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外為経済アカデミー

初心者でもわかる!実戦チャート術 連載開始!

「リスクオン、一段と強まる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はアジア市場では上値が重かったものの、海外市場ではじり高が続き、NYでは108円98銭まで上昇。株高、金利高が続きリスクオンがさらに強まる。
  • ユーロドルは続伸。独メルケル政権が1300億ユーロ(約16兆円)の景気刺激策で合意したこともあり、1.1258までユーロ高が進む。
  • 株式市場は大幅に続伸。ADP雇用者数などの経済指標が予想されたほど悪化していなかったことを好感。ダウは527ドル上昇し、2万6000ドル台を回復。
  • 債券は続落。長期金利は約3週間ぶりに0.7%台半ばまで上昇。
  • 金は大幅に続落。原油は続伸し37ドル台に。
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5月ADP雇用者数 → −276万人
4月製造業受注 → −13.0%
5月ISM非製造業景況指数 → 45.4
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ドル/円 108.51 〜 108.98
ユーロ/ドル 1.1187 〜 1.1258
ユーロ/円 121.41 〜 122.62
NYダウ +527.24 → 26,269.89ドル
GOLD −29.20 → 1,704.80ドル
WTI +0.48 → 37.29ドル
米10年国債 +0.061 → 0.746%

本日の注目イベント

  • 豪 豪4月貿易収支
  • 豪 豪4月小売売上高
  • 独 独5月製造業PMI(速報値)
  • 独 独5月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏5月総合PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏5月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏4月小売売上高
  • 欧 ECB政策金利発表
  • 欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 4月貿易収支
  • 加 カナダ4月貿易収支

本日のコメント

昨日の海外市場では一段と「リスクオン」が強まり、NY株式市場ではダウが大幅に続伸し、約3カ月ぶりに2万6000ドルの大台を回復しました。先行して買われているナスダックは上値が重く、上昇の勢いは鈍かったものの、9682ポイントで取引を終え、2月に記録した引け値での最高値である9817ポイントに迫ってきました。債券市場では安全資産の国債が売られ、長期金利は0.74%台まで上昇しています。「リスクオン」の動きに伴って為替市場では、円が売られ、ユーロ円は1月13日以来となる122円台半ばで買われています。安全資産である債券や円に加えて金も売られ、一時「80」まで上昇した「VIX指数」(恐怖指数)は「25.6前後」まで低下してきました。

多くの専門家が指摘しているように、冷静に周りを見渡せば「リスクオフ」につながりそうな事案は決して少なくはありません。ミネソタ州で発生した白人警察官による黒人暴行死事件では、全米で抗議デモが広がり、鎮圧のため連邦軍の導入も辞さない姿勢を示したトランプ大統領の発言を巡っては、エスパー国防長官の毅然とした物言いが波紋を広げています。エスパー長官は3日、国防総省で記者団に対して、「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」と言明し、抗議デモへの軍派兵には反対する考えを示しました。(ブルームバーグ)このニュースを耳にして、かつて同じようにトランプ大統領がシリア、アフガニスタンからの米軍撤退を決めた際、反対意見を述べたものの受け容れられず辞任した、マティス前国防長官を思い出しました。トランプ大統領は2016年の就任以来、自身の考えを受け容れない側近をことごとく外しており、今回のエスパー長官もその可性が高まるでしょう。仮に11月の大統領選でトランプ氏が再選を果たした場合、エスパー氏以外の人物が国防長官に任命されることになるでしょう。

「リスクオフ」につながりかねない事案はまだあります。米運輸省は3日、中国航空会社の旅客機による米国乗り入れを全面的に停止することを発表しました。これは、米航空会社の中国便運航再開を中国が認めていないことへの対抗措置と見られており、乗り入れ停止は6月16日に発効する予定ですが、トランプ大統領がそれより前に実行させる可能性もあるようです。中国機の乗り入れ停止は貿易や新型コロナウイルス、香港の扱いを巡り緊張が高まっている米中関係に新たな火種となることも考えられ、米中の緊張が一段と高まるリスクがあります。また中国が制定した「国家安全法」を巡っては、香港政府トップの林長官が北京に呼ばれ、香港での反中国共産党などの活動を禁じる同法の施行への準備を加速することを告げられ、林長官もこれを「全面的に支持する」と述べています。香港を特別扱いしないという米国の政策変更は粛々と実施されそうです。

