今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「WTI原油価格91ドル台まで急低下」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は反落。159円を割り込み、NYでは158円61銭まで円が買い戻される。原油価格が大幅に低下したことで、米金利も低下。
  • ドルが売られたことでユーロドルは1.1811まで上昇。
  • 株式市場では米国とイランとの協議再開の可能性が出たことを好感。3指数は揃って大幅高に。ナスダックは2021年以来となる10連騰。
  • 債券は続伸。長期金利は4.24%台に低下。
  • 金は反発。原油はイランとの協議再開期待から大幅下落。
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3月生産者物価指数 → 0.5%
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ドル/円 158.61 〜 158.91
ユーロ/ドル 1.1788 〜 1.1811
ユーロ/円 187.18 〜 187.47
NYダウ +317.74 → 48,535.99ドル
GOLD +82.70 → 4,850.10ドル
WTI −7.80 → 91.28ドル
米10年国債 −0.045 → 4.248%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏2月鉱工業生産
  • 欧 ラガルド・ECB総裁講演
  • 英 ベイリー・BOE総裁講演
  • 米 4月NY連銀製造業景況指数
  • 米 3月輸入物価指数
  • 米 3月輸出物価指数
  • 米 4月NAHB住宅市場指数
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米 バー・FRB理事、討論会に参加
  • 米 ハマック・クリーブランド連銀総裁、CNBCのインタビュー
  • 米 ボウマン・FRB副議長講演
  • 米 決算発表 → バンク・オブ・アメリカ、モルガンスタンレー

本日のコメント

トランプ大統領は、イランへの圧力を強める狙いで米海軍によるホルムズ海峡の封鎖を命じ、同海軍は予定していた時刻に開始しました。しかし、昨日は米国とイランとの協議再開の可能性が急浮上しています。

米国とイランは、停戦延長に向けた協議を数日中に再び行うことで調整を進めていると報じられました。ブルームバーグは、「事情に詳しい関係者によると、今月7日に発表した停戦期限が来週切れる前に新たな協議を行うことが目的だ。開催地は先週末に1回目の直接交渉を実施したパキスタンが提案されている候補の一つだが、他の場所も検討されていると、関係者は述べた」と伝えています。他の候補地としてはスイスのジュネーブが挙がっているようで、スイス政府も、戦争終結の取り組みに外交的な支援を提供する用意があると表明しています。トランプ大統領も前日ホワイトハウスで、「今朝、妥当な人たち、然(しか)るべき人たちから電話があった。彼らは合意をまとめたがっている」と話していました。トランプ氏が交渉再開の意思を示したことを受け、戦争終結に向けた合意がまとまるとの期待から14日のNY市場では、WTI原油価格が急落。前日比7.8ドル(約7.9%)下げ、これを好感し株式と債券が大きく買い戻されました。ドル円でも円が買い戻され、158円61銭前後までドルが売られました。ナスダックは10連騰し、S&P500も、最高値に近い水準まで買われています。

ニューヨーク・ポストがトランプ大統領へのインタビューを基に報じたところによれば、同氏は協議がパキスタンで「2日以内に開かれる可能性がある」と述べ、「彼らが、決して核兵器を保有しないと明確にすれば合意できる」とも語っています。一方、米国はイランの原油輸出を抑えるため、ホルムズ海峡の海上封鎖を進めています。米国によると、商船6隻が指示に従って引き返し、イランの港に再入港しました。中央軍はXへの投稿で、現地に展開する米軍部隊を通過した船舶はないと明らかにしています。米国は艦艇12隻超による艦隊を編成し、24時間体制で封鎖を実施。駆逐艦や強襲揚陸艦トリポリのほか、F−35戦闘機や臨検を行う海兵隊部隊、必要に応じて機雷除去を支援できる沿海域戦闘艦「キャンベラ」などが含まれているとのことです。協議が再開されたとしても、上述のように、イランが核問題で米国の主張を受け入れるかどうかは、依然不透明です。双方、とりわけトランプ氏は戦争を終結させたいと考えているはずですが、ホルムズ海峡の主権問題やイランに対する補償と、今後一切攻撃しないとする確約も必要です。果たして双方がどこまで歩み寄れるのか注目されます。

余談に属する話題ですが、高市首相と片山財務相が赤沢経済産業相に対し、日銀の金融政策に関連した発言を控えるよう注意したと報じられました。片山財務相は、経産相は所管外とした上で、「具体的な手法については日銀に委ねられるべきというのが法律上の立て付けだ。そういう発言は普段はあまりしないものだ」と、強調したようです。高市首相と自身から13日の経済諮問会議で関連発言を控えるよう伝えたと、片山氏は述べていました。中央銀行の独立性に関するこの問題は、これまでにも何度も話題に上り、大臣や政府高官といえども順守することは当然ですが、ちょっと待った!自民党総裁選の最中、「今、金利を上げるのはアホや」と言い放ったのは、どこの誰ですか?

原油価格の動向が、全ての金融商品の水準を決めてしまうこの状況下です。昨日のNYで、WTI原油価格が大きく低下し、3月25日以来となる91ドル台まで下げたことで、本日は株高、債券高、そして円が買われる展開が予想されます。ただ、原油価格の急落ほど、ドル円は下げていない印象です。背景にはやはり、「油に弱い日本」だけではなく、日本の「財政に対する懸念」が根強く残っているようで、これが円の上昇を抑制しているとみています。

本日のドル円は158円〜159円50銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
4/6 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 --------
3/30 パウエル・FRB議長 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 債券と株が買われ、金利は低下。
3/27 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 --------
3/27 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 --------
3/23 デーリー・SFシスコ連銀総裁 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 --------
3/23 グールズビー・シカゴ銀総裁 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 --------
3/18 パウエル・FRB議長 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。
3/18 FOMC声明文 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 --------
3/15 ライト・エネルギー長官 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 --------
3/15 ハセット・NEC委員長 この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 --------
3/15 アラグチ・イラン外相 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 --------
3/14 トランプ大統領裁 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 --------
3/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 --------
3/3 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 --------
3/3 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 --------
3/2 氷見野・日銀副総裁 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和