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外為経済アカデミー

初心者でもわかる!実戦チャート術 連載開始!

「FOMC、5会合連続で政策金利据え置く」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は朝方、イラン情勢が再び緊迫化したことで163円90銭まで上昇。FOMCでは政策金利が据え置かれたことで163円23銭前後まで急落。利上げ観測が一部にあったことでドルが売られる。
  • ユーロドルも朝方には1.1375まで下落したが、その後1.14台半ばまで反発。
  • 株式市場では、政策金利が据え置かれ米金利が上昇したことで3指数が揃って大幅安。ダウは1153ドル下げ、5万2千ドル台を割り込む。
  • 債券も売られ、長期金利は4.67%台に上昇。
  • 金は小幅に続落。連日乱高下を繰り返す原油は、トランプ大統領の発言を受け大幅高に。
ドル/円 163.23 〜 163.90
ユーロ/ドル 1.1375 〜 1.1470
ユーロ/円 186.33 〜 187.47
NYダウ −1153.18 → 51,594.14ドル
GOLD −1.60 → 4,097.00ドル
WTI +5.20 → 84.46ドル
米10年国債 +0.071 → 4.677%

本日の注目イベント

  • 豪 豪6月住宅建設許可件数
  • 豪 豪4−6月四半期輸入物価指数
  • 独 独7月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏7月消費者信頼感指数(確定値)
  • 欧 ユーロ圏4−6月期GDP(速報値)
  • 欧 ユーロ圏6月失業率
  • 英 BOE金融政策発表
  • 米 4−6月GDP(速報値)
  • 米 6月個人所得
  • 米 6月個人支出
  • 米 6月PCEデフレータ(前月比)
  • 米 6月PCEデフレータ(前年比)
  • 米 6月PCEコアデフレータ(前月比)
  • 米 6月PCEコアデフレータ(前年比)
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 決算発表 → アップル、アマゾン、KKR

本日のコメント

やはり、米国とイランが話し合いの席に着くのは簡単ではないようです。米軍は28日、イランによる軍事基地への攻撃を迎撃したと発表しました。数日間続いた戦闘休止が破られ、中東で全面戦争に戻るリスクが高まった模様です。米中央軍は「イスラム革命防衛隊の部隊が、中東に駐留する米軍に対する奇襲攻撃を試み、イランから複数の弾道ミサイルを発射した」と発表。さらに、「イランのミサイルはすべて迎撃に成功した。米軍は引き続き警戒を維持し、高度な即応態勢を保っている」と説明していました。

トランプ大統領は、FOXニュースの電話インタビューで、「イランを激しく攻撃する」と述べ、「痛い目に遭うだろう」と述べています。この発言後、連日大きな値幅で乱高下している原油価格が大幅に上昇しました。米国とサウジアラビアは、イラク国内でイランの支援を受ける武装勢力を攻撃し、この攻撃で20人が死亡した模様です。ブルームバーグは「イランと米国が正式に和平交渉を再開するまでには依然として大きな隔たりがあり、ましてや、恒久的な戦争終結やホルムズ海峡の通航再開の合意を結ぶにはほど遠い。これがトランプ氏のいら立ちを強めている。米国ではガソリン価格が急上昇し、米国民の間でもイラン戦争への反対はますます広がっている。11月の中間選挙を控え、トランプ氏の支持率は打撃を受けている」と報じていました。ただトランプ氏は、上述のように厳しい言葉を発していますが、一方で「話し合いは続ける」とも述べています。

28−29日に開かれたFOMC会合では、予想通り政策金利を据え置くことを決定しました。筆者は据え置きを予想していましたが、市場の一部では「利上げ」が予想されていたようで、据え置き決定後ドルは売られ、ドル円は163円23銭前後まで下げ、ユーロドルも1.1470までユーロ高が進みました。対ドルではユーロの上昇が勢いを増したこともあり、ユーロは対円で187円47銭辺りまで買われ、4月30日以来となる高値を付けています。今回の会合では、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標レンジを据え置くことを、「賛成9、反対3」で決定されました。ダラス連銀のローガン総裁、クリーブランド連銀のハマック総裁、そして、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、0.25ポイントの利上げを主張して反対票を投じましたが、ローガン氏とハマック氏の据え置き反対は想定内のようです。声明文では、「経済活動が堅調なペースで拡大しつつある」との認識を繰り返したほか、設備投資と生産性の伸びが力強いとの見方も維持しました。またインフレ率についても、「2%目標に比べて高止まりしている」との判断を維持しました。

