「ドル円154円台後半まで続伸」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 153円台でもみ合っていたドル円は続伸。耐久財受注が予想ほど減少していなかったなど、経済指標の上振れを材料に154円台に乗せ、一時は154円87銭まで上昇。
- ユーロドルでもドル高が進み、ユーロは1.1775まで下落。
- 株式市場では3指数が揃って続伸。これまで売られていたハイテク株やソフトウェア銘柄が買われ、ナスダックは175ポイント上昇。
- 債券は売られ、長期金利は4.08%台に上昇。
- 金と原油は大きく反発。
12月耐久財受注 → −1.4%
11月住宅着工件数 → 1322千件
11月建設許可件数 → 1388千件
12月住宅着工件数 → 1404千件
12月建設許可件数 → 1448千件
1月鉱工業生産 → 0.7%
1月設備稼働率 → 76.2%
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| ドル/円 | 153.64 〜 154.87 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1775 〜 1.1848 |
| ユーロ/円 | 181.84 〜 182.54 |
| NYダウ | +129.47 → 49,662.66ドル |
| GOLD | +103.60 → 5,009.50ドル |
| WTI | +2.86 → 65.19ドル |
| 米10年国債 | +0.025 → 4.083% |
本日の注目イベント
- 豪 豪1月雇用統計
- 欧 ユーロ圏12月経常収支
- 欧 ユーロ圏1月消費者信頼感指数(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 2月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 12月貿易収支
- 米 1月中古住宅販売成約件数
本日のコメント
昨日特別国会が召集され、衆参両院での首相指名選挙を経て、夕方には第2次高市内閣が発足しました。高市首相は18日昼の自民党両院議員総会で、予算案や税制改正法案など、年度内に成立が必要な法案を「一日も早く成立できるよう取り組もう」と呼び掛けていました。われわれ国民にとっては、正直なところ日々の生活に直結する「食品にかかる消費税の2年間凍結」が最も気になるところ。高市氏は、「諸課題の検討を加速させ、国民会議での議論を待って決める」と話しており、夏前には中間案を取りまとめたいとしていました。現時点ではまだ実現するどうかは分かりません。日経新聞の調査によれば、経済学者の8割以上が「凍結するべきではない」と答えていました。
そんな中、国際通貨基金(IMF)は18日、日本経済に関する審査(対日4条協議)終了後に公表した声明で、日本政府に対し消費税減税は避けるべきだとの見解を示しました。高市首相が進める積極財政を巡り、財政健全化の重要性を強調しています。声明では、「短期的には財政政策のさらなる緩和は控え、最近の財政健全化の成果を保持すべきだ」と主張。「財政余力を損なわず、ショックへの対応能力を維持するには財政規律が必要であり、これは国債市場の安定にも寄与する」と分析していました。首相は昨日の会見でも「積極財政」を柱に、長期政権への布石を打っているようにも見えましたが、IMFが警鐘を鳴らした格好です。
ドル円は154円台を回復し、NYでは一時154円87銭までドルが買われ約1週間ぶりの高値を付けました。ただこの動きは、第2次高市政権の発足に伴う「高市トレード」の一環として円が売られたというよりも、ドルが買われたという解釈が適切かと思います。ユーロも対ドルで売られており、ユーロ円はそれほど上昇していません。これまでのように、「円の独歩安」にはなっていません。米経済指標の上振れが引き金だったと見られます。
1月27、28日に開催されたFOMC議事要旨が公開されました。議事要旨では、インフレ率が目標を上回る状況が続いた場合、利上げが必要になる可能性があると、「幾人かの」政策当局者が示唆していました。要旨では「幾人かの参加者は今後の金利決定について、両方向の可能性を示す文言が望ましかったと示唆した。インフレ率が目標を上回る水準にとどまる場合、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを上方向に調整することが適切となる可能性を反映している」と記されていました。また「参加者の大多数は、雇用の下振れリスクがここ数カ月に和らいだ一方、インフレがより持続するリスクはなお残っていると判断した」ことも明らかになっています。1月のFOMC会合では、FF金利の誘導目標レンジを3.5−3.75%に据え置くことを決定しましたが、ウォラー理事とミラン理事が0.25ポイントの利下げを主張し、反対票を投じていました。なお、声明では、過去3回の声明に盛り込まれていた、雇用に対する下振れリスクの高まりを示す文言が削除されていました。また、今回の議事要旨は、「インフレ指標が高止まりする状況下で政策緩和を進めれば、当局者が2%のインフレ目標へのコミットメントを弱めたと誤解されかねないと、幾人かの参加者は警告した」と記されており、少なくとも近い将来は追加利下げに慎重な姿勢を取る当局者が一部に存在することも示唆しています。ドル円はこの議事要旨発表後にもう一度上昇した模様です。
昨日のレポートで、「トランプ大統領がSNSへの投稿で投資第1弾はオハイオ州のガス火力発電所と、ジョージア州の重要鉱物、テキサス州のLNG施設が対象になると明らかにした」ことに触れましたが、この第1弾の投資先はいずれも、今年11月に行われる中間選挙で激戦が予想される州でした。トランプ氏が、昨年後半から続いている「トランプ離れ」をくい止めるため、日本からの巨額の投資資金を利用してこの地域からの支持を得ようとしている意図が見え見えです。日経新聞は、「米政治サイト『リアル・クリア・ポリティックス』によると、トランプ大統領の平均支持率は『不支持率』を下回っており、政権は有権者の支持につながる施策に力を入れている。ガス火力発電で333億ドルを投じる中西部オハイオ州は、共和党・民主党とも最も注力している。バンス副大統領の地元だが、上院選・州知事選とも拮抗している。特に州知事選は民主党候補の支持率が急激に伸び、共和党候補を上回った」と報じていました。ドル円は154円台後半まで上昇したことで、短期の「2時間足」まではローソク足が「雲抜け」を完成させています。152円を割り込まなかったことで、ドルが底堅い動きを見せています。筆者は、短期的なドル下落を予想していましたが、現時点でもまだその見方を維持しています。目先は「転換線」がある155円02銭レベル、さらには日足の「雲の下限」である156円14銭辺りが重要と見ています。また、「MACD」でも、ゴールデンクロスをしそうな気配ですが、依然として「マイナス圏」である点にも注目しています。
本日のドル円は154円〜155円50銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/17 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 | -------- |
| 2/11 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 | -------- |
| 2/10 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 | -------- |
