今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米5月のNFPは17.2万人増加」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は続伸。米5月の雇用統計が予想を上回る結果に、米金利が上昇。ドル円は160円34銭まで買われる。
  • ユーロドルでもドルが買われ、ユーロは1.1518まで下落。
  • 株式市場では3指数が揃って大幅下落。雇用統計の結果を受け、年内の利上げ観測が高まり株は終始軟調。ナスダックは1121ポイント下げ、4%を超える下落。
  • 債券は売られ、長期金利は4.53%台に上昇。
  • 金は大幅下落。原油も2ドルを超える下落。
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5月失業率 → 4.3%
5月非農業部門雇用者数 → 17.2万人
5月平均時給 (前月比) → 0.3%
5月平均時給 (前年比) → 3.4%
5月労働参加率 → 61.8%
4月消費者信用残高 → 20.733b
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ドル/円 159.73 〜 160.34
ユーロ/ドル 1.1518 〜 1.1642
ユーロ/円 184.49 〜 185.70
NYダウ −695.15 → 50,866.78
GOLD −139.70 → 4,365.30ドル
WTI −2.50 → 90.54ドル
米10年国債 +0.057 → 4.530%

本日の注目イベント

  • 日 1−3月GDP(改定値)
  • 日 4月国際収支・貿易収支
  • 日 5月景気ウオッチャー調査
  • 独 4月製造業新規受注
  • 米 5月NY連銀インフレ期待

本日のコメント

注目の「米5月の雇用統計」では、非農業部門雇用者数(NFP)が予想を超え、これまでに発表された「JOLTS」や「ADP雇用者数」の結果と整合する内容でした。5月のNFPは前月比17.2万人増加し、市場予想の8.8万人から大きく上振れしていました。さらに4月分も11.5万人から17.9万人、そして3月分は18.5万人から21.4万人にそれぞれ上方修正されました。より労働市場の趨勢が把握できる直近3カ月の平均では、「18.8万人」と、イラン戦争に伴い原油高騰が続いている状況の中でも、労働市場は極めて好調だということが明らかになった格好です。業種別では、娯楽・ホスピタリティーが7万人増と約3年ぶりの大幅な伸びとなり全体をけん引し、過去1年間に雇用拡大の主な原動力となってきた医療・社会扶助分野も、堅調なペースで伸びていました。建設業と製造業でも雇用が増加しています。今回の雇用統計を受け、市場はFRBがインフレ抑制に向けて年内に利上げを実施するとの観測が強まり、利上げ確率は70%以上になっています。ドル円は160円34銭まで上昇しましたが、介入警戒感があるためか、ドルの上昇は緩やかなものでした。一方、介入警戒感がない分、ユーロドルでは大きくドル高が進んでいます。債券市場では債券が売られ、10年債利回りは4.53%台に跳ね上がり、株式市場でも連日最高値更新を牽引して来た「半導体銘柄」が大きく売られ、ナスダック指数は4%を超える今年最大の下げ幅を記録しています。ブルームバーグは、「昨年は雇用者数の伸びがほぼゼロにとどまったが、今回の統計からは労働市場がその後に持ち直しつつあることがうかがえる。足元ではエネルギー価格の上昇を受けて消費者マインドが過去最低水準に落ち込んでいるものの、雇用環境は改善の兆しを示している」と分析していました。

米国とイランの和平に向けた協議は、戦争開始から100日を迎えても、ほとんど進展が見られません。米中央軍は7日、SNSに掲載した声明で、ホルムズ海峡における海上交通を脅かしたイランの自爆型攻撃ドローン2機を撃墜したと明らかにしました。5日夜には、ペルシャ湾で複数のイランのミサイルとドローンを迎撃し、イラン国内のレーダー施設を攻撃したと発表していました。また、イスラエルは、イランから発射されたミサイルを全て迎撃したと発表し、イラン側も、敵対勢力の拠点に向けて複数のミサイルを発射したと発表しています。米国とイランとは、核開発停止期間や、ホルムズ海峡の主権問題、さらにレバノンを巡る問題で依然として大きな隔たりがありますが、加えて、イランは米国に凍結されている240億ドル(約3兆8500億円)の金融資産の即時解除も求めています。トランプ大統領はここ数カ月にわたり、イランは限界点に近づいていると繰り返し主張してきました。5日には記者団に対し、「イランとの交渉で大きな成果を上げている」と述べ、「イランが核兵器を保有できる状況にはない」と語っていましたが、交渉はイラン側の抵抗も大きく、行き詰まっていると見られます。6日のイベントでは「イラン問題を早期に解決するには、軍事力の行使の方が早いかもしれない」と、場合によっては攻撃も辞さないことをほのめかしていました。

米国の労働市場が力強さを取り戻したことが、5月の雇用統計で示された一方、足元ではインフレ再燃への懸念が強まっています。FRBの新議長に就任したケビン・ウォーシュ氏にとって、こうした見通し変化は早くも試練になると見られています。ホワイトハウスからの利下げを求める圧力をかわしながら、物価上昇に対応していかなければならないからです。トランプ大統領は7日に放送されたNBCの番組「ミート・ザ・プレス」でのインタビューで、「最近は良い経済指標が発表されると、市場は下落する。金利が引き上げられると考えるからだ」と指摘し、「利上げを実施する理由はない」と述べ、さらに、「政策金利を引き上げるのは誤った判断だ。むしろ利下げすべきだ」と続けていました。自身が任命したウォーシュ新議長に対して、「私はケビン(ウォーシュ氏)と一緒にやっていくつもりだ。彼を大いに尊敬しているが、私の考えでは、国の経済が好調な時に直ちに利上げをして罰を与えるようなことはすべきではない」と述べ、さらに、「われわれには債務の問題があり、ほかにもさまざまな課題がある」とし、「対処したいことがある。国防費をさらに増やしたい」と付け加えていました。来週16−17日開催されるFOMC会合後の記者会見で、新議長がどのような発言を行うのか、今から注目されます。

いよいよ、4月30日の介入実施水準に接近してきました。本日のドル円は159円30銭〜160円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワードガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
5/28 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 --------
5/28 ムサレム・セントルイス連銀総裁 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 --------
5/21 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 --------
5/21 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 --------
5/21 小枝・日銀審議委員 (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 --------
5/20 トランプ・米大統領 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。
5/19 片山・財務大臣 「断固たる措置を取るときは取る」 ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。
5/19 トランプ・米大統領 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 --------
5/14 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 --------
5/12 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 --------
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和