「政府・日銀、市場介入か?」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は、政府・日銀による市場介入と見られる動きに、欧州市場では一時155円53銭前後までドルが急落。東京時間には160円73銭までドル高が進む場面もあり、介入警戒感はかなり高まっていた。
- ユーロドルは1.17を挟み大きな動きはなかったが、ドル円が円高に振れた分ユーロ円は182円台まで下落。
- 株式市場では、原油価格が低下したことで3指数が反発。ナスダックとS&P500は再び最高値を更新。
- 債券は買われ、長期金利は4.37%台に低下。
- 金は反発。原油は小幅安。
新規失業保険申請件数 → 18.9万件
3月個人所得 → 0.6%
3月個人支出 → 0.9%
3月PCEデフレータ(前月比) → 0.7%
3月PCEデフレータ(前年比) → 3.5%
3月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.3%
3月PCEコアデフレータ(前年比) → 3.2%
1−3月GDP(速報値) → 2.0%
4月シカゴ購買部協会景気指数 → 49.2
2月景気先行指標総合指数 → 0.3%
3月景気先行指標総合指数 → −0.6%
1−3月労働コスト → 0.9%
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| ドル/円 | 156.20 〜 157.11 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1682 〜 1.1741 |
| ユーロ/円 | 182.56 〜 183.92 |
| NYダウ | +790.33 → 49,652.14ドル |
| GOLD | +68.10 → 4,629.60ドル |
| WTI | −1.81 → 105.70ドル |
| 米10年国債 | −0.059 → 4.371% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第1四半期卸売物価指数
- 日 4月東京都区部消費者物価指数
- 英 英3月消費者信用残高
- 英 英4月製造業PMI(改定値)
- 米 4月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
- 米 4月ISM製造業景況指数
- 米 4月自動車販売台数
- 米 決算発表 → エクソンモービル、シェブロン
本日のコメント
昨日の朝、日経のラジオ番組に出演した時、MCから「介入はありますかね?」と尋ねられ、「個人的にはあると思います」と答えておきましたが、正直、昨日のあのタイミングはやや想定外でした。ただそれでも、ドル円が160円台半ばを超えているにもかかわらず、いつもの「口先介入」が全くなく、知人には「何か、不気味だね・・・・」といった会話をしていました。午後4時半過ぎ、ドル円は160円台半ばから円高方向に振れ始め、直ぐに160円台を割り込みました。この時点で、普通の動きではないことは分かりましたが、その後欧州時間には155円53銭近辺まで円が急騰しました。日経新聞は当局者の話として「介入」があったと報じています。その前に、片山財務相は「かねてより断固たる措置に言及をしてきたところだが、いよいよかねてから申し上げてきた断固たる措置を取るタイミングが近づいている」と述べ、三村財務官も為替市場を強くけん制し、「非常に投機的な動きが高まっている」と述べた上で「私としても、いよいよ断固たる措置を取る時が近づいていると思っている」と発言しました。その上で、投機筋を念頭に「これを最後の退避勧告として申し上げる」と、実弾介入を匂わせる発言をしていました。
介入があったことは間違いないでしょうが、どの程度の規模だったのかは、今日日銀から発表される当座預金残高見通しで、ある程度分かるはずです。ここまでは想定内だったと言えます。問題はこの後です。今日の東京市場でも、相場水準を推し下げるための介入を実施するのか、あるいは海外市場で円が再び売られ始めたタイミングで市場介入に踏み切るのか、いずれにしても継続的であることが必要です。片山氏は、「外出の時もお休みの時もスマホを離さずに、ということだけ申し上げておきます」と、ご丁寧に付け加えていましたが、連休中の介入も辞さないことをほのめかしています。連休中に円安が進めば、介入を実施する可能性は極めて高いと考えておくべきでしょう。やはり160円を超える円安は、政府・財務省にとって受け入れ難い水準だということです。この水準を超え、2024年に記録した「161円95銭」を超えれば、歯止めがきかなくなるからです。ただ、これまでにも何度も述べてきましたが、筆者の経験では、介入で流れが変えられたことはないと記憶しています。ましてや、今回の円が売られた理由を考えればなおさらです。
トランプ大統領は30日、イランの港湾に対する海上封鎖を維持する方針を示し、イランに対する経済的な圧力を強める姿勢を鮮明にしています。トランプ氏は、「イラン経済は崩壊しつつあり、海上封鎖は非常に効果的だ。イラン経済はひどい状況にある。どれだけ持ちこたえるか見てみよう」と、ホワイトハウスで記者団に述べました。全米各地のガソリン価格は急上昇しています。2週間ほど前には4ドル台だった価格は新たな高値を付け、カリフォルニア州では小売ガソリン価格が1ガロン=6ドルを超えて値上がり。こうした動きは、中間選挙を控えるトランプ氏の共和党にとって懸念材料となりつつありますが、トランプ氏は「ガソリン価格は下がる。戦争が終わればすぐに急落する」と述べていました。一方、イランの新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ師は同日、異例の声明を発表し、同国の「核およびミサイル技術を放棄しないと誓うとともに、ホルムズ海峡の支配を維持する」と宣言しました。モジタバ氏は立場上、気弱な発言はできないと思われますが、あえてこのタイミングでの発言です。またイランのペゼシュキアン大統領はこの日、米国の海上封鎖は「軍事作戦の延長」に当たり、「容認できない」との認識を示しています。
