今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米1月のCPI、上昇率が鈍化」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 153円台前半で取り引きが始まったドル円は、1月のCPIが予想を下回ったことで米金利が低下。ドル円は152円60銭まで売られる。
  • ユーロドルは引き続き1.18台半ばから後半で推移。
  • 株式市場はまちまちの展開。ダウとS&P500は小幅に上昇したものの、ナスダックは小幅安。
  • 債券は買われ、長期金利は4.04%台に低下。
  • 金は大きく反発し、原油は小幅高。
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1月消費者物価指数 → 0.2%(前月比)、2.4%(前年比)
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ドル/円 152.60 〜 153.33
ユーロ/ドル 1.1848 〜 1.1885
ユーロ/円 181.20 〜 181.87
NYダウ +48.95 → 49,500.93ドル
GOLD +97.90 → 5,046.30ドル
WTI +0.05 → 62.89ドル
米10年国債 −0.050 → 4.048%

本日の注目イベント

  • 日 10−12月GDP(速報値)
  • 日 12月鉱工業生産(確定値)
  • 欧 ユーロ圏12月鉱工業生産
  • 米 株式、債券市場休場(プレジデンツデー)
  • 加 カナダ1月住宅着工件数

本日のコメント

1月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比で緩やかな伸びでした。市場には大幅に加速するとの見方も一部にありましたが、それを打ち消す格好となり、FOMC会合での追加利下げ観測が幾分強まりました。総合CPIは前月比で、「0.2%」と、昨年7月以来の低い伸びで、前年比では「2.4%」と、いずれも市場予想を下回る結果でした。企業は年初に価格を引き上げる傾向があることから、1月のインフレ指標は近年強い数字となり、予想を上回ることも多かったことから、多くのエコノミストはコアCPIがさらに大きく上振れる可能性を指摘していたほか、企業が関税関連コストを一段と消費者に転嫁するとの見方も出ていました。CPI統計を受け、市場ではFRBが年内に3回利下げするとの予想もやや強まり米金利が低下。ドル円を152円台半ばまで押し下げました。ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、アナ・ウォン氏とトロイ・デュリー氏は「仮に1月のCPIが強い内容だったとしても、それを額面通りに受け取るべきではないと、われわれは注意喚起していただろう。だが今回の統計が例年の1月に比べてかなり落ち着いていたというのは、一定のシグナルだといえる」と、今回1月のCPIの下振れに注目していました。

中国の王毅外相はドイツで開催されたミュンヘン安全保障会議で登壇し、前日の小泉防衛相による日中対話の呼びかけを受け入れず、現在の緊張関係を緩めない姿勢を示しました。王氏は「日本が自らの過ちを悔い改めなければ、歴史は繰り返されるだけだ。かつて歩んだ道の先には行き止まりが待っている。再びギャンブルに出ようとするのなら、損失はより早く訪れ、その影響も一層壊滅的なものになる」と強い口調で警告していました。王氏はさらに、高市首相を名指しで批判し、台湾に関する同氏の発言は「中国の領土主権を直接侵害し、台湾が中国に返還されたという事実そのものを否定するものだ」と述べました。また質疑応答では、高市氏の発言が「日本の対中コミットメントに完全に違反している」と述べ、「中国がこの挑発を受け入れる可能性があるだろうか。あり得ない」と続けました。王氏は続けて、ナチス時代の犯罪に対してドイツが行った「清算」と、戦時の過去や「英霊」をまつる神社に対する日本の対応を、対比して説明し、日本には「台湾への侵略と植民地支配への野心が残っており、いまだに軍国主義の亡霊に取りつかれている。日本国民が極右の過激派にだまされ、引きずられるようなことがあってはならない」と述べていました。高市氏の台湾有事に関する発言は、中国を相当刺激したと想定はしていましたが、外相が公の会議の場で、これほど強い口調で非難するのは異例です。今回の衆院選で「高市一強」が実現したことへの危機感の表れかもしれません。外務省は、中国の王毅外相がミュンヘン安全保障会議で日本に関して不適切な発言を行ったとして、外交ルートを通じて厳正な申し入れを行ったことを明らかにしています。

中国の習近平国家主席は、共産党機関誌「求是」のウェブサイトで、「消費の押し上げと投資拡大の取り組みを連携させ、中国の超巨大市場の優位性を十分に発揮すべきだ」と発言し、「民生の改善や将来の成長促進、投資の安定に注力する必要がある」と語っていました。ブルームバーグは習氏の発言について、「米国との貿易戦争にもかかわらず、昨年の中国の貿易収支は過去最大の黒字となった。しかし、習氏の発言は、中国が国外情勢の不確実性に身構えていることを浮き彫りにし、中国当局が国民14億人の消費を喚起する決意を固めつつあることをうかがわせる。背景には、世界各国で自国産業の脅威となる安価な中国製品に対する反発が強まっていることがある」と分析していました。