ウォーシュ議長は会見で、「一部の家計や企業、市場関係者の間では、5年にわたる高インフレを受けて、FRBは2%を超えるインフレ率を事実上容認しているとの誤った認識が根強く残っている。改めて強調したい。インフレの緩やかな目標など存在しない。少なくとも、この委員会の下では、暗黙の緩やかな目標も存在しない」と述べました。また議長は、「インフレ率が見通し期間を通じて高止まりするようであれば、金利はその対応策の一つになり得るが、それだけが手段というわけではない」と述べ、利上げだけが唯一のインフレ対策ではないことを強調。さらに、「市場に影響を与えようとする姿勢を一部後退させたことで、市場は自ら判断を下した」と説明。「米国債の利回り曲線全体で名目金利に対する市場の見方は上方修正された」と述べました。先週発表された6月のCPIとPPIは共に、市場予想を下回ったことから、FOMCが今会合で利上げに踏み切る必要性はやや後退していました。さらに、労働市場では雇用者数がここ数カ月にわたり緩やかながら着実に増加し、失業率も安定していることで、今会合での政策金利据え置きを予想していました。ただそれでも一方では、中東で戦闘が再び激化し、原油価格は上下を繰り返しながらも上昇基調です。このため、物価上昇圧力は再び強まっていると見られます。「戦争を巡る先行き不透明感に加え、新たな関税措置やAIブームに伴う需要拡大もあり、インフレ率が長期間にわたり高止まりするとの懸念が強まっている」(ブルームバーグ)のが現状です。今回の結果を受け、OIS市場では9月の利上げ確率は低下しましたが、12月の利上げは完全に織り込む動きを見せています。

政策金利据え置きでもドル円は163円台を維持。次は明日の日銀決定会合です。ここでも据え置きを予想していますが、植田総裁が会見で余程うまく「タカ派色」を演出しないと、円安が進む可能性があると予想しています。

本日のドル円は162円70銭〜164円程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/29 FOMC声明文 「経済活動が堅調なペースで拡大しつつある。設備投資と生産性の伸びが力強い。(インフレ率は、)「2%目標に比べて高止まりしている」 ドル円は163円台後半から下落。株式と債券も売られる。
7/29 ウォーシュ・FRB議長 「一部の家計や企業、市場関係者の間では、5年にわたる高インフレを受けて、FRBは2%を超えるインフレ率を事実上容認しているとの誤った認識が根強く残っている。改めて強調したい。インフレの緩やかな目標など存在しない。少なくとも、この委員会の下では、暗黙の緩やかな目標も存在しない」、「インフレ率が見通し期間を通じて高止まりするようであれば、金利はその対応策の一つになり得るが、それだけが手段というわけではない」、「市場に影響を与えようとする姿勢を一部後退させたことで、市場は自ら判断を下した」と説明。「米国債の利回り曲線全体で名目金利に対する市場の見方は上方修正された」 短期ゾーンの金利が低下し、中長期ゾーンの金利が上昇。
7/23 ラガルド・ECB総裁 「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」、「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」、「インフレ見通しには上振れリスクがある。エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある。エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」、「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」、「6月のユーロ圏総合インフレ率は2.8%へ鈍化し、市場予想も下回った。しかし、今月に入り戦闘が再開したことで、政策当局者の間では金融引き締めをまだ終わらせることができない可能性が認識され始めている」 ドル高の流れの中、ややユーロ売りに拍車。
7/16 ローガン・ダラス連銀総裁 「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」、「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」 --------
7/14 ウォーシュ・FRB議長 「FOMC参加者は、高止まりするインフレを長期にわたって容認することはない。われわれは物価安定の回復に向け、揺るぎない決意を共有している」、「われわれが適切な政策運営を実現すれば、そして実現する所存だが、過去5年間の高インフレは過去のものとなる」米6月のCPI発表を受けて)、「朝発表された統計を見て『任務は完了した』と考える人もいるかもしれないが、それは私の見解ではない」、(トランプ氏から公に批判された場合でも経済指標に基づいて政策判断を行うのかと問われ)「そうする」 --------
7/13 ウォラー・FRB理事 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。
7/9 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 --------
7/1 ウォーシュ・FRB議長 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 --------
6/17 ウォーシュ・FRB議長 FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 --------
6/17 FOMC声明文 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 --------
6/17 内田・日銀副総裁 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 --------
6/11 ラガルド:ECB総裁 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 --------
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。


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