今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「イラン情勢、依然不透明」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はじり高の展開。イラン情勢が依然として不透明なことに加え、FRBによる利下げ観測が一段と後退したことで156円97銭までドルが買われる。
  • ユーロドルは動意なく、1.17台半ばを中心にもみ合い。
  • 株式市場では3指数が揃って反落。朝方、原油価格が上昇したことで利益確定の売りが優勢に。
  • 債券も売られ、長期金利は4.38%台に上昇。
  • 金は3日続伸。原油は朝方買われたがその後売られ、小幅安。
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新規失業保険申請件数 → 20万件
3月消費者信用残高 → 24.855b
4月NY連銀インフレ期待 → 3.64%
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ドル/円 156.17 〜 156.97
ユーロ/ドル 1.1723 〜 1.1778
ユーロ/円 183.69 〜 184.24
NYダウ −313.62 → 49,596.97ドル
GOLD +16.60 → 4,710.90ドル
WTI −0.27 → 94.81ドル
米10年国債 +0.037 → 4.386%

本日の注目イベント

  • 独 独3月貿易収支
  • 独 独3月経常収支
  • 米 4月雇用統計
  • 米 5月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 加 カナダ4月新規雇用者数
  • 加 カナダ4月失業率

本日のコメント

上値の重いドル円ですが、「基本的には介入以外に円を買う理由を見つけるのは難しく、市場の流れに任せるとドルが買われる」。昨日はそんな展開でした。イラン情勢は、米国がホルムズ海峡の再開と戦争終結に向けて提示した「1ページの覚書」について、イラン指導部が受け入れるかどうかまだ明らかにしていません。こうした中、中東ではペルシャ湾とレバノンで緊張が高まっています。イラン南部の港湾都市バンダルアバス近郊で複数の爆発音が聞こえたと、同国の半国営通信が伝えていました。最新の報道では、米中央軍が、ホルムズ海峡を航行していた海軍駆逐艦へのイランの攻撃に対応し、背後にある同国の軍事施設を攻撃の標的にしたとXに投稿しています。ただ、中央軍は「事態のエスカレートを求めていないが、態勢を維持し、米軍を守る用意がある」と表明した模様です。

ボストン連銀のコリンズ総裁は、FOMCの前回会合の声明文について、異議を唱えたメンバーの意見に同調すると述べています。コリンズ氏は、FOMCの金利据え置きの決定については「強く支持する」としつつ、声明文については「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」と述べていました。先月29日のFOMC会合では、ダラス連銀のローガン総裁、クリーブランド連銀のハマック総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、金利据え置きには賛成しながらも、声明に含まれるいわゆる「緩和バイアス」には反対していました。そのハマック総裁は7日、地元の公共ラジオとのインタビューで、「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」と指摘。「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」と、改めて説明していました。また、同総裁自身の基本シナリオとして「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」と述べています。SF連銀のデーリー総裁もイベントで、「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」という考えを示していました。

連休明けの昨日の東京市場では、原油価格が安定し、日経平均株価が一時3500円程上昇する中、ドル円は大きな動きを見せませんでした。午前中に三村財務官が、為替介入に関するIMFの基準を巡り、回数を制約するルールはないとの認識を示し、原油先物市場への介入も含め「照準は全方位に向けている」とも述べていました。三村氏は、「IMFによる6カ月に3シリーズというのは、IMFの各国の為替相場制度に関する単なる分類基準に過ぎない」と指摘。為替介入の「回数を制約するものとは思っていない」と明言していました。この発言を受け市場では、今後も機動的に介入が実施されると受け止められ、やや円が買い戻されましたが、その効果は徐々に薄れているようにも見えます。IMFの基準では、6カ月間で3回までの介入であれば「自由変動相場制」とみなされ、3回を超えると「変動相場制」に分類される傾向があるようです。「3営業日以内の複数回の介入であれば1回とみなされる」と、本邦通貨当局は理解しているようです。

連休中に3回ドル円が急落する場面がありましたが、日銀が昨日夕方公表した8日の当座預金増減要因の予想値と、介入要因を含まない市場推計の差を根拠に、日経新聞は「介入規模は4〜5兆円だったのでは」と報じています。また、ブルームバーグはさらに掘り下げ、「政府・日銀が1−6日に約4.68兆円の為替介入の可能性」と伝えています。いずれも複数回の可能性に言及していますが、回数については特定できないとしています。4月30日の介入については「5兆円規模」とされていますが、今回の連休中には同規模の「円買い・ドル売り」を行ったことになります。ただそれでも155円台を割り込んでいません。市場の取引規模の大きさからすれば、限界も感じられますが、記事には「160円台だった介入水準を157円台まで下げたのでは」といった観測も広がっていると伝えていました。もしそうだとすれば、昨日のNYでは156円97銭までドルが買われていることから、今日は再び介入を目にするかもしれません。今夜は雇用統計の発表です。先に発表された「ADP雇用者数」は好調でした。さらに、毎週発表される「失業保険申請件数」でも減少傾向が続き、好調です。ひょっとして数字が上振れるようなことになれば、FRBによる年内の利下げ観測がゼロになるかもしれず、「ドル高要因」となります。市場予想は、非農業部門雇用者数(NFP)が「6.5万人」(3月は17.8万人)で、失業率は「4.3%」(3月も4.3%)となっています。ホルムズ海峡が開放されれば原油価格が大きく下落し、ドル円も短期的には円高方向に振れると予想されますが、「介入はそれまでの時間稼ぎ」との指摘もあります。ファンダメンタルズがドル高に傾いているのは、明らかだと思います。

本日のドル円は155円50銭〜158円程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
4/23 片山・財務大臣 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 --------
4/6 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和