今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米軍、イランへの攻撃開始」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 中東情勢の緊張が再び高まったことで、ドル円は162円49銭まで上昇。トランプ大統領がイランへの攻撃を指示。
  • ユーロドルは1.14台を割り込み、1.1378まで下落。
  • 株式市場では3指数が揃って下落。米国とイランとの緊張が高まり、リスク回避の動きからハイテク株を中心に下落。
  • 債券も売られ、長期金利は4.62%台まで上昇。
  • 金は大幅に続落。原油もトランプ大統領がホルムズ海峡を通過する船舶から20%の対価を要求するとしたことで大幅に上昇。
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6月財政収支 → −120.3b
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ドル/円 162.08 〜 162.49
ユーロ/ドル 1.1378 〜 1.1433
ユーロ/円 184.82 〜 185.31
NYダウ −138.37 → 52,498.64
GOLD −108.00 → 4,005.70ドル
WTI +6.73 → 78.14ドル
米10年国債 +0.062 → 4.624%

本日の注目イベント

  • 豪 豪7月ウエストパック消費者信頼感指数
  • 豪 豪6月NAB企業景況感指数
  • 日 5月鉱工業生産
  • 中 中国6月貿易収支
  • 米 6月消費者物価指数
  • 米 ウォーシュ・FRB議長、下院金融委員会で証言
  • 米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、討論会に参加
  • 米 決算発表 → エリクソン、ゴールドマン、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン、ウェルズファーゴ、シティグループ

本日のコメント

米国とイランは13日にかけて、夜間になっても新たな攻撃の応酬を続けており、ホルムズ海峡が航行可能かどうかを巡っても、双方の主張は食い違っています。米中央軍は、ホルムズ海峡でのイランによる船舶攻撃能力を低下させることを目的とした新たな攻撃を実施し、完了したと発表しました。しかし、トランプ大統領が『ザ・ヒュー・ヒューイット・ショー』のインタビューで、「今夜と明日、イランに強力な打撃を与える」と語った後、日本時間今朝、米軍は再びイランへの攻撃を開始した模様です。

また、ホルムズ海峡の管理に関してもトランプ氏は13日、ホルムズ海峡について「イラン関与の有無にかかわらず、今後も開かれた状態にある。米国は今後、『ホルムズ海峡の守護者』として知られることになる。その立場と公平性の観点から、世界でも特に不安定なこの海域の安全と治安を確保するために必要な全ての費用について、輸送される全ての貨物の20%相当の対価を受け取る」と投稿。「手続きと体制整備は直ちに開始する」と付け加えました。しかし、20%の徴収となった場合は、現在の原油価格に基づくと、超大型タンカー1隻当たり約3200万ドル(約52億円)と試算されるようで、現実的には実施できるはずもなく、トランプ氏特有の「脅し」の可能性が高いと思われます。ただ、何らかの通航料が課されるとすれば、今後インフレを押し上げる要因になることは間違いありません。ブルームバーグは、「事情に詳しい複数の関係者によれば、イランがこれまでに徴収した通航料は最大200万ドルで、これを大幅に上回る水準だ。輸送コストの上昇は原油価格の押し上げ要因となる可能性が高い。国連の国際海事機関報道官は、『国際航行に利用される海峡の通航に料金を課すことに断固反対する』との立場をあらためて示した」と伝えています。米中央軍は米東部時間14日午後4時(日本時間15日午前5時)から、イランの全ての港湾や沿岸地域を対象とする封鎖措置を再び開始することを発表しています。イランとの協議が遅々として進展しないばかりか、イランの攻撃的な言動も伝えられ、さらにトランプ氏に対する「暗殺計画」も噂される中、トランプ氏も自身の忍耐の限界を感じた模様です。

先週末、「GPIFをはじめとする年金基金に、日本の金融資産にさらに投資してもらう方向で後押しする方策を追求したいと考えている」と片山財務相が発言したことを受け、長期金利は2.75%前後」まで急落しましたが、昨日は再び上昇しました。この件を巡り木原官房長官は、「GPIFの基本ポートフォリオは、策定時に想定した運用環境が大きく変化する可能性の有無について適時適切に検証が行われており、必要があれば修正が行われる」と、定例会見で述べました。一時162円36銭まで上昇していたドル円は、発言が伝わったことで、161円85銭前後まで下落する場面がありました。片山財務相の発言は現時点では、日本国債と円のショート(売り)筋の不安をかき立てるための「口先介入であり、時間稼ぎにしかならない」、「国債売りと円売りの流れそのものは変わらない公算が大きい」といった見方が支配的でした。

ウォラー理事は13日、ニューヨークでのイベントで「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」と述べました。ウォラー氏は、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」との認識を示し、さらに「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」と発言。「コアインフレの高い上昇ペースを現時点で懸念している」と述べていました。今夜発表される「6月のCPI」の市場予想は、前年同月比で「3.8%」と見込まれています。なお、5月は「4.2%」でした。

本日のドル円は161円50銭〜162円90銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/13 ウォラー・FRB理事 「今週発表されるコアインフレ指標がまたも強い内容となった場合、FOMCは近い時期の金融政策引き締めを検討する必要があるだろう」、「労働市場は安定しており、個人消費は堅調だ。米経済が良好な状態にある。関税やエネルギー価格、AIインフラ整備を背景としたインフレ圧力を受け、金融政策は岐路に立たされている」、「どのように見ても、どの指標で測ろうとしても、インフレ率は今年上昇している」 金利上昇、ドル高、株価下落の一因に。
7/9 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (AIが押し上げる需要を最も注視していると述べ)、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、(インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば)、「金融政策で対応する必要がある」、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」、「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する。それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」 --------
7/1 ウォーシュ・FRB議長 「この4週間でインフレ期待は低下し、インフレリスクは後退した」、「米国の物価安定を実現する。それがこの委員会に課せられた使命であり、われわれの目標でもある。そのための戦術や戦略などについては今後明らかにしていく」、「FRBは非常に長くにわたり独立した中央銀行であり、現在も独立した中銀であり続ける。その点に変わりはない」、(将来的な金利政策に関して)、「フォワード・ガイダンスを示さない」 --------
6/17 ウォーシュ・FRB議長 FRBの運営方法の見直しにつながる変更案を検討するため、5つの分野を対象とした複数の作業部会を設置する」、「2%のインフレ目標を達成するわれわれの決意と能力を改めて確立するまでは、それを見直す理由は見当たらない」 --------
6/17 FOMC声明文 「インフレ率は依然として高水準にある。委員会は物価安定を実現させる」、「経済成長については引き続き堅調」 --------
6/17 内田・日銀副総裁 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 --------
6/11 ラガルド:ECB総裁 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 --------
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和