「ドル円156円94銭まで反落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は大きく下落。日米首脳の会談で、双方とも円が過小評価されているとの認識で一致していたことが材料に。前日のNYで159円台まで買われたドル円は157円割れまで急落。
- ユーロドルは小幅に反発し、1.1410まで上昇。
- 株式市場では、原油価格が下落し米金利も低下したことで3指数が揃って上昇。ダウは478ドル買われ、ナスダックも129ポイント上昇。
- 債券は買われ、長期金利は5.16%に低下。
- 金は反発し、原油は2ドルを超える下落。
8月耐久財受注 → 0.0%
9月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 48.1
***************************
| ドル/円 | 156.94 〜 157.76 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1387 〜 1.1410 |
| ユーロ/円 | 178.71 〜 179.60 |
| NYダウ | +478.64 → 51,828.62ドル |
| GOLD | +23.20 → 4,321.20ドル |
| WTI | −2.20 → 92.41ドル |
| 米10年国債 | −0.037 → 5.160% |
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合議事録(7月30日−31日分)
本日のコメント
24日のNYでは、米利上げ観測の高まりから159円03銭まで買われたドル円でしたが、翌日のNYでは157円を割り込む水準までドルが売られました。先週のコメントでは「上昇スピードがやや速すぎる」とのコメントを残しましたが、やはり160円テストはかなわず、155−160円のレンジに収斂しそうな気配です。そして、そのどちらかがブレイクされるとしたら、今週末の「米9月の雇用統計」ということになりそうです。円が急速に買い戻された背景は、これまで財務長官、財務大臣レベルでの円安けん制でしたが、日米のトップが為替水準にも言及してきたことが挙げられます。高市首相は、現地時間22日にニューヨークで実施した日米首脳会談で、一般論として「円の過小評価は問題である」と、トランプ大統領に伝えたと語っていました。会談ではトランプ氏から、「円安によって米国の貿易が厳しい」といった懸念を示されたとのことです。また、片山財務大臣も25日午後に行ったブルームバーグとのインタビューで、「高市氏は金融緩和や財政拡張を志向するリフレ派ではない」と強調。「日銀の独立性を尊重している」とも述べ、財政運営や金融政策への影響を巡る投資家の懸念を打ち消していました。さらに、円安傾向が続く為替市場では、「高市、トランプ両政権下では行動をとることに躊躇しないとまで言っている」と話し、これが先週末の東京時間からドル売りにつながっていました。
先週はトランプ大統領の異例な歓迎で幕を開けた「米中首脳会談」が話題を集めましたが、「華やかな演出」の割に成果はほとんどなかった模様です。トランプ氏は「有意義な会談だった」と、いつもの常套句で会談を称賛していましたが、目に見える成果は、中国が2027年から2年間、米国からの石炭輸入を拡大するというものだけでした。一方、中国の習近平主席はトランプ氏に「米国側が台湾独立に反対するという正しい立場を堅持し、台湾問題を慎重に処理するよう望む」と、自国の主張を明確に言い切りました。このように、今回の会談では中国側の方が成果を得たと言えます。驚きだったのは、「米国と中国は第2次世界大戦中に同盟国だった」と、トランプ氏が述べたことです。米中が対立するのではなく、もっと親しくすべきだという意図を持った発言だとは思いますが、同盟国として戦った相手は、もちろん日本です。ここに、トランプ氏にとって、今最も親しくしたい国は日本ではなく中国だということが透けて見えたということです。日本側は、米国と最も親しい同盟国は日本だと考えていますが、米国側はそうでもない可能性がありそうです。・・・「同床異夢」。ブルームバーグは、「中国は成果文書に『中国と米国は第2次世界大戦中に同盟国として共に戦い、勝利を収めた。そのことを両国首脳が振り返った』との文言を入れた。ホワイトハウスのファクトシートにも、ほぼ同じ表現が盛り込まれた」と、報じています。さらに年内、11月と12月にも首脳会談を行うことで両国が合意しています。
先週末はWTI原油価格が下落し、92ドル台で取引を終えていますが、イラン情勢は膠着状態が続いています。イランのアラグチ外相は、海上封鎖の終了と資産凍結の解除などに米国側が応じれば、「ホルムズ海峡を7日以内に解放する」と述べていましたが、トランプ大統領は26日、これを拒否したと述べました。トランプ氏は、「彼らは提案をしてきたが、私は拒否した」と発言。イランについて、「苦境に陥っているため、海峡を直ちに開放するという合意を望んでいる」と述べ、米軍が実施している海上封鎖措置により、イランに対する経済的圧力が一段と強まっているとの認識を示しました。この報道で、早朝アジアの原油先物市場では、すでにWTI原油価格が93ドル台後半まで上昇しています。
本日のドル円は156円70銭〜158円50銭程度を予想します。
佐藤正和の書籍紹介
これだけ! FXチャート分析 三種の神器 |
チャートがしっかり読めるようになるFX入門 |
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/24 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 | -------- |
| 9/24 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 | -------- |
| 9/24 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 | -------- |
| 9/23 | ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 | -------- |
| 9/18 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 | -------- |
| 9/16 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 | -------- |
