「金価格1年振りに4000ドルを割り込む」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 日銀は市場予想通り利上げを見送ったが、ドル円はじり高に。欧州市場で157円を割り込み、NYでも上値は重かったが、157円台半ばまで上昇。
- ユーロドルはドルが売られたことで反発。ユーロは1.1196まで買われる。
- 株式市場では、引き続きAIに対する先行きの不透明感から3指数は揃って大幅に続落。特にナスダックは一時前日比3%を超える下げとなり、引け値では747ポイント安。
- 債券は小幅に買われ、長期金利は4.92%台に低下。
- 金は大幅に下落し、引け値で4000ドルの大台を割り込む。原油は買われ104ドル台に。
7−9月雇用コスト指数 → 0.8%
10月シカゴ購買部協会景気指数 → 55.3
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| ドル/円 | 156.98 〜 157.64 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1137 〜 1.1196 |
| ユーロ/円 | 175.07 〜 175.91 |
| NYダウ | −572.25 → 51,770.81ドル |
| GOLD | −132.50 → 3,898.90ドル |
| WTI | +2.12 → 104.12ドル |
| 米10年国債 | −0.008 → 4.929% |
本日の注目イベント
- 豪 豪9月住宅建設許可件数
- 中 10月RatingDog製造業PMI
- 独 独10月小売売上高
- 独 独10月製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
- 英 英10月製造業PMI(改定値)
- 米 10月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
- 米 10月ISM製造業景況指数
- 米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、討論会に参加
- 米 決算発表 → アップル、エスティローダー
本日のコメント
日銀は先週末30日の金融政策決定会合で、基調的な物価上昇率について2013年の目標設定以来、初めて2%程度に到達したと判断しました。政策金利は予想通り1.25%程度に据え置くことを「賛成8・反対1」の賛成多数で決めました。タカ派の高田審議員だけは利上げを主張し、反対票を投じています。新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、一時的な要因を除く基調的な物価上昇率について、これまでは「2%に近づいている」としていたものを、「2%の物価安定目標とおおむね整合的な水準となっている」と判断を引き上げました。さらに、現在の金融環境は引き続き緩和的だとの認識を示し、経済・物価・金融情勢に応じて、「政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」としました。消費者物価の見通しについては、「基調物価が2%の物価安定の目標を超え、上振れていくリスクがある」と示しました。また、日銀が保有する上場投資信託(ETF)の売却について、年間のペースを見直し、これまでは3300億円程度だったものを、簿価ベースで8600億円程度とすることも発表しました。ETF売却を増額したことは、多くのエコノミストにとっては「想定外」と受け止められましたが、長く続いたゼロ金利政策の影響でジャブジャブとなった資金の、市場からの吸い上げを幾分加速させるということのようです。
いよいよ今週は「米中間選挙」が行われます。民主党有利との事前調査は変わらず、焦点の一つは上院でも民主党が勝利するかどうかという点です。トランプ大統領は、3日の中間選挙で民主党が議会の過半数を獲得した場合、自身は「ミスター拒否権」にならざるを得ないだろうと、ニューヨーク・ポスト紙とのインタビューの一部が1日、FOXニュースで放映されました。「彼らが法案を送ってきても、拒否権を行使する」とトランプ氏は語り、民主党が法案を送り続けても「1カ月か2カ月、ことごとく拒否権を行使され続ければ、単なる無駄だと分かり、こちらに来て合意するはずだ」と述べました。共和党が中間選挙で敗北する可能性に、トランプ氏自身が言及するのは異例ですが、生活費の高騰やイランでの戦争を巡り、有権者の不満が広がる中、同党が厳しい選挙戦で劣勢に直面していることは理解している模様です。ただ、共和党が敗北した場合、残り2年の任期を残すトランプ氏が「最後の暴挙」に出る可能性があることを危惧する声もあります。ブルームバーグは、「全米で3日に実施される中間選挙は、世界に強硬姿勢を取ってきた大統領の力を弱める可能性があり、その余波は世界に広がりそうだ。世論調査では、トランプ大統領率いる共和党が上下院の少なくとも一方で過半数を失うことが示唆されている。通常なら、トランプ政権がレームダック(死に体)化し、関税や米国の軍事力を行使しようとする姿勢にも歯止めがかかる。だが、トランプ氏の場合、国内の選挙敗北を受けて、むしろ『対外介入』を強める可能性がある。イランへの攻撃を再開し、ウクライナにロシアの要求を受け入れるよう迫るほか、世界的な関税措置を再び打ち出すことも考えられる」といった記事を配信しています。これらは、これまでのトランプ氏の言動を考えると、決して考えられないことではありません。「America First」の名の下、最後の2年間に自身の「レガシイー」を残したいはずです。
中でも、最も可能性が高いのがイランへの総攻撃です。しかし、イランも手をこまねいているわけではありません。イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師は10月31日軍最高幹部に対し、米国とイスラエルとの衝突再燃に備え、報復の選択肢を広げるよう命じています。ハメネイ師は、イスラム革命防衛隊陸軍、軍参謀本部のトップに対し「あらゆるレベル、あらゆる種類の脅威に対し、地理的な制限を設けず、即時かつ効果的に対応しなければならないと、述べた」と、テレグラムに掲載された声明で明らかになりました。ハメネイ師は、攻撃対象となり得る標的のリストを更新し、米国とイスラエルの「あらゆる種類の有形・無形資産」を「軍の攻撃可能範囲」に収めるよう命じた。また、敵との対決に備えた「高度な戦闘即応体制」を「最大限の抑止力を確保するための前提条件の一つ」と位置付け、新技術を活用して軍事能力を強化するよう求めました。ただ救いなのは、それでも一方では同国のアラチ外相は外交交渉を示唆していたことです。
