今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「FOMC会合、0.25%の利上げを決定」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • FOMC会合で政策金利の引き上げが決められ、ドル円は156円台を回復。一時は156円42銭までドル高が進む。
  • ユーロドルは続落。1.1462近辺までユーロ安に。
  • 株式市場では、利上げに伴い金利が上昇したことで3指数は揃って続落。特にダウの下げが厳しく、前日比631ドルの下落。
  • 債券は続落。長期金利は5.02%台に上昇。
  • 金は反発。原油も利益確定の売りに押され反落。
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8月小売売上高 → 1.2%
8月輸入物価指数 → 0.7%
8月輸出物価指数 → 0.6%
9月NAHB住宅市場指数 → 32
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ドル/円 154.91 〜 156.42
ユーロ/ドル 1.1462 〜 1.1546
ユーロ/円 178.55 〜 179.29
NYダウ −631.21 → 51,461.90ドル
GOLD +54.70 → 4,387.50ドル
WTI −3.40 → 102.48ドル
米10年国債 +0.021 → 5.023%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏8月消費者物価指数(改定値)
  • 英 BOE金融政策発表
  • 英 BOE金融政策委員会(MPC)議事録
  • 米 9月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 8月住宅着工件数
  • 米 8月建設許可件数
  • 米 8月中古住宅販売成約指数

本日のコメント

FOMC会合では政策金利を0.25%引き上げ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを3.75−4%に引き上げることを決定しました。市場の一部には据え置きの予想もありましたが、全会一致で決定され、さらに16人のメンバーは年内もう1回の利上げも見込んでいました。ウォーシュ議長は政策決定後の記者会見で、「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」と述べました。トランプ大統領の再三の利下げ圧力にも屈せず、インフレ抑制を最優先した形となりました。政策金利の引き上げは2023年7月以来、3年2ヵ月ぶりとなり、金融政策を「緩和」から「引き締め」へと舵を切り直した第一歩となります。ウォーシュ議長はインフレへの懸念を改めて表明し、「6カ月、12カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」と指摘。「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」と、利上げの理由を説明しています。政策金利の引き上げを受けて、金融政策に敏感な2年債利回りは4.74%まで上昇し、10年債利回りも5.02%に上昇。ドル円は156円台に乗せ、一時156円42銭を付けています。また、株式市場では、米金利上昇を嫌気し主要3指数が揃って続落しました。

FOMC声明文は「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」とした上で、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」としています。年内に少なくともあと1回の利上げを予想した当局者は16人いました。6月時点では、2026年に少なくとも計2回の利上げを見込んだ当局者は6人だったことを考えると、それ以降、イランとの戦いに出口が見えず、原油価格の高騰が勢いを増していることで、多くのメンバーがインフレはさらに高まることを確信した結果とみられます。「ハト派」の代表格でもあるNY連銀のウィリアムズ総裁が利上げを支持したことは、個人的には想定外でした。ただ、ウォーシュ議長は6月会合時と同様、自身の予想を提出していません。

今回、トランプ大統領の執拗な利下げ要求にも屈せず利上げを決定しました、トランプ氏は最近、「利下げしなければ貿易戦争を激化させる」と警告していました。13日には、「米国の借り入れコストは世界で最も低くあるべきだ」との主張を改めて示していました。ホワイトハウスのデサイ報道官はFOXニュースで、「FRBによる本日の利上げ決定は極めて残念なもので、政権の立場からすれば、特に説得力のある経済的根拠に裏付けられたものではなかった」と述べています。トランプ氏も早速吠えました。SNSへの投稿で、「米国は新規投資で活況を呈している上、世界で最も信用力が高い。米国の金利は1%か、それ未満であるべきだ」と主張し、「米国の金利を引き下げろ。それも早急に!」と発信しています。記者からトランプ氏へのメッセージを問われたウォーシュ議長は「大統領とのやり取りについて、私から話すことは何もない」と答えていました。米国の現状を冷静に分析し利上げを支持したウォーシュ議長ですが、杞憂かもしれませんが、この先同氏の立場に「変化がなければいいが・・・」と願っています。

