今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ホルムズ海峡で再び船舶が攻撃を受ける」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 東京時間では162円台が重い展開だったが、NYではホルムズ海峡で船舶が攻撃を受けたとの報道に、原油価格が上昇。米金利も上昇したことで、ドル円は162円14銭まで買われる。
  • ユーロドルは前日とほぼ同水準で、1.14台前半から半ばで推移。
  • 株式市場では3指数が揃って下落。中東情勢が不透明になってきたことで午後には売りが優勢となる。
  • 債券も売られ、長期金利は4.55%台に上昇。
  • 金は4日ぶりに反落。原油は引きにかけて急上昇し、一時は72ドル台に。
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5月貿易収支 → −77.6b
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ドル/円 161.76 〜 162.14
ユーロ/ドル 1.1408 〜 1.1442
ユーロ/円 184.87 〜 185.20
NYダウ −130.76 → 52,925.15
GOLD −10.10 → 4,157.40ドル
WTI +1.89 → 70.44ドル
米10年国債 +0.082 → 4.551%

本日の注目イベント

  • 日 5月国際収支・貿易収支
  • 日 6月景気ウオッチャー調査
  • 米 FOMC議事録(6月16−17日分)
  • 米 5月消費者信用残高

本日のコメント

ホルムズ海峡で7日、再び3隻の船舶が攻撃を受けました。ブルームバーグによると、カタールのLNGタンカー「アル・レカイヤット」が7日未明に攻撃を受け、サウジアラビアの原油タンカー1隻もホルムズ海峡を出る際に損傷を受けたとのことです。現時点で、詳細については分かっていません。米財務省はホルムズ海峡で船舶に対する新たな攻撃が起きたことを受け、イラン産原油の販売を認める適用除外措置を取り消しました。米財務省の外国資産管理局は、7月7日以降はイラン産原油に関する新たな取引を認めないと発表しています。従来の適用除外措置である「一般ライセンスX」は、米国とイランの和平協議における合意を受けて発行されたもので、8月21日までの60日間、取引を認めていました。この発表を受けて原油価格は急伸し、WTIは一時72ドル台に上昇する場面も見られました。

ブルームバーグは、「今回相次いだ攻撃は、軍の護衛下でオマーン沿岸寄りの航路を通っていても、ホルムズ海峡を通過する船舶が依然として重大なリスクに直面していることを改めて浮き彫りにする。イランはこれまでも、自国の許可なく船舶が同海峡を通航することは認めないと繰り返し表明。7日には国連の海事機関で、同海峡の一部を管理する権利を有すると主張した」と報じていました。ホルムズ海峡では、米国とイランとの「60日間の停戦合意」以降、無事に通航する船舶が増え、昨日は金子国土交通大臣が会見で、日本の船舶5隻が4〜6日の間に同海峡を通過したと述べ、海運大手の商船三井も関係する船舶8隻が新たに同海峡を通過し湾外に出たことを明らかにしていました。米国とイランとの恒久的な和平協議がスムーズに合意に達するとは、多くの関係者が思っていないようですが、60日間の停戦期間が刻々と経過していく中、残された時間がないのはトランプ大統領の方です。イランでは、殺害された前最高指導者ハメネイ師の葬儀がテヘランで行われ、9日には同師の故郷マシュハドで埋葬される予定になっています。

NATO加盟国は少なくとも500億ドル(約8兆1000億円)規模の防衛産業契約で合意しました。トランプ大統領が突きつける防衛支出増額の要求に、NATOとして応えていることを示す狙いがあるようです。NATOのルッテ事務総長は7日、トルコの首都アンカラで開かれた防衛産業フォーラムで、契約の一部を公表しました。一部の案件には、米メーカーとの結び付きを強める契約もあるとのことです。ブルームバーグによると、デンマークとフィンランド、ドイツ、ノルウェーは、米グラマン社の哨戒機「トライトン」を最大5機、27億ドルで購入するとのことです。トランプ氏は長年、欧州やカナダが十分な防衛投資を行わずに米国の防衛力に「ただ乗り」しているとして、NATOを批判してきました。ロシアによるウクライナ侵攻で欧州の安全保障への懸念が高まったこともあり、加盟国は新たに数十億ドル規模の軍事支出計画を打ち出した模様です。トランプ氏はいずれ日本にも、かなり厳しい要求を突きつけるものとみられます。2026年度では過去最大規模となる日本の防衛費ですが、トランプ氏は満足していません。

米商品先物取引委員会(CFTC)が6日に公表した6月30日時点のデータによると、ヘッジファンドなど投機筋の持ち高が、ネットで約13万8000枚の「円売り・ドル買い」にまで積み上がっていました。4月のGW中に観られた日本の通貨当局による市場介入でもその数は減少しませんでしたが、その後ドル円は162円84銭まで上昇しました。結局、現時点では投機筋の見方の方が正しかったことになります。ただ気を付けたいのが、上記介入時も、円売りポジションが膨らみ10万枚を超えたところで介入に踏み切ったというところです。足元ではそれ以上の円売りが積み上がっているわけで、当局とすれば、介入を実施する「環境が整った」と考えることができます。162円台後半でも介入しなかったことを考えると、次の警戒レベルは163―165円ということになりますが、ブルームバーグは、「為替介入は単独でも数時間から数日程度であれば相場を大きく動かすことができるが、マクロ経済環境に基づく取引の合理性が変わらない限り、持続的な円高を実現するのは難しい」といった見方を紹介していました。全く同感です。ただそれでも、環境的には介入の可能性がさらに高まってきたのも事実です。やはり、介入はいつあっても不思議ではないと考えています。

本日のドル円は161円〜162円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/1 ウォーシュ・FRB議長 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 --------
6/17 ウォーシュ・FRB議長 FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 --------
6/17 FOMC声明文 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 --------
6/17 内田・日銀副総裁 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 --------
6/11 ラガルド:ECB総裁 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 --------
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和