今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「原油は続落し76ドル台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はFOMC会合を控え小動き。株式市場でダウが大幅に続伸したことで、ドル円は160円48銭まで上昇。
  • ユーロドルは1.16をはさみもみ合い。
  • 株式市場では、ダウが4日続伸し最高値を更新。他の2指数は下落。
  • 債券は続伸し、長期金利は4.43%台に低下。
  • 金は小幅ながら続伸。原油は続落。エネルギー供給が正常化するとの見方から4.7ドル下げ、76ドル台に。
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5月輸入物価指数 → 1.9%
5月輸出物価指数 → 1.3%
5月住宅着工件数 → 117.7万件
5月建設許可件数 → 141.3万件
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ドル/円 160.32 〜 160.48
ユーロ/ドル 1.1588 〜 1.1619
ユーロ/円 185.89 〜 186.32
NYダウ +328.64 → 51,999.67
GOLD +2.80 → 4,354.40ドル
WTI −4.70 → 76.05ドル
米10年国債 −0.034 → 4.439%

本日の注目イベント

  • 日 5月貿易統計
  • 欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(改定値)
  • 英 英5月消費者物価指数
  • 米 5月小売売上高
  • 米 5月中古住宅販売成約指数
  • 米 FOMC 政策金利発表
  • 米 ウォーシュ議長記者会見

本日のコメント

日銀は16日の金融政策決定会合で、市場予想通り、政策金利を0.25ポイント引き上げ、31年ぶりとなる「1.0%程度」にすることを決めました。筆者も引き上げは確実と予想し、会合では「8:0」か「7:1」で決まると見ていましたが、反対したのは浅田審議員一人で、「7:1」で決定されました。先行きの金融政策運営は、利上げ後も緩和的な金融環境が維持されるとし、「経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と説明し、利上げ路線を堅持しました。国債買い入れについても日経新聞が既に報じていた通りでした。内田副総裁は会見で、「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」と述べながらも、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」と指摘していました。また、日銀が3月に示した「1.1%〜2.5%」の推計値としての中立金利については、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」との認識を示しました。市場は、次回の利上げは状況次第では10月の可能性も排除できないが、12月、もしくは来年の早い時期ではないかと予想しています。

米国とイランは19日にスイスで暫定和平合意に正式署名する準備を進めており、双方が勝利を主張しています。ただ、合意内容の詳細はなお明らかになりつつある段階で、エネルギー業界関係者の間では、ホルムズ海峡の通航がどれほど速やかに再開されるかについて懐疑的な見方も出ています。ブルームバーグ・ニュースが確認した最終案に近い草案によると、イランは直ちに原油販売を可能にする制裁の適用除外措置を受ける一方、その他の経済的な見返りは後日に先送りされる見通しです。両国は紛争終結後、米国とともにイラン向けの3000億ドル(約48兆1100億円)規模の開発基金創設を支援する可能性があり、さらに凍結資産への将来的なアクセスなども含まれている模様です。一方、今回の合意を巡ってはイスラエル側が強く反発しています。イスラエルの政治家らは、イランを支援する形で自国領内にミサイルやドローンを発射してきたヒズボラとの戦闘継続が必要だと主張しており、ネタニヤフ首相はこの合意を巡って国内で批判を受けています。国民の間では、この合意がイランに過度に譲歩しているうえ、同国の弾道ミサイル計画を十分に制限していないとの見方が広がっているとのことです。60日間の交渉を経て最終合意に至れば、さすがのイスラエルも承服するしかないと思われますが、それでも小規模の衝突は避けられないのではないかと予想しています。

本日のFOMC会合では政策金利の据え置きが予想されていますが、ウォーシュ議長がどのような発言を行うのかが注目されています。ブルームバーグは、同氏はFRBの改革を目指していると指摘して、以下のコメントを発しています。「ウォーシュ氏はこれまで、FRBの情報発信を抜本的に見直す考えを示している。詳細には踏み込んでいないものの、発言からは対話を減らす方向性がうかがえる。上院での指名承認公聴会で、FRBは政策運営の道筋を示すことに注力し過ぎていると指摘。また政策当局者は『かなり頻繁に発言している』とも述べた。しかし、FRBなど主要中央銀行は過去数十年にわたり、情報発信の強化を進めてきた。その流れに逆行することにはリスクが伴うと、FRBを長年追ってきた専門家らは指摘する」と報じています。今や、中銀が政策方針を市場に徐々に浸透させるための「フォワード・ガイダンス」などは、極めて有効だとされています。市場の過剰な反応を防ぎ、サプライズを与えないことで、政策移行をスムーズに行える利点があるからです。バーナンキ元FRB議長は金融政策について、「98%が対話で、実際の行動は2%に過ぎない」と語ったことで知られていますが、「ウォーシュFRB」は、これまで継続されてきた「市場との対話」路線に終止符を打つのでしょうか。

再び160円台半ばに近付いて来たドル円ですが、これまでも指摘してきたように、「日銀の利上げ」、「原油価格の大幅下落」にも、円安傾向は止まりません。市場参加者の間にも「介入以外に円安を止める手段はない」との考えが徐々に浸透してきています。ドル円がジリジリと水準を切り上げる中、当局の介入はGW中に行って以降見られていません。それでも、市場に安心感を与えておき、一気に円買い介入を行う可能性が十分あると、筆者は予想しています。

本日のドル円は159円50銭〜161円程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/17 内田・日銀副総裁 「足元の景気は、高水準の企業収益や政府の物価対策などが支えになり、経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」、(「1.1%〜2.5%」の中立金利について)、「こうした数字は相当なばらつきがあり、あまり使えない」 --------
6/11 ラガルド:ECB総裁 「今回のショックは経済全体に広がり始めている。直接的なコストは明らかで、間接的なコストも現れ始めている」、「最大のリスクはこうした決定をしないことだ。インフレの進行を放置して制御不能な状態にしてしまえば、物価安定の水準へ戻すことがはるかに難しくなる」と強調し、その上でラガルド氏は「中東の戦争は経済活動の重しとなっており、各種調査は特にサービス業で減速を示している。エネルギー価格の上昇により、この夏にかけてインフレ率はさらに押し上げられ、2027年上期まで目標を大きく上回る状態が続くだろう」 --------
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワード・ガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
5/28 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 --------
5/28 ムサレム・セントルイス連銀総裁 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 --------
5/21 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 --------
5/21 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 --------
5/21 小枝・日銀審議委員 (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 --------
5/20 トランプ・米大統領 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。
5/19 片山・財務大臣 「断固たる措置を取るときは取る」 ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。
5/19 トランプ・米大統領 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 --------
5/14 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 --------
5/12 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 --------
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和