今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
9月30日 〜10月6日
ドル/円
106.50〜109.00
ユーロ/円
116.00〜120.00
豪ドル/円
72.00〜75.00

ドル円は先週金曜日のNY市場で再び108円台に乗せ、108円18銭まで上昇しました。9月も本日で終わり、明日からは10月です。今年の相場がこのまま大きな動きもなく終わるとは思えませんが、年々ドル円の値幅が縮小しているのは事実で、まだ年間の値幅に触れるのは早い気もしますが、気にはなっています。足元の108円前後の水準が、居心地がいいのか、結局この水準に戻っています。

今年は4月に112円40銭のドル高値を付け、その後8月には104円46銭までドル安が進み、現在の水準はちょうどその値幅の中間に近いところにいます。米中通商協議を巡っては、「合意」に至るにはまだまだ時間がかかると見られますが、来週には閣僚級の会合が再開されることで楽観的な見方も出ています。一方、新たな懸念材料が降って湧いたように出て来ました。トランプ大統領のウクライナを巡る弾劾調査の動きです。ペロシ下院議長は、正式に弾劾調査を開始すると述べ、米下院情報特別委のシフ委員長は、トランプ大統領に対する正式な弾劾調査開始のきっかけとなる内部告発を行った人物から早急に話を聞く考えを示しています。シフ氏は、「われわれは証言を得る」とも述べています。この問題がさらに拡大するようだと、大統領選を控えているトランプ氏にとって想定外のマイナスイメージになる可能性もあり、成り行きを注目していく必要があります。

加えて今週は週末には恒例の「雇用統計」があります。最近は雇用統計の結果が出ても、以前ほど市場は反応せず、概ね通常の週末と変わらない動きになっているため、今回も余程市場予想から大きく乖離しない限り静かな動きになりそうです。現時点での予想は、非農業部門雇用者数が14.5万人と、先月実績よりは若干強めの予想で、失業率は先月と同じ3.7%となっています。今週は明日発表されるISM製造業景況指数も注目されます。米国の足元の景気は、「良くも悪くもない」といった状況で、日欧に比べれば「良好」といったところです。個人消費が引き続き好調な一方、製造業が減速傾向を示しています。特にISM製造業景況指数は8月分が「49.1」と、約3年ぶりに低水準を記録し、製造業の低迷を印象付けています。9月分の予想は「50.1」と、拡大・縮小の節目である「50」を超えると予想されていますが、予想を下回るようだと、ドルの下落要因になると見られます。もっとも、それでもドル円は上昇しても下落しても明確なモメンタムが出てきません。そんな中、ユーロドルが1.10を割り込み、下落傾向を鮮明にしてきました。ユーロドルがさらに下落して1.07方向を目指すようだと、ドル円でもドル買い円売りの動きに伝播する可能性があるため、ユーロの動きには注目したいと思います。ドル円の上値のメドは、108円台半ばがしっかりと抜けるかどうかといった点です。

今週の注目材料

  • 9/30(月)
    日 8月鉱工業生産
    中 9月製造業PMI
    中 9月財新製造業PMI
    独 独8月小売売上高
    独 独9月失業率
    独 独9月消費者物価指数(速報値)
    英 英8月マネーサプライ
    欧 ユーロ圏8月失業率
    米 9月シカゴ購買部協会景気指数
  • 10/1(火)
    豪 豪8月住宅建設許可件数
    豪 RBA、キャッシュターゲット
    日 8月失業率
    日 7−9月期日銀短観
    独 独9月サービス業PMI(改定値)
    欧 ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
    欧 ユーロ圏9月消費者物価指数(速報値)
    米 9月ISM製造業景況指数
    米 9月自動車販売台数
    米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    米 ボウマン・FRB理事講演 
  • 10/2(水)
    米 9月ADP雇用者数
    米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
    米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
    米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
  • 10/3(木)
    豪 豪8月貿易収支
    欧 ユーロ圏9月総合PMI(改定値)
    欧 ユーロ圏9月サービス業PMI(改定値)
    欧 ユーロ圏8月生産者物価指数
    欧 ユーロ圏8月小売売上高
    米 新規失業保険申請件数
    米 9月ISM非製造業景況指数
    米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 10/4(金)
    豪 豪8月小売売上高
    米 9月雇用統計
    米 8月貿易収支
    米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
    米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
    米 パウエル・FRB議長講演
    加 カナダ8月貿易収支
  • 1 0/5(土)
  • 10/6(日)
    米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。