今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NY株急落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 欧州からNYの朝方にかけて買われ、158円台で推移していたドル円は反落。株式市場でAI株が大きく売られたことで、リスク回避の流れが強まり円が買われる。ドル円は157円55銭まで下落。
  • ユーロドルは1.12台前半で小動き。
  • 株式市場では3指数が大幅安。民主党が勝利したことが改めて意識され、AI株を中心にほぼ全面安の展開。S&P500は334ポイント下げ、ナスダックも1421ポイント下落。
  • リスクオフの流れから債券は買われ、長期金利は4.83%台に低下。
  • 金は続伸。前日大きく下げた原油は反発。
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新規失業保険申請件数 → 18.9万件
7−9月雇用コスト指数 → −0.7%
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ドル/円 157.55 〜 158.50
ユーロ/ドル 1.1204 〜 1.1243
ユーロ/円 176.77 〜 177.86
NYダウ −1833.06 → 51,523.06ドル
GOLD +40.50 → 4,113.50ドル
WTI +2.40 → 90.52ドル
米10年国債 −0.055 → 4.833%

本日の注目イベント

  • 独 独9月貿易収支
  • 独 独9月鉱工業生産
  • 欧 ユーロ圏9月小売売上高
  • 米 10月雇用統計
  • 米 11月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 米 9月消費者信用残高
  • 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、ECBカンファレンスに参加
  • 加 カナダ10月新規雇用者数
  • 加 カナダ10月失業率

本日のコメント

中間選挙で歴史的な敗北を喫したトランプ政権ですが、トランプ氏率いる共和党内にも「亀裂」が入り始めたとの観測が広がっています。バンス副大統領自身のお膝元で同氏に近い候補が敗れ、「今回の大敗は戦争が原因だ」と述べていたことは、昨日紹介しましたが、党内では責任の押し付け合いが広がり、その矛先は主に政権中枢に向かっています。共和党にとって数少ない明るい材料となったフロリダ州のデサンティス知事は記者会見で、「昨夜何が起きたのか、はっきりさせておこう。全米の多くの地域で共和党が直面したのは、絶滅級の事態に限りなく近い」と述べました。世論調査では、有権者の懸念事項の上位に政府内の腐敗が挙がっていたことを挙げ、「議員による株式取引を議会が禁止し、その対象を行政府にも広げるよう」求めていました。さらに、ルビオ米国務長官がトランプ政権からの離脱の是非を検討しているようです。ブルームバーグによると、ルビオ氏と側近らは今後の選択肢について協議をしているとのことです。関係者によると、ルビオ氏は辞任についてホワイトハウス当局者と話し合い、慰留されたようです。ホワイトハウスと国務省は、同氏が退任を検討していることを否定しています。ホワイトハウスのハーモニー報道官は「このフェイクニュースは、事実に基づく情報を何も持たない匿名の情報源によって広められている、捏造されたでっち上げに過ぎない」とし、「ルビオ国務長官は、トランプ大統領とMAGA(米国を再び偉大に)運動のために恐れることなく闘う人物だ」とコメントしています。フロリダ州選出の上院議員を務めたルビオ氏は、2016年大統領選の共和党予備選ではトランプ氏のライバルでした。トランプ氏に比べまだ若い同氏は、バンス氏と同様、2028年の大統領選での共和党の有力候補です。両氏はいずれも、「沈みかけた船からネズミが逃げる」ように、トランプ氏との距離を広げているようです。

昨日のNYでは、中間選挙で民主党が圧勝したことが改めて意識され、AI関連の巨額投資が規制されるとの思惑から株式市場ではハイテク株を中心に大きく売られ、前日の上昇分を吐き出しさらに下げました。NYからは「5日の米国株式市場で、ナスダック100指数は6.4%安と2020年3月以来の大幅下落となり、時価総額2兆3000億ドルが吹き飛んだ。S&P500種株価指数は4.4%下落した。中間選挙後に始まった半導体株の下落は、民主党がAI業界への規制を強化するとの観測から投資家がテクノロジー株を手放し、売りが雪だるま式に膨らんだ」との報告がありました。NY株の影響を強く受ける日経平均株価は予想で6万円の大台を大きく下回り、5万7千円台まで急落する可能性がありそうです。リスク回避の流れが強まることで、円が買われ易い状況かと思います。原油価格と米金利低下の割にはドル円は底堅く推移している印象ですが、円高方向への注意は必要かと考えます。

米リッチモンド連銀のバーキン総裁は5日、ノースカロライナ州で開かれた会議で、「世界に不確実性があり、その間にも新たな情報が得られると考えるのであれば、段階的に進めるのが合理的だ」と発言。「今もなお、私にはそれが妥当なペースだと思える」と述べていました。一方、金利をどの水準まで引き上げる必要があるかについては言及を避けていました。また、米クリーブランド連銀のハマック総裁も5日、スイスのチューリッヒでの講演で、「インフレ率を適切な時期に2%へ戻すため、金融政策を景気抑制的なスタンスに移す必要があるとみている」と述べ、その上で、「可能であればより頻繁に、小幅な調整を行う方が望ましい」と語っていました。先週のFOMCでは、政策金利を据え置くことを決めましたが、ハマック総裁は反対票を投じた2人のうちの1人で、利上げを主張していました。

