今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
4月20日 〜 4月26日
ドル/円
155.00〜160.00
ユーロ/円
184.00〜190.00
豪ドル/円
111.50〜115.00

来週から開催される日銀金融政策決定会合では、高まっていた利上げ観測が急速に後退しましたが、それでもまだ利上げの可能性を完全に排除することはできません。植田総裁は、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の会見で、金融政策はデータや情報を基に各会合で見通しの実現確度とリスクを点検して判断すると説明。原油高に伴う物価上振れリスクと交易条件悪化による景気下振れリスクの両方があり、「政策対応は非常に難しい」と述べていました。今回の記者会見は、日銀が今月27、28日に開く金融政策決定会合前の重要な情報発信の場として市場で注目を集めていましたが、植田総裁は、中東情勢の経済・物価などへの影響を直前まで見極めて政策判断を行う姿勢を改めて示しました。また、実質金利は中期ゾーンまで非常に低い水準にあるとし、「金融環境は非常に緩和的であることも考慮しつつ、政策を決めていく」としました。緩和的環境は「いくつかの海外の経済と違う」とも指摘しています。

日本の債券市場では原油高に加え財政懸念もあり、長期金利は一時2.49%と、2.5%に迫る水準まで上昇し、1997年以来の高水準を記録しています。ここまで長期金利が急騰すると、心配なのは原油高というよりも、金利高にともなう一段の財政悪化ではないかと思います。

以前にも指摘しましたが、金利高に伴い新規発行の国債の利払いが急速に増えることになるからです。財務省は今年2月に発表した「令和8年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」の中でもすでに、「最悪のケースでは2035年度には国債の利払い費が、26年度の3.5倍となる45兆円に急増する」との試算を行っています。試算によると、基本シナリオでは今年度の歳出予算およそ122兆円のうち、利払い費は15.5兆円(国債費全体では31.3兆円)です。これは国債のクーポンを「3.0%」とし、29年度は「3.6%」まで見込んだ上での試算です。ただ、ストレステストとして、金利がさらに「1%」上昇したケースでは、30年度には利払い費が28.8兆円、35年度には45.2兆円となり、26年度と比べて3.5倍に膨らむと試算しています。(参照:財務省HP「令和8年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」)その結果、29年度の歳入と歳出の差であるプライマリー・バランスは36.3兆円の赤字ということになります。加えて、高市政権が積極的に勧めている「責任ある積極財政」があります。高市政権が長期政権になればなるほど赤字が増えることも予想されます。

これらの見通しが原油高と相まって円売り・ドル買い、さらには債券売りにつながっている側面があるということです。イラン戦争はいずれ終結しますが、財政の立て直しは一朝一夕にはできるものではありません。

4月20日付け日経新聞の「核心」欄で、「続・トランプ大統領への手紙」を興味深く読みました。そこでは、「第2次トランプ政権で、世界の主要国に高関税を賦課し、今度はイランを攻撃。世界を驚かした」その結果、「世界の分断は加速し、米国内の社会分断も深まっている」と分析。それでも本欄筆者は、「私は米国が『世界をまとめ上げる力』を取り戻すことをまだ期待しています。第3次世界大戦が起こる前に・・・」と結んでいました。今や世界で、同時に3カ所で戦争が起きています。

今週の注目材料

  • 4/20(月)
    独 独3月生産者物価指数
    加 カナダ3月消費者物価指数
  • 4/21(火)
    独 独4月ZEW景気期待指数
    英 英3月失業率
    英 英ILO失業率(12−2月)
    米 3月小売売上高
    米 3月中古住宅販売成約指数
    米 上院銀行委員会、ウォーシュ次期FRB議長指名公聴会
    米 決算発表 →GE、MSCI、ユナイテッド
  • 4/22(水)
    日 3月貿易統計
    欧 ユーロ圏4月消費者信頼感指数
    欧 ラガルド・ECB総裁講演
    英 英3月消費者物価指数
    米 決算発表 →フィリップモリス、AT&T、ボーイング、ムーディーズ、テスラ、IBM
  • 4/23(木)
    日 片山財務相インタビュー(ブルームバーグ)
    独 独4月製造業PMI(速報値)
    独 独4月サービス業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)
    英 英4月製造業PMI(速報値)
    英 英4月サービス業PMI(速報値)
    米 4月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
    米 4月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
    米 4月S&Pグローバル総合PMI(速報値)
    米 新規失業保険申請件数
    米 決算発表 →ロッキード、ブラックストーン、アメックス、インテル
  • 4/24(金)
    日 3月消費者物価指数
    独 独4月ifo景況感指数
    英 英3月小売売上高
    米 4月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
    米 決算発表 →P&G
    加 カナダ2月小売売上高
  • 4/25(土)
  • 4/26(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。