「ドル円160円台半ばから158円台前半まで急落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京時間に160円39銭前後まで買われたドル円はNYで急落。米金利が低下し、日銀による連続利上げの可能性も意識され、158円22銭まで下落。一部には市場介入の噂もあったが、確認はされていない。
- ユーロドルは小幅に続落。1.1576まで売られ、対円でも183円半ばまで下落。
- 株式市場では3指数が4日ぶりに揃って反発。米金利の上昇が一服となり、買い戻しが優勢に。S&P500は35ポイントと小幅高。
- 債券は反発。長期金利は4.77%台に低下。
- 金は小幅に反発。原油は小幅ながら3日続伸し、91ドル台に。
8月ADP雇用者数 → 3.8万人
7月製造業受注 → 0.9%
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| ドル/円 | 158.22 〜 159.71 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1576 〜 1.1608 |
| ユーロ/円 | 183.50 〜 184.84 |
| NYダウ | +295.07 → 53,061.95ドル |
| GOLD | +18.20 → 4,414.60ドル |
| WTI | +0.79 → 91.01ドル |
| 米10年国債 | −0.020 → 4.778% |
本日の注目イベント
- 豪 豪7月貿易収支
- 中 8月RatingDogサービス業PMI
- 中 8月RatingDog総合PMI
- 独 独8月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏7月卸売物価指数
- 欧 ユーロ圏8月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏8月サービス業PMI(改定値)
- 米 7月貿易収支
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 8月ISM非製造業景況指数
- 米 8月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値)
- 米 8月S&Pグローバル総合PMI(改定値)
- 米 ウォラー・FRB理事、イベントで討論会に参加
本日のコメント
日本の債券価格の下落が止まりません。前日の午後、「3.0%」の節目を超えた日本の長期金利は昨日も上昇し、一時は3.015%まで達しました。足元の金融市場では、日本の長期金利の動きが中心となり、他の金融商品の動きに波及する展開となっています。円金利がさらに上昇したことで、ドル円は160円39銭近辺まで「円売り」が進み、株式市場では日経平均株価が一時1800円を超える下落を見せる場面もありました。「債券売り」、「株式売り」、そしてドル円で「円売り」と、「日本売り」の様相でした。
高田日銀審議委員は昨日札幌市の講演で、利上げを巡り、従来のタカ派姿勢をさらに強める内容の発言を行っていました。高田氏は、今後の利上げに際し、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」と述べました。「物価の上振れを防ぐ日銀の意思を市場に示し、為替市場を通じた影響にも配慮する必要が生じる」との考えも示しました。利上げに積極的な「タカ派」とされている高田氏がさらに踏み込んで、「連続利上げ」の可能性に触れたことで、想定内の講演内容でしたが午後、ドル円は160円台を割り込んできました。そしてその後、昨日のNYでは朝方からドル円は大きく下げ、158円22銭まで円が買われました。「ADP雇用者数」が予想を下回り、米金利が低下したことでドルが売られましたが、下落スピードも速く「ADP、米金利」の材料も、そこまでドル売りを促す内容ではなかった気もします。一部には介入の噂もあったようですが、介入であればこの程度の下落では済まないと思われ、やや不透明な動きでした。
トランプ大統領は2日、イランへの新たな攻撃は短期間で終わる公算が大きいとの認識を示し、米国がホルムズ海峡を掌握していると改めて主張しました。イランへの攻撃がどのくらい続く可能性があるかと記者団から問われ、「それほど長くはならないと思う」と答えています。米軍は昨晩、3日間で2回目となる攻撃を実施。イラン南部沿岸のレーダーシステムや機雷敷設能力を標的としました。イランはこれに対し、中東各地の米軍基地を無人機やミサイルで相次ぎ攻撃。トランプ氏は「イランがホルムズ海峡沿いに構築しようとしていた新たな装備をすべて破壊した。防御用も攻撃用もあった」と説明し、「昨夜は非常に大規模な攻撃だった。われわれはいつでも望む時に、再び攻撃する用意がある」と述べていました。イランはこれに先立ち、米国が南部沿岸のシリクで行われていた結婚式を攻撃したと非難。報道によると、少なくとも4人が死亡し、約67人が負傷したようです。イラン外務省のバガイ報道官は、「イランはこうした野蛮な犯罪に断固として対応する」と非難しています。これに対して米中央軍は「米軍が民間人を標的にすることは決してない」と述べるなど、両国の応酬は続いています。米国とイランの戦闘が再び激化したことで、ホルムズ海峡経由のエネルギー輸送混乱が拡大するとの懸念が強まり、WTI原油先物は91ドル台に乗せ、北海ブレント原油も7月下旬以来となる95ドル台で引けています。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、2日のCNBCとのインタビューで、「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」と述べました。また、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」と述べ、従来からの「ハト派色」を前面に出していました。また、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」とも述べていました。ウィリアムズ氏は7月のFOMC会合では、政策金利据え置きを支持しています。
昨日のNYでの下げは、このところの動きとしてはやや大きいと思われます。今のところ、ドル高トレンドは変わっていないと判断していますが、今後日銀が連続利上げに踏み切り、米国では労働市場が軟調に推移し、来週のCPIが低下するような状況になれば、ドル高トレンドにも変化が出て来るかもしれません。それでも、高市政権の積極財政の継続が円高を阻む構図は変わっていないことと、足元の原油価格の上昇が米国のインフレ低下にとって壁となり、大幅な円高は想定しにくいと考えていますが、明日の「雇用統計」と、来週の「CPI」には細心の注意が必要です。
本日のドル円は158円〜159円30銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
| 8/28 | ウォーシュ・FRB議長(ジャクソンホールでのシンポジウムで) | 「インフレ率を2%の目標に戻す」、「私の判断基準はこうだ。基調的なインフレが明確かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない。そうでなければ、われわれにはやるべきことがある。それがわれわれの仕事だ」、「やるべきことがある」、「私はきょう、特定の政策決定ではなく、規律を重んじる決意を持ってここに立っている」と述べ、さらに、「インフレ率が2%を上回っている中、FRBは現時点で、最大の重点を物価に置くべきだと」 | ドル円は159円台半ばから160円20銭まで上昇。米金利高、株安が進む。 |
| 8/27 | ベッセント:財務長官(介入に対するウォーレン上院議員への回答で) | 「日本は米国債の主要な保有国だ」、「円相場が無秩序な動きとなれば、ポジションの強制的な巻き戻しを引き起こす。そうなれば、世界の市場を不安定化させ、最終的には米国の家計や企業の借り入れコストを押し上げる可能性がある」 | -------- |
| 8/13 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 | -------- |
| 8/13 | ハマック・クリーブランド連銀総 | 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 | -------- |
| 8/12 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 | -------- |
| 8/11 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 | -------- |
| 8/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 | -------- |
| 8/5 | クック・FRB理事 | 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 | -------- |
| 8/4 | ベッセント・財務長官 | 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 | -------- |
| 8/3 | ベッセント・財務長官 | (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 | -------- |
| 8/3 | 片山・財務相 | (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