| 9/16 | ウォーシュ・FRB議長 | 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 | ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
| 8/28 | ウォーシュ・FRB議長(ジャクソンホールでのシンポジウムで) | 「インフレ率を2%の目標に戻す」、「私の判断基準はこうだ。基調的なインフレが明確かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない。そうでなければ、われわれにはやるべきことがある。それがわれわれの仕事だ」、「やるべきことがある」、「私はきょう、特定の政策決定ではなく、規律を重んじる決意を持ってここに立っている」と述べ、さらに、「インフレ率が2%を上回っている中、FRBは現時点で、最大の重点を物価に置くべきだと」 | ドル円は159円台半ばから160円20銭まで上昇。米金利高、株安が進む。 |
| 8/27 | ベッセント:財務長官(介入に対するウォーレン上院議員への回答で) | 「日本は米国債の主要な保有国だ」、「円相場が無秩序な動きとなれば、ポジションの強制的な巻き戻しを引き起こす。そうなれば、世界の市場を不安定化させ、最終的には米国の家計や企業の借り入れコストを押し上げる可能性がある」 | -------- |
| 8/13 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「現在のインフレ高止まりの大部分は、いずれ収まるはずのショックによるものだ」、「インフレ率はあまりに長く高すぎる水準にあり、企業や消費者の物価見通しが上振れするリスクがある」、「そうなれば、インフレ率を目標まで完全に引き下げるために追加の対応が必要になる」 | -------- |
| 8/13 | ハマック・クリーブランド連銀総 | 「こうした数字が低めに出ているのは良いことだ。ただ、この傾向が今後も続くのか、あるいはインフレ率を2%の水準まで押し下げるほど十分に低い数字が続くのか、確信は持てない」、(金利に関して)「今こそ行動する必要がある」 | -------- |
| 8/12 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「経済データ次第では、9月にも利上げを支持する可能性がある」、「最新の雇用者数の数字を過度に重視すべきではない。失業率は比較的安定している」、「強弱が入り交じる労働市場データよりも、インフレのリスクの方が大きい。注視すべき点は多いが、インフレ率は高過ぎる」 | -------- |
| 8/11 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「現在、米経済が直面する最大の問題だ」、(指標は)「労働市場は良好とは言えないものの、安定していることを示している。消費者が健全な状態を維持する限り、経済も健全な状態を維持するだろう」 | -------- |
| 8/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「今後発表される経済指標を見極めながら、今こそ緩やかな利上げを開始するべき時だ」、「政策当局が対応を先送りし、高インフレが定着すれば、より大幅な利上げを余儀なくされる可能性がある」(7月31日)、「現時点ではなお判断できない」、「インフレ率がこのまま横ばいで推移する、あるいは一段と悪化するようであれば、インフレを再び押し下げるため、政策金利を段階的に調整し始める必要があると思う」、(年末までに3回の利上げを実施する可能性があるかとの質問に)、「それは不可能ではない」 | -------- |
| 8/5 | クック・FRB理事 | 「近いうちに持続的なディスインフレの兆候を確認できなければ、私は行動を取る用意がある」、「目標を上回るインフレが5年間続いていることから、高いインフレ率が価格や賃金の決定行動に定着してしまうリスクが高まっている。そうした持続性はわれわれにとって、対処がはるかに困難になる」、「関税の影響が薄れることや、原油価格が下落する可能性、さらにAIブームに関連する一部の圧力低下によって、インフレが和らぎ、より引き締め的な政策は不要になる可能性もある」(それでも)、「この講演から一つだけ持ち帰っていただくとすれば、それは私が物価安定の回復に断固として取り組んでいるということだ。インフレ率を目標へ下げることが最優先であり、議会がFRBに課した2つの使命を達成する上でそれは欠かせない」 | -------- |
| 8/4 | ベッセント・財務長官 | 「問題なのは円の水準だ。それが別の問題を引き起こしたり、競争的な通貨切り下げを招いたりする恐れがある。それは健全ではない」、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても極めて重要だ」、「日本とは緊密に連絡を取り合っている」、「米経済や米国の納税者の利益にかない、世界経済の安定化にもつながる形であれば、日本を支えるために必要なことは何でもする」、(円安の影響が物価に波及していることを挙げ)、「円安によってエネルギー輸入コストが押し上げられている」、「円が大幅に下落すれば、他の通貨もそれに追随することになる。韓国ウォンで過度な変動が見られている。中国人民元は過小評価されていると考える向きも多い」、(円相場を安定させる上で日本銀行の利上げが必要か問われ)「日銀が取るべき対応について先回りして判断するつもりはない」、(植田日銀総裁とは15年来の付き合いがあるとし)、「必要なことは実行すると信じている。介入に続いて、政策面での後押しが必要になる。そうした対応が行われると強く確信している」 | -------- |
| 8/3 | ベッセント・財務長官 | (協調介入を実施したことについて)「財務省および日本銀行の当局者と緊密に連絡を取り合い、状況を注視し続けている。必要であれば、さらなる協調介入をためらわない」、「米国は、円の著しい過小評価を是正するため、日本が断行した市場対応および金融政策を強く支持する」 | -------- |
| 8/3 | 片山・財務相 | (為替介入を実施したことについて)「最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものだ」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



