「ドル円動けず」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 前日のNYで162円71銭まで買われ、介入警戒感が高まったドル円は一方では下値も底堅い動きが続き小動き。NYでは162円台前半から半ばで推移し、値幅もわずか21銭にとどまる。
- ユーロドルも値幅は限定的だった。1.14台前半から半ばで推移。
- 株式市場では3指数が揃って上昇。半導体が買われ、ナスダックは336ポイント上昇。
- 債券は反発。長期金利は4.55%台に低下。
- 金は3日ぶりに反発。原油もイラン問題は長引かないとの見方から反落。
新規失業保険申請件数 → 21.5万件
6月中古住宅販売件数 → 4.09百万件
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| ドル/円 | 162.26 〜 162.47 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1423 〜 1.1445 |
| ユーロ/円 | 185.55 〜 185.82 |
| NYダウ | +139.02 → 52,487.41 |
| GOLD | +58.40 → 4,140.80ドル |
| WTI | −1.44 → 72.08ドル |
| 米10年国債 | −0.028 → 4.551% |
本日の注目イベント
- 独 独6月消費者物価指数(改定値)
- 加 カナダ6月新規雇用者数
- 加 カナダ6月失業率
- 加 カナダ5月住宅建設許可件数
本日のコメント
日本の債券市場では債券売りが止まりません。昨日は10年債がさらに売られ、長期金利は「2.9%」と、節目の「3.0%」にさらに接近してきました。本欄でも連日触れていますが、高市政権が進める「骨太の方針」原案で、日銀の利上げをけん制する文言が挿入されることが嫌気され、加えてイラン情勢が再び不透明さを増し、原油価格が上昇したことも債券売りにつながっています。城内経済財政相が火消しにやっきになっていましたが、延焼は止まりません。今朝の報道では、政府はこれ以上の金利上昇に歯止めをかけたいのか、ようやく原案の調整に踏み切ったようです。共同通信などが報じたところによると、日銀の独立性に言及する方向で調整を進めるようです。具体的には、日銀法第3条を脚注で引用し、日銀の独立性を尊重する姿勢を示す模様です。
改めて、日銀法第3条を開けてみると、「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」とあります。条文では「独立性」という文言は使っていませんが、同法を脚注で引用することで、金融政策には強く介入しない政府の意図を伝えたいようです。一方で、日銀法第4条には「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調整が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない」と規定されています。今回の原案の修正版では、3条には触れるものの、同4条を前面に出し、「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて適切な金融政策運営を行うことを『期待する』」と、修正すると報じられています。結局、依然として基本的な政権の方針は変わらないことを、今日の債券市場のトレーダー諸氏がどのように受け止めるか、今日も注目です。
米中央軍はXへの投稿で、ホルムズ海峡で商船を攻撃するイランの能力を「さらに低下させる」ため、8日の攻撃では約90カ所を狙ったことを明らかにしました。その前日には80カ所を標的に攻撃しています。米国とイランとの停戦に関する「覚書」が早くも形骸化していますが、トランプ大統領はトルコでのNATO会議を終え、米国に戻る大統領専用機「エアフォース・ワン」で記者団に対し、米国とイランが全面戦争に逆戻りするのかと問われ、「分からない。だが、そうなればわれわれは極めて短期間で勝利するだろう。勝つ方法はいくらでもある」と述べていました。「イランとの戦争は年内には終結しない」といった悲観的な見方をする専門家も出てきましたが一方で、両国の交戦が再び開始されたことで高騰した原油価格は、昨日のNYでは反落しています。双方による攻撃は短期間で終わるという見通しが下落につながっていました。
NY連銀のウィリアムズ総裁は同連銀主催のイベントで、米国のインフレ要因の中でAIが押し上げる需要を最も注視していると述べ、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば、「金融政策で対応する必要がある」と話し、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」と述べました。さらに「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する」と述べた。「それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」と、PCEデータを重視していることを強調していました。
本日のドル円は161円50銭〜163円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/9 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 | -------- |
| 7/1 | ウォーシュ・FRB議長 | 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 | -------- |
| 6/17 | ウォーシュ・FRB議長 | FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 | -------- |
| 6/17 | FOMC声明文 | 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 | -------- |
| 6/17 | 内田・日銀副総裁 | 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 | -------- |
| 6/11 | ラガルド:ECB総裁 | 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 | -------- |
| 6/9 | 片山・財務大臣 | 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 | -------- |
| 6/4 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 | -------- |
| 6/4 | デーリー・SF連銀総裁 | 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 | -------- |
| 6/3 | 植田・日銀総裁 | 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 | ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。 |
| 6/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 | -------- |
| 6/3 | ローガン・ダラス連銀総裁 | (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 | -------- |
| 6/2 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



