今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
12月21日 〜 12月27日
ドル/円
102.00〜104.00
ユーロ/円
124.00〜127.50
豪ドル/円
76.00〜79.50

長い間米議会で混迷を続けていた「経済対策」がようやく合意される見込みになりました。本日21日にも、まず下院、その後上院で採決される模様です。成立すれば経済対策としては過去2番目の規模となり、国民を対象にした一人当たり600ドルの直接給付や、来年3月までの週300ドルの失業保険上乗せ給付が盛り込まれています。マコネル上院院内総務は、「超党派による事態の打開がようやく実現した」と発言し、ペロシ下院議長と、シューマー民主党上院院内総務は共同声明で経済対策について、「新型コロナウイルス感染拡大が加速する中で、米国民の生活と生計を救うために緊急に必要な資金が提供されることになる」と説明しています。(ブルームバーグ)ホワイトハウスでは、トランプ大統領も合意案を支持していることを表明しています。

英国では新型コロナウイルス「変異種」の感染が広がっており、欧州各国では英国からの渡航を禁止する措置に踏み切っています。米国でもNY州のクオモ知事は、英国から未検査の乗客が「変異種」のコロナウイルスを持ち込む恐れがあると懸念を示し、検査の義務付けや渡航制限を行わないのは連邦政府の怠慢だと批判しています。NY州には、英国からは1日6便が到着しているとのことです。一方でコロナワクチンの方も予防接種が活発になっています。ファイザーなどが開発したワクチンに続き、18日には米食品医薬品局(FDA)が、モデルナが開発したワクチンに緊急使用許可を与え、今週21日午前から接種が始まる模様です。

ドル円は先週、今年3月以来となる102円88銭までドル安が進みました。底堅かった103円前後のサポートレベルを割り込んだら、さらにドル安が加速すると予想していましたが、翌日には103円台を回復し、週明けの東京市場では「米経済対策案合意」や、コロナ感染拡大と通商協議の遅れを手掛かりに、ポンドドルがドル高に振れたことで103円57銭までドル円も買い戻されています。節目を抜けたものの、ドル円の下落スピードは現時点では緩やかなものになってはいますが、まだ気を緩める わけにはいきません。特に今週はクリスマス休暇本番ということもあり、市場の流動性が急低下する恐れがあります。またその後も日本が年末年始ということもあり、こちらも流動性低下につながりやすく、特にドル円は日本の個人投資家の占める割合が大きいことから、ちょっとしたきっかけで値が飛ぶ可能性があります。仮にそのような事態が起きるとしたら、「ドル安」に触れる可能性の方が圧倒的に高いと言えるでしょう。投機筋が不穏な動きをするとしても、やはりドルを押し下げる方に仕掛ける可能性が高いと予想しています。

今週から来年4日頃までは注意したいところですが、来年2021年は、たまたま日並びの関係で、1日(金)が世界的に休場で、2日(土)、3日(日)も休みとなるため、例年とは異なり4日(月)から新年の取り引きが始まります。通常の週末と変わりはないということです。そうなると注意が必要なのは、今週と来週ということになりますが、気を抜かずに最後まで頑張ってください。

今週の注目材料

  • 12/21(月)
    欧 ユーロ圏12月消費者信頼感指数(速報値)
  • 12/22(火)
    独 独1月GFK消費者信頼感
    英 英7−9月期GDP(改定値)
    米 7−9月GDP(確定値)
    米 11月中古住宅販売件数
    米 12月リッチモンド連銀製造景況業指数
    米 12月消費者信頼感指数
  • 12/23(水)
    日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(10月28日、29日分)
    日 10月景気先行指数(CI)(改定値)
    米 11月個人所得
    米 11月個人支出
    米 11月PCEコアデフレータ
    米 新規失業保険申請件数
    米 11月耐久財受注
    米 12月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
    米 11月新築住宅販売件数
    米 10月FHFA住宅価格指数
    米 バー司法長官退任
  • 12/24(木)
    日   黒田日銀総裁講演
    トルコ トルコ中銀、政策金利発表
    欧   ECB経済報告
    米   5月新築住宅販売件数
    米   株式・債券市場、短縮取引
  • 12/25(金)
    日 11月失業率
    日 2月東京都区部消費者物価指数
    欧米主要市場はクリスマス休暇
  • 12/26(土)
  • 12/27(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。