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は16日、カナダをEU初の「準加盟国」とすることを提案しました。フランス・ストラスブールの欧州議会で行った一般教書演説で、出席したカナダのカーニー首相に呼びかけました。米国との決別を決めカナダのカーニー首相は、EUとの関係強化に力を注いできましたが、EU側もこれに応じた格好です。EU側の判断に拍手を送りたいと思います。フォンデアライエン氏は「この新たな世界において、われわれはパートナーシップを早急に再構築し、強じん性と民主主義を守るための世界的な連携を築かなければならない」と訴え、カーニー氏に対し「カナダのEU初となる準加盟国入りに向け、あなたと協力していきたい」と述べました。カーニー氏は今年、「ルールに基づく国際秩序は事実上終わった」として、世界の主要経済国による圧力や威圧に対抗するため、いわゆる中堅国が結束するよう繰り返し呼び掛けてきました。フォンデアライエン氏は演説で、「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」と強調しました。EUにはこれまで「準加盟国」はなかったことから、それがどのような位置づけになるのか詳細は分かりませんが、かつて、バンク・オブ・イングランドの総裁を務めたこともあるカーニー氏、EUに近いのは当然で、米国を見限った以上、EUを味方につけるのは自然です。ブルームバーグは、英国とEUとの関係にも触れ、「カナダだけを対象とした特別な地位を新設するのは、EUが貿易圏として域外に枠組みを広げ、英国離脱後も自らを再構築できるという強いメッセージだ。ただ、これが実際に何を意味するのかは別問題で、交渉には数年を要する可能性が高い。EUとカナダの新しい関係の可能性は、英国とEUの関係再構築に向けた道筋も示唆している。通常、EUの加盟国になるには長期にわたる加盟手続きが必要で、単一市場へのアクセスなどの権利が得られる一方、財政、税制、法制上の義務も伴う。準加盟には前例がない。今年、ウクライナに簡易版の加盟資格を与える案が示された際には、多くの加盟国が反発した」と論じ、カナダのEUへの「準加盟国」入りを前向きに捉えていました。

ドル円は、日足では一目均衡表の基準線(156円64銭)をテストする形になってきましたが、まだこのまま上昇に転じるとも思えません。急激に円高が進んだことで、トヨタなど自動車メーカー各社は「社内レート」を160円から引き下げ、150−155円程度に下方修正してきました。ドル円がようやく「社内レート」に接近して来たことで、確実に輸出に伴うドル売りも持ち込まれることが予想され、少なくとも東京時間ではドルの上値は重いでしょう。

本日のドル円は155円〜156円70銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/16 フォンデアライエン・欧州委員長 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 --------
9/16 ウォーシュ・FRB議長 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。
9/16 FOMC声明文 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 --------
9/15 ベッセント・財務長官 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 --------
9/10 ラガルド・ECB総裁 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 --------
9/2 高田・日銀審議委員 (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。
9/1 バー・FRB理事 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 --------
8/28 ウォーシュ・FRB議長(ジャクソンホールでのシンポジウムで) 「インフレ率を2%の目標に戻す」、「私の判断基準はこうだ。基調的なインフレが明確かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない。そうでなければ、われわれにはやるべきことがある。それがわれわれの仕事だ」、「やるべきことがある」、「私はきょう、特定の政策決定ではなく、規律を重んじる決意を持ってここに立っている」と述べ、さらに、「インフレ率が2%を上回っている中、FRBは現時点で、最大の重点を物価に置くべきだと」 ドル円は159円台半ばから160円20銭まで上昇。米金利高、株安が進む。
8/27 ベッセント:財務長官(介入に対するウォーレン上院議員への回答で) 「日本は米国債の主要な保有国だ」、「円相場が無秩序な動きとなれば、ポジションの強制的な巻き戻しを引き起こす。そうなれば、世界の市場を不安定化させ、最終的には米国の家計や企業の借り入れコストを押し上げる可能性がある」 --------
8/13 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 --------
8/13 ハマック・クリーブランド連銀総 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 --------
8/12 コリンズ・ボストン連銀総裁 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 --------
8/11 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 --------
8/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 --------
8/5 クック・FRB理事 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 --------
8/4 ベッセント・財務長官 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 --------
8/3 ベッセント・財務長官 (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 --------
8/3 片山・財務相 (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和