早朝には100ドルを超えていた「WTI原油先物価格」でしたが、午後には売りに押され98ドル台に戻っています。ドバイ政府広報のXへの投稿によると、ドバイ国際空港は、全ての乗客とスタッフの安全を確保する予防的措置として、運航を一時停止するとしています。また、ドローンの衝突により、国際空港近くで火災が発生し、燃料タンクにも影響が及んだとブルームバーグが伝えています。この報道により、為替はほとんど変わっていませんが、株式市場では日経平均株価が700円程下げています。米国の軍事力との比較では圧倒的に劣勢なイランは、米国を含めた西側諸国が最も混乱すると思われる原油価格を引き上げることで、報復を果たそうとしている節があります。米ゴールドマンによると、「通常1日あたり2000万バレルの原油が通過するホルムズ海峡では、現在1800万バレルが遮断されている。約300万バレルがパイプラインで迂回可能だが、それでも1500万バレルもの原油が行き場を失っている。これにより生産者は約650万バレルの原油と200万バレルの精製石油製品の生産停止を余儀なくされる」と分析していました。まさに原油価格の動向が、今後の世界の景気を左右すると言っても過言ではありません。
高市首相は今週訪米し、19日にはワシントンで日米首脳会談に臨みます。今朝の「アナリストレポート」でも触れましたが、トランプ大統領は日本などに艦船派遣を呼び掛けており、日米首脳会談で正式に艦船の派遣を要請してくる可能性もあります。高市氏は今日の参院予算委員会で、中東情勢を受けた自衛隊の活動について機雷除去、船舶防護、各国軍に対する協力、情報収集などのケースを含め、「すべて根拠法、そして今起きていること、日本でできることできないこと、こういった整理は行っている」と答弁し、関係省庁で議論した上で、決めるとしました。ただ、海上警備行動の発令に関しては「相手方として、国または国に準ずる組織が想定される場合というのは派遣ができない。こういうことになっている。非常に法的には難しい」と指摘。「現行法の範囲内で何ができるのか、何を今行うのがベストなのかということを、しっかりと検討する」と答えています。首相は首脳会談で要請があった場合への対応を問われ、「仮定のことにはお答えしにくい」と述べ、その上で、「日本関係船舶の安全を確保するため、現行法の範囲内で必要な対応を行う方法を現在検討中だ」と述べていました。
ブルームバーグは、「トランプ大統領は自身のSNSで日本や中国などを名指しし、ホルムズ海峡の民間船舶を護衛するための艦船派遣を呼び掛けている。19日の日米首脳会談で直接要請する可能性があり、首脳会談の焦点として急浮上している。日本が船舶防護に加わらないと最終判断をした場合、大統領の反応は見通せず、同盟関係に影響を与える可能性もある」と論評していました。昨年4月の「相互関税発表」時には、「同盟国といえども例外はない」と日本に対しても容赦ない姿勢を見せたトランプ大統領。今度は「同盟国だから・・・」ということで、派遣を要請するのだとしたら、さすがに日本国民も黙ってはいないのでは?
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