今夜は「10月の米雇用統計」が発表されます。今月から発表時間は22時30分となり、投資家にとって時間的に厳しくなります。非農業部門雇用者数(NFP)は「7.0万人」が予想されており、すでに発表された他の雇用関連指標から判断すると大崩れはなさそうです。足元の注目は株式市場の動向です。さらに株価が下げるようだと、債券に資金が流れ、金利低下から円が買われる展開になるからです。足元では、各金融市場の真ん中に株式市場がある状態です。

本日のドル円は156円〜158円程度を予想します。

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What's going on?

「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/5 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレ率を適切な時期に2%へ戻すため、金融政策を景気抑制的なスタンスに移す必要があるとみている」、「可能であればより頻繁に、小幅な調整を行う方が望ましい」 --------
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 世界に不確実性があり、その間にも新たな情報が得られると考えるのであれば、段階的に進めるのが合理的だ」、「今もなお、私にはそれが妥当なペースだと思える」 --------
10/30 日銀金融政策決定会合 「2%の物価安定目標とおおむね整合的な水準となっている」、「政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」、「基調物価が2%の物価安定の目標を超え、上振れていくリスクがある」、(ETFの売却について)、「これまでは3300億円程度だったものを、簿価ベースで8600億円程度とする」 やや円高方向に振れる。
10/29 ECB声明文 「エネルギーショックの規模拡大と長期化に加え、間接的な影響や二次的影響により、インフレ率が押し上げられ、成長率は押し下げられる可能性が高い」、「前回の政策委員会以降、金融環境は引き締まっており、インフレと成長の重しになる可能性が高い」 --------
10/29 ラガルド・ECB総裁 「政策会合では利上げ案を協議したが見送った」、「われわれは非常に注意深く見ている。現時点では、すでに予測に織り込まれているものに加え、二次的影響のリスクは見られない」 --------
10/28 FOMC声明文 「経済活動は強いペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは強く、設備投資は力強い。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない。インフレは高止まりしている。委員会はさらに情報を蓄積することで、インフレ率を目標の2%に速やかに戻す上で適切となる政策スタンスを判断することが可能になる。委員会は物価安定を実現する」 --------
10/28 ウォーシュ・FRB議長 「Inflation is too high」、「われわれは状況に応じて行動する用意があると明確にしており、実際に行動する意思があることも示してきた」、「インフレを抑えるのはわれわれの責務だ。ここ数日のFOMCの議論が、われわれの責務のうち主に物価安定の側面に集中したのはそのためだ」 ドル円は158円台前半から157円78銭まで下落
10/15 小枝・日銀審議委員 「物価上昇リスクが相応にある中で、利上げに過度に慎重になることはない」、(今後の利上げについて)、「経済・物価の状況をみながら、政策金利を適時に調整していくべきだ」、「金利のある社会で、金融環境の分析は視野を広げることも重要」 ドル円158円前後から157円50銭台まで下落。
10/13 ボウマン・FRB副議長 「追加措置が必要かどうかを判断する前に、金融環境や経済がどのように推移するかを見極める時間はある」、「現時点では、追加措置を講じることに緊急性は感じていない。時間をかけて、経済がどのように推移していくのかをしっかりと見極める必要がある」 --------
10/13 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「あと1回の利上げを実施するのが適切かもしれないとの見方は変えていない」、「さらなる利上げが必要になると考える理由は、現時点ではない」 米金利が低下し、やや円高方向に振れる。
10/13 植田・日銀総裁 「賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが定着してきている下で、一時的な要因を除く物価の基調は2%にかなり近づいてきている」、「基調物価を2%程度の水準で安定させていくという観点が、金融政策にとって重要な局面だ」 --------
10/12 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「対応を先送りして後で大幅な軌道修正を迫られるリスクを負うより、可能であれば、小幅な調整を比較的速やかに行う方が望ましいと考えている」 --------
10/8 ウォラー・FRB理事 「経済指標が引き続き予想通りに推移すれば、インフレ率を2%の目標により速やかに戻すため、追加利上げが必要になると予想している」、「しかし利上げをいつ実施するかについては、ある程度の柔軟性がある。連続する会合で利上げする必要はないが、妥当な期間内に実施すべきだ」 --------
10/6 佐藤・日銀審議委員 「段階的に調整していく方針には賛成している」、「個人消費の勢いはそれほど強くない」 --------
10/1 ジェファーソン・FRB副議長 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 --------
10/1 ボウマン・FRB副議長 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和