今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
4月18日 〜 4月24日
ドル/円
124.50〜128.00
ユーロ/円
134.00〜138.00
豪ドル/円
92.00〜95.00

ドル円は126円台に乗せ、今朝は126円79銭前後までドルが買われ、円が売られています。円は他の主要通貨に対しても安く、ほぼ全面安の様相です。世界で最も取引量が多いユーロドルでもドル高が進み、ユーロは先週木曜日には1.0758と、こちらは2年ぶりのユーロ安を記録しています。ユーロドルでもドル高が一段と進んでいることから、ドル円も上昇しやすい状況が続いているとも言えます。

「週足」チャートでは、先週まで6週連続で「陽線」を示現しており、これは昨年8月にも見られましたが、その時とは「値幅」が全く異なり、今回の様な値幅を伴っての6週連続陽線は、実に2016年10月末から始まった、あの「トランプショック」以来ということになります。円安が急激に進んだことで、鈴木財務大臣は「悪い円安」といった言葉を使って牽制しています。そもそも今回円安が一段と進んだきっかけは、先週の信託銀行の大会で、黒田日銀総裁が「ねばり強く金融緩和政策を続けていく」と発言したことにあり、政府と日銀との為替に対する「温度差」が露呈したことが挙げられます。2%の物価目標達成のためには、日銀にとっては「願ってもない援軍」といったところでしょう。

ただそれでも126円台後半まで上昇したドル円を受け、黒田総裁は18日の国会で、「大きな円安や急激な円安はマイナスが大きくなる」と、ややこれまでとはニュアンスを変えた発言をおこなっています。日米金融当局の金融政策の差に加え、原油価格が再び100ドルを大きく上回って来たこともあり、構造的にも実需のドル買い円売りが今後も増えてきそうです。5月3−4日のFOMCでは0.5ポイントの利上げがほぼ間違いないだけではなく、その後も年内5回の全ての会合で利上げが見込まれ、そのうちの3〜4回は0.25ポイントではなく、大幅な利上げが必要とも見られていいます。ロシア戦争でも円が強含む場面も見られず、こうなるとなかなか円が買われる理由を見つけることは難しい状況で、多くの市場関係者が言及し始めた「130円」が意識されます。仮に130円に近づく水準でさらに強力な口先介入があったら、ドル円が反転する可能性はありますが、それでも流れを変えることは難しいのではないかと思います。

今週は24日(木)の消費者信頼感指数には注目していますが、それ以外は重要な経済指標の発表はありません。一方で、セントルイス連銀総裁など、FOMCメンバーの講演が多くあります。

もっとも、ここについても、多くのメンバーがすでにタカ派寄りに姿勢を変えており、材料にはなりにくいと思われます。

130円まで円安が進むといった声が揃ってきたこともあり、そこまで円安が進むとしても、反転するリスクの水域に入っていることを考えると、ここからは早めの決済も考える必要があると思いますが、どうでしょう。

今週の注目材料

  • 4/18(月)
    中 中国3月小売売上高
    中 中国3月鉱工業生産
    中 中国1−3月GDP
    米 4月NAHB住宅市場指数
    米 ブラード・セントルイス連銀総裁、オンラインイベントで講演
    米 企業決算 → バンク・オブ・アメリカ
    加 カナダ3月住宅着工件数
  • 4/19(火)
    豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
    日 2月鉱工業生産(確定値)
    米 3月住宅着工件数
    米 3月建設許可件数
    米 IMF経済見通し(WEO)
    米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    米 企業決算 → J&J、ネットフリックス、IBM
  • 4/20(水)
    日 3月貿易収支
    独 独3月生産者物価指数
    欧 ユーロ圏2月鉱工業生産
    欧 ユーロ圏2月貿易収支
    米 3月中古住宅販売成約件数
    米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
    米 G20財務相・中央銀行総裁会合(ワシントン)
    米 エバンス・シカゴ連銀総
    米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
    米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    米 企業決算 → P&G、テスラ、アルコア
    加 カナダ3月消費者物価指数
  • 4/21(木)
    欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(改定値)
    欧 ユーロ圏4月消費者信頼感指数
    英 ベイリー・BOE総裁講演
    米 新規失業保険申請件数
    米 4月フィラデルフィア連銀景況指数
    米 3月景気先行指標総合指数
    米 4月コンファレンスボード消費者信頼感指数
    米 FRB議長、ECB総裁、IMFのパネル討論に参加
    欧 企業決算 → AT&T
  • 4/22(金)
    独 独4月製造業PMI(速報値)
    独 独4月サービス業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏4月総合PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏2月経常収支
    欧 ラガルド・ECB総裁講演
    英 英3月小売売上高
    米 4月マークイット製造業PMI(速報値)
    米 4月マークイットサービス業PMI(速報値)
    米 4月マークイットコンポジットPMI(速報値)
  • 4/23(土)
  • 4/24(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。