オプション
第二話:オプション誕生の歴史
オプションとは「約束の日時に約束した価格で売買する権利」です。
「売買する権利」ですから、二つあります。すなわち・・・・
「約束の日時に約束した価格で買う権利」と「約束の日時に約束した価格で売る権利」です。
この二つの権利を買ったり、売ったりするのがオプション取引ということになります。
オプションの歴史は、古代ギリシャまでさかのぼることになります。古代ギリシャの哲学者
ターレスの時代、オリーブ油の取引が盛んでした。オリーブ油はオリーブの実を搾って造りだす
ため、オリーブの実の収穫量が重要ですが、その収穫量は天候によって大きく左右されます。
天候に恵まれオリーブの実が豊作の年は「搾り機」は引っ張りだこで、当然借り賃は高騰
します。しかし不作の年は借り手が少なく搾り機屋は商売になりません。搾り機屋の倉には
「搾り機」があふれています。
そこで哲学者ターレスは「このオリーブ搾り機を使って金儲けできないだろうか・・」と
考えるのでした。今も昔もさすがに「学者」と名がつく人は普通の人と発想が違うもんですね。
この哲学者ターレスは実は天文学者でもありました。夏から秋の天候によって豊作、不作が決まり、
それによって「搾り機」の借り賃が大きく変動することに着目しました。
ある年の春、ターレスは「今年の秋の天候は順調だ」と予想し、搾り機屋を訪ねました。
そして主人に言うのです「搾り機を借りる権利だけを売ってくれませんか?」と。
しかも「ただし、権利だけなんだから、搾り機の本当の借り賃より安くしてください。」
と言うことも忘れませんでした。
主人は「権利だけ・・? おかしなことを言う奴だな」と思いますが、まだ春です、「搾り機」からの
収入はありません。それに、もしこの秋の天候が悪かったら収入が激減することを考え「権利」を売る
ことにし、契約書にサインをしました。
【権利証書、今年の秋、あなたにオリーブ搾り機を定価で貸します。3月1日搾り機屋、ピロス】
結局、ターレスは村中の搾り機屋から「借りる権利」を買い集めることに成功しました。
そして春が過ぎ、いよいよターレスが待ちあこがれている夏になります・・・・
To be continued・・・
次回は、7/8(火)の予定です。
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外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。