ドル円を取り巻く環境はリスクが高まり、やや上値を重くしつつあります。米中間選挙、イラン戦争、ウクライナ戦争、さらには米国発のAIに伴う巨額投資への懸念です。本日のドル円は156円50銭〜158円30銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/30 | 日銀金融政策決定会合 | 「2%の物価安定目標とおおむね整合的な水準となっている」、「政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」、「基調物価が2%の物価安定の目標を超え、上振れていくリスクがある」、(ETFの売却について)、「これまでは3300億円程度だったものを、簿価ベースで8600億円程度とする」 | やや円高方向に振れる。 |
| 10/29 | ECB声明文 | 「エネルギーショックの規模拡大と長期化に加え、間接的な影響や二次的影響により、インフレ率が押し上げられ、成長率は押し下げられる可能性が高い」、「前回の政策委員会以降、金融環境は引き締まっており、インフレと成長の重しになる可能性が高い」 | -------- |
| 10/29 | ラガルド・ECB総裁 | 「政策会合では利上げ案を協議したが見送った」、「われわれは非常に注意深く見ている。現時点では、すでに予測に織り込まれているものに加え、二次的影響のリスクは見られない」 | -------- |
| 10/28 | FOMC声明文 | 「経済活動は強いペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは強く、設備投資は力強い。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない。インフレは高止まりしている。委員会はさらに情報を蓄積することで、インフレ率を目標の2%に速やかに戻す上で適切となる政策スタンスを判断することが可能になる。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 10/28 | ウォーシュ・FRB議長 | 「Inflation is too high」、「われわれは状況に応じて行動する用意があると明確にしており、実際に行動する意思があることも示してきた」、「インフレを抑えるのはわれわれの責務だ。ここ数日のFOMCの議論が、われわれの責務のうち主に物価安定の側面に集中したのはそのためだ」 | ドル円は158円台前半から157円78銭まで下落 |
| 10/15 | 小枝・日銀審議委員 | 「物価上昇リスクが相応にある中で、利上げに過度に慎重になることはない」、(今後の利上げについて)、「経済・物価の状況をみながら、政策金利を適時に調整していくべきだ」、「金利のある社会で、金融環境の分析は視野を広げることも重要」 | ドル円158円前後から157円50銭台まで下落。 |
| 10/13 | ボウマン・FRB副議長 | 「追加措置が必要かどうかを判断する前に、金融環境や経済がどのように推移するかを見極める時間はある」、「現時点では、追加措置を講じることに緊急性は感じていない。時間をかけて、経済がどのように推移していくのかをしっかりと見極める必要がある」 | -------- |
| 10/13 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「あと1回の利上げを実施するのが適切かもしれないとの見方は変えていない」、「さらなる利上げが必要になると考える理由は、現時点ではない」 | 米金利が低下し、やや円高方向に振れる。 |
| 10/13 | 植田・日銀総裁 | 「賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが定着してきている下で、一時的な要因を除く物価の基調は2%にかなり近づいてきている」、「基調物価を2%程度の水準で安定させていくという観点が、金融政策にとって重要な局面だ」 | -------- |
| 10/12 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「対応を先送りして後で大幅な軌道修正を迫られるリスクを負うより、可能であれば、小幅な調整を比較的速やかに行う方が望ましいと考えている」 | -------- |
| 10/8 | ウォラー・FRB理事 | 「経済指標が引き続き予想通りに推移すれば、インフレ率を2%の目標により速やかに戻すため、追加利上げが必要になると予想している」、「しかし利上げをいつ実施するかについては、ある程度の柔軟性がある。連続する会合で利上げする必要はないが、妥当な期間内に実施すべきだ」 | -------- |
| 10/6 | 佐藤・日銀審議委員 | 「段階的に調整していく方針には賛成している」、「個人消費の勢いはそれほど強くない」 | -------- |
| 10/1 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 | -------- |
| 10/1 | ボウマン・FRB副議長 | 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 | -------- |
| 9/29 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 | 10月の利上げ確率が後退 |
| 9/24 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 | -------- |
| 9/24 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 | -------- |
| 9/24 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 | -------- |
| 9/23 | ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 | -------- |
| 9/18 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 | -------- |
| 9/16 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 | -------- |
| 9/16 | ウォーシュ・FRB議長 | 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 | ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。







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