| 2/10 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 | -------- |
| 2/5 | ECB声明 | 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 | -------- |
| 2/5 | ラガルド・ECB総裁 | 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 | -------- |
| 2/3 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 | -------- |
| 2/3 | ミラン・FRB理事 | 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 | -------- |
| 2/2 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 | -------- |
| 1/28 | ベッセント・財務長官 | (ドル・円相場への米国の介入について質問され)、「絶対にしていない」、(その可能性について)、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」、「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」、「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」、「米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだ」 | ドル円は152円台後半から1円ほど上昇。 |
| 1/28 | パウエル・FRB議長 | 「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」、(労働市場については)「安定化の兆しが見られる」、「過度に踏み込むべきではない」、「冷え込みが続いている兆候もある」、(今後の利下げについて)、「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」、「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」、(中央銀行の独立性について)、「独立性の要は政策当局者を守ることではない」、「国民にとって有効に機能してきた制度的な枠組みに過ぎない」、」(任期が終了した後も理事としてFRBにとどまるかどうかの質問に)、「決めていない」 | -------- |
| 1/20 | カーニー・カナダ首相 | 「世界の中堅国は、攻撃的な超大国の強制に抵抗するために協力しなければならない」、「最近の出来事はルールに基づく国際秩序が事実上死滅したことを示しており、カナダやその他の国々は、世界の大国による圧力戦術や威嚇に対抗するため、新たな同盟関係を構築するしか選択肢がない」、「中堅国は協力しなければならない。交渉の席につかなければ、餌食になるからだ」 | -------- |
| 1/15 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「われわれが直面している最も重要な課題は、インフレ率を2%に戻すことだ」、「労働市場に関するこれまでの懸念はいったん後退した。不透明感から企業は採用を鈍らせているものの、大規模なレイオフには踏み切っていない」、「シカゴ連銀の指標は、労働市場が安定していることを強く示している。依然として強さがあり、かなり堅調だ」、「インフレを2%に戻す軌道に乗せるべく、5年間にわたって取り組んできた。一定の進展はあったが、目標の達成が必要だ。それが実現すれば、金利は引き下げられると思う」 | -------- |
| 1/14 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「この国の長期的なインフレ率にとって、FRBの独立性はこれ以上ないほど重要だ」、(トランプ政権によるパウエル議長への圧力について問われ)「中銀の独立性がないところでは、インフレは勢いよくぶり返す」、「われわれは過去5年間、インフレ率を引き下げるために闘ってきており、それは容易なことではなかった。FRBの独立性が攻撃されれば、その問題はさらに悪化する」 | -------- |
| 1/14 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「トランプ大統領が過去1年間にFRBに圧力をかけてきたのは、金利が原因だ」、「政策担当者は今年後半に再び利下げを行う可能性はあるが、今月末の次回の会合では金利は据え置かれるべきだ」 | -------- |
| 1/14 | 三村・財務官 | 「最近の為替について、経済的なファンダメンタルズを反映しているようには見えない」、「最もいけないのはボラティリティー(大きな変動)だ。円安に伴う輸入インフレのデメリットが目立つという声もいろんなところから聞こえてくる」 | -------- |
| 1/14 | 片山・財務大臣 | (足元で進む円安に)「極めて遺憾であって憂慮している。その見方については日米財務相ともに共有した」、(日本政府としては)「日米財務相共同声明の考え方を踏まえて、投機的な動きを含めて行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」 | -------- |
| 1/8 | ミラン・FRB理事 | 「約1.5%の利下げを想定している。この想定はインフレに関する私の見解に大きく基づいている」、「基調的なインフレはFRBの目標からノイズのレンジ内で推移しており、総合インフレが中期的にどのようになるかを見極める良い示唆になっている」 | -------- |
| 1/8 | ベッセント・財務長官 | (FRB議長人事の決定時期はダボス会議)「その直前か直後になる可能性がある。1月中だと思う」、(金利は高過ぎるかとの質問に対して)、「現在の金利水準は中立金利を依然として大きく上回っている。景気抑制的なスタンスであるべきではないと考えている」、(適切な金利水準について)、「多くのモデルでは2.50−3.25%程度を示すだろう」 | -------- |
| 1/6 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「現在の金利水準が、中立と推定されるレンジ内にある」、「今後の政策運営については、2大責務の両面での進展を見極めながら、きめ細やかな判断が求められる」、「採用率が低い中で、労働市場のさらなる悪化は誰も望んでいない一方、インフレ率が目標を上回る状態が5年近く続いており、高インフレ期待の定着も避けたいところだ。まさに微妙なバランスだ」 | -------- |
| 1/6 | ミラン・FRB理事 | 「政策が中立水準付近にあるとは、かなり言いがたい。現状は明らかに景気に抑制的であり、経済の足かせになっている」、「今年は100ベーシスポイントを大きく超える利下げが正当化されると考えている」 | 株価の上昇に寄与。 |
| 1/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「景気の底堅さを踏まえ、今は中立にかなり近い状態だと推測される」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



