「日銀、連続利上げは回避か?」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は夕方、欧州勢が参入するタイミングで下落。157円83銭前後まで売られたが、NYでは中東情勢の不透明感から再び上昇。158円47銭までドルが買われる。
- ユーロドルは小幅に反発。1.12台に乗せ1.1205まで上昇。
- 株式市場では3指数が小幅に続落。半導体関連銘柄を中心に下げ、ナスダックは46ポイント下落。
- 債券は小幅に上昇。長期金利は5.20%台へと低下。
- 金は続落し、原油は小幅に続伸。
9月中古住宅販売件数 → 3.99百万件
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| ドル/円 | 158.11 〜 158.47 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1186 〜 1.1205 |
| ユーロ/円 | 177.05 〜 177.38 |
| NYダウ | −180.45 → 51,670.10ドル |
| GOLD | −13.30 → 4,177.30ドル |
| WTI | +0.40 → 94.14ドル |
| 米10年国債 | −0.029 → 5.208% |
本日の注目イベント
- 中 中国9月貿易収支
- 中 中国9月消費者物価指数
- 中 中国9月生産者物価指数
- 米 9月消費者物価指数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 ボウマン・FRB副議長、討論会に参加
- 米 決算発表 → ブラックロック、モルガンスタンレー、バンク・オブ・アメリカ
- 加 カナダ8月住宅建設許可件数
本日のコメント
東京市場が祝日の12日のNYでは158円75銭まで買われたドル円でしたが、昨日の夕方には158円を割り込み、一時は157円83銭前後までドルが売られる場面がありました。今月開催の日銀金融政策に関して、筆者がこれまで一貫して「据え置き」と予想してきたように、ブルームバーグが「利上げ見送りの公算」との記事を配信したことが材料になったようです。ブルームバーグは、「日本銀行は、今月末に開催する金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決める公算が大きい。事情に詳しい複数の関係者への取材で分かった」と報じました。記事では、「日銀は前回9月の会合で、政策金利を31年ぶりの高水準である1.25%程度に引き上げたばかり。関係者によると、その後も経済・物価は日銀の見通しに沿って推移しており、2会合連続での利上げが必要なほど物価の上振れリスクが一段と強まっている情勢にはないという。一方で、一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率は上昇を続けており、目標の2%から上振れていくリスクには依然として注意が必要だと関係者は指摘した。金融環境は引き続き緩和的と日銀は判断しており、その次の12月会合で追加利上げが必要になる可能性は現時点で排除されないとしている」と伝えました。報道内容は、概ね筆者の予想と合致していました。
また、日銀の植田総裁は昨日の午後国会に出席し、衆院予算委員会で答弁しました。総裁は、「賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが定着してきている下で、一時的な要因を除く物価の基調は2%にかなり近づいてきている」と述べ、その上で、「基調物価を2%程度の水準で安定させていくという観点が、金融政策にとって重要な局面だ」と答弁していました。10月29、30日の会合では、これまでの利上げが金融環境や企業行動などに与えている影響を入念に点検することとし、直前まで内外の経済・物価情勢や金融市場の動向を見極めて、最終的に政策を判断するとのことです。一方で、年内に追加利上げを行うとの観測は根強く、それまでの為替の水準にもよりますが、筆者も12月会合での利上げを想定しています。
さらに、こちらも予想通りの内容でした。NY連銀のウィリアムズ総裁は、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、「あと1回の利上げを実施するのが適切かもしれないとの見方は変えていない」と発言。「さらなる利上げが必要になると考える理由は、現時点ではない」と話し、年内にあと1回の利上げが適切との見方は維持しているとしつつ、現時点で2027年に追加利上げが必要になるとは考えていないと述べています。筆者にしたら、「やはりハト派だった」という印象です。ウィリアムズ氏は、その理由として、「関税やエネルギー価格ショックの影響が薄れるにつれ、インフレがかなり鈍化し、来年には米連邦準備制度の2%目標に近づく兆候はなおある」と指摘。「基調的なインフレが減速しつつあることを示す他の兆候と相まって、AI向けインフラ整備に伴う物価上昇圧力を和らげる一助になる」と説明しています。ウィリアムズ氏の発言を受け、米国債は買われ利回りは小幅に低下しました。インフレは今後も緩やかに進行するだろうというのが市場の大方の見方ですが、その際、その理由としてこのところ良く目にするのが、「AIの進展に伴いインフレが加速する」といったフレーズです。言うまでもなく、AIがさらに発展すれば、それに伴いデータセンター(DC)の増設が飛躍的に伸びていきます。DCには電源インフラやサーバー、さらには大量の熱を発するため冷却設備などが必要となり、建設には多くのサプライチェーンが不可欠です。これらに投じられる資金が巨額になることから、インフレ率を押し上げるという見方のようです。日本でも千葉県の印西市ではDCの建設が相次ぎ、反対運動も起きています。さらに今朝の日経新聞では一面トップで「アンソロピック向け拠点、大阪に初」といった見出しで、NTTの子会社NTTデータGが大阪南部の湾岸地域にDCの建設を計画していると報じています。建設費用は最大で1兆円になるとの記事です。DC建設に伴う巨額の需要がインフレにつながるということです。
NY連銀総裁の発言を受け、今月の利上げ確率は今朝の時点で「23.8%」まで低下してきました。今夜のCPI次第という部分はまだ残っていますが、やはり、「据え置き」ということでいいと思います。ただ、それでもドル円は底堅い動きを見せています。筆者が注意して見ている限り、専門家の間からは「年末に向け円高に振れる」と予想する人が増えている印象ですが、どうでしょう・・・・。
本日のドル円は157円30銭〜159円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/13 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「あと1回の利上げを実施するのが適切かもしれないとの見方は変えていない」、「さらなる利上げが必要になると考える理由は、現時点ではない」 | 米金利が低下し、やや円高方向に振れる。 |
| 10/13 | 植田・日銀総裁 | 「賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが定着してきている下で、一時的な要因を除く物価の基調は2%にかなり近づいてきている」、「基調物価を2%程度の水準で安定させていくという観点が、金融政策にとって重要な局面だ」 | -------- |
| 10/12 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「対応を先送りして後で大幅な軌道修正を迫られるリスクを負うより、可能であれば、小幅な調整を比較的速やかに行う方が望ましいと考えている」 | -------- |
| 10/8 | ウォラー・FRB理事 | 「経済指標が引き続き予想通りに推移すれば、インフレ率を2%の目標により速やかに戻すため、追加利上げが必要になると予想している」、「しかし利上げをいつ実施するかについては、ある程度の柔軟性がある。連続する会合で利上げする必要はないが、妥当な期間内に実施すべきだ」 | -------- |
| 10/6 | 佐藤・日銀審議委員 | 「段階的に調整していく方針には賛成している」、「個人消費の勢いはそれほど強くない」 | -------- |
| 10/1 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 | -------- |
| 10/1 | ボウマン・FRB副議長 | 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 | -------- |
| 9/29 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 | 10月の利上げ確率が後退 |
| 9/24 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 | -------- |
| 9/24 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 | -------- |
| 9/24 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 | -------- |
| 9/23 | ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 | -------- |
| 9/18 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 | -------- |
| 9/16 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 | -------- |
| 9/16 | ウォーシュ・FRB議長 | 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 | ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。







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