「米金利の低下、ドル円の上値を抑える」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 昨日の朝方には、「金融政策決定会合の主な意見」を受け、ドル円は158円45銭まで上昇。NYでは上値を追う動きはなく、米金利が低下したことで157円25銭まで下落する「行って来い」の展開。
- ユーロドルは一段と下げ、およそ4ヶ月ぶりに1.1216まで下落。
- 株式市場では3指数が揃って反発したが、小幅な上昇に留まる。米金利が低下したことで株式が買われたが、ダウは20ドル高、S&P500も14ポイント高で取引を終える。
- 債券は反発。長期金利は朝方上昇したが、その後低下し、5.24%台に。
- 金は小幅に続伸。原油は大幅高となり92ドル台に。
9月ISM製造業景況指数 → 54.5
9月S&Pグローバル製造業PMI(確報値) → 55.9
新規失業保険申請件数 → 19.7万件
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| ドル/円 | 157.25 〜 158.25 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1216 〜 1.1305 |
| ユーロ/円 | 176.77 〜 178.49 |
| NYダウ | +20.51 → 50,926.56ドル |
| GOLD | +15.60 → 4,202.30ドル |
| WTI | +2.45 → 92.87ドル |
| 米10年国債 | −0.044 → 5.241% |
本日の注目イベント
- 日 9月東京都区部消費者物価指数
- 日 8月失業率
- 欧 ユーロ圏9月消費者物価指数(速報値)
- 米 9月雇用統計
- 米 8月耐久財受注
- 米 8月製造業受注
本日のコメント
昨日の朝方、日銀が公表した9月の「金融政策決定会合の主な意見」では、物価が過度に上昇を続けないよう、適切な政策運営を進める必要があるとの意見が政策委員から示されたとのことでしたが、一方、内閣府の出席者(城内・経済財政担当大臣)からは、「既往の利上げが累積的に与える影響について十分点検するよう求めた」とありました。結局、内容的には10月の連続利上げを匂わすような意見もなく、特段変化がなかったことで、10月の利上げ観測が後退。ドル円は157円台半ばから午後には158円45銭近辺まで円が売られ、約1週間ぶりのドル高水準を付けました。NYでは米金利が一旦上昇した後低下したことで、157円台前半までドル売りが進みましたが、155−160円のレンジ内での神経質な展開が続いています。
原油価格も荒っぽい動きが続いています。米国防総省は近く、ペルシャ湾に空母1隻と海軍・海兵隊の要員1万人を追加派遣する可能性があると、明らかにしました。トランプ大統領が対イラン攻撃の拡大を決めた場合、中東の米軍司令官の選択肢を広げることになる準備行動と受け止められています。米国とイランの戦闘が再び激化する可能性が意識され、原油や石油製品の需給が一段と引き締まるとの見方が原油価格を押し上げています。「同当局者によると、空母『セオドア・ルーズベルト』は9月27日、母港のサンディエゴを出港した。派遣先はまだ最終決定されていないが、中東情勢に応じて米中央軍が取り得る選択肢を増やすことになるという。ルーズベルトが中東に到着すれば、同地域に展開する米空母打撃群は、対イラン戦争の開戦時と同じ『ジョージ・H・W・ブッシュ』と『ジョージ・ワシントン』を含む3個に戻る。同空母には海軍・海兵隊の要員約5000人が乗り組むほか、随伴する艦艇にも数千人が乗り組む」(ブルームバーグ)といった大陣営です。トランプ氏は米誌タイムが1日に掲載したインタビューで、中間選挙後にイランへの空爆を再開する可能性を問われ、「あり得る」と答えており、さらに詳しい説明を求められると、「それは言えない。どこを爆撃するのかと聞いているようなものだからだ」と述べていました。
ボウマンFRB副議長は1日、ワシントンでのイベントで、「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」と述べ、自身や同僚が経済の基調的な動向をより的確に把握するには、さらに時間が必要だとの認識を示しました。ジェファーソン副議長も、バージニア州での講演で、「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」と話しています。上記2名のメンバーは、今月下旬のFOMC会合で政策金利の据え置きを望む姿勢を示した少数のFRB高官に加わった形になりました。NY連銀のウィリアムズ総裁も今週、再び行動を起こす緊急性はないとの認識を示しています。ただ、同氏は2026年後半にあと1回の利上げが適切になる可能性があるとの見通しを示しています。次回のFOMC会合は、中間選挙まで1週間足らずの10月27、28両日に開かれます。先月の会合では「全会一致」で利上げを決めましたが、それについてトランプ大統領は、「ケビン・ウォーシュを責めるつもりはない。ただ、私が彼の立場なら、おそらく理事会の決定に反対票を投じていただろう」と「米誌タイム」とのインタビューで述べています。トランプ氏は、自ら選んだウォーシュ議長への信頼は変わらないと強調し、代わりに、理事会が政治的な動機で動いているとして非難しています。「すっかり政治色を帯びてしまった。ケビン、君を責めるつもりはない。残念なことだ。不公平だ」と述べ、「理事会はわれわれに対して非常に敵対的だ。彼らは『トランプを苦しめたい』と言っている。みんなのために行動しているわけではない。『トランプ嫌悪症候群』にかかっているからだ」と、FRBに対して自らが政治色を持ち込んだことを棚に上げ、不平不満を述べていました。
今朝発表された「9月の東京都区部消費者物価指数」はコアで「2.7%」(前年同月比)と、市場予想の「2.3%」を上回っていました。これで伸び率の拡大は4ヶ月連続となり、日銀の利上げ継続スタンスをサポートする格好になっています。本日の「米9月の雇用統計」では、非農業部門雇用者数(NFP)が「9万人の増加」、失業率は「4.1%」と予想されています。本日のドル円は156円70銭〜159円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/1 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 | -------- |
| 10/1 | ボウマン・FRB副議長 | 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 | -------- |
| 9/29 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 | 10月の利上げ確率が後退 |
| 9/24 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 | -------- |
| 9/24 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 | -------- |
| 9/24 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 | -------- |
| 9/23 | ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 | -------- |
| 9/18 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 | -------- |
| 9/16 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 | -------- |
| 9/16 | ウォーシュ・FRB議長 | 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 | ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



