「警戒感はあったものの介入は観られず」
ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場- NY市場が休場であったことから、ドル円は161円台前半で小動き。警戒された介入もなかったことで161円34銭近辺まで上昇。
- ユーロドルは朝方1.1446まで下げたが、その後上昇し1.1481近辺まで反発。
| ドル/円 | 161.13 〜 161.34 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1446 〜 1.1481 |
| ユーロ/円 | 184.66 〜 185.14 |
| NYダウ | ------- → 51,564.70 |
| GOLD | ------- → 4,245.90ドル |
| WTI | ------- → 76.60ドル |
| 米10年国債 | ------- → 4.453% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏6月消費者信頼感指数(速報値)
- 加 カナダ5月消費者物価指数
本日のコメント
予定されていた日時よりもやや遅れたものの、米国とイランは21日、イラン核問題の解決とホルムズ海峡の恒久的な開放を目指す包括的な和平協議をスイスのジュネーブで開始しました。ただ、協議は続けられているようですが情報が錯綜しており、この先60日間の協議でも波乱が予想されます。トランプ大統領は同日、レバノンの親イラン派武装組織ヒズボラがイスラエルへの攻撃を続ける場合、対イラン攻撃に再び踏み切る可能性があると改めて警告しました。また、トランプ氏による最新の威嚇を受け、イランが協議を中断したとの報道が同国メディアから伝わっています。協議が進められている中、トランプ氏は「レバノンで資金提供を受けている代理勢力が問題を引き起こすのをイランが直ちに止めなければ、再びイランを攻撃する」とソーシャルメディアに投稿しました。さらにトランプ氏は、イランと合意に至らなければ、米国がホルムズ海峡の通航料徴収を開始するかもしれないと、FOXニュースに語り、イランがホルムズ海峡を封鎖したら「お前たちはイランに戻ることさえできなくなる」と、罵倒の言葉を交えて話したという(ブルームバーグ)。バンス副大統領は、パキスタンとカタールの当局者と並んで会見し、「今日は意見の相違を全て解決する場ではなく、実務レベルの交渉を始める第一歩だ」と述べていました。米国とイランの敵対関係は、暫定合意を受けてひとまず収束の兆しが見られました。しかし、今回の協議は、イランの核開発能力や同国への経済的救済措置など、幅広い議題に関して「長期化が予想される交渉の出発点に過ぎない」との見方が大勢でした。
イランは引き続き、ホルムズ海峡を通航する船舶について、同国の許可取得と保険加入を義務付ける方針を打ち出し、同海峡への統制強化を図る姿勢を鮮明にしています。さらに、19日には、オマーン沿岸付近で機雷が発見されたとの報告もあり、信号を発信した状態でホルムズ海峡を通過する船舶は減少したとも報告されています。ただそれでも、20日から21日にかけて、計800万バレルの輸送能力を持つ原油タンカー5隻が、ホルムズ海峡のオマーン側航路を航行する様子が確認されています。約200万バレルのサウジ産原油を積んで日本に向かうタンカー「ガルフ・サンライズ」は、20日にホルムズ海峡の最狭部付近で追跡データが途絶えた後、現在はオマーン湾を航行していることが確認されていると報じられています。その他にもUAE産の原油を積んだタンカーなども確認されており、米中央軍は20日、ホルムズ海峡を通航する商船が増加したと発表し、原油輸送量は1700万バレルを超えたとしています。
FRBのボウマン副議長(金融監督担当)が、「ブラックアウト期間」に違反したとの報道です。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じました。ボウマン氏は、FOMC会合に出席した数時間後、ニューヨークで開かれた非公開の夕食会で講演したようです。FRBの規則では、FOMCメンバーが各政策会合の前約2週間は金融政策について公の場で発言しない、いわゆる「ブラックアウト期間」が設けられています。この制限は定例FOMC会合から2週間前の土曜日に始まり、会合が終了した翌日木曜日の終了時まで続くそうです。FOMC会合はワシントンで年8回開催され、通常は火曜日に始まり水曜日に終了します。筆者も、「ブラックアウト期間」はFOMCが開催される前のみと認識していました。終了後の翌日まで規制されているとは知りませんでした。世界中が注目しており、その影響力が極めて大きいFOMCでの金融政策を巡っては、事前に漏れることを避けることは当然ですが、会合で方針が決められ、声明文が公表されます。そして、その30分後には議長が会見を行ってその経緯を説明しますが、それでもその後の公での発言が規制されているようです。ボウマン氏は声明で、「金融政策に関する私の見解は共有していない」と述べ、「私はこれまで適用される全てのFOMC規則および倫理規定を一貫して順守しており、今後もそれを厳格に守る考えだ」と語り、FOMCの規則には違反していないと強調していました。
介入警戒感が依然強いものの、先週末の金曜日にも介入はありませんでした。片山財務相は「為替についてはいつも申し上げていることと同じ。それ以上はない」と述べるとともに、「動く時は断固とした動きをするということで一切変わりはない」と強調していました。今朝、通信社の記者との話では、「当局が介入に対する方針を変えたのではないかという見方もある」と言っていましたが、筆者は依然として「介入はある」と考えています。本日のドル円は160円〜162円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/17 | ウォーシュ・FRB議長 | FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 | -------- |
| 6/17 | FOMC声明文 | 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 | -------- |
| 6/17 | 内田・日銀副総裁 | 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 | -------- |
| 6/11 | ラガルド:ECB総裁 | 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 | -------- |
| 6/9 | 片山・財務大臣 | 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 | -------- |
| 6/4 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 | -------- |
| 6/4 | デーリー・SF連銀総裁 | 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 | -------- |
| 6/3 | 植田・日銀総裁 | 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 | ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。 |
| 6/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 | -------- |
| 6/3 | ローガン・ダラス連銀総裁 | (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 | -------- |
| 6/2 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 | -------- |
| 5/28 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 | -------- |
| 5/28 | ムサレム・セントルイス連銀総裁 | 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 | -------- |
| 5/21 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 | -------- |
| 5/21 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 | -------- |
| 5/21 | 小枝・日銀審議委員 | (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 | -------- |
| 5/20 | トランプ・米大統領 | 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 | 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。 |
| 5/19 | 片山・財務大臣 | 「断固たる措置を取るときは取る」 | ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。 |
| 5/19 | トランプ・米大統領 | 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 | -------- |
| 5/14 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 | -------- |
| 5/12 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 | -------- |
| 5/7 | デーリー・SF連銀総裁 | 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 | -------- |
| 5/7 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 | -------- |
| 5/7 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



