東京時間の朝方10時前後、「イランがホルムズ海峡再開に向け新提案」との一報に、ドル円は159円40銭台から下げ足を早め、日経平均株価も上昇。日経平均株価は一時1000円以上も上昇し、6万円台を回復しています。ドル円も午後には、159円15銭まで円が買い戻されました。
米ニュースサイトのアクシオスが、米政府高官1人と事情に詳しい関係者2人の話として報じたところによると、パキスタンの仲介を通じて伝えられた同案は、恒久的な戦闘終結に向けて協議を進めるために停戦の延長を求めています。協議はその後に行われる見込みで、米国によるホルムズ海峡封鎖が解除された後に限るとしています。パキスタンの仲介者はこの提案を米国側に渡しましたが、米国が検討する意向かどうかは不明だとアクシオスは報じていました。イラン戦争を巡る和平協議の再開に向けた取り組みは、先週末に頓挫しており、再開のメドは立っていない状況でした。報道によると、パキスタンの仲介者を通じて米側に伝えられた提案は、戦闘の恒久停止に向けた協議を進めるため、停戦延長を求めている一方、核協議については、米国が実施するホルムズ海峡の封鎖解除を前提にその後に先送りするとのことです。アクシオスによれば、パキスタンの仲介者はホワイトハウスに提案を渡したが、米側が検討する意向かどうかは不明とのことです。トランプ大統領は27日、ホワイトハウスのシチュエーション・ルームで、国家安全保障および外交当局者と会議を開催する予定だとしています。ホワイトハウスのウェールズ報道官は「デリケートな外交協議であり、米国はプレスを通じて交渉しない。大統領が述べた通り、米国が主導権を握っており、米国民を優先する取引だけを行い、イランの核兵器保有は決して許さない」とのコメントを電子メールで公表しました。アクシオスの報道を受け、原油価格先物は上げ幅を縮小し、米株価指数先物は下げから上昇に転じています。
さらに市場では、米共和党ティリス上院議員が、トランプ大統領が次期FRB議長に指名したケビン・ウォーシュ氏の承認阻止を撤回すると表明したことも好感されています。ティリス議員はNBCの番組で「ウォーシュ氏の承認手続きを進める用意がある」と述べています。同氏の翻意により、5月15日に任期満了を迎えるパウエル議長の後任として、ウォーシュ氏の迅速な承認に道が開かれる公算が大きいと見られます。上院銀行委員会で鍵を握る立場にあるティリス氏はこれまで、パウエル議長が連邦検察当局の捜査対象となっている間はウォーシュ氏の承認を阻止する考えを示していました。同氏はこの捜査について、中央銀行の独立性への攻撃だと批判していました。ティリス氏は、パウエル議長とFRBを巡る刑事捜査について司法省から、「完全に解決済み」とする説明を受けたことで、ウォーシュ氏の承認阻止を撤回することを決めた模様です。ホルムズ海峡を巡る動きが、今後も相場の行方を決めることに変わりはありませんが、今週は「中銀ウィーク」です。明日の日銀決定会合では「政策金利の据え置き」が予想されます。足元のドル円が160円をうかがう微妙な水準で推移しているだけに、今回の植田総裁の会見は「タカ派的」な内容が予想されます。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
