「原油価格80ドル割れ」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は欧州時間に163円95銭まで買われ、NYでの164円テストも期待されたが、NYでは原油価格の低下から163円65銭まで下落。
- ユーロドルはやや反発し、1.1405まで上昇。
- 株式市場では、ダウが5日続伸し500ドルを超える上昇を見せるも、ナスダックは続落。半導体株が売られ、ナスダックは55ポイント下げる。
- 債券は買われ、長期金利は4.60%台に低下。
- 金は反落。原油は米国がイランとの交渉の余地を残していることを好感し続落。
5月FHFA住宅価格指数 → 0.3%
7月リッチモンド連銀製造業景況指数 → 5
7月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 90.8
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| ドル/円 | 163.65 〜 163.93 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1361 〜 1.1405 |
| ユーロ/円 | 186.19 〜 186.68 |
| NYダウ | +537.24 → 52,747.32ドル |
| GOLD | −38.30 → 4,038.70ドル |
| WTI | −3.35 → 79.26ドル |
| 米10年国債 | −0.042 → 4.606% |
本日の注目イベント
- 豪 豪6月消費者物価指数
- 豪 豪第2四半期消費者物価指数
- 英 英6月消費者信用残高
- 米 FOMC政策金利発表
- 米 ウォーシュ議長記者会見
- 米 決算発表 → メタ、マイクロソフト、スターバックス
本日のコメント
ドル円は欧州時間、ジリジリと買われ163円95銭まで上昇。再び164円に迫ったことで、NYでは同水準をテストするかと思われましたが、今回も介入警戒感と原油価格の下落で164円テストは見送られました。依然としてドルが底堅い動きを見せるものの、164円台乗せには、介入警戒感がこれまで以上に強まることで、現時点ではドルの一段の上昇が抑制されています。さらに、今夜はFOMC会合の結果が発表され、必要以上のリスクを取る向きもいなかったようです。
トランプ大統領は28日、FOXニュースのインタビューで、イランとの戦争が再び激化する事態は避けたいとの考えを示し、イランに対し合意に応じるよう促しました。トランプ氏は「現在、われわれは非常に有利な立場にあると思う」と述べ、「合意に至らなければ、イランの主要な橋を爆撃する。それを避けられるなら、そうしたい」と、改めて攻撃の可能性があることを示しました。米国は約2週間続けたイランへの攻撃を昨日も行わなかったことでここ4日間、同国への攻撃を停止しています。これに対してイランも湾岸諸国への報復攻撃を停止しています。ブルームバーグは、「事情に詳しい関係者によると、オマーンとイランの交渉担当者は週末にテヘランで会談し、協議は現在も続いている。船舶がホルムズ海峡をより頻繁に航行できるようにすることで、両国が合意できれば、イランは核開発計画を巡る米国との正式な交渉を再開し、戦争を恒久的に終結できる可能性がある」と報じていますが、オマーン当局は、今後数日以内に進展を示す発表を行いたい考えだが、「実現する保証はない」と述べています。また、イランのガリババディ外務次官は28日、国営イラン放送に対し、「われわれは米国との交渉を要請しておらず、米国に対して停戦を求めてもいない」と述べていました。同氏は、戦争終結に向けた方策を提案するメッセージを、米国側がオマーン経由で送ってきたと語り、米国による海上封鎖でイランが交渉に応じることはないとの認識を示しました。さらに、ホルムズ海峡の航路については、「イランが提案した航路以外の案は受け入れられない。オマーンがわれわれの条件を受け入れないとしても、ホルムズ海峡の南側航路は認めない」と語っていました。
一方、同国のアラグチ外相は前日、サウジアラビアおよびオマーンの外相と個別に電話会談を行っています。イラン政府の声明によれば、アラグチ外相は「地域の安定を確立し、米国の攻撃行為の結果、ホルムズ海峡で生じる不安定な状況に対処するため、協力を強化し、共同の外交努力を推進する必要性を強調した」とのことで、今後米国との交渉の可能性を感じさせるものです。トランプ氏は、「イラン側が交渉したがっている」と、繰り返し述べています。この点ではイラン側は常に否定していますが、上記アラグチ外相の存在に期待が持てるかもしれません。米国とイランは双方の言い分に隔たりがあり、市場はその度に振り回されている部分もあります。トランプ氏も常にイランに脅しをかけていますが、その脅しもイランには、考えるほど効果がないことを認識し、交渉の席に着かせることを優先すべきかと思います。イランは最高指導者が殺害されても強硬姿勢を示すばかりか、むしろ、より態度を硬化させ「徹底抗戦」を見せるだけです。この点では、一夜にして体制を変えることに成功したベネズエラとは大きく異なっています。トランプ氏は28日、ワシントンでイスラエルのネタニヤフ首相と会談する予定ですが、トランプ氏よりもさらに強硬なネタニヤフ氏は、イランの核開発計画について、米国が「継続的な監視」を続けるようトランプ氏に求める方針のようです。
コンファレンスボードが発表した「7月の消費者信頼感指数」は前月から1.4ポイント低下し「90.8」でした。ガソリンや食品価格の高止まりが米家計の重荷となり、根強いインフレや生活費の上昇に対する幅広い懸念が改めて示された一方、春先まで堅調だった雇用は、鈍化の兆しを示していています。7月の雇用情勢に対する認識では、「仕事は豊富にあると」答えた消費者の割合が「24.6%」に低下した一方、「仕事を見つけるのは難しい」との回答割合は小幅に低下していました。「この2つの割合の差はエコノミストが注視する指標で、2021年以来の低水準に縮小した。求職者にとって厳しい労働市場となっていることを示唆している。」(ブルームバーグ)今回の調査は7月1日から22日にかけて実施されましたが、この間、ガソリン価格は3月以来の安値まで下落した後、米国とイランの紛争が再び激化して原油価格が上昇したことを受けて持ち直しました。その後、米国が週末に攻撃を停止したことで市場は落ち着き、価格は再び下落しています。
