「停戦協議2週間延期か?」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は159円を挟み小動き。原油価格が落ち着いていたことや、円安けん制もあり、上下に動きにくい展開。
- ユーロドルは底堅く推移。こちらも1.18を挟んでもみ合うが、対円では187円67銭近辺まで買われ、最高値を幾分更新。
- 株式市場では停戦期待からダウは下げたものの他の2指数は続伸。S&P500は初の7千ポイントに乗せ、ナスダックは11連騰。いずれも最高値を更新する。
- 債券は反落。長期金利は4.28%台に上昇。
- 金は売られる。原油は小動きとなり、前日とほぼ変わらず。
4月NY連銀製造業景況指数 → 11.0
3月輸入物価指数 → 0.8%
3月輸出物価指数 → 1.6%
4月NAHB住宅市場指数 → 34
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| ドル/円 | 158.75 〜 159.15 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1778 〜 1.1808 |
| ユーロ/円 | 187.19 〜 187.67 |
| NYダウ | −72.27 → 48,463.72ドル |
| GOLD | −26.50 → 4,823.60ドル |
| WTI | +0.01 → 91.29ドル |
| 米10年国債 | +0.036 → 4.283% |
本日の注目イベント
- 豪 豪3月雇用統計
- 中 1−3月GDP
- 中 中国3月小売売上高
- 中 中国3月鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)
- 英 英2月鉱工業生産
- 英 英2月貿易収支
- 米 4月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 3月鉱工業生産
- 米 3月設備稼働率
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
- 米 決算発表 → ペプシコ、チャールズシュワブ、ネットフリックス
本日のコメント
2月28日に米国とイスラエルがイラン攻撃に踏み切って以来、本レポートでは連日中東情勢の話題で埋め尽くされています。原油価格の動向で全てのマーケットが上下に大きく動く展開が続き、同価格の動きからは目が離せない状況です。そして、その原油価格はトランプ大統領の一言で大きく動き、結局、今回の混乱の中心には常にトランプ氏が居ることになります。歯に衣着せぬ言い回しにも、慣れてきましたが、「品位」が全くない振舞いにも慣れてきました。
そのトランプ氏、イランとの停戦協議問題で多忙を極めているはずですが、またまたパウエル議長の任期に口を挟んでいます。トランプ氏はFOXビジネスのインタビューで、「期限までに辞めなければ、解任せざるを得ない。これまで解任は控えてきた。解任したいと思ってきたが、論争を招くのは避けたい」と語っていました。さらに、「論争を避けたいが、解任されることになる」と述べています。同インタビューは14日に収録され、昨日放送されたとのことです。パウエル議長の任期は5月に満了しますが、理事としての任期は2028年まで残っています。パウエル氏は、後任が5月の任期満了までに承認されない場合、暫定的に議長を務める意向を示しています。ブルームバーグは、「FRBでは過去にも、議長職が空席となった際に理事の1人が暫定的にトップを務めた例がある。トランプ大統領にパウエル議長を解任する権限があるかどうかは、現時点では明らかでない」と伝えています。次期議長にはすでにウォーシュ氏が決まっていますが、ティリス上院議員は、司法省の捜査が終了するまで同氏の次期議長就任の承認を阻止することを表明しています。トランプ氏はパウエル氏が「そう言ったのは承知しているし、それが事実かもしれない。その場合は受け入れざるを得ないが、議長としてではない」と述べていました。パウエル氏は、「司法省が進めるFRB本部改修工事を巡る捜査が完全に終結し、透明性が確保され最終的に決着するまでは、理事会を離れるつもりはない」と述べています。しかしトランプ氏はインタビューで、この捜査を打ち切る考えがないことを示唆し、「無能なのか、腐敗なのか、あるいはその両方なのか。いずれにせよ、解明する必要がある。本当にそう思う」と語っていました。米検察当局は14日、ワシントンのFRB本部を突然訪問しましたが、建物への立ち入りを拒否されたと報じられています。
米国とイランは、22日に期限が切れる停戦について「2週間の延長」を検討している模様です。和平合意に向けた交渉の時間をさらに確保する狙いのようですが、米株式市場では、停戦期待からハイテク銘柄の多いナスダックが11連騰し、最高値を更新しました。ブルームバーグデータよると、2月末のイラン攻撃後の各国の代表的株価指数を見ると、ナスダックは「3.5%」のプラスでトップ。最も回復が遅れているのは独DAXで「4.9%」のマイナスになっています。トランプ氏は協議再開のメドは間もなくつくと話していますが、停戦合意に達すかどうかは依然として不透明です。鍵を握るのは「核開発問題」です。前回イスラマバードで行われた両国の協議が決裂した理由も明らかになってきました。核開発を巡って、今後20年間ウラン濃縮の停止を求めた米国に対して、イラン側は最長5年までしか停止に応じられないと主張。これが主因でもの別れになったようです。今回、仮に協議が再開されても再びこの問題が焦点になります。本当に停戦を目指すのであれば、「10年間」といった辺りで双方が妥協してくる可能性はありそうです。トランプ氏14日のFOXビジネスのインタビューで、約7週間に及ぶ戦闘について「終わりに非常に近い」と述べ、戦闘再開の可能性を低く見ているとの認識を示していました。
片山財務相は昨日ワシントンの米財務省で、ベッセント財務長官と二国間の会談を行いました。会談後の会見で片山氏は、為替の議論を行ったことを明かした上で「必要ならば断固たる措置も取る」と述べ、改めて介入も辞さない姿勢を示しました。執拗な「口先介入」では、もはや市場は大きく反応しない状況にはなってきましたが、「リスクリバーサル」では、これとは裏腹にやや変化を見せています。通常、ドル高が見込まれると同指数はプラスに転じ、ドル安が見込まれる際にはマイナスとなります。ドル円が160円46銭まで買われた3月30日には同指数は「1.2」前後まで上昇しましたが、159円前後で推移している足元では「0.3」程度まで低下してきました。ドル円の下落幅の割に指数の落ち方が大きいと見られます。同指数は、通貨オプションの「コール」と「プット」のプレミアムから算出した「トレンド」を知る指数として知られています。同指数は現在も依然として「プラス圏」にはいますが、ドル円が159円前後で推移している中、将来ドルを売る権利である「プットオプション」の取引が増加していることを映し出していると思われます。ドル高基調が続いている中、そのような動きがあることを知っておくことは、決して無意味ではありません。市場が「実弾介入」の可能性を思った以上に意識している表れと見ることもできます。
本日のドル円は158円〜159円50銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 | -------- |
| 3/30 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 | 債券と株が買われ、金利は低下。 |
| 3/27 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 | -------- |
| 3/27 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 | -------- |
| 3/23 | デーリー・SFシスコ連銀総裁 | 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 | -------- |
| 3/23 | グールズビー・シカゴ銀総裁 | 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 | -------- |
| 3/18 | パウエル・FRB議長 | 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 | 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。 |
| 3/18 | FOMC声明文 | 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 | -------- |
| 3/15 | ライト・エネルギー長官 | 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 | -------- |
| 3/15 | ハセット・NEC委員長 | この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 | -------- |
| 3/15 | アラグチ・イラン外相 | 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 | -------- |
| 3/14 | トランプ大統領裁 | 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 | -------- |
| 3/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 | -------- |
| 3/3 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 | -------- |
| 3/3 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 | -------- |
| 3/2 | 氷見野・日銀副総裁 | 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
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