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外為経済アカデミー

初心者でもわかる!実戦チャート術 連載開始!

「ドル円164円に迫る!」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • トランプ大統領がイランへの大規模攻撃の可能性を示唆したことで、米金利と原油価格が上昇。ドル円は一時163円99銭近辺まで買われた。
  • ECBは政策金利据え置きを発表。ラガルド総裁が思った程利上げに前向きな発言をしなかったことと、ドル高の流れからユーロドルは1.1364まで下落。
  • 株式市場では、3指数が揃って大幅続落。中東情勢の悪化に加え、米金利の上昇が嫌気され、ほぼ全面安の展開。テスラ株は14.5%の大幅下落。
  • 債券は続落。長期金利は一時4.71%まで上昇し、4.69%台で引ける。
  • 金は、金利高とドル高から大幅安。原油はさらに買われ、92ドル台に。
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新規失業保険申請件数 → 18.7万件
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ドル/円 163.47 〜 163.99
ユーロ/ドル 1.1364 〜 1.1396
ユーロ/円 186.20 〜 186.51
NYダウ −506.93 → 51,711.65ドル
GOLD −101.70 → 4,050.20ドル
WTI +5.36 → 92.19ドル
米10年国債 +0.039 → 4.693%

本日の注目イベント

  • 日 6月全国消費者物価指数
  • 独 独8月GFK消費者信頼調査
  • 独 独7月製造業PMI(速報値)
  • 独 独7月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)
  • 英 英6月小売売上高
  • 英 英7月製造業PMI(速報値)
  • 英 英7月サービス業PMI(速報値)
  • 米 6月新築住宅販売件数
  • 米 7月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
  • 米 7月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
  • 米 7月S&Pグローバル総合PMI(速報値)
  • 米 決算発表 → ベライゾン、アメックス

本日のコメント

東京時間では「ホーム」であることもあり、ドルの上値が重い動きになっていますが、海外、とりわけNY市場ではドルが買われ、一段高を演じる展開が連日続いています。昨日のNYでも、トランプ大統領がイランに対する大規模攻撃の可能性を示唆したことで原油価格が急騰。また、「新規失業保険申請件数」が1969年以来となる低水準だったことで、「労働市場は引き続き堅調に推移」していることが示され、インフレを懸念するFRBが利上げに踏み切りやすくなったとの観測から、債券市場では債券が売られ、長期金利が4.71%まで上昇。こちらは約1年半ぶりの高水準でした。ドル買い材料を背景にドル円は163円99銭まで買われ、164円に届かなかったことは「ご愛嬌」ですが、日本の通貨当局による介入がない限り、市場の「ドル買い・円売り」の流れは止まりません。これらはNYサイドでのドル買い理由になりますが、本邦では「骨太ショック」の影響が意識され、円が弱含む動きが続いています。

6月30日に公表された「骨太の方針」原案では、日銀の利上げをけん制する文言が挿入される可能性があったことから、日本国債が大きく売られ、長期金利は2.9%台まで上昇しました。マスコミはこれを「骨太ショック」と名付けました。その後その文言は削除され、「(金融政策の)具体的な手法は日銀に委ねる」との文言が挿入されています。しかし、これまでの政権で継続されてきた「プライマリーバランスの黒字化」には言及せず、「単年度の黒字化を機械的に追求しない」と記されました。「高市色」が鮮明に付記されたことで、依然として財政懸念は払拭されませんでした。「もともと経済成長と分配、財政規律の3つを同時に満たすのは難しい。成長投資を優先すれば財政負担が増す。分配と財政規律を重視すれば成長投資への余力は細る」(日経新聞)と言われる中、高市政権は成長戦略に加えて家計支援、減税を同時に追い求めており、防衛費の増額も検討しているようです。「財源なき政策は結局、市場から修正を迫られる」(日経新聞)。政府は「骨太ショック」を受け、政策が「正しく理解されていない」と、誤解を解こうと懸命に説明していましたが、為替市場で円が大きく売られ、債券市場でも債券が大きく売られるこの動きが、まさに「修正を迫っている」と理解できます。米国サイドではドル買い材料、日本サイドでは円売り材料と、ドル円が165円方向に向かうのは「ファンダメンタルズ」を反映しているからだと言えそうです。

