今日のアナリストリポート[月〜金 毎日更新]

「日銀、金融政策据え置きを決定」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • FOMCでは予想通り25ベーシスの利下げだったことに加え、日銀も政策据え置きだったことでドル円は小動き。米中通商協議の不透明さから107円84銭まで売られたが、108円台に押し戻され取引を終える。
  • ユーロドルは方向感もなく、1.10台半ばを中心に小動き。
  • 株式市場はまちまち。前日と正反対に、ダウは52ドル安だったが、ナスダックは8ポイント上昇。
  • 債券相場は小幅に続伸。長期金利は1.78%台まで低下。
  • 金は3日ぶりに反落。原油価格は反発。
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経常収支(4−6月)       → −1282億ドル
9月フィラデルフィア連銀景況指数 → 12.0
新規失業保険申請件数       → 20.8万件
8月景気先行指標総合指数     → 0.0%
8月中古住宅販売件数       → 549万件
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ドル/円 107.84 〜 108.08
ユーロ/ドル 1.1039 〜 1.1072
ユーロ/円 119.17 〜 119.56
NYダウ −52.29 → 27,094.79ドル
GOLD −9.60 → 1,506.20ドル
WTI +0.02 → 58.13ドル
米10年国債 −0.012 → 1.784%

本日の注目イベント

  • 日 8月消費者物価指数
  • 独 独8月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏9月消費者信頼感指数(速報値)
  • 米 4−6月期家計純資産
  • 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 加 カナダ7月小売売上高

昨日の日銀金融政策決定会合では、市場予想通り「政策据え置き」が決定され、その直後からドル円は下落し、107円76銭前後までドル安が進みましたが、直ぐに切り返して108円台に戻っています。これで注目されていた日米欧中銀の金融政策会合が終わりました。FRBとECBは緩和政策に踏み切ったものの、日銀は変更なしで、全て事前予想通りだったことから為替市場では大きな動きが見られませんでした。ユーロがやや水準を切り上げる場面もありましたが、これも元の鞘に収まっています。

黒田総裁は昨日の会見で、「物価上昇モメンタムが損なわれたと判断したら、ちゅうちょなく行動する」と、これまでの常套句を繰り返していました。会見では記者から、「ちゅうちょなく金融緩和措置を実施すると強調しているのは、オオカミ少年との懸念はないのか?」と質問されると、総裁は笑いながら答えていましたが、日本の景気についても保護主義や貿易摩擦の影響はあるものの、「総じて個人消費を中心に緩やかに拡大していると判断している」としていました。本音は、108円台のドル円と2万2千円という日経平均株価の水準を考えたら、ここであえて「追加緩和」のカードを切る必要はないということでしょう。また、日銀が出来る金融緩和の余地も限られているのではないかとの質問に対しては、「ECBに比べれば、余地はある」と答え、「これまで繰り返して述べてきたように、いろいろな方策を組み合わせることで対応できる」と強調していました。

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長はFOXビジネスのインタビューで、昨日から始まった米中次官級協議について、雰囲気は「和らいでいる」と述べ、「話をしないよりは話をする方が良い。話し合いは進んでいる」と発言しました。ただ一方で、ホワイトハウスの顧問を努めるピルズベリー氏は中国紙に対して、トランプ氏は近く中国と合意できなければ関税を「50%か100%まで」引き上げる圧力を強める可能性もあると述べています。(ブルームバーグ)NY市場ではこの情報が配信されると、ドル円が107円84銭前後まで売られる場面もありましたが、動きは一時的でした。

ドル円は前日108円48銭まで上昇した後、107円台半ば近辺まで売られたことで、短期的な動きを示す「1時間足」では雲を下抜けし、下落を示唆していますが、「日足」では依然として上昇基調を見せています。1.9%まで急騰した米10年債利回りも徐々に低下してきていることから、状況的にはドルが売られてもおかしくはないと見られますが、107円台に入ると常に押し戻される展開が続いています。重要イベントが終わり、やや材料難の感は否めません。107−109円のレンジがしばらく続く可能性はありますが、米中通商協議の行方と、これからの最大の重要イベントである「大統領選」に関する情報が相場にどのように影響を与えてくるのかを見極めていきたいと思います。本日のドル円は107円60銭〜108円30銭程度と予想します。

