今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円再び162円台半ばに」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は東京時間から反発し162円台を回復。NYでは小動きながら162円43銭まで上昇。
  • ユーロドルは1.14台で推移。高値は1.1445。
  • 株式市場では半導体銘柄が買われ、3指数は揃って上昇。ダウは155ドル買われ、初の5万3000ドル台に乗せる。
  • 債券は買われ、長期金利は4.46%台に低下。
  • 金は続伸。原油は小幅に反落。
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6月S&Pグローバルサービス業PMI(確報値) → 51.2
6月S&Pグローバル総合PMI(確報値) → 51.9
6月ISM非製造業景況指数 → 54.0
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ドル/円 162.02 〜 162.43
ユーロ/ドル 1.1409 〜 1.1445
ユーロ/円 185.15 〜 185.53
NYダウ +155.84 → 53,055.91
GOLD +41.50 → 4,167.50ドル
WTI −0.14 → 68.55ドル
米10年国債 −0.014 → 4.469%

本日の注目イベント

  • 日 5月景気先行指数(CI)(速報値)
  • 日 5月景気一致指数(CI)(速報値)
  • 中 中国6月外貨準備高
  • 独 独5月貿易収支
  • 独 独5月鉱工業生産
  • 欧 NATO首脳会議(トルコ・アンカラ、8日まで)
  • 米 5月貿易収支

本日のコメント

先週金曜日の東京時間には160円48銭まで下落したドル円でしたが、わずか1日で162円台を回復しています。背景には、高市政権が進める「骨太の方針」の原案に、「適切な金融政策運営が『非常に重要』」だといった、日銀の利上げをけん制するような文言が挿入される見通しとのことで、利上げが遅れるとの見方から債券が売られました。昨日の債券市場で10年債はさらに売られ、長期金利は「2.83%台」まで上昇しました。ドル円もそれに呼応するかのように162円台に乗せています。つまり、債券市場では債券が売られ、為替市場では円が売られました。株式市場ではまだ株価が堅調さを維持していますが、明らかに「日本売り」の様相です。上記原案では、2025年まで盛り込まれていた「財政健全化」の文言も削除されています。「高市政権下で財政規律の悪化が一段と進むとの警戒感から、債券の売り圧力が強まっている」(日経新聞)との見方です。一部からは「高市政権が続く限り、この流れは変わらない」といった声も聞かれました。

FRBのウォラー理事は、金利の将来的な道筋をFRBが示唆する「フォワードガイダンス」について、慎重に運用すれば有用となり得るとの見解を示しました。ウォラー理事は、イタリア銀行(中央銀行)が開催したローマでのイベントで、「フォワードガイダンスは依然として有益なツールだ。新型コロナ禍期のインフレ高進局面では、FRBが利上げに踏み切る方針を広く伝えるのに寄与した」と説明し、「その結果、実際に利上げを行う前から金融環境は引き締まった」との認識を示しました。一方で、「FRB当局者はフォワードガイダンスの運用で過度にかたくなになり、政策運営の自由度を狭めてしまったこともあった」とも述べました。その上で、ウォラー氏は、「フォワードガイダンスが有益なツールになり得ると、私は引き続き考えている。政策決定を著しく強化したこともあったし、今後も有益だと考える。フォワードガイダンスは科学というよりアートだ。政策運営に寄与するどころか、かえって足かせとなった局面もあった」と述べていました。これはウォーシュ新FRB議長が「フォワードガイダンスへ」の依存見直しを考えていることに対して、自身の考えを述べたものと見られます。

一方、ECBのシュナーベル理事は同じイベントで、中東での和平に向けた動きによってエネルギー価格は急速に低下したものの、戦争勃発前の状況に戻ったわけではないとの認識を示しました。シュナーベル氏はパネル討論で、「原油価格の下落は戦争前の状況に戻ったことを意味するのか。私はそうは思わない」と述べ、「暫定和平合意はなお脆弱だ。市場では長期にわたり原油価格が高止まりするとの見方が続いている。ガス価格は戦争前の水準を依然として約40%上回っている」と指摘し、さらに「米国とイランの紛争がもたらしたショックを単純に看過することはできない」との見方をあらためて示しました。パイプラインやサプライチェーンを巡る圧力は依然として高い水準にあると話し、「インフレ圧力は依然として続いている」と警戒感を表していました。

最後に、世界中で盛り上がっている「サッカーWカップ」で、国際サッカー連盟(FIFA)は、米代表チームのFW、フォラリン・バログン選手の1試合出場停止処分を1年間保留にすることを発表しました。ここでもトランプ大統領による圧力が話題になっています。同決定は、トランプ氏がFIFAのインファンティノ会長に直接働きかけた後のもので、同選手は6日に行われるベルギーとのベスト16をかけた戦に出場できるようです。ベルギーは衝撃と怒りをもって受け止め、同国の連立政権を構成する5党の一つ、ルイ・ブシェ党首はXへの投稿で「世界中のレッドカードをすべて取り上げたとしてもベルギー国民は最も勇敢であり、勝利する」と述べていました。トランプ氏は、スポーツの世界でも「America First」を実践なさるつもりのようです。FIFAのインファンティノ会長にはレッドカードでしょう。

本日のドル円は161円30銭〜163円程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/1 ウォーシュ・FRB議長 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 --------
6/17 ウォーシュ・FRB議長 FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 --------
6/17 FOMC声明文 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 --------
6/17 内田・日銀副総裁 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 --------
6/11 ラガルド:ECB総裁 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 --------
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和