トランプ大統領は「大規模な攻撃」を検討しており、「決断は目前だ」と、ニュースサイトのアクシオスとのインタビューで述べました。また、「イエメンから船舶への攻撃が再び行われた場合、米国はイランとフーシ派の双方に厳しい軍事的報復を加える」とSNSに投稿しました。イランの支援を受けるフーシ派はこれに先立ち、サウジアラビアの石油タンカー2隻を攻撃したと主張しています。同組織による攻撃は数カ月ぶりで、米国とイランの対立が湾岸諸国に広がっています。今回の紛争ですでに米兵4人が命を落としており、さらに米中間選挙までの残り時間が少ないトランプ氏が、イランに対して圧倒的な軍事力を行使する可能性は高いと予想しています。

「新規失業保険申請件数」が18万7000件と発表され、市場予想よりかなり少なく、1969年以来の低水準でした。同件数が低水準にとどまっていることは、企業が従業員の解雇を引き続き抑えていることを示しています。ブルームバーグは、「企業によるレイオフが引き続き限定的であることを示す内容だ。利益率が高水準にあるため、企業には雇用を維持しながら投資を進める余力があり、その結果、FRBはデュアルマンデート(2つの責務)のうち、インフレへの対応に重点を置く状況となっている」と説明しています。

ECBは昨日の政策委員会会合で、中銀預金金利を「2.25%」に据え置くことを決めました。ただ、その後のラガルド総裁の会見では9月の利上げに含みを持たせています。据え置き決定は全会一致でした。ラガルド氏は、「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」と明らかにしたうえで、「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」と述べ、「インフレ見通しには上振れリスクがある。エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある。エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」と説明しました。その一方で、「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」と指摘。「6月のユーロ圏総合インフレ率は2.8%へ鈍化し、市場予想も下回った。しかし、今月に入り戦闘が再開したことで、政策当局者の間では金融引き締めをまだ終わらせることができない可能性が認識され始めている」と述べていました。市場はラガルド氏がインフレに対してより強い姿勢で臨むといった言葉を期待していた向きもあり、やや失望から、ユーロが下げた一因にもなったようです。

本日は金曜日です。ドル円は164円に迫る水準です。当局の介入があっても不思議ではない状況です。これまである意味「期待?」を裏切ってきましたが、今日東京時間にドル高がさらに大きく進むようであれば、その可能性もあると予想しています。ただ、「ホーム」ではなかなかドルの上値は重く、さらに一段の上値を試すのはNY市場ということになりそうです。

本日のドル円は163円〜164円50銭程度を予想します。

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来週27日(月)の「今日のアナリストレポート」は、都合によりお休みとさせていただきます。宜しくお願い致します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/23 ラガルド・ECB総裁 「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」、「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」、「インフレ見通しには上振れリスクがある。エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある。エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」、「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」、「6月のユーロ圏総合インフレ率は2.8%へ鈍化し、市場予想も下回った。しかし、今月に入り戦闘が再開したことで、政策当局者の間では金融引き締めをまだ終わらせることができない可能性が認識され始めている」 ドル高の流れの中、ややユーロ売りに拍車。
7/16 ローガン・ダラス連銀総裁 「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」、「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」 --------
7/14 ウォーシュ・FRB議長 「FOMC参加者は、高止まりするインフレを長期にわたって容認することはない。われわれは物価安定の回復に向け、揺るぎない決意を共有している」、「われわれが適切な政策運営を実現すれば、そして実現する所存だが、過去5年間の高インフレは過去のものとなる」米6月のCPI発表を受けて)、「朝発表された統計を見て『任務は完了した』と考える人もいるかもしれないが、それは私の見解ではない」、(トランプ氏から公に批判された場合でも経済指標に基づいて政策判断を行うのかと問われ)「そうする」 --------
7/13 ウォラー・FRB理事 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。
7/9 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 --------
7/1 ウォーシュ・FRB議長 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 --------
6/17 ウォーシュ・FRB議長 FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 --------
6/17 FOMC声明文 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 --------
6/17 内田・日銀副総裁 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 --------
6/11 ラガルド:ECB総裁 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 --------
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。


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