最後に、興味深い記事がありました。イギリスの外務省が14日、「ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が2年前にシベリアの刑務所で死亡したのは、エクアドル・ヤドクガエル(ヤドクガエル科)の皮膚から抽出される強力な神経毒が原因だ」と発表しました。この猛毒「エピバチジン」はナワリヌイ氏の遺体から採取した検体より検出され、「同氏の死因である可能性が極めて高い」と、クーパー・イギリス外相がドイツで開かれたミュンヘン安全保障会議で声明を発表しました。声明では、「シベリアの流刑地に収監中のナワリヌイ氏を標的に、この致死性毒物を使用する手段、動機、機会を持っていたのはロシア国家だけであり、同氏が死亡した責任はロシアにあるとわれわれは判断した」としていました。プーチン大統領に対抗する最有力人物だったナワリヌイ氏は、2024年2月に刑務所で死亡。過激主義扇動の罪で19年の実刑に服していた同氏は、当時47歳でした。同氏の支持者や西側諸国の政府はロシア政府に死亡の責任があると主張してきました。イギリスは、スウェーデン、フランス、オランダ、ドイツとの共同声明で、ロシアがこの毒物を開発・使用したのは「公然たる」化学兵器禁止条約違反だと糾弾しました。当初から薬物が使用されたとされていましたが、「やっぱり」という印象です。

本日のドル円は152円20銭〜153円70銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/11 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 --------
2/10 ローガン・ダラス連銀総裁 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 --------
2/10 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 --------
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
1/28 ベッセント・財務長官 (ドル・円相場への米国の介入について質問され)、「絶対にしていない」、(その可能性について)、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」、「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」、「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」、「米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだ」 ドル円は152円台後半から1円ほど上昇。
1/28 パウエル・FRB議長 「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」、(労働市場については)「安定化の兆しが見られる」、「過度に踏み込むべきではない」、「冷え込みが続いている兆候もある」、(今後の利下げについて)、「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」、「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」、(中央銀行の独立性について)、「独立性の要は政策当局者を守ることではない」、「国民にとって有効に機能してきた制度的な枠組みに過ぎない」、」(任期が終了した後も理事としてFRBにとどまるかどうかの質問に)、「決めていない」 --------
1/20 カーニー・カナダ首相 「世界の中堅国は、攻撃的な超大国の強制に抵抗するために協力しなければならない」、「最近の出来事はルールに基づく国際秩序が事実上死滅したことを示しており、カナダやその他の国々は、世界の大国による圧力戦術や威嚇に対抗するため、新たな同盟関係を構築するしか選択肢がない」、「中堅国は協力しなければならない。交渉の席につかなければ、餌食になるからだ」 --------
1/15 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「われわれが直面している最も重要な課題は、インフレ率を2%に戻すことだ」、「労働市場に関するこれまでの懸念はいったん後退した。不透明感から企業は採用を鈍らせているものの、大規模なレイオフには踏み切っていない」、「シカゴ連銀の指標は、労働市場が安定していることを強く示している。依然として強さがあり、かなり堅調だ」、「インフレを2%に戻す軌道に乗せるべく、5年間にわたって取り組んできた。一定の進展はあったが、目標の達成が必要だ。それが実現すれば、金利は引き下げられると思う」 --------
1/14 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「この国の長期的なインフレ率にとって、FRBの独立性はこれ以上ないほど重要だ」、(トランプ政権によるパウエル議長への圧力について問われ)「中銀の独立性がないところでは、インフレは勢いよくぶり返す」、「われわれは過去5年間、インフレ率を引き下げるために闘ってきており、それは容易なことではなかった。FRBの独立性が攻撃されれば、その問題はさらに悪化する」 --------
1/14 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「トランプ大統領が過去1年間にFRBに圧力をかけてきたのは、金利が原因だ」、「政策担当者は今年後半に再び利下げを行う可能性はあるが、今月末の次回の会合では金利は据え置かれるべきだ」 --------
1/14 三村・財務官 「最近の為替について、経済的なファンダメンタルズを反映しているようには見えない」、「最もいけないのはボラティリティー(大きな変動)だ。円安に伴う輸入インフレのデメリットが目立つという声もいろんなところから聞こえてくる」 --------
1/14 片山・財務大臣 (足元で進む円安に)「極めて遺憾であって憂慮している。その見方については日米財務相ともに共有した」、(日本政府としては)「日米財務相共同声明の考え方を踏まえて、投機的な動きを含めて行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」 --------
1/8 ミラン・FRB理事 「約1.5%の利下げを想定している。この想定はインフレに関する私の見解に大きく基づいている」、「基調的なインフレはFRBの目標からノイズのレンジ内で推移しており、総合インフレが中期的にどのようになるかを見極める良い示唆になっている」 --------
1/8 ベッセント・財務長官 (FRB議長人事の決定時期はダボス会議)「その直前か直後になる可能性がある。1月中だと思う」、(金利は高過ぎるかとの質問に対して)、「現在の金利水準は中立金利を依然として大きく上回っている。景気抑制的なスタンスであるべきではないと考えている」、(適切な金利水準について)、「多くのモデルでは2.50−3.25%程度を示すだろう」 --------
1/6 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在の金利水準が、中立と推定されるレンジ内にある」、「今後の政策運営については、2大責務の両面での進展を見極めながら、きめ細やかな判断が求められる」、「採用率が低い中で、労働市場のさらなる悪化は誰も望んでいない一方、インフレ率が目標を上回る状態が5年近く続いており、高インフレ期待の定着も避けたいところだ。まさに微妙なバランスだ」 --------
1/6 ミラン・FRB理事 「政策が中立水準付近にあるとは、かなり言いがたい。現状は明らかに景気に抑制的であり、経済の足かせになっている」、「今年は100ベーシスポイントを大きく超える利下げが正当化されると考えている」 株価の上昇に寄与。
1/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「景気の底堅さを踏まえ、今は中立にかなり近い状態だと推測される」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和