歴史は繰り返す「【オプション】Vol:1」|FX|外為オンライン FX取引 − あなたの為の、外為を。

歴史は繰り返す


オプション

第一話:身近なオプション



今回はよく耳にする「オプション」のお話です。

為替のコメントに「オプション絡みのドル売りが出て相場を下げた。」などとよく目にします。

そもそもオプション(Option)とは「選択権」「自由選択」という意味です。

車を買った時に「カーナビはオプションです。」という場合、その車に標準装備されてはいなくて、

別途お金を払えば付けることができますよという意味ですね。また、海外旅行などに行ったとき、

「オプショナルツアー」などと称して、別料金ですが名所を効率よく回るツアーなどがありますが、

これもオプションです。

金融で言うところのオプションもほぼこれと同じニュアンスです。

為替、債券、株式、金利等それぞれの金融商品にオプションがありますが、今回はわれわれに一番近い

ところで為替(通貨)オプションに的を絞って説明して行きます。

「出来るだけわかり易く」を心がけていきますので、最後まで読み終えた時に、「あぁ、なんとなく解った」

というような声が聞こえたら幸いです。


輸出企業は常に市場でドルを売らなければならない訳ですから、「円高/ドル安」なると手取りの円が目減り

してしまいます。そのためできるだけドルを高いところで売ろうとします。

輸入企業は逆に「円安/ドル高」になると困ります。

「米ドル建て」で貿易をやっていれば常にドル円の「為替リスク」を持っています。そこで、この為替リスクを

ヘッジする方法としてこれまでは為替の「先物予約」という方法がありました。

これは為替の動きを観ながらタイミングのいいところでドル円のレートを値決め(予約)することです。

例えば、輸出企業で一ヶ月先にドルを受け取ることになっていれば、その日を受け渡しとするドルを売るわけです。

これを先物予約といいますが、通常、ドルと円の場合は金利差から繧ーている様子が映し出されていました。

本来低所得のため住宅ローンが組めない人たちにも、「住宅価格は上がり続ける」という神話を

ベースにローンを繋ぎ続けていった結果が今日の状況に至っているということです。

日本のバブルがどのような経緯で増幅して行き、そして弾けたかの教訓が全く生かされていなかったと

いうことでしょうか・・・・・。


昨日発表の指数を見る限り、住宅価格の下落はまだ下げ止まっていないようです。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 6月諸費者信頼感指数 → 50.4(予想を下回る)
  • S&Pケースシラー住宅価格指数 → マイナス16.3%
  • ドル/円はケース・シラー指数が1987年以来の落ち込みを見せたことで、
    一時107円前半まで下落しましたが、 そこから切り返し昨日と同じレベルに。
  • 先週末と同様、107.50を割り込み、動意を見せたかに観えましたが結局、
    元の鞘へ。108円を挟む狭いレンジに 戻りました。このため1時間足のチャートでは長い下髭が出現。

ドル/円107.36 〜 108.05
ユーロ/円167.76 〜 168.37
NYダウ−34.93 → 11,807.43ドル
Gold+4.40 → 891.60 ドル
WTI+0.26 → 137.00ドル
米10年国債−0.082 → 4.086%


本日の注目点

  • 米 5月耐久財受注
  • 米 5月新築住宅販売件数
  • 米 FOMC政策金利発表

相場を予測する人間にとってはなかなか厳しい相場展開が続いています。

ドル・円のボラティリティーを観ても一ヶ月で10.2〜10.5%と今年で一番低いレベルです。

市場参加者が相場は「動かない」と観ているということです。
   

一つ気になるのは、原油価格です。

先日のサウジの日量増産の決定と今度はクウェートでも増産を決めました。

他の産油国が同調するかどうかという問題もありますが、WTI先物価格はそれらをあざ笑うかの

ように無視し、下げません。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)は監視を厳しくし、投資銀行や

年金基金に対し情報開示を拡大するような議案を議会に報告しています。

原油価格の高騰の裏にはこれらの資金が大量に原油市場に流れ込んでおり、現在の価格は「明らかに需給を

超えている」という声が日増しに強くなっています。事実、この高騰で消費量は減り、供給は増えてきています。


いつかはこの「原油バブル」も弾けるんでしょうが、そう遠くはないような気がします。

ジム・ロジャースも以前こんなことを言っていました「膨らんだバブルは必ず弾けるものだ。」と。。


2008年4月分(PDF) 2008年5月分(PDF)

