「ドル円、介入後の最高値」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ジリ高の展開が続くドル円は159円38銭まで買われ、4月30日の当局による介入後の最高値を付ける。イラン情勢の不透明感が依然として重荷に。
- ユーロドルは小幅に売られ、1.1617まで下落。
- 株式市場では、ナスダックとS&P500が再び最高値を更新。
- 債券は買われ、長期金利は4.48%台に低下。
- 金は続落。原油は下落したが、アジア時間の大幅下落からすると小幅に上昇。
3月S&P Cotality CS20−City YoY NSA → 0.83%
3月FHFA住宅価格指数 → 0.1%
5月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 93.1
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| ドル/円 | 159.19 〜 159.38 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1617 〜 1.1636 |
| ユーロ/円 | 185.05 〜 185.32 |
| NYダウ | −118.02 → 50,461.68ドル |
| GOLD | −20.90 → 4,502.30ドル |
| WTI | −2.71 → 93.89ドル |
| 米10年国債 | −0.073 → 4.485% |
本日の注目イベント
- 豪 豪4月消費者物価指数
- 日 日銀金融研究所、植田総裁が開会挨拶
- 米 5月リッチモンド連銀製造業景況指数
本日のコメント
連日「開店休業」状態が続く中、それでもドルがジリジリと買われる展開が続き、昨日のNYでは4月30日に政府・日銀が介入して以来のドル高水準となると159円38銭まで上昇しました。トランプ大統領が、停戦合意に向けたイランとの交渉は「順調にいっている」と述べたものの、イスラエルがイラン船舶を攻撃し、ルビオ国務長官が「合意の最終決着には数日かかる可能性が高い」と述べるなど、ホルムズ海峡を巡る状況には、なお不透明感が強いことが背景になっています。このまま行けば、ドル円は159円台半ばを超える可能性もあり、当局から強い言葉での介入を示唆する発言がない限り再び160円に接近することも予想されます。因みにテクニカルでは、「一目均衡表」の雲の上限が158円85銭近辺にあり、日足ベースでは「雲抜け」を完成させています。
米長期金利は、昨日は低下していますが、5月15日には一時「4.6%」台に乗せるなど、このところ上昇傾向にあります。ブルームバーグは、「ベッセントプットも限界か」というタイトルで、同氏が追い込まれている状況を伝えています。記事では、「ベッセント米財務長官は、金融市場におけるこれまでで最大級の試練に直面している。指標となる米10年債利回りの上昇基調が続き、景気への逆風となる中、有効な打開策は限られている」と報じ、「元ヘッジファンドマネジャーのベッセント氏は就任以来、米国債や株式から日本円、アルゼンチン・ペソに至るまで、市場の急激な変動を抑える手腕で評価を得てきた」と同氏の手腕を紹介しています。世界最大規模の米国債券市場は、12週間前にトランプ氏が対イラン戦争に踏み切って以降、エネルギーコスト急騰とインフレ圧力の高まりを背景に、下落傾向にあります。ベッセント氏が主要な市場指標として重視する10年債利回りは、この期間に0.5%超上昇。30年債利回りは先週、2007年以来の高水準を付けました。ベッセント氏は、利回り上昇について、「一時的」な動きとの見方を示し、「イラン紛争が終結すればインフレ懸念は速やかに後退する」と主張していました。
「日本円がトルコリラを下回り世界最弱通貨になった」。今朝の日経新聞は、米ブルッキングス研究所のブルックス氏の24日のSNSへの投稿を紹介し、円の弱さが際立っているとの記事を載せています。様々な通貨に対する円の総合的な実力を示す指数で、様々な通貨の相対的な価値を物価変動と貿易量などを考慮して算出する「実質実効為替レート」では、「実効レートの数値が円とトルコリラで足元逆転している」と指摘している、同氏のややショッキングな内容を報じていました。事実、対ドルで大きく売られてきたリラは上昇に転じていますが、円は依然としてドルに対して下落傾向にあります。
昨日のコメントで、ウォーシュ新FRB議長の元では、利下げの可能性が利上げの可能性よりも高いとする内容を紹介しましたが、市場はそれでも利上げを意識しているようです。米財務省が26日に実施した財務省短期証券(TB)入札では、6カ月物が3カ月物に比べて低調だったことが、利上げを織り込む動きとも取れそうです。3カ月物TBの最高落札利回りは3.595%で、入札前取引水準の3.605%を下回った一方、6カ月物TBの最高落札利回りは3.65%で入札前取引水準水準の3.64%を上回っていました。3カ月物はまずまずでしたが、6カ月物は低調な入札でした。
本日のドル円は158円50銭〜159円80銭程度を予想します。
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明日5月28日(木)の「アナリストレポート」は都合によりお休みとさせていただきます。ご不便をお掛けいたしますが、よろしくお願い申し上げます。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/21 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 | -------- |
| 5/21 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 | -------- |
| 5/21 | 小枝・日銀審議委員 | (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 | -------- |
| 5/20 | トランプ・米大統領 | 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 | 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。 |
| 5/19 | 片山・財務大臣 | 「断固たる措置を取るときは取る」 | ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。 |
| 5/19 | トランプ・米大統領 | 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 | -------- |
| 5/14 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 | -------- |
| 5/12 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 | -------- |
| 5/7 | デーリー・SF連銀総裁 | 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 | -------- |
| 5/7 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 | -------- |
| 5/7 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 | -------- |
| 4/23 | 片山・財務大臣 | 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 | -------- |
| 4/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。







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