それでも大量の資金が株式市場に流入し、株価を押し上げています。今朝の経済紙によると、コロナによる景気刺激策に伴って日米欧の中銀は今年に入り500兆円にのぼる資金供給を行った模様と報じています。ゼロ金利、もしくはマイナス金利下での運用は、いきおい、リスクを取ってより高い運用利回りを求めるしかありません。すでに「Cash is King」という言葉も忘れ去られた感もありますが、再び歴史を繰り返さないことを願うものです。

どこまで「リスクオン」が続くのかを見極めることが重要ですが、今後円が買われる事態も想定される中、ドル円は109円近辺まで上昇してきました。チャートでは、「日足」までの足でドルの上昇を示唆しています。109円を明確に上抜けするようだと、「週足」でもドル高示唆が点灯します。円先高観を意識しながらも、チャートが示す流れも無視するわけには行きません。足元の動きは依然として105−110円の大きなレンジ内で推移していると見ています。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/3 エスパー・国防長官 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 --------
5/29 トランプ大統領 「中国は香港を一国二制度から一国一制度に置き換えた」、「WHOが実行・関与しなければならない改革について、われわれは詳細を示してきたが、WHOは行動を拒んでいる。きょう、WHOとの関係を打ち切る」 --------
5/28 クドロー・米国家経済会議(NEC)委員長 「要するに、中国は香港から自由を奪った」、「米国として見過ごすことはできない。この件に関して中国は責任を問われることになる。必要とあれば、香港に対して今後は中国と同様の扱いをする必要が出て来る可能性がある」 --------
5/24 王毅・中国外相 「中国には米国を変えようという意図はないし、米国に取って代わろうという意志もない。同時に、米国が中国を変えようと考えても、それは希望的観測だ」 --------
5/21 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナウイルスを巡る今後の状況や、それに伴う景気低迷の深刻さや期間により、金融と財政両方の政策による追加支援が必要となる可能性がある」 --------
5/21 ウィリアムズ・NY連銀総裁 景気の推移や回復具合次第で、追加の財政・金融支援が必要かどうか、経済を力強く持続的な軌道に乗せるために具体的などういった設計の支援とするかを判断しなくてはならない」マイナス金利の利用は現時点において、また現在置かれている状況下で適切な手段ではない」 --------
5/18 パウエル:FRB議長 「この困難な時期に経済を支援するためあらゆる手段をわれわれは講じることにコミットする。ただ、こうした行動はより広範な公的部門の対応の一部にすぎないとわれわれは認識している」 --------
5/18 トランプ大統領 「WHOは中国から独立すべきだ」「WHOが30日以内に大幅な実質的改善を公約しなければ。私は米国のWHOへの資金拠出の一部凍結を恒久化するほか、米国のWHO加盟を再考するつもりだ」 --------
5/15 パウエル・FRB議長 米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない。来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」 --------
5/15 ナバロ・米大統領補佐官 「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」 --------
5/14 トランプ大領 中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか思案している」習近平主席とは「今は話したくない」 --------
5/13 パウエル・FRB議長 失業率は「5月ごろがピークでその後は持ち直すが、生産や所得の完全復元には時間がかかる」(マイナス金利について)「現時点で魅力的な政策手段とは考えていない」 --------
5/12 ファウチ・米アレルギー感染症研究所所長 (設定されたガイドラインを達成しないまま州や市が経済活動を再開させた場合)「私の感触ではそのようなことが起これば、それが引き金となって、制御できないような爆発的な感染拡大が起こる現実的なリスクがある」 --------
5/12 トランプ大統領 「他国がマイナス金利というベネフィットを享受している以上、米国もマイナス金利という贈り物を受け取るべきだ」 --------
5/10 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」 --------
5/7 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (マイナス金利について)「よそで試されたと思うが、この国で試す価値があると私に思わせる理由は、個人的には見当たらない」 --------
5/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「恐らく16%か17%といったところだろう」と述べ、「実質的な数字は23−24%程度と考える。悲惨な水準だ」 --------
5/7 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「現在、恐怖シナリオは確率が低くなったと思う」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。


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