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外為経済アカデミー

初心者でもわかる!実戦チャート術 連載開始!

「米5月のCPIは4.2%に上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • トランプ大統領がイランに対して「激しく攻撃する」と発言したことで、原油価格が上昇。イラン情勢が再び悪化したことでドル円は160円58銭まで買われる。
  • ユーロドルはほぼ変わらず。今夜の政策発表を見極めたいとの姿勢が強く、1.15台半ばで推移。
  • 株式市場では中東情勢が再び不透明さを増したことで、3指数が揃って大幅下落。ダウは953ドル下げ、5万ドルの大台を割り込む。
  • 債券も売られ、長期金利は4.55%台に上昇。
  • 金は米金利高が重荷となり大幅続落。前日比153ドル下げ、3月下旬以来となる4100ドル台に。原油は2ドル程上昇し90ドル台に。
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5月消費者物価指数 → 4.2%
5月財政収支 → −292.6b
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ドル/円 160.33 〜 160.58
ユーロ/ドル 1.1535 〜 1.1572
ユーロ/円 185.08 〜 185.57
NYダウ −953.35 → 49,918.78
GOLD −153.10 → 4,133.30ドル
WTI +1.83 → 90.03ドル
米10年国債 +0.036 → 4.552%

本日の注目イベント

  • 中東 OPEC月報
  • 欧  ECB政策金利発表
  • 欧  ラガルド・ECB総裁記者会見
  • 米  5月生産者物価指数
  • 米  新規失業保険申請件数
  • 米  1−3月期家計純資産
  • 加  カナダ4月住宅建設許可件数

本日のコメント

今週のドル円の動きを振り返ってみると、8日月曜日のNYオープン頃に160円台に乗せ、それ以来50時間ほど一度も160円を割り込んでいません。まるで160円台が定着したかのような動きを見せています。昨日のNYではトランプ大統領が「米国がイランを非常に激しく攻撃する」(US will resume attacking Iran very hard)と述べたことが伝わり、ドル円は160円58銭前後まで上昇しました。4月30日に政府・日銀が介入に踏み切った水準が160円73銭前後だとすれば、そのレベルに極めて接近したことになります。この間、当局からはけん制発言はあったものの、実弾を伴う市場介入は実施していません。「何故介入しないのか?」最後の介入から約1ヵ月で、介入できない理由が出てきたとも思えません。ここは、介入しても結局元の円安水準に押し戻されることと、限りある原資を有効に使いたいと考えているからだと思います。油断をさせておいて、「一気に攻め込む」そんなイメージですが、投資家と当局とで、介入を巡る腹の探り合いの様相になっています。

前日、米軍のヘリコプターがオマーン沖で撃墜され、トランプ大統領は「米国は対応しなければならない」と述べていましたが、昨日の日本時間早朝に報復攻撃をしました。前述のように、トランプ氏はさらに激しく攻撃すると発言していましたが、米中央軍は今朝、「新たな自衛攻撃」をNY時間10日午後5時15分(日本時間11日午前6時15分)に開始したと発表しました。今回の攻撃は、米軍の攻撃ヘリコプター「アパッチ」撃墜への報復として9日に実施された攻撃に続くものです。ブルームバーグは、「これは、双方がこれまで合意に到達できていないことに対するトランプ氏のいら立ちが強まっていることを浮き彫りにしている。また、4月に合意された停戦が機能しなくなったことを示す新たな証拠ともなった。ただし、米国とイスラエルは、戦争初期に見られた集中的な爆撃作戦には戻っていない」とコメントしています。トランプ氏はここ数カ月、攻撃強化を示唆する脅しと、和平合意が手の届くところにあると誇示する発言の間で揺れ動いてきました。しかし、そのいずれも実現しておらず、石油などの輸送にとって重要な海上交通路であるホルムズ海峡は依然としておおむね封鎖された状態にあります。トランプ氏は2月28日にイランを攻撃して以来、「戦争は直ぐに終わる」、「交渉は非常にうまくいっている。戦争は2、3日で終わるだろう」など、常に楽観的な言葉を繰り返してきました。驚いたことに昨日、あるメディアがその回数を記録していて、トランプ氏はそのような言葉をこれまでに「38回」述べたと報じていました。

ヘグセス国防長官も、攻撃開始前にフロリダ州の米中央軍司令部を訪問し、「今回の攻撃はイランに合意を受け入れさせるためのものだ」と主張し、「今夜はイランを激しく攻撃する。そしてイランが賢明な決断を下すことを願っている」と話していました。トランプ氏はその後SNSへの投稿で、米軍は「200隻超の商船がホルムズ海峡を通航するのを支援し、その結果1億バレル超の原油が市場に供給された」と述べています。さらに、同海峡を支配しているのは「イランではなく米国だ」と強調していました。

米国の「5月の消費者物価指数」(CPI)は前年同月比で「4.2%」上昇し、市場予想と一致していましたが、2023年4月以来の大幅上昇でした。2月のCPIは「2.4%」だったことを考えると、急激な上昇率です。イラン戦争でエネルギー価格が押し上げられたことを背景に、約3年ぶりの急ペースで上昇し、賃金を目減りさせています。別に発表された統計では、5月の実質平均時給が前年同月比で「0.7%」低下し、約3年ぶりの大幅低下となっていました。先週発表された雇用統計で明らかになったように、FRBは今後労働市場よりも、インフレ対策に軸足を移すものと思われます。イラン戦争が終結すれば、原油価格が低下しインフレ率の上昇にも歯止めがかかりますが、その終結が見通せないのが今の状況です。

日銀は10日、植田総裁が肝嚢胞感染症の治療で入院したと発表しました。今月15、16の両日に開く金融政策決定会合は欠席するとのことです。植田氏が決定会合を欠席するのは初めてのこととなりますが、議長は氷見野副総裁が、終了後の記者会見は内田副総裁がそれぞれ代理を務める模様です。政策を決める議決に出席するのは8人になる見通しですが、仮に可否が4対4の同数になった場合、議長が決めることになります。もっとも、今回の会合ではほぼ利上げが見込まれており、個人的な予想は「7対1」もしくは「8対0」で利上げが決定されると予想しています。

本日のドル円は159円80銭〜161円30銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワードガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
5/28 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 --------
5/28 ムサレム・セントルイス連銀総裁 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 --------
5/21 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 --------
5/21 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 --------
5/21 小枝・日銀審議委員 (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 --------
5/20 トランプ・米大統領 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。
5/19 片山・財務大臣 「断固たる措置を取るときは取る」 ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。
5/19 トランプ・米大統領 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 --------
5/14 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 --------
5/12 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 --------
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。


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