            「搾り機を使いたければ、私に聞いて下さい。」

村人 「おい、おい、搾り機屋どうなっているんだ?」

搾り機屋 「すまん。実はターレスの言うとおりなんだ。春のうちにやつに権利を売ってしまったんだ。」

村人たちがターレスの家の前に列を作ったことは言うまでもありません。搾り機屋はしてやられたと
渋い顔で「ターレスの奴、やりやがったな。こんな豊作なら貸し賃はうなぎ上がりで大儲けなのに・・・」

こうしてターレスは搾り機屋に代わって大儲けしました。収穫したオリーブの実を搾り終えたある村人は、
ターレスに訪ねるのでした。「ターレス、お前は豊作になるって知っていたのかい?もし不作になったら、
一体どうするつもりだったんだい?」

ターレスはわが意を得たりと胸を張って答えます。
「不作だったら、権利は紙くず同然ですね。でも、そうなったとしても、たいした損じゃない。あんなに安く
権利を買えたからね。みなさんも、オリーブを搾る前に、頭を絞って下さいね。」

最後に「落ち」が入りましたが、「搾り機」は天候によって貸し賃が左右され、それによって搾り機屋の
収入が大きく変動することに
着目し、「権利」という考え方を導入したターレスはやはり、偉大な哲学者
なんでしょうね。


To be continued・・・
次回は、7/15(火)の予定です。


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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。