トランプ大統領は5日、ホルムズ海峡の通航が再開しなければ、イランに「地獄」をもたらすと警告しました。イランの発電所などを標的にするとして、7日から攻撃を開始する可能性を示唆しており、その期限は米東部時間4月7日午後8時(日本時間8日午前9時)までとされています。これに対し、イランはトランプ氏による最新の最後通告を拒否。戦争被害の補償が行われるまでは、ホルムズ海峡封鎖の完全解除には応じないとし、湾岸諸国のエネルギー施設を標的とした攻撃を続けています。
それでも、先週末あたりから、ホルムズ海峡を通過する船舶の情報が確認されて来ました。どのような交渉があったのかは現時点では定かではありませんが、商船三井系タンカー2隻とフランスのコンテナ船が同海峡を通過したことが確認されています。イランは、「友好国」に限って船舶の通過を認め、戦費調達の意味あいもあり通航料を徴取することで海峡の通過を認めているようです。
イランは友好国を選別しています。海峡通航の許可が出た主な国は、中国、ロシア、パキスタン、インド、イラク、タイ、トルコなどと発表されており、日本は含まれていません。通航料は、大型原油タンカー「VLCC」では200万バレル程の積載能力を持ち、1バレル当たり1ドルとみられていることから、200万ドル(約3億2000万円)程とされています。日本は、イランを攻撃する米国を支持し、トランプ政権を持ち上げる、「米国に最も友好的な国」と位置づけられているものと思われます。それでも高市首相は6日の参院予算委員会で、中東情勢の沈静化に向け、イランと首脳級を含めた電話会談を調整中だと述べています。高市氏は、「トランプ米大統領がイランの発電所などへの攻撃開始期限として示唆している、日本時間8日午前までにできる限りのことをやろうということで秘書官に指示している」と述べ、外交努力を行う方針を示しました。また、イランとの対話については「ちょうど調整中の状況だが、トップレベルの会談も含めてあらゆる方法について追求をしている」と答弁していました。
週明けアジア市場では、WTI原油価格が大きく上昇して始まり、一時は114ドル台まで買われまでしたが、日経平均株価が買われると原油価格の上昇にストップがかかり、前場で800円程上昇するとマイナスに転じています。ドル円も小動きながら売られ、159円台半ば近辺で推移しています。ただ、円の長期金利はさらに上昇し、2.415%前後まで上昇。約27年ぶりの高水準を記録しています。原油価格の上昇に加え、財政懸念が根底にあるものと思われます。 筆者は、今月30日からの日銀決定会合では、もともと利上げはなく、6月会合での利上げを予想していましたが、やや分が悪く、4月会合での利上げ予想が増えて来ました。それでも、決定会合までのタイミングで日経平均株価が5万円あたりを試すような展開であれば、見送られる可能性もまだありそうです。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
