「イランとイスラエル停戦を発表」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京時間には160円39銭まで上昇したドル円は、欧州時間にイランとイスラエルとの停戦が伝えられ159円85銭まで下落。NYでは再び160円台に乗せ、160円27銭までドルが買われる。
- ユーロドルは1.15台で推移。ドル高が続き、1.1528までユーロが売られる。
- 株式市場では前日大きく売られたナスダックが反発。一方ダウは80ドル余り下げ続落。
- 債券は続落。長期金利は4.56%台に上昇。
- 金は小幅ながら続落。WTI原油価格は95ドル台まで上昇したがその後下げ、91ドル台で取引を終える。
5月NY連銀インフレ期待 → 3.46%
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| ドル/円 | 159.91 〜 160.27 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1528 〜 1.1555 |
| ユーロ/円 | 184.61 〜 184.86 |
| NYダウ | −80.77 → 50,786.01 |
| GOLD | −1.90 → 4,363.40ドル |
| WTI | +0.76 → 91.30ドル |
| 米10年国債 | +0.032 → 4.562% |
本日の注目イベント
- 豪 豪6月ウエストパック消費者信頼感指数
- 豪 豪5月NAB企業景況感指数
- 中 中国5月貿易収支
- 独 独4月貿易収支
- 独 独4月鉱工業生産
- 米 4月貿易収支
- 米 5月中古住宅販売成約指数
- 加 カナダ4月貿易収支
本日のコメント
前日は、イスラエルとイランとの間で攻撃が激化したことで原油価格が再び上昇。ドル円は東京時間に160円39銭まで買われました。ただ夕方にはイスラエルとイランが停戦に合意したとの報道で、ドル円は160円台を割り込み、159円85銭まで下落しました。それでもその後のNYでは再び160円台まで上昇しています。
イスラエルのネタニヤフ首相は8日のテレビ演説で、当面はイランへの攻撃を停止する考えを示しました。これに先立ち、イスラエルのニュース放送局は、イスラエル軍が親イラン武装組織ヒズボラと交戦しているレバノン南部への攻撃については、今後数日も最大規模で継続されると報じていました。イランはこれより先、イスラエルに対する軍事作戦が終了したと発表。ただし、イスラエルがレバノン南部などへの攻撃を継続するなら、「これまでよりもはるかに苛烈で痛烈な行動を取ることになる」と、イランの中央軍司令部は警告しました。両国によるこうした表明は、攻撃の応酬が激化して和平交渉が頓挫しかねない事態となる中、トランプ大統領が緊張緩和を呼びかけていたことによる措置とみられます。米国の意向がどうであれ、レバノンを徹底して攻撃すると述べていたネタニヤフ氏でしたが、結局、トランプ氏の説得に応じた格好です。こうしたやり取りは、戦争終結に向けた協議が最終局面にあるとの認識を示してきたトランプ氏が、事態のさらなるエスカレーションを回避しようとしていることを示していると見られています。トランプ氏は米国時間8日早朝、自身のSNSへの投稿で、「停戦に向けた最終協議は、無知や愚かな行動に邪魔されない限り、順調に進展している」と投稿していました。
中国の習近平国家主席は8日、7年ぶりに北朝鮮を訪問し、両国の農業・技術協力と貿易を拡大させる意向を示しました。中国国営新華社通信によると、習氏は平壌で金氏に対し、「揺るぎない支持」を表明。中国は「経済や貿易、農業、建設、科学技術、医療・保健などの分野で実際的な協力を拡大する用意がある」と語ったとされています。習氏の北朝鮮訪問は7年ぶりで、習氏はトランプ米大統領、ロシアのプーチン大統領の訪問を相次ぎ受けたばかりで、外交活動を活発化させています。ブルームバーグは、「習氏が今年最初の外遊先に平壌を選んだことは、中国が唯一の軍事同盟国である北朝鮮を重視していることの表れだ。今回の訪問は、核能力を劇的に増強しロシアとの関係強化に傾く北朝鮮に対し、中国の影響力をあらためて示す狙いがあるとみられる」と論じていました。新華社が報じた会談要旨によると、中国が公には長年掲げていた「朝鮮半島の非核化」への言及はなかった模様です。
昨日の東京時間でも、ドル円はゆっくりと160円台半ばに向かって上昇し、160円39銭まで買われましたが、当局からは特段けん制もありませんでした。夕方にはドルが売られる場面があり、「介入か?」と思いましたが、イランとイスラエルとの停戦合意の報道に反応したものでした。当局の介入がないとなかなか円高方向に振れないドル円ですが、CFTCのデータによると、先物・オプション市場でのレバレッジドファンドによる円ショート(ドル買い)は2日時点で10万5136枚、金額で約82億ドル(約1兆3000億円)相当まで積み上がっており、2024年7月以来の円売りポジションを積み上げています。言うまでもなく、この後に当局の大規模な介入が実施され一気に5円程円高が進みました。従って、ドル円の水準と投機筋のポジションからすれば、まさに介入に踏み切るタイミングかと思われますが、2年前と明らかに異なるのは「円の売られるスピード」です。ジリジリとドル高が進んでいることから、この動きを「投機的」と決めつけられないところがあります。加えて足元の動きは、労働市場が堅調で、インフレ対応が喫緊の課題である米国と、なかなか利上げに踏み切れないでいる日本を反映した、いわば「ファンダメンタルズに沿った動き」とも捉えられることです。いずれにしても、注意は必要です。
本日のドル円は159円30銭から160円80銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/4 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 | -------- |
| 6/4 | デーリー・SF連銀総裁 | 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワードガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 | -------- |
| 6/3 | 植田・日銀総裁 | 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 | ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。 |
| 6/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 | -------- |
| 6/3 | ローガン・ダラス連銀総裁 | (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 | -------- |
| 6/2 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 | -------- |
| 5/28 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 | -------- |
| 5/28 | ムサレム・セントルイス連銀総裁 | 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 | -------- |
| 5/21 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 | -------- |
| 5/21 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 | -------- |
| 5/21 | 小枝・日銀審議委員 | (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 | -------- |
| 5/20 | トランプ・米大統領 | 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 | 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。 |
| 5/19 | 片山・財務大臣 | 「断固たる措置を取るときは取る」 | ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。 |
| 5/19 | トランプ・米大統領 | 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 | -------- |
| 5/14 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 | -------- |
| 5/12 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 | -------- |
| 5/7 | デーリー・SF連銀総裁 | 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 | -------- |
| 5/7 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 | -------- |
| 5/7 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



