内閣府が16日発表した実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率0.2%増、前期比では0.1%増でした。市場予想はそれぞれ1.6%増、0.4%増だったことで、いずれも市場予想を下回る結果でした。ただ、それでも個人消費は前期比0.1%増と7期連続のプラス。設備投資も0.2%増と2期ぶりのプラスでした。物価高や米国の関税措置、日中関係悪化の影響を受けつつも、日本経済はプラス成長を確保しましたが、「けん引役不在」で勢いは乏しいようです。速報値が市場予想を下回ったことを受け、衆院選での圧勝で政権基盤を強化した高市首相の積極財政に一段と弾みがつく可能性があると指摘されています。ブルームバーグのエコノミストは、「変動の大きい在庫や公共投資の減少が低調な結果につながった。衆院選で大勝した高市首相は財政出動を一段と拡大する可能性が高い」と説明していました。城内経済財政担当相はGDP発表後の談話で、「景気は緩やかな回復が続いている」と評価。「先行きは雇用・所得環境の改善や政策効果が緩やかな回復を支えることが期待される。政府としては、危機管理投資と成長投資を進めるほか、雇用と所得を増やし、潜在成長率を引き上げ、強い経済を実現する」と述べていました。本日(16日)夕方には 高市首相と日銀の植田総裁の会談が予定されています。「高圧経済」と「金融緩和維持」を柱に、積極財政を標榜している高市氏。今後の経済見通しなどを巡って意見交換を行うと見られています。
米連邦最高裁は20日に意見公表を予定しています。ただ、どの案件に判断を下すかは明らかにしていません。トランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき日本などに関税を課したことが合法かどうか争われている訴訟で、最高裁判断が待たれています。連邦政府のデータによれば、係争中の関税は輸入業者に毎月160億ドル(約2兆4500億円)超の負担を強いているそうです。このペースが続けば、同法に基づき徴収された総額は今月20日までに1700億ドルを上回る可能性があると、ブルームバーグは報じています。仮にトランプ氏に不利な判断が下れば、政権2期目で最大の法的敗北となり、常識的にはドルが売られることになります。最高裁はトランプ氏が「解放の日」と呼んだ昨年4月2日に発表した包括的な関税措置と、合成麻薬フェンタニルの米国流入を理由にカナダ、メキシコ、中国に課した関税措置の合法性を審理しています。議会では関税に対する反発を強めつつある兆しも見られます。与党共和党が多数派の下院は11日、共和党内部からの造反もあり、カナダからの輸入品に対する一部関税を終了させる決議案を可決しています。
今週は、週末に「12月のPCEデータ」が発表され注目されます。先週のコメントで、テクニカル的には「ドル高トレンド」が転換した可能性が高いと予想しました。現時点では、ドルは底堅い動きを見せながらも、153円台半ばから上値は重くしています。次の材料待ちというところでしょうか。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