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本日から4年に一度開催される、「ラグビー・ワールドカップ2019」がいよいよ始まります。190cm、100kgといえば、日本ではフォワードの選手ですが、海外の強豪国ではウイングでも時よく見かけます。その巨人が100mを11秒台で走り切るわけですから、ボールを持って走り出したら止めるのは簡単ではありません。その楕円球の動きは、よく「人生そのもの」に例えられます。どちらに転ぶか分からないからです。ある意味、為替相場も楕円球と同じかもしれません。今回の「ワ−ルドカップ」のキャッチコピーは「4年に一度ではなく、一生に一度・・・・」というものです。目標の「ベスト8」入りができるかどうか、楽しみです。ラグビーファンにはたまらない2カ月の始まりです。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/18 トランプ大統領 「ジェイ・パウエル氏とFRBはまたもや失敗した。根性も判断力もビジョンもない!ひどいコミュニケーターだ!」 --------
9/18 パウエル・FRB議長 「留意すべき情勢の中で米経済の力強さを維持し、継続するリスクに対する保険を提供するため、今回の措置を講じた」「FF金利の緩やかな調整で対応し得る。またそうすべき状況だ。景気拡大の維持に向け、適切に行動する」 ドル円小幅に上昇市、株価も反発。
9/16 トランプ大統領 「米金融当局のせいで、米国は競争する国々よりずっと高い金利を払っている。ジェイ・パウエルと金融当局が何も理解していないことは、そうした国々にとって信じられないほど幸運だ。そうした状況に加えて、今度は石油がやられた。大幅な金利低下、刺激策が必要だ」 --------
9/11 トランプ大統領 「FRBは米政策金利をゼロかそれ以下に引きさげるべきだ」、「パウエル議長と連邦準備制度は、ばか正直なために、他の国々が既にやっていることを米国は許さない。《愚か者たち》のせいでわれわれは一生に一度の機会を逃がしている」 --------
9/6 パウエル・FRB議長 「米経済に最も可能性の高い見通しは依然として、緩やかな成長と力強い労働市場に加え、インフレ率が当局の2%目標に近づくという好ましいものだ。ただ、世界的な景気減速や貿易政策を巡る不確実性、持続的な低インフレなどを含む大きなリスクは存在するため、それらに注視していく」 --------
9/4 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「国内外の不確実性が、景気見通しと金融政策に関する私の思索において重要な要素になりつつある」 --------
9/2 中国商務省 米国の追加関税は(今年6月に行われた)大阪での米中首脳会談での合意に著しく反し、中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する。 --------
9/1 中国国営の新華社通信 米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然として、計画的で狙いを定めたものだ。ホワイトハウスのタリフマンが学ぶべき1つの事実は、中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ。 --------
8/29 ラガルド・次期ECB総裁 「予見可能な将来において、極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることは明らかだ。導入する措置の適切な組み合わせは、インフレ見通しに影響する衝撃の性質や金融市場の状況次第ということになる」 --------
8/27 ダッドリー・前NY連銀総裁 「利下げは2020年の大統領選でトランプ氏の再選を助けるようなもので、これを拒否するべきだ。このままの姿勢ではトランプ政権が貿易戦争のエスカレートという破滅的な道を歩むのを容認することになる。大統領選の敗北も含めて、そのリスクを背負うのは大統領自身だという、明確なシグナルを発信することが必要だ」 --------
8/26 トランプ大統領 「中国と交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう」 ドル円と株価急反発。
8/23 トランプ大統領 「われわれに中国は必要ない」「米国企業には中国からの生産移管を命じる」その後中国製品への関税率引き上げを発表。 ドル円106円台から105円台前半に。NYダウは623ドルの大幅下落。
8/23 パウエル・FRB議長 「金融政策は個人消費や設備投資に働きかける強力な手段だが、国際貿易のために確立された規則書にはならない」「政策対応の見本となるような先例がない」 --------
8/21 FOMC議事録 世界的な低調な成長見通しや通商政策を巡る不確実性の影響に対応し、そうした要因に伴う一段の下振れリスクに対する保険を掛け、さらにインフレ率が2%目標により速やかに戻るのを促進するため、政策決定に賛成票を投じたメンバーらは全体的な政策スタンスをより適切に位置づけることを目指した」「貿易を巡る不確実性が見通しへの根強い向かい風として留まり続ける」 --------
8/19 トランプ大統領 「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」 --------
8/14 トランプ大統領 「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。われわれは勝つだろう」 --------
8/14 ラード・セントルイス連銀総裁 「失業率は50年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセッションではない。よって、将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」 --------
8/8 トランプ大統領 「米国の大統領として、私が非常に強いドルを喜ぶと考えている人もいるだろう。だが私は喜んでいない。他国と比較した米金融当局の高い金利水準は、ドルを高い水準で維持し、米国の素晴らしい製造企業が競争するのをより難しくしている」 --------
8/6 トランプ大統領 「(FRBの)無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるのに。いずれにせよ、われわれは勝利する。当局はより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない」 --------
8/5 ムニューシン財務長官 「中国の直近の措置が作り出した不公正な競争上の優位を是正するため国際通貨基金(IMF)と協力する」米財務省が中国を為替操作国に認定したことについてコメント。 ドル円106円近辺から105円台半ばまで下落。
8/5 トランプ大統領 「為替操作だ。中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで押し下げた。これは<為替操作>と呼ばれる。Fedよ聞いているか?これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる」 --------
8/5 中国人民銀行 「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場は今日7元を突破した」人民元安が進み、声明文で。 ドル円106円台半ばから105円台後半へ。日経平均株価500円を超える下落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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