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/22 サウジアラビア 原油価格の高騰で「サウジは将来的に生産能力を最大で、現在の1.5倍となる日量1500万
バレルに引き上げる。」ジッダで開催された緊急閣僚会合で表明。
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6/19 シティーグループ
クリッテンデンCFO
「4−6月期も多大な損出が続きそう。」と発言。 ---
6/17 ゴールドマン
  サックス
米銀は貸倒損出や資産評価損が続くため、今後さらに650億ドル(約7兆340億円)の
増資が必要となる可能性があると指摘。
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6/17 ウオールストリート
ジャーナル
米国は秋以前に利上げをする可能性は少ない、と報道。 ---
6/16 ラッカー
リッチモンド
連銀総裁
「インフレは許容できないほど高い。」と発言。 ---
6/14 ポールソン
財務長官
同時に、「米経済は依然として試練に直面している。」とも発言。 ---
6/14 ポールソン
財務長官
G8財務相会合で「米経済は長期的潜在力は強い。ファンダメンタルズを反映すればドルが強くなるのは自然。」 ---
6/12 ブロッサー
フィラデルフィア
連銀総裁
「インフレ期待抑制のため予防的利上げをすべき」と講演で発言。 米債券価格下落(金利上昇)
長期金利が4.2%に急上昇。
6/11 ベージュブック 「経済活動は引き続き弱い」と総括 ---
6/11 シュタルク
  ECB理事
「連続利上げを考えているわけではない」 ---
6/10 ブッシュ米大統領 「われわれは強いドルを信じている」
「経済の相対的な価値が最終的には(ドルの)価値を決める」とドル安を牽制
106円台後半から107円台へ
6/10 バーナンキ
FRB議長
「米景気減速のリスクは後退した。」とインフレ抑制の決意を改めて示す。 106円台後半から107円台へ
6/9 リーマンブラザーズ 3−5月期決算の最終損益が約28億ドル(約2900億円)の赤字になるとの見通し発表。
同時に、60億ドル(約6300億円)の増資も発表。
---
6/9 フイッシャー
ダラス連銀総裁
インフレ抑制のため利上げが必要になる可能性を示唆。 ドル高へ。
6/9 ガイトナー
  NY連銀総裁
「ドルの動きを非常に注視している。」 ドル高へ
6/9 ポールソン
財務長官
「為替介入の選択肢を排除しない。」米CNNのインタビューに答えて。
(これまでのドル高誘導から、介入に言及する一歩踏み込んだ発言に)
ドル高へ
6/7 日米中印韓
 五カ国エネルギー相会合
共同声明で原油高は「消費国、産油国双方の利益に反する」
 6/6NYMEXでの原油大幅高を受けて。
ユーロ/ドル1.54前半から1.55後半へ 上昇。
同時にユーロ/円も大幅にユーロ高
6/5 トリシェ
  ECB総裁
「次回会合で小幅な利上げを実施する可能性を排除しない。」定例理事会後の記者会見で。 ユーロ/ドル1.54前半から1.55後半へ 上昇。
同時にユーロ/円も大幅にユーロ高
6/4 バーナンキ
  FRB議長
最近のインフレ率について「望ましい水準よりかなり高い」と、前日に引き続き警戒感を 表す。 ドル高へ。104円後半→105円30銭
6/3 ジョージソロス
(米 投資家)
「原油価格はバブルである。」との認識を示す。 ---
6/3 ウォールストリート
  ジャーナル紙
米大手証券リーマンブラザーズが30億ー40億ドルの資本増強を検討していると報道。
近く発表される3−5月決算で3億ドル以上の赤字の可能性を指摘。
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6/3 バーナンキ
FRB議長
「ドルや安が輸入物価や消費者物価の歓迎できない上昇を招いている」
「インフレやインフレ期待の意味することに注意している」
「現在の政策は適切な位置にある」など、軸足をインフレ対策に置く発言をし、
  これまでの金融緩和政策の転換を示唆。(講演で)
ドルが全面高となり、NYダウは大幅下落
6/2 ポールソン
財務長官
「金融マーケットの混乱終焉にはもう数ヶ月時間がかかる」との「認識を示す。
サブプライムローン関連で152億ドル(約1兆5300億円)の損出を計上。
ドルが全通貨に対して下落。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。