歴史は繰り返す「【石油情勢】Vol:3」|FX|外為オンライン FX取引 − あなたの為の、外為を。

歴史は繰り返す


石油情勢

第三話:資源としての石油と新興国


 

世界の原油消費量は8620万バレル/日です。これに対して生産量は8,550万バレル/日(2007年)です。

あきらかに供給不足です。しかもこの傾向は年々拡大しているのです。1985年を100とした場合の消費量の伸び率を

観て見ますと2006年の統計では世界全体で143と約20年で43%も消費量が増えています。日本は116とそれほど

増えていませんが、新興国を代表する中国では何と411で、4倍以上消費していることになります。


因みに他の主要国を観て見ますと・・・
  • アメリカ → 136
  • フランス → 109
  • イタリア → 104
  • イギリス → 109
  • ドイツ  → 98



ドイツにいたっては20年前より石油の消費量が減っています。「脱石油化」が進んでいるということでしょうか。

概ねヨーロッパ諸国では代替エネルギー政策に積極的で消費量は伸びていませんが、それを上回るスピードで新興国が消費して
いるという構図が浮かび上がってきます。その結果需給バランスが崩れ、原油価格高騰の要因の一つになっていると言えます。
 

最近こんな記事を読みました。

AFP発

【ブラジル石油監督庁のハロルド・リマ長官は14日、ブラジル南西沖で推定埋蔵量330億バレルの

巨大海底油田を発見したと発表した。リマ長官は、新油田は世界第三位の埋蔵量を持ち、過去30年間で最大級の発見となると

発言した。一方、この発言で国営石油会社ペトロブラスの株価は7.67%上昇。これを受けて同社は、調査は進行中であり、

埋蔵量について語るのは時期尚早とするコメントを発表した。】


また、今朝の日経新聞が伝えるところによりますと【三井物産は、上記ペトロブラスなどど共同で「オイルシェール」(油分を含む岩石)の

米国での大型開発に参画する。「オイルシェール」は「オイルサンド」の並んで、採掘コストが高く1バレルあたり70ドルから

80ドルと言われている。最近の原油高で十分採算が取れることから事業を本格化し「オイルシェール」からの原油量産が成功すれば世界初。】



新興国の消費拡大が今後も続くと予想される中、これらのニュースのように、新しい油田の発見や、利用されていない新資源の

開発の成否が原油価格に大きな影響を与えることになります。


さて、次回は今後着実に増えていく消費量に対して埋蔵量はどうなのか?

また将来枯渇しないのか? このあたりを観て見ましょう。


To be continued・・・
次回は、6/17(火)の予定です。


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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。