FX 分析|FXアナリストによる今日のアナリストレポート「ドル円欧州時間に110円30銭まで下落」|外為オンライン

今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2019年3月22(金) 「ドル円欧州時間に110円30銭まで下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は欧州時間に110円30銭までドル安が進んだが、米経済指標が予想を上回ったことや、米長期金利が上昇したことで110円95銭までドルが買い戻される。
  • 前日1.14台半ばまで上昇したユーロドルは小幅に反発。1.1343前後まで売られる。
  • 株式市場は大幅に上昇。アップルなどのハイテク株が上昇を牽引し、ダウは216ドル高。S&P500も30ポイント上昇し、5カ月ぶりの高値を記録。
  • 債券相場は小幅に反落。前日急低下した長期金利はやや戻し、2.53%台で取引を終える。
  • 金は買われ、原油価格は反落。
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米新規失業保険申請件数       → 22.1万件
米2月景気先行総合指数       →  0.2%
米3月フィラデルフィア連銀景況指数 → 13.7
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ドル/円 110.38 〜 110.95
ユーロ/ドル 1.1343 〜 1.1397
ユーロ/円 125.71 〜 126.14
NYダウ +216.84 → 25,962.51ドル
GOLD +5.60 → 1307.30ドル
WTI −0.25 → 59.98ドル
米10年国債 −0.011 → 2.537%

本日の注目イベント

  • 独 独3月製造業PMI(速報値)
  • 独 独3月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月総合PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏1月経常収支
  • 米 2月中古住宅販売件数
  • 米 2月財政収支
  • 加 カナダ1月小売売上高
  • 加 カナダ2月消費者物価指数

20日のFOMCでは年内の利上げ見送りや、バランスシートの縮小を今年9月で完全に停止することを発表するなど、「ハト派寄り」の内容だったことで、米長期金利が大幅に低下し、ドル円も111円を大きく割り込みました。昨日の夕方には110円30銭までドル安が進み、ほぼ1カ月ぶりの円高水準を付けました。この欄でも再三指摘してきましたが、ドル円は結局、米金利の低下に収斂される形で、落ちてきました。もっとも110−110円30銭近辺は、2月もなかなか下抜けできずに、サポートゾーンを形成していた水準で、目先は110円台が維持されるかどうかが焦点になろうかと思います。

今回のFOMCでは予想通り政策金利は据え置き、昨年12月時点の予測では、今年の利上げ回数は2回だったものが、今年は「ゼロ」と一気に引き下げ、政策を景気警戒モードに舵を切り換えました。パウエル議長は会見で、「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」と述べさらに、「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」と述べています。

この結果米長期金利は急低下し、20日には2.52%台まで下落し、2016年1月の水準まで下げています。昨日はやや反発していますが、今後金利上昇が見込めないとすると、ドル円の上値を抑える要因の一つになろうかと思われます。株式市場にとっては、金利低下は株価の上昇要因になることから、今後企業業績が極端に悪化しないかぎり、株価は緩やかに上昇する可能性があります。FRBがこれまでの「金融引き締め政策」から「ニュートラル」に舵を切り換えたのはパウエル議長の言葉にもあったように「海外景気の落ち込み」です。

特に、欧州と中国の景気減速が米景気に与える影響を考慮した発言かと思われますが、その象徴が米中通商協議の先行きです。トランプ大統領は20日、中国製品にかけた追加関税について「解除することは議論していない」と述べました。全ての関税撤廃を主張する中国と、一部の関税を残し、今後中国が合意を遵守しない際には関税引き上げという「武器」を確保しておきたいとする米中には、まだ意見に隔たりがあり、これが最終合意を遅らせていると見られます。28−29日にはライトハーザーUSTR代表と、ムニューシン財務長官が再び北京を訪問し、中国側高官と協議を再開します。また、その翌週には劉鶴副首相がワシントンを訪れることも決まっているようです。2週間連続の協議で、果たして両国の溝が埋められるのか、注目されます。

この欄でも述べたように、「日足」のMACDは3月11日には「デッドクロス」を示現しており、ドルの下落を示唆していました。相場はその後も下げることはなく横ばいでしたが結局、20日のFOMCをきかっけに1円程ドルが急落しています。しばらくはドルの上値が重くなると予想しますが、それでも米経済は主要国では明らかに良好で、その意味ではドルが大きく下落することも予想しづらいのは事実です。一進一退を繰り返しながらも、目線はや下方に置いておく方がベターかと思います。本日の予想レンジは110円30銭〜111円程度と見ています。

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3月も残すところあと1週間余りです。3月から4月にかけては1年中で最も人の移動が多い季節と言われています。転勤、入学に伴い引越しする人も多いのでしょう。昨日は桜の開花宣言もあり、まもなく春本番。新しい出会いも数多くあることでしょう・・・良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/5 長井・元日銀国際局 「米中貿易摩擦や中国経済への懸念などから円相場が今年前半に1ドル=95円程度まで円高になる可能性があり、その時は安倍政権との関係からも、日銀が何もやらないというのはないだろう」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
2/5 トランプ・米大統領 「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」一般教書演説で。 ドル円大幅に下落
2/6 イエレン前・FRB議長 「次の行動が利下げになる可能性は確かにあるが、利下げ・利上げ両方の可能性がある」CNBCとのインタビューで。 --------
2/13 ポステック・アトランタ連銀総裁 「全てが予想通りに展開すれば、私は2019年に1回の利上げを予想する」、「経済は2018年ほど力強くはならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」ダブリンで開催されたフォーラムで。 --------
2/19 FOMC議事録 「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」1月29−30日開催の議事録で。 米国株が上昇
2/26 パウエル・FRB議長 「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する。海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」上院での議会証言で。 --------
2/27 バイトマン・ドイツ連銀総裁 「ECBの利上げ再開は2020年にずれ込むと投資家が予想するのは妥当だ」ドイツが「今年にかけて、下振れを経験しており、成長率は潜在成長率をかなり下回る可能性があるが、それでもまだプラス成長だ」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
3/2 トランプ・米大統領 「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない。FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」メリーランド州の会合で。 --------
3/7 ドラギ・ECB総裁 「地政学的要因と保護主義の脅威、脆弱性に関連した不透明感の持続が景況感に影響を与えているもようだ。ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは、依然として下振れ方向に傾斜している」 理事会後の会見で。 ユーロドル1.13台〜1.1176まで下落。ユーロ円126円台〜124円台に。
3/10 易綱・中国人民銀行総裁 「中国は為替相場を競争、輸出拡大、貿易摩擦の手段に絶対使わない」記者会見で。 --------
3/12 メイ・英国首相 「合意なき離脱に反対票を投じ、離脱延期に賛成票を投じたからといって、われわれが直面している問題は解決しない。われわれが交渉した合意案が最善で、また唯一入手可能な合意案だと信じている」修正案が議会で否決された後に。 --------
3/12 ライトハイザー・USTR代表 「現在の関税が今後どうなるかにかかわらず、合意が破られた場合に関税を引き上げる権利を米国は維持しなければならない」 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「海外経済の減速が米景気の逆風になってきた」「政策変更を明確に必要とするほど雇用とインフレの見通しが変わるには、しばらく時間がかかるかもしれない」FOMC後の記者会見で。 ドル円111円60銭前後から110円52銭まで下落。ユーロドル1.13台半ばから1.1448まで上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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