「原油高、金利高、ドル高続く」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は続伸。155円台に乗せ、155円20銭までドルが買われる。金利高、原油高が止まらず、利上げ観測の高まりが支えとなりドルが買われた。
- ユーロドルは、1.15台半ばで小動き。
- 株式市場では金利高に押され3指数が揃って続落。ダウは328ドル下げ、ナスダックも204ポイント下落。
- 債券は続落。長期金利は一時5.04%台まで上昇し、2007年以来となる高水準を記録。
- 金利の付かない金は続落。原油価格は一段と上昇。一時106ドル台まで買われ、105ドル台で引ける。
9月NY連銀製造業景況指数 → 7.6
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| ドル/円 | 154.85 〜 155.20 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1537 〜1.1552 |
| ユーロ/円 | 178.84 〜 179.12 |
| NYダウ | −328.09 → 52,093.11ドル |
| GOLD | −19.10 → 4,332.80ドル |
| WTI | +4.44 → 105.83ドル |
| 米10年国債 | +0.014 → 5.002% |
本日の注目イベント
- 日 8月貿易統計
- 欧 ユーロ圏7月鉱工業生産
- 英 英8月消費者物価指数
- 米 8月小売売上高
- 米 8月輸入物価指数
- 米 8月輸出物価指数
- 米 9月NAHB住宅市場指数
- 米 FOMC 政策金利発表
- 米 ウォーシュ議長記者会見
- 加 カナダ8月住宅着工件数
- 加 カナダ7月住宅建設許可件数
本日のコメント
日米共に金利上昇が止まりません。原油高が続き、インフレ懸念が払拭できない上、バラマキ財政が債券の売り圧力となり、金利が上昇しています。昨日の米債券市場でも債券が売られ、10年債利回りは一時「5.04%」と、2007年以来19年ぶりとなる高水準を記録しました。金利が一段と上昇したことで、株式と金が売られ、ドルが買われる展開でした。
ベッセント財務長官は15日、米下院金融委員会での証言で、「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」と述べました。7月31日に米財務省が、日本と協調して円買い介入に踏み切ったことにも触れ、ベッセント氏は「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」と述べました。ここまでは理解できるものの、ベッセント氏はさらに、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」とも述べました。「協調介入で利益を上げた」などと述べたベッセント氏、さすがに自身を「胴元」と呼ぶだけのことはあると、妙に感心してしまいました。米財務省の動向を分析する専門家の試算では、同省が円買い介入に投じた額は10億ドル(約1550億円)を大きく下回ったとのことです。一方、日本政府・日銀は7月30日から8月6日までの期間に15兆3993億円の為替介入を実施したと報じられています。
日本の長期金利は昨日、再び節目の3%を超えて「3.04%」で取引を終えていますが、背景には「責任ある積極財政」に加え、2027年4月から食料品に関わる消費税を、2年間限定で8%から1%に引き下げることが正式に閣議決定されたこともあります。1年間で5兆円ほどと言われる財源が不明な上、果たして2029年4月から再び8%に戻せるのか、「一度下げた消費税を元に戻すのは簡単ではない」という意見も多く聞かれます。税率を8%に戻せば、消費者には「7%の増税感」がおこる可能性があります。それは、ひいては自民党の議席にも影響するかもしれません。そのため、2029年度には「所得連動型給付」を本格導入する予定になっています。これら一連の歳入減、歳出増について政府は「補助金や租税特別措置の適正化、税外収入の確保を含む歳出・歳入全般の見直しで手当てする」としているだけで、具体的ではありません。さらに昨日の報道では、高市政権は、日本は北大西洋条約機構(NATO)同盟国と足並みをそろえ、防衛費をGDP比3.5%に増額する新たな中期目標の設定を検討していると伝えられていました。実現すれば、財政運営を懸念する金融市場にさらに動揺が広がる可能性があります。市場はその辺りを見逃さず、債券の売り圧力となっています。金利上昇は、債券と株式の下落を意味します。先日、日経新聞は生保13社の「債券の含み損」が「株式の含み益」を超えたと報道しました。この先、金利がさらに上昇すれば、株価がさらに下がり、債券の含み損がさらに増えることになり、その結果、生保各社が利益の出ているうちに株式を売却する動きに出る可能性もあります。円安、金利高の主因である財政悪化懸念を、先ず払拭することが必要であると考えます。
今夜のFOMCでは利上げに踏み切ると予想しています。ただ、市場では利上げはかなり織り込まれているため、それ自体は材料になりにくいと思われます。ウォーシュ議長の会見が、タカ派寄りなのか、あるいはハト派寄りなのかが重要です。
本日のドル円は153円80銭〜156円30銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
| 8/28 | ウォーシュ・FRB議長(ジャクソンホールでのシンポジウムで) | 「インフレ率を2%の目標に戻す」、「私の判断基準はこうだ。基調的なインフレが明確かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない。そうでなければ、われわれにはやるべきことがある。それがわれわれの仕事だ」、「やるべきことがある」、「私はきょう、特定の政策決定ではなく、規律を重んじる決意を持ってここに立っている」と述べ、さらに、「インフレ率が2%を上回っている中、FRBは現時点で、最大の重点を物価に置くべきだと」 | ドル円は159円台半ばから160円20銭まで上昇。米金利高、株安が進む。 |
| 8/27 | ベッセント:財務長官(介入に対するウォーレン上院議員への回答で) | 「日本は米国債の主要な保有国だ」、「円相場が無秩序な動きとなれば、ポジションの強制的な巻き戻しを引き起こす。そうなれば、世界の市場を不安定化させ、最終的には米国の家計や企業の借り入れコストを押し上げる可能性がある」 | -------- |
| 8/13 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 | -------- |
| 8/13 | ハマック・クリーブランド連銀総 | 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 | -------- |
| 8/12 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 | -------- |
| 8/11 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 | -------- |
| 8/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 | -------- |
| 8/5 | クック・FRB理事 | 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 | -------- |
| 8/4 | ベッセント・財務長官 | 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 | -------- |
| 8/3 | ベッセント・財務長官 | (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 | -------- |
| 8/3 | 片山・財務相 | (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。







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