アクシオスによると、トランプ大統領はこの日、どのような選択肢があるかについて、「米軍司令官らから説明を受けることになっている」とのことで、中東の米軍を管轄する中央軍は、交渉の行き詰まりを打開するための短期的な攻撃計画を準備しているとも報じています。このような状況を踏まえ、ブルームバーグ・エコノミクスのワッサー、ケネディ両アナリストは「トランプ氏はイラン戦争の終結を望んでいるが、イランが提示した条件での終結は望まない」と指摘。「従って現在では、より良い条件を引き出すための圧力を強めるかどうかではなく、いつ、どのように圧力を強めるのが問題だと示唆される。行動が起こされる期間としては、今後2週間以内が最も可能性が高く、米国による攻撃再開が最もありそうな筋書きだ」と分析しています。さらに米軍についてもブルームバーグは、「米中央軍は、イラン深部の弾道ミサイル発射装置への攻撃に備え、射程の長いミサイルシステムを準備するため、大幅に遅れていた陸軍の『ダークイーグル』極超音速ミサイルを中東に配備するよう求めた。承認されれば、米軍初の極超音速ミサイルの配備となる。米国の開発は大幅に遅れ、ロシアと中国が独自の極超音速ミサイルを配備する状況にもかかわらず、完全に運用可能とは公表していない。米国とイランとの間では4月9日から停戦が継続しているが、今回の要請は、トランプ大統領が実行を決断する場合に備え、米軍がさらなる攻撃の準備を進める様子をうかがわせる」と報じています。このままイランが妥協しないようなら、トランプ氏が大規模な軍事行動の実施を命令する可能性も浮上しています。
本日のドル円は155円〜158円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/23 | 片山・財務大臣 | 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 | -------- |
| 4/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 | -------- |
| 3/30 | パウエル・FRB議長 | 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 | 債券と株が買われ、金利は低下。 |
| 3/27 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 | -------- |
| 3/27 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 | -------- |
| 3/23 | デーリー・SFシスコ連銀総裁 | 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 | -------- |
| 3/23 | グールズビー・シカゴ銀総裁 | 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 | -------- |
| 3/18 | パウエル・FRB議長 | 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 | 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。 |
| 3/18 | FOMC声明文 | 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 | -------- |
| 3/15 | ライト・エネルギー長官 | 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 | -------- |
| 3/15 | ハセット・NEC委員長 | この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 | -------- |
| 3/15 | アラグチ・イラン外相 | 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 | -------- |
| 3/14 | トランプ大統領裁 | 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 | -------- |
| 3/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 | -------- |
| 3/3 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 | -------- |
| 3/3 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 | -------- |
| 3/2 | 氷見野・日銀副総裁 | 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



