歴史は繰り返す「【ジョージソロスの話】Vol:2」|FX|外為オンライン FX取引 − あなたの為の、外為を。

歴史は繰り返す


ジョージソロスの話

第二話:ロンドンからニューヨークへ


ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスには当時著名な二人の経済学者がいました。

ハイエクとポパーです。

ソロスにより大きな影響を与えたのはカール・ポパーだったそうです。

ボパーもオーストリア生まれのユダヤ系の学者で、哲学の教鞭をとったこともある経済

学者でした。この当時、ソロスは将来は哲学者にでもなろうと漠然と考えていましたが、

彼の成績がそれを許さなかったそうです。

卒業後はロンドン、シティにある投資銀行に入社し、そこで、金(キン)と株式の裁定

取引をするトレーダーになりますが、あまり成功はしませんでした。

その後ソロスはシティでのトレーダーが物足りなくなり、ニューヨークへ行く決心をします。

1956年のことです。ニューヨークに移ったソロスは証券会社に職を見つけ、そこでヨーロッパ

の証券について助言するセクションに所属しました。英語以外の欧州言語を話せるソロスに

とって極めて自然な成り行きで、シティでの経験も生かされ、アナリスト、調査部門の責任者

とそのキャリアを積み重ねていきました。

結婚したのもこの頃です。

NYの証券会社で成功したことは、ソロスにとって大きな自信となりました。

彼は、自ら投資ファンドを立ち上げることを考えていました。そして、他人のために金儲けを

することも。この頃のソロスは投資に対する自分の考え方,いわば「哲学」のようなものを

持っていたようです。


いくつか確認してみると。

相場の上昇、下降は常に存在し、「上昇、下降プロセスが起こるのは、市場がいつも流動的で

不安定だからだ。金儲けをするには、その不安定を利用する方法を探し、予期せぬ発展を探る

ことだ。」さらに「難しいのは、無論、乱高下の上昇・下降プロセスを見抜くことである。

そうするためには、投資家は、他の投資家があらゆる経済的ファンダメンタルズをどのように

認識しているかを理解しなければならない。」

では、どのようにして上昇・下降プロセスは起こるのか?

ソロスは「金融市場は将来を正確に把握することはできない。なぜできないかというと、将来

を見越すだけではなく、それを形作ることにも関与するからである。」

彼によると、金融市場はファンダメンタルズを反映するだけの存在であるはずなのに、時と

して、それに自ら影響をおよぼすこともあるという。「そのような状況になると、市場は激

しい不均衡状態に陥り、効率市場仮説で正常と考えられることとは、かなり違った状態にな

る。」という。1994年の米下院銀行委員会ではもう少し分かりやすいことばで以下のように

述べています。


「市場が混乱するということは、投資家が理性を失い錯綜するということであり、群集

心理に陥ることである。市場はいったん混乱すると、つねに過剰反応を招き、つねに極端な

方向に進んでします。その過剰反応、極端な方向に進んでしまうことが、上昇・下降のプロ

セスを引き起こす。」「したがって投機の成功の鍵は、市場が自らの勢いで混乱しはじめる

時点を見抜くことである。それを見抜きさえすれば、投資家は上昇・下降のプロセスが始ま

ろうとしているのか、それともすでに始まっているのかを知ることができるからである。」

なるほど・・・・。分かったような、分からないような言い回しですが、皆さん如何ですか?



To be continued・・・
次回は、9/24(水)の予定です。


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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。