「米長期金利1年ぶりに一時4.6%台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- じり高の展開が続くドル円は158円85銭まで上昇。介入警戒感がありながらも米金利高にドル買いが優勢に。
- ユーロドルは小幅に続落。終始1.16台で推移し、1.1617まで下落。
- 株式市場では金利高から主要3指数が揃って大幅に下落。ダウは537ドル売られ、好調だったナスダックも410ポイント下げる。
- 債券は続落。長期金利はおよそ1年ぶりに4.6%台まで上昇。
- 金は大幅に下落。原油も4ドル上昇し、105ドル台に。
5月NY連銀製造業景況指数 → 19.6
4月鉱工業生産 → 0.7%
4月設備稼働率 → 67.1%
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| ドル/円 | 158.51 〜 158.85 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1617 〜 1.1638 |
| ユーロ/円 | 184.31 〜 184.62 |
| NYダウ | −537.29 → 49,526.17ドル |
| GOLD | −123.40 → 4561.90ドル |
| WTI | +4.25 → 105.42ドル |
| 米10年国債 | +0.112 → 4.593% |
本日の注目イベント
- 中 中国4月小売売上高
- 中 中国4月鉱工業生産
- 欧 G7財務相・中央銀行総裁会議(パリ、19日まで)
- 米 5月NAHB住宅市場指数
本日のコメント
ドル円は先週末のNYで158円85銭まで上昇しました。水準的にはいつ介入があってもおかしくはないレベルですが、米金利の上昇が続き、これがドル買いにつながっています。介入警戒感がありながらも、米金利高に反応した結果です。イラン戦争終結に向けた進展が見られない中、原油高に象徴されるようにエネルギー価格の上昇からインフレ懸念が広がり、世界的に債券が売られ金利が上昇しています。米10年利回りは先週末の債券市場で、およそ1年ぶりとなる「4.6%台」まで上昇する場面もありました。金利高は株式市場には「逆風」となり、連日最高値を更新していたナスダック指数も410ポイント下げています。日本の債券市場でも10年債が売られ、長期金利は一時「2.73%台」まで上昇。29年ぶりの高水準です。金利上昇は、国の歳出のかなりの部分を国債に依存している日本にとって、直ちに財政悪化につながり、これが円売りをうながしています。その意味では、足元の円安はファンダメンタルズに沿った動きと言えなくもありません。本日からパリで「G7財務相・中央銀行総裁会議」が開催されます。主催国フランスのマクロン大統領は、6月に自ら主催する首脳会議(サミット)に向け、「不均衡」への対処を最優先課題に据えていると報じられています。米国の巨額の財政赤字や欧州の投資不足、中国の膨大な貿易黒字と内需の弱さといった喫緊の経済課題を念頭に置いているとされています。今回のG7では、世界的な債券安も議題に上ると予想されています。同会議は18−19日にわたって議論されます。
トランプ大統領と中国の習近平国家主席による北京での首脳会談を受け、中国商務省は16日に声明を発表し、2国間の通商協議に関する最新状況を明らかにしました。同省は一部品目に対する関税の相互引き下げを含む一連の措置を中米双方が導入し、農業分野などで2国間貿易を拡大すると説明しています。ただ、詳細については現在も両国の交渉チームが協議中だとして、具体的内容は明らかにしなかったものの、一部品目の関税引き下げで米国と合意したと発表しています。一方トランプ氏は、大統領専用機「エアフォースワン」の機内で記者団に対し、「関税については協議しなかった」と述べ、「中国は多額の関税を支払っているが、議題にはならなかった」と語っていました。またトランプ氏は、中国が米ボーイングの航空機を200機購入することで合意したとも述べていましたが、中国側の声明では、米国製航空機を購入する方針を確認したものの、購入機数やメーカー名には言及していません。ブルームバーグ・エコノミクスは、「関税率が最終的にどの水準に落ち着くのかは依然として不透明だ」と指摘。「米国が従来の相互関税率を再び適用する方針を実行に移せば、中国への関税率は約10%上昇し、報復措置を招く可能性がある」と分析していました。日経新聞は今回の米中首脳会談の成果や思惑について「同床異夢」と表現していました。
4月30日に介入を実施した当局は、その後のGW中も3回ほど介入を行ったとみられ、「介入水準を157円台に押し下げたのではないか」といった見方も浮上していました。しかし、ドル円はその後緩やかに上昇しています。東京時間中ではさすがに介入警戒感が強くドルの上値は限定的ですが、海外市場を経て帰って来ると円安が進んでいる状況が続いています。今朝もNYの高値近辺で推移していますが、上でも触れたように、米金利の上昇がドルをサポートする構図になっています。ただ、これ以上今の状況を放置すれば再び160円台が示現する可能性もあり、これまで以上に当局の動きが注目されます。本日のドル円は158円〜159円50銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/14 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 | -------- |
| 5/12 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 | -------- |
| 5/7 | デーリー・SF連銀総裁 | 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 | -------- |
| 5/7 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 | -------- |
| 5/7 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 | -------- |
| 4/23 | 片山・財務大臣 | 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 | -------- |
| 4/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。







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