今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ECB、政策金利据え置きを決定」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 欧州市場で157円34銭まで買われたドル円は、労働市場の減速を示す指標を受け156円台半ばまで売られる。その後8日の衆院選を意識したと思われるドル買いに157円台まで反発。
  • ユーロドルはECBが政策金利を据え置いたこともあり、1.18を挟み小動き。
  • 株式市場では3指数が揃って大幅に続落。ソフトウエア株が再び売られ市場のセンチメントが悪化。ダウは600ドルに迫る下げに。
  • 債券は反発。長期金利は4.18%台へと急低下。
  • 金は3日ぶりに反落。原油も4日ぶりに売られる。
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新規失業保険申請件数 → 23.1万件
12月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 6542千件
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ドル/円 156.51 〜 157.09
ユーロ/ドル 1.1775 〜 1.1803
ユーロ/円 184.55 〜 185.27
NYダウ −592.58 → 48,908.72ドル
GOLD −61.30 → 4,889.50ドル
WTI −1.85 → 63.29ドル
米10年国債 −0.088 → 4.186%

本日の注目イベント

  • 日 12月景気先行指数(CI)(速報値)
  • 日 12月景気一致指数(CI)(速報値)
  • 日 増日銀審議委員、愛媛県金融経済懇談会で講演
  • 独 独12月貿易収支
  • 独 独12月鉱工業生産
  • 米 2月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 米 12月消費者信用残高
  • 加 カナダ1月新規雇用者数
  • 加 カナダ1月失業率

本日のコメント

ドル円は昨日の欧州市場で、一時157円34銭前後まで買われました。昨日のレポートでも触れた「76.4%戻し」である157円51銭には届かなかったものの、堅調に推移しています。NYでは、株価が大きく下げたことで通常なら「リスク回避」の円買いに振れてもおかしくはなかった状況でしたが、一旦は円が買われドル安が進んだものの、その後再び157円台に戻しています。しかも、昨日は米債券市場では安全資産の債券が買われ、金利が大きく低下していたにもかかわらず、ドルが堅調でした。やはり8日の衆院選の結果を意識した「円売り」が底流にあるのでしょうか。今朝の日経新聞は「自維、300議超をうかがう」といった見出しで、高市自民党の優勢を報じています。その高市首相をトランプ大統領は、3月19日にホワイトハウスに迎えるとSNSで明らかにしています。またトランプ氏は、8日に投開票を迎える衆議院選挙について、高市氏が率いる連立与党を支持すると表明しました。トランプ氏は「高市首相は本人および連立政権が取り組んでいる仕事で高い評価を受けるに値する人物だ」と投稿し、「この選挙の結果は、日本の将来にとって極めて重要だ」と続けていました。

昨年12月の「JOLTS」(求人件数)が発表され、前月から予想以上に減少し、2020年以来の少なさでした。12月の同件数は654万件に減少し、市場予想の725万件を大きく下回っていました。また、11月分も速報値の715万件から693万件に下方修正されました。レイオフが増加し、労働力需要が失速している新たな兆候となった模様です。ブルームバーグは「企業は労働力人口や経済活動を見極めつつ、採用では選択を厳しくする状況が続いている。失業者数は求人件数をわずかに上回り、賃金の伸びはインフレ圧力を引き起こしていないとするFRBの認識を裏付けた」と論じていました。さらにこの日発表された「新規失業保険申請件数」も、前週比2万2000件増の23万1000件と、労働市場の鈍化を示していました。ただ、こちらは米国を見舞った厳しい寒波の影響で事業活動に混乱が生じ、失業保険の申請が増えた可能性があるようです。その前の週までの申請件数データは、堅調な経済成長を背景に、企業が人員削減に総じて慎重であることを示していました。米民間再就職支援会社「チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス」が5日発表したデータによると、米企業による1月の人員削減計画は前年同月比で倍以上に増え、また、企業の採用意欲も弱まったことが示されていました。本来、今日にも発表される予定であった「1月の雇用統計」が11日に延期されたことで、労働市場の減速傾向が本当に進んでいるのかどうかは判断できませんが、予断を許しません。今回の新規失業保険申請データで、週ごとの変動をならした4週移動平均でも、21万2250件に増えています。

上院銀行委員会の公聴会に出席したベッセント財務長官は、トランプ大統領が次期FRB議長に指名する方針を示したウォーシュ元FRB理事について、トランプ氏の意向通りに利下げを行わなかった場合に提訴するかどうかは「大統領次第だ」と述べました。5日の公聴会でウォーレン議員(民主党)は、ウォーシュ氏が金利設定でトランプ氏の意向に従わなかった場合でも、提訴や捜査の対象にならないと確約するよう、ベッセント氏に求めましたが、これに対しベッセント氏は、「それは大統領次第だ」と答えています。ウォーレン議員の質問は、週末に一部メディアが報じた内容を引き合いに出したものでした。報道によると、トランプ氏はワシントンでの夕食会の席で、利下げしなければウォーシュ氏を訴えると冗談を言ったとされています。ウォーレン議員は公聴会でベッセント氏に対し、「トランプ氏が指名したFRB議長候補のケビン・ウォーシュ氏が、トランプ氏の望む通りに利下げを行わなかった場合でも、訴えられたり、司法省の捜査を受けたりしないと、今この場で約束できますか」と質問しました。ベッセント氏は大統領次第だと答えた後、ウォーレン議員は「これは簡単な質問のはずだった」と述べ、「冗談だったのなら、そう言えばいいだけではないか」と追及し、ベッセント氏は笑っていました。この一連の会話はジョークだったと思われますが、それにしても、トランプ氏の意向に沿わない場合には、ジョークだとしても「提訴」などと言った言葉が出ています。FRBが政治的圧力を受けたことを前提にした会話で、まさに中央銀行の独立性など微塵も感じられない会話でした。

