今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「イスラエルとレバノンが停戦合意」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は日銀の利上げ観測が高まり円を買い戻す動きから159円65銭まで下げたが、原油価格の上昇に160円05銭までドルが再び上昇。
  • ユーロドルは小幅に反発し1.1645まで上昇。
  • 株式市場ではダウは大きく買われ、前日比874ドル高と最高値を更新。ナスダックとS&P500はまちまちの展開。
  • 債券は反発し長期金利は4.47%台に低下。
  • 金は買われ、原油は3ドル余り低下。
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新規失業保険申請件数 → 22.5万件
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ドル/円 159.65 〜 160.05
ユーロ/ドル 1.1609 〜 1.1645
ユーロ/円 185.67 〜 186.11
NYダウ +874.86 → 51,561.93
GOLD +38.10 → 4,505.00ドル
WTI −2.98 → 93.04ドル
米10年国債 −0.022 → 4.473%

本日の注目イベント

  • 日 4月景気先行指数(CI)(速報値)
  • 日 4月景気一致指数(CI)(速報値)
  • 欧 ユーロ圏1−3月期GDP(確定値)
  • 英 ベイリー・BOE総裁、討論会に参加
  • 米 5月雇用統計
  • 米 4月消費者信用残高
  • 加 カナダ5月新規雇用者数
  • 加 カナダ5月失業率

本日のコメント

昨日の早朝、米国がイスラエルとレバノンの停戦合意を宣言したにもかかわらず、レバノンでは4日も戦闘が続いています。一方イランは、米国との暫定和平合意に向けた協議に進展がないとの認識を示しました。米国は3日夜、ヒズボラが戦闘を停止し、イスラエル国境付近から戦闘員を撤収させることを条件に、イスラエルとレバノンが停戦で合意したと発表。イランとの和平協議を軌道に乗せ、イスラエルとイランの支援を受ける武装組織ヒズボラの戦闘が続くレバノンの緊張を緩和する狙いがあったとされています。しかし、レバノン南部では合意発表から一夜明けた4日も戦闘が続いている模様で、ヒズボラは、レバノン南部のイスラエル軍部隊に向け、ロケット弾2発を発射したとしています。ホワイトハウスは声明で、「イスラエルとレバノンは、互いに敵対的な意図を持たないことを再確認するとともに、信頼醸成や未解決問題の解決、両国間の包括的合意に向けて直接交渉を継続する方針を確認した」と述べていました。一方、ヒズボラ指導者のナイム・カセム師は、イスラエルとレバノンの停戦合意は「ばかげている」と切り捨て、「停戦条件に従わない」と表明しました。それでもトランプ大統領は4日、SNSへの投稿で、「イランとの戦争終結に向けた最終交渉の真っただ中にある」と、引き続き楽観的な言葉を発していました。原油先物市場や株式市場などでは、米国とイランとの和平成立はそれほど遠くないとの見方を維持しているようです。これに先立ち、「アラグチ外相は、米国との交渉プロセスで、目に見える進展は達成されていないと述べていた」と、イラン準国営タスニム通信が伝えていました。

もう一つの戦争、ロシアとウクライナでも動きがありました。ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、ロシアのプーチン大統領に宛てた公開書簡で、戦争終結に向けた和平交渉を提案しました。ゼレンスキー氏は「ウクライナは交渉期間中、全面的な停戦を受け入れる用意がある」と表明。そのうえで、「私たちウクライナ人は恒久的な戦争を望んでいない。私たちは戦争のない暮らしの方がはるかに良いことをよく分かっている。そして、それを実現したいと考えている」とした書簡を送りました。ゼレンスキー氏の提案は、ドイツ、フランス、英国の欧州3カ国が、ロシアとウクライナを交えた会談を開く可能性を検討するなかで示されたもので、3カ国はこの問題について、ウクライナ当局者とも意見交換をしているようです。ブルームバーグは、「関係者によると、米国主導の和平交渉が行き詰まる一方、戦況がこう着するなかでロシア軍の損失が増大していることから、英独仏3カ国はプーチン氏を交渉の場に引き出す機会が生まれているとみている」と報じています。ロシアでは、長引く戦争の影響から財政状況がひっ迫してきており、今週、ロシア中銀と財務省がプーチン氏に異例の提言をしていました。ロシア政府のペスコフ報道官は、「プーチン氏は公開書簡をまだ確認していないが、後ほど内容について説明を受ける」と語っています。ペスコフ氏は、「ゼレンスキー氏が会談を望むのであれば、モスクワに来ればよい」と述べていますが、ゼレンスキー氏は書簡で、首脳会談は第三国で開催すべきだと主張し、開催地としてモスクワを拒否しています。個人的な単純な予想ですが、米国とイランとの和平協議が成立すれば、こちらの紛争も一気に終結に向かう可能性があるのではと考えています。

SF連銀のデーリー総裁は4日、サンフランシスコで開催されたブルームバーグのイベントで、「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワードガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」と述べ、現時点では、中立な立場だとの認識を示しました。また、米リッチモンド連銀のバーキン総裁は米労働市場について、「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」と、話していました。

筆者は、今月16−17日に開催される「金融政策決定会合」で、日銀は政策金利を「0.25%」引き上げ「1.00%」にする可能性が高いと予想していましたが、3日の「共同通信きさらぎ会」での植田総裁の講演を聞き、その確率がさらに高まったと考えています。植田総裁は、「利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えている」とこれまでよりも踏み込んだ発言をしていました。ただ、それでもドル円が大きく円高方向に振れる可能性は低く、利上げはかなり市場に織り込まれつつあると思います。逆に、もし据え置きが決定されれば、円が大きく売られ、2024年に記録した「161円95銭」を超える可能性もないとは言えません。

今夜の米5月の雇用統計では、NFPは「8.8万人」、失業率は「4.3%」と予想されています。本日のドル円は158円50銭〜160円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワードガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
5/28 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 --------
5/28 ムサレム・セントルイス連銀総裁 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 --------
5/21 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 --------
5/21 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 --------
5/21 小枝・日銀審議委員 (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 --------
5/20 トランプ・米大統領 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。
5/19 片山・財務大臣 「断固たる措置を取るときは取る」 ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。
5/19 トランプ・米大統領 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 --------
5/14 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 --------
5/12 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 --------
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和