今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米金利再び上昇し、ドル円も159円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は反発。わずか1日で、米財務省が米国債買い戻し規模の増額を発表し急落した水準を回復。この日の高値は159円18銭。
  • ユーロドルは底堅く推移。対円では185円台後半まで続伸。
  • 米金利が再び上昇したことから、株式市場では、3指数が大幅に下落。ダウは703ドル下げ、5万2千ドル台に。
  • 債券は反落。長期金利は再び4.70%台に上昇。
  • 金は続伸。原油も買われ、約1ヵ月ぶりに87ドル台に乗せる。
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新規失業保険申請件数 → 20.6万件
8月フィラデルフィア連銀景況指数 → 47.4
7月景気先行指標総合指数 → 0.2%
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ドル/円 158.51 〜 159.18
ユーロ/ドル 1.1670 〜 1.1695
ユーロ/円 185.24 〜 185.83
NYダウ −703.84 → 52,759.21ドル
GOLD +26.10 → 4,571.40ドル
WTI +2.00 → 87.83ドル
米10年国債 +0.059 → 4.704%

本日の注目イベント

  • 日 7月全国消費者物価指数
  • 独 独8月製造業PMI(速報値)
  • 独 独8月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏8月消費者信頼感指数(速報値)
  • 欧 ECB、ユーロ圏7月CPI予想
  • 欧 ユーロ圏8月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏8月サービス業PMI(速報値)
  • 英 英8月製造業PMI(速報値)
  • 英 英7月小売売上高
  • 英 英8月サービス業PMI(速報値)
  • 米 8月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
  • 米 8月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
  • 米 8月S&Pグローバル総合PMI(速報値)
  • 加 カナダ6月小売売上高

本日のコメント

前日、米財務省が「10−30年物米国債について、流動性支援のため買い戻し規模を少なくとも2倍に引き上げる」と発表し、十数年ぶりの高水準に達していた米長期債利回りを抑え込むための新たな試みを公表しましたが、昨日のNYでは米金利が上昇し、金利抑制効果は長続きしませんでした。米30年債はわずか1日で上昇分を失ったことになります。筆者も、この発表による影響は限定的と判断しましたが、ドル円も発表前の159円台まで戻っています。

ベッセント財務長官は20日、「今週末か来週初めにも、財政健全化を一段と重視する方針を発表する」とCNBCとのインタビューで述べました。これとは別に、トランプ大統領がこの取り組みを自身とボート行政管理予算局(OMB)局長に指示したと記者団に語っています。ベッセント氏は20日の市場動向について、「24時間以内の動向は全てノイズだ」と指摘し、長期国債の買い戻し増額について、1回のオペ当たりの額が今週発表した「40億ドル(約6350億円)を上回る可能性がある」と強調しています。さらに、国債利回りを低下させるため、財務省がどこまで追加措置を講じる用意があるのかと問われると、ベッセント氏は「われわれには多くの手段があるため、今後の状況を見極める」と述べ、「今回の措置には市場へのシグナルという側面もある。現在の利回りはファンダメンタルズを反映していないとわれわれが考えていることを示す狙いだ」と、説明していました。

その一方で、米国の公的債務残高が初めて40兆ドル(約6324兆円)を突破したと報告されています。30兆ドルの大台を突破したのが2022年1月だったことを考えると、連邦政府の借り入れ需要が急速に膨らんでいることを浮き彫りにしています。米財務省が19日に公表したデータによると、18日の営業終了時に、公的債務残高が40兆500億ドルに達しています。ブルームバーグは、「歴史的な高水準にある財政赤字への対応を求める声が上がる中でも、米議会は引き続き抜本的な対策に動いていない。ベッセント財務長官は19日これに先立ち、数年ぶりの高水準にある長期の借り入れコストを抑えるため、新たな措置に乗り出していた。借り入れコストは債務増加の大きな要因の一つとなっている。財務省は長期国債の買い戻しプログラムを拡充すると発表し、これを受けて国債利回りは低下したが、時間稼ぎの側面もある」と指摘しています。