ドル円は昨日の海外市場で163円95銭まで上昇しました。先週も163円99銭まで買われ、164円まで「あと1銭」に迫りました。普通に考えれば、やはり「ドルは上昇したがっている」と見て取れます。片山財務相は相変わらず、「必要ならば断固とした措置を取る。これまでとスタンスは何ら変わっていない」と、同じ文言を繰り返しています。不気味なのは、介入の指揮を執る三村財務官が何も言葉を発していないことです。以前に、「(私が)発言して(投機筋に)ドルを安く買わせることになるから、発言しない」と述べていましたが、どうやら実践しているようです・・・。
本日のドル円は162円50銭〜164円50銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「利上げを検討する必要はないか自問した中銀総裁も一部いた」、「現時点では待つことが適切だと判断した。今後数週間の情勢の推移と、その間に公表されるデータを極めて注意深く見守る」、「インフレ見通しには上振れリスクがある。エネルギーショックがさらに強まる恐れがあり、他の物価や賃金への影響も現在の想定より大きくなる可能性がある。エネルギー価格の高止まりが長引くほど、より幅広い物価の押し上げにつながるだろう」、「基調的な物価上昇率は現時点では抑制されている」、「6月のユーロ圏総合インフレ率は2.8%へ鈍化し、市場予想も下回った。しかし、今月に入り戦闘が再開したことで、政策当局者の間では金融引き締めをまだ終わらせることができない可能性が認識され始めている」 | ドル高の流れの中、ややユーロ売りに拍車。 |
| 7/16 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「物価安定と完全雇用というFRBの二つの使命を踏まえると、政策金利を現行よりやや高い水準に引き上げた方が、見通しとリスクの均衡をより適切に保てると現時点では考えている」、「インフレが自律的に2%まで戻る方向にないのであれば、少なくとも一定程度の引き締め的な政策が必要だ」、「物価が1カ月落ち着いただけでは十分ではない。物価安定を取り戻すという仕事をやり遂げる時だ」 | -------- |
| 7/14 | ウォーシュ・FRB議長 | 「FOMC参加者は、高止まりするインフレを長期にわたって容認することはない。われわれは物価安定の回復に向け、揺るぎない決意を共有している」、「われわれが適切な政策運営を実現すれば、そして実現する所存だが、過去5年間の高インフレは過去のものとなる」米6月のCPI発表を受けて)、「朝発表された統計を見て『任務は完了した』と考える人もいるかもしれないが、それは私の見解ではない」、(トランプ氏から公に批判された場合でも経済指標に基づいて政策判断を行うのかと問われ)「そうする」 | -------- |
| 7/13 | ウォラー・FRB理事 | 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 | 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。 |
| 7/9 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 | -------- |
| 7/1 | ウォーシュ・FRB議長 | 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 | -------- |
| 6/17 | ウォーシュ・FRB議長 | FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 | -------- |
| 6/17 | FOMC声明文 | 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 | -------- |
| 6/17 | 内田・日銀副総裁 | 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 | -------- |
| 6/11 | ラガルド:ECB総裁 | 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 | -------- |
| 6/9 | 片山・財務大臣 | 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 | -------- |
| 6/4 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 | -------- |
| 6/4 | デーリー・SF連銀総裁 | 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 | -------- |
| 6/3 | 植田・日銀総裁 | 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 | ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。 |
| 6/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 | -------- |
| 6/3 | ローガン・ダラス連銀総裁 | (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 | -------- |
| 6/2 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



