今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米国イラン、60日間の停戦延長か?」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 東京時間に159円65銭近辺まで買われたドル円は小幅に反落。原油価格の下落に伴い159円11銭まで売られたが、ドルの下げは限定的。
  • ユーロドルは1.16台前半から半ばで推移。
  • 株式市場では3指数が揃って最高値を更新。イラン情勢の改善報道にナスダックとS&P500は6連騰。
  • 債券は買われ、長期金利は4.44%台に低下。
  • 金は反発し4500ドル台に。原油は下げる場面があったものの、結局小幅高。
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4月個人所得 → 0.0%
4月個人支出 → 0.5%
4月PCEデフレータ(前月比) → 0.4%
4月PCEデフレータ(前年比) → 3.8%
4月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.2%
4月PCEコアデフレータ(前年比) → 3.3%
4月耐久財受注 → 7.9%
1−3月GDP(改定値) → 1.6%
新規失業保険申請件数 → 21.5万件
4月新築住宅販売件数 → 62.2万件
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ドル/円 159.11 〜 159.49
ユーロ/ドル 1.1616 〜 1.1661
ユーロ/円 185.15 〜 185.65
NYダウ +24.69 → 50,668.97ドル
GOLD +50.90 → 4,532.40ドル
WTI +0.22 → 88.90ドル
米10年国債 −0.035 → 4.447%

本日の注目イベント

  • 日 5月東京都区部消費者物価指数
  • 日 4月失業率
  • 独 独5月雇用統計
  • 独 独5月消費者物価指数(速報値)
  • 米 5月シカゴ購買部協会景気指数
  • 加 カナダ1−3月期GDP

本日のコメント

米国とイランとの戦闘終結に向けた話し合いがどこまで進展しているのかを巡る報道に、為替、株、債券が一喜一憂する展開が続いています。トランプ大統領は27日、ホルムズ海峡を単独で支配する国はないとの認識を示し、イランとの戦争解決に向けた主要な争点を浮き彫りにしていましたが、その数時間後、米軍はイランの軍事施設に攻撃を実施しました。米当局者によると、攻撃は防衛目的で、既存の停戦維持を意図したものだったようです。中央軍は、商船に向けて発射されたイランの自爆型攻撃ドローン4機を撃墜したほか、海峡近くのイラン南部バンダル・アッバスにある別のイランのドローン発射ユニットも攻撃したことを発表しました。合意に向けた交渉が再び暗礁に乗り上げたと思いきや、昨日は「米国とイランが60日間の停戦延長と、イランの核開発計画を巡ってさらなる協議を開始することで暫定合意に達した」との報道です。

ニュースサイトのアクシオスは、協議に関与した米当局者2人の話として、「両国が停戦を60日間延長し、イランの核開発計画をめぐる交渉を再開することで合意した」と報じました。ただ、合意にはトランプ大統領の承認がなお必要で、トランプ氏は「数日間」の検討時間を求めたとのことです。ベッセント財務長官も、「交渉団で協議が続いている」と述べながらも、「トランプ氏が掲げる3つの『レッドライン』への対処は、いかなる合意においても不可欠な条件だ」と強調。具体的には、ホルムズ海峡の再開、イランによる高濃縮ウラン引き渡し、核開発計画の終了を挙げていました。また同氏は、「すべては大統領がどう判断するかにかかっている。トランプ大統領は米国民や米国にとって不利益となる合意を結ぶことはない」と語っていました。一方イラン学生通信(ISNA)によると、同国議会の国家安全保障委員会メンバーであるファダ・ホセイン・マレキ議員は、「協議が大きな進展を見せており、米国はイラン側の要求の大半を受け入れた。ただ、イラン側が提示した条件の一部については、なお米国側の判断が必要だとしている。詳細には言及していない」(ブルームバーグ)と、交渉が進んでいることを報じています。

これらの報道を受け、一時は合意に悲観的な見方が強まり、買いが先行していたWTI原油価格は87ドル台まで下げる場面があり、ドル円も159円11銭まで小幅ながら下落しました。アクシオスによると、暫定合意の下でイランは30日以内にホルムズ海峡から全ての機雷を撤去する必要がある。ただ、イランがこの合意案に署名する用意があるかは、まだ確認できていない状況です。イラン攻撃から3カ月が経過し、双方の小競り合いは観られるものの、合意の可能性は高まっているように思えます。ただ、実際に合意が確認されるのか、また海峡が開放されるのかについては、依然として慎重な見方が多いのも事実です。

セントルイス連銀のムサレム総裁は、ブルームバーグテレビジョンに出演し、4月のFOMC声明から緩和バイアスを削除するよう求めた当局者らに同意するとし、現在の経済環境では利上げの可能性もあることを示す必要性があると述べました。ムサレム氏は「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」と発言。「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」と話していました。また、最近では「ハト派寄り」の発言が目立つNY連銀のウィリアムズ総裁は、労働市場については「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」との認識を示し、インフレへの懸念を理由に、「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」との見方も示しました。

昨日159円65銭前後までドル高円安が進んだ局面でも、当局からは介入どころか、何の動きもありません。一つは、円の下落が極めて緩やかで、「投機的な動き」とは言えないということもあろうかと思いますが、何か不気味な感じもします。「時間稼ぎ」との指摘がある中、来週には「米雇用統計」の発表もあり、結果次第ではさらにドル高が進む可能性もないとはいえません。その時にそなえ、無駄玉は打ちたくないということかもしれません。ただ、今日は週末ということもあり、特に夕方からの時間帯には注意が必要かと思います。

本日のドル円は158円80銭〜159円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/28 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 --------
5/28 ムサレム・セントルイス連銀総裁 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 --------
5/21 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 --------
5/21 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 --------
5/21 小枝・日銀審議委員 (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 --------
5/20 トランプ・米大統領 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。
5/19 片山・財務大臣 「断固たる措置を取るときは取る」 ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。
5/19 トランプ・米大統領 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 --------
5/14 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 --------
5/12 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 --------
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
4/23 片山・財務大臣 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 --------
4/6 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和