「FOMC、政策金利据え置きを決定」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 原油価格の上昇にドル円は158円35銭まで買われたが、FOMCでは政策金利が据え置かれ、ウォーシュ議長からも12月利上げへのヒントもなかったことでドルが反落。157円78銭までドル安に。
- ユーロドルは小幅に反発したものの、依然として1.11台で推移。
- 株式市場では、3指数が揃って続伸。FOMCではサプライズがなかったものの、方向感が出ない中オラクルなどが上昇を牽引。
- FOMC後、債券は売られ長期金利は5.01%台に上昇。
- 金は反落し、原油は102ドル台まで反発。
| ドル/円 | 157.78 〜 158.35 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1123 〜 1.1169 |
| ユーロ/円 | 175.81 〜 176.39 |
| NYダウ | +97.53 → 52,475.10ドル |
| GOLD | −23.00 → 4,051.60ドル |
| WTI | +2.88 → 102.78ドル |
| 米10年国債 | +0.021 → 5.018% |
本日の注目イベント
- 豪 豪7−9月四半期輸入物価指数
- 欧 ユーロ圏10月消費者信頼感指数
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
- 米 9月個人所得
- 米 9月個人支出
- 米 9月PCEデフレータ(前月比)
- 米 9月PCEデフレータ(前年比)
- 米 9月PCEコアデフレータ(前月比)
- 米 9月PCEコアデフレータ(前年比)
- 米 7−9月GDP(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 決算発表 → マスターカード、キャタピラー、アマゾン、インテル
- 加 EU・カナダサミット(モントリオール)
本日のコメント
今朝方行われたFOMC会合では、予想通り政策金利の据え置きが決定されました。ウォーシュ議長は会見の冒頭で、「Inflation is too high」と述べ、「われわれは状況に応じて行動する用意があると明確にしており、実際に行動する意思があることも示してきた」と述べたものの、12月会合での利上げを示唆する発言はありませんでした。会見を境に158円台前半で推移していたドル円は下げに転じ、157円78銭まで下落しましたが、FOMC会合を終えても、依然としてドル円は明確な方向感が出て来ません。明日の日銀決定会合後でも同じような動きとすれば、いよいよ来週の「米中間選挙」に期待するしかありませんが、それでもなお明確な方向性が出ない可能性もあります。会合では賛成10、反対2でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを3.75−4%で据え置くことを決定しました。クック理事とクリーブランド連銀のハマック総裁が反対票を投じ、0.25ポイントの利上げを主張しています。
ウォーシュ議長は米経済が過熱し始めているとの見方を否定した一方、堅調な個人消費や企業の設備投資など、経済活動が予想以上に力強いことを示す複数の要因を挙げました。また、「インフレを抑えるのはわれわれの責務だ。ここ数日のFOMCの議論が、われわれの責務のうち主に物価安定の側面に集中したのはそのためだ」と述べています。さらに議長は、FOMC会合の運用を段階的に見直す方針も明らかにしました。2027年は8回の会合のうち7回で政策金利を決定するための採決を行う予定で、2028年には8回のうち2回を、金利決定ではなく幅広い議論に充てると説明しました。これまでも自身が、行き過ぎたフォワードガイダンスを見直すと述べてきましたが、今回の措置はこれと整合するものです。声明文では、「経済活動は強いペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは強く、設備投資は力強い。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない。インフレは高止まりしている。委員会はさらに情報を蓄積することで、インフレ率を目標の2%に速やかに戻す上で適切となる政策スタンスを判断することが可能になる。委員会は物価安定を実現する」としていました。
イスラエルで27日実施された総選挙は、開票率が約93%の時点で、昨日の情勢とは異なり、現職のネタニヤフ首相率いる与党陣営が、元軍参謀総長のアイゼンコット氏率いる野党勢力をややリードしている模様です。ただ、アラブ系政党への支持急増を受け、両陣営とも組閣に向けた明確な道筋を描きづらい状況のようです。イスラエル国会(定数120)の新たな議席数は、与党陣営が53、野党勢力が48で、残りはアラブ系政党が獲得する見通しとなっています。アラブ系2政党は計19議席と予想のほぼ倍となり、過半数確保に向けた連立交渉で「キャスチングボート」を握ると見られています。ブルームバーグは、「ネタニヤフ、アイゼンコット両氏とも、次期首相就任に自信を示した。ただ、ヘルツォグ大統領が新たな連立政権の樹立を誰に要請するか、決めるまでには数日かかる見通しだ。どの陣営でも連立政権を樹立できなければ、数カ月後に再選挙が行われる可能性がある」と報じています。アラブ系政党の一つ、タアルのティビ党首はイスラエルのアラビア語ラジオ局に対し、「アラブ系政党にアイゼンコット氏の少数内閣樹立を支援する用意はあるが、ネタニヤフ氏を支援するつもりはない」と語り、「複雑な状況ではあるが、アイゼンコット氏はアラブ系政党の支持を得て少数内閣を樹立するチャンスがある」と述べています。しかしブルームバーグは、「アイゼンコット氏がアラブ系政党の支持を取り付けるにあたり、解決しなければならない問題がいくつかある。同氏はイスラエルをユダヤ国家として認めない政党や、ハマスを解体すべきテロ組織と見なさない政党は受け入れないと、これまでに述べている。この条件では、タアルが参加し、11議席の獲得が予想される政党連合『共同リスト』は排除される可能性が高い」とし、アイゼンコット氏が連立を主導し、首相に就任するのも簡単ではないと説明しています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアおよび米国との「3カ国協議」が11月上旬にアブダビで行われる可能性があると、オランダのイェッテン首相とハーグでの共同記者会見で述べました。ゼレンスキー氏は、3カ国の実務者チームが11月6−10日に会談する見込みだと発言。「同月3日の米中間選挙後に、会合について米政府から詳細な説明がある見通しだ」とゼレンスキー氏は述べ、開催地は変わる可能性もあると付け加えました。これに先立ちトランプ大統領も28日、「4年8カ月に及ぶウクライナでの戦争を終わらせるため、ゼレンスキー氏とプーチン氏の会談は速やかに設定されるだろう」と述べています。ゼレンスキー氏とともに記者会見したイェッテン氏は、ウクライナに対する5億ユーロ(約880億円)の追加軍事支援を発表し、対ロシア制裁の強化を呼び掛けました。イェッテン氏は、「欧州や米国、その他諸国にとって進むべき唯一の道はロシアに対する制裁を緩めるのではなく、強化することだ。ロシア産エネルギーを購入するというのは、非常に愚かな考えだ」と述べ、暗に米国がロシアからの軽油購入を決めたことを批判していました。