ECBは5日、予想通り政策金利である中銀預金金利を2%に据え置くと発表しました。ECB声明で、「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」とした一方で、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」と発表しました。ラガルド総裁は政策発表後の記者会見で、「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」と説明し、今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したと明らかにしました。ラガルド氏は、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」とあらためて主張しつつ、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」ことを認めていました。さらに、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」と述べました。またこの日、イングランド銀行(BOE)も政策金利の据え置きを決めています。

本日のドル円は155円80銭〜157円80銭程度を予想しています。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
1/28 ベッセント・財務長官 (ドル・円相場への米国の介入について質問され)、「絶対にしていない」、(その可能性について)、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」、「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」、「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」、「米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだ」 ドル円は152円台後半から1円ほど上昇。
1/28 パウエル・FRB議長 「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」、(労働市場については)「安定化の兆しが見られる」、「過度に踏み込むべきではない」、「冷え込みが続いている兆候もある」、(今後の利下げについて)、「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」、「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」、(中央銀行の独立性について)、「独立性の要は政策当局者を守ることではない」、「国民にとって有効に機能してきた制度的な枠組みに過ぎない」、」(任期が終了した後も理事としてFRBにとどまるかどうかの質問に)、「決めていない」 --------
1/20 カーニー・カナダ首相 「世界の中堅国は、攻撃的な超大国の強制に抵抗するために協力しなければならない」、「最近の出来事はルールに基づく国際秩序が事実上死滅したことを示しており、カナダやその他の国々は、世界の大国による圧力戦術や威嚇に対抗するため、新たな同盟関係を構築するしか選択肢がない」、「中堅国は協力しなければならない。交渉の席につかなければ、餌食になるからだ」 --------
1/15 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「われわれが直面している最も重要な課題は、インフレ率を2%に戻すことだ」、「労働市場に関するこれまでの懸念はいったん後退した。不透明感から企業は採用を鈍らせているものの、大規模なレイオフには踏み切っていない」、「シカゴ連銀の指標は、労働市場が安定していることを強く示している。依然として強さがあり、かなり堅調だ」、「インフレを2%に戻す軌道に乗せるべく、5年間にわたって取り組んできた。一定の進展はあったが、目標の達成が必要だ。それが実現すれば、金利は引き下げられると思う」 --------
1/14 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「この国の長期的なインフレ率にとって、FRBの独立性はこれ以上ないほど重要だ」、(トランプ政権によるパウエル議長への圧力について問われ)「中銀の独立性がないところでは、インフレは勢いよくぶり返す」、「われわれは過去5年間、インフレ率を引き下げるために闘ってきており、それは容易なことではなかった。FRBの独立性が攻撃されれば、その問題はさらに悪化する」 --------
1/14 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「トランプ大統領が過去1年間にFRBに圧力をかけてきたのは、金利が原因だ」、「政策担当者は今年後半に再び利下げを行う可能性はあるが、今月末の次回の会合では金利は据え置かれるべきだ」 --------
1/14 三村・財務官 「最近の為替について、経済的なファンダメンタルズを反映しているようには見えない」、「最もいけないのはボラティリティー(大きな変動)だ。円安に伴う輸入インフレのデメリットが目立つという声もいろんなところから聞こえてくる」 --------
1/14 片山・財務大臣 (足元で進む円安に)「極めて遺憾であって憂慮している。その見方については日米財務相ともに共有した」、(日本政府としては)「日米財務相共同声明の考え方を踏まえて、投機的な動きを含めて行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」 --------
1/8 ミラン・FRB理事 「約1.5%の利下げを想定している。この想定はインフレに関する私の見解に大きく基づいている」、「基調的なインフレはFRBの目標からノイズのレンジ内で推移しており、総合インフレが中期的にどのようになるかを見極める良い示唆になっている」 --------
1/8 ベッセント・財務長官 (FRB議長人事の決定時期はダボス会議)「その直前か直後になる可能性がある。1月中だと思う」、(金利は高過ぎるかとの質問に対して)、「現在の金利水準は中立金利を依然として大きく上回っている。景気抑制的なスタンスであるべきではないと考えている」、(適切な金利水準について)、「多くのモデルでは2.50−3.25%程度を示すだろう」 --------
1/6 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在の金利水準が、中立と推定されるレンジ内にある」、「今後の政策運営については、2大責務の両面での進展を見極めながら、きめ細やかな判断が求められる」、「採用率が低い中で、労働市場のさらなる悪化は誰も望んでいない一方、インフレ率が目標を上回る状態が5年近く続いており、高インフレ期待の定着も避けたいところだ。まさに微妙なバランスだ」 --------
1/6 ミラン・FRB理事 「政策が中立水準付近にあるとは、かなり言いがたい。現状は明らかに景気に抑制的であり、経済の足かせになっている」、「今年は100ベーシスポイントを大きく超える利下げが正当化されると考えている」 株価の上昇に寄与。
1/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「景気の底堅さを踏まえ、今は中立にかなり近い状態だと推測される」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和