トランプ大統領が前日、イランに対して「過去に例を見ないほどの経済制裁を課す」と述べていましたが、ベッセント財務長官も20日「イランとその貿易相手国を経済的に孤立させる計画を米政府が近く発表する」と話しています。ベッセント氏はCNBCとのインタビューで、「24日の記者会見で具体的な措置について話す」と述べ「経済的圧力とは、われわれが全ての同盟国に働きかけるということだ。これは史上最大規模の協調的な経済孤立化になる。われわれは同盟国に『われわれの側に付くのか、それとも敵に回るのか』と迫るつもりだ」と、厳しい内容を示唆していました。「同氏の警告は、2001年9月11日の対米同時多発テロ後に当時のジョージ・W・ブッシュ大統領が用いた表現を想起させる」(ブルームバーグ)。具体的にどのような措置を講じるのか、どの国が対象となるのかは明らかにしていません。ただ中国が対象になるのかと問われたベッセント氏は、「非公開で進めるのが望ましい話し合いも多い。ホルムズ海峡は極めて重要であり、その開放は誰もが望んでいる。中国がエネルギーの50%を湾岸地域から得ていることを忘れてはならない」と指摘し、「したがって、中国がこの取り組みに加わることは、中国自身にとっても大きな利益になる」と述べていました。イランへの経済制裁に、中国を巻き込もうとしていることが伺えます。中国政府はトランプ氏による警告について、「制裁や圧力では問題は解決しない」とし、「外交による解決」を呼びかけています。

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来週24日(月)、25日(火)の「今日のアナリストレポート」と、24日の「今週の予想レンジ」(ウィークリーレポート)は、都合によりお休みとさせていただきます。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
8/13 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 --------
8/13 ハマック・クリーブランド連銀総 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 --------
8/12 コリンズ・ボストン連銀総裁 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 --------
8/11 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 --------
8/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 --------
8/5 クック・FRB理事 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 --------
8/4 ベッセント・財務長官 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 --------
8/3 ベッセント・財務長官 (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 --------
8/3 片山・財務相 (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 --------
7/29 FOMC声明文 「経済活動が堅調なペースで拡大しつつある。設備投資と生産性の伸びが力強い。(インフレ率は、)「2%目標に比べて高止まりしている」 ドル円は163円台後半から下落。株式と債券も売られる。
7/29 ウォーシュ・FRB議長 「一部の家計や企業、市場関係者の間では、5年にわたる高インフレを受けて、FRBは2%を超えるインフレ率を事実上容認しているとの誤った認識が根強く残っている。改めて強調したい。インフレの緩やかな目標など存在しない。少なくとも、この委員会の下では、暗黙の緩やかな目標も存在しない」、「インフレ率が見通し期間を通じて高止まりするようであれば、金利はその対応策の一つになり得るが、それだけが手段というわけではない」、「市場に影響を与えようとする姿勢を一部後退させたことで、市場は自ら判断を下した」と説明。「米国債の利回り曲線全体で名目金利に対する市場の見方は上方修正された」 短期ゾーンの金利が低下し、中長期ゾーンの金利が上昇。
7/23 ラガルド・ECB総裁 「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」、「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」、「インフレ見通しには上振れリスクがある。エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある。エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」、「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」、「6月のユーロ圏総合インフレ率は2.8%へ鈍化し、市場予想も下回った。しかし、今月に入り戦闘が再開したことで、政策当局者の間では金融引き締めをまだ終わらせることができない可能性が認識され始めている」 ドル高の流れの中、ややユーロ売りに拍車。
7/16 ローガン・ダラス連銀総裁 「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」、「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」 --------
7/14 ウォーシュ・FRB議長 「FOMC参加者は、高止まりするインフレを長期にわたって容認することはない。われわれは物価安定の回復に向け、揺るぎない決意を共有している」、「われわれが適切な政策運営を実現すれば、そして実現する所存だが、過去5年間の高インフレは過去のものとなる」米6月のCPI発表を受けて)、「朝発表された統計を見て『任務は完了した』と考える人もいるかもしれないが、それは私の見解ではない」、(トランプ氏から公に批判された場合でも経済指標に基づいて政策判断を行うのかと問われ)「そうする」 --------
7/13 ウォラー・FRB理事 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。
7/9 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 --------
7/1 ウォーシュ・FRB議長 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和