上述のように、ドル円の膠着状態が続いています。日足チャートでは雲の上限(158円44銭)近辺で上昇が抑えられている形になっています。ただこの「先行スパン1」(雲の上限)は、ここ数週間ドル円が膠着状態になっていることを反映し、来月中旬には水準を下げる形を示しており、仮にこのままの水準が続いたとしても、結果として「上抜け」する可能性があります。ドル買いの勢いから上抜けするものではないため、ドル高が継続するかどうかは微妙ですが、注意は必要かと思います。
本日のドル円は157〜158円50銭程度を予想しています。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/28 | FOMC声明文 | 「経済活動は強いペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは強く、設備投資は力強い。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない。インフレは高止まりしている。委員会はさらに情報を蓄積することで、インフレ率を目標の2%に速やかに戻す上で適切となる政策スタンスを判断することが可能になる。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 10/28 | ウォーシュ・FRB議長 | 「Inflation is too high」、「われわれは状況に応じて行動する用意があると明確にしており、実際に行動する意思があることも示してきた」、「インフレを抑えるのはわれわれの責務だ。ここ数日のFOMCの議論が、われわれの責務のうち主に物価安定の側面に集中したのはそのためだ」 | ドル円は158円台前半から157円78銭まで下落 |
| 10/15 | 小枝・日銀審議委員 | 「物価上昇リスクが相応にある中で、利上げに過度に慎重になることはない」、(今後の利上げについて)、「経済・物価の状況をみながら、政策金利を適時に調整していくべきだ」、「金利のある社会で、金融環境の分析は視野を広げることも重要」 | ドル円158円前後から157円50銭台まで下落。 |
| 10/13 | ボウマン・FRB副議長 | 「追加措置が必要かどうかを判断する前に、金融環境や経済がどのように推移するかを見極める時間はある」、「現時点では、追加措置を講じることに緊急性は感じていない。時間をかけて、経済がどのように推移していくのかをしっかりと見極める必要がある」 | -------- |
| 10/13 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「あと1回の利上げを実施するのが適切かもしれないとの見方は変えていない」、「さらなる利上げが必要になると考える理由は、現時点ではない」 | 米金利が低下し、やや円高方向に振れる。 |
| 10/13 | 植田・日銀総裁 | 「賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが定着してきている下で、一時的な要因を除く物価の基調は2%にかなり近づいてきている」、「基調物価を2%程度の水準で安定させていくという観点が、金融政策にとって重要な局面だ」 | -------- |
| 10/12 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「対応を先送りして後で大幅な軌道修正を迫られるリスクを負うより、可能であれば、小幅な調整を比較的速やかに行う方が望ましいと考えている」 | -------- |
| 10/8 | ウォラー・FRB理事 | 「経済指標が引き続き予想通りに推移すれば、インフレ率を2%の目標により速やかに戻すため、追加利上げが必要になると予想している」、「しかし利上げをいつ実施するかについては、ある程度の柔軟性がある。連続する会合で利上げする必要はないが、妥当な期間内に実施すべきだ」 | -------- |
| 10/6 | 佐藤・日銀審議委員 | 「段階的に調整していく方針には賛成している」、「個人消費の勢いはそれほど強くない」 | -------- |
| 10/1 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 | -------- |
| 10/1 | ボウマン・FRB副議長 | 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 | -------- |
| 9/29 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 | 10月の利上げ確率が後退 |
| 9/24 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 | -------- |
| 9/24 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 | -------- |
| 9/24 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 | -------- |
| 9/23 | ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 | -------- |
| 9/18 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 | -------- |
| 9/16 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 | -------- |
| 9/16 | ウォーシュ・FRB議長 | 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 | ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
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・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



