今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
2月26日 〜 3月3日
ドル/円
148.50〜151.50
ユーロ/円
160.00〜164.50
豪ドル/円
97.50〜99.50

ドル円の膠着状態が続いています。先週1週間を見ても、149円台半ばから150円台半ばと、ほぼ1円強の値動きしかなく、これまでの動きを考えると、ほぼ1日の値幅といった状況です。12月には「12%」まで上昇したドル円1カ月物のボラティリティーは足元では「7.5%」まで低下し、値幅の出ないドル円を示唆しています。市場参加者の多くが「次の材料」を待っています。もっとも、動かないドル円は「円キャリー」にとっては好都合で、ドルロングの投資家にとっては、為替リスクが小さく、スワップポイントが稼げる機会になっています。

来週8日(金)の「2月の雇用統計」まで大きな動きはないかもしれませんが、ここで終わらないのが、ここ数年のドル円の動きです。安心するのはまだ早いような気がします。1月の米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)がともに市場予想を上回り、FRBによる利下げ時期が後ずれしていることでドルが買われ易い状況ですが、一方で上値も「150円台の後半が壁になりつつある」ようです。また、151円95銭の水準は2022年、23年にかけて3度もテストし、抜け切れない水準でもあり、当然高警戒感も出て来るところです。次の材料が待たれます。

来週の雇用統計の前に、今週29日(木曜日)には、1月のPCE個人消費支出が発表されます。PCEコア指数は前月比「0.4%」上昇と予想され、1年ぶりの大幅上昇になったと予想されています。物価上昇を抑えるための道のりの険しさが浮き彫りになるとともに、利下げを急がない姿勢を示すFRBメンバーの判断の正しさを裏付けることになりそうです。改めて、「ラストワンマイル」の厳しさが証明されそうです。仮に市場予想通りだったとして、ドル円が上記水準をテストするのかどうかは微妙なところです。多くの個人投資家は、ドルを買う姿勢を維持しているとしても、深追いするスタンスではないように思えます。ドルが下げたら買うといっても、その水準は現時点では148円台半ば辺りかと思われます。「押し目買いに、押し目なし」という格言があります。今のところ上記水準を付けるのは、そう簡単ではないと予想していますが、どうでしょう。

今週の注目材料

  • 2/26(月)
    米 1月新築住宅販売件数
  • 2/27(火)
    日 1月消費者物価指数
    独 独3月GFK消費者信頼調査
    米 1月耐久財受注
    米 10−12月期四半期住宅価格指数
    米 12月ケース・シラ−住宅価格指数
    米 12月FHFA住宅価格指数
    米 2月リッチモンド連銀製造業景況指数
    米 2月コンファレンスボード消費者信頼感指数
    米 米大統領選の民主・共和両党ミシガン州予備選
  • 2/28(水)
    豪    豪1月消費者物価指数
    日    12月景気先行指数(CI)(改定値)
    欧    ユーロ圏2月消費者信頼感指数(確定値)
    欧    ユーロ圏2月景況感指数
    米    10−12月GDP(改定値)
    米    ボスティック・アトランタ連銀総裁、座談会に参加
    米    コリンズ・ボストン連銀総裁、座談会に参加
    米    ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
    ブラジル G20財務相・中央銀行総裁会議(ブラジル・サンパウロ、29日まで)
  • 2/29(木)
    豪 豪1月小売売上高
    日 1月鉱工業生産
    独 独2月雇用統計
    独 独2月消費者物価指数(速報値)
    英 英11月消費者信用残高
    米 新規失業保険申請件数
    米 1月個人所得
    米 1月個人支出
    米 1月PCEデフレータ(前月比)
    米 1月PCEデフレータ(前年比)
    米 1月PCEコアデフレータ(前月比)
    米 1月PCEコアデフレータ(前年比)
    米 2月シカゴ購買部協会景気指数
    米 1月中古住宅販売成約件数
    米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、座談会に参加
    米 グールズビー・シカゴ連銀総、イベントに参加
    米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 3/1(金)
    日 1月失業率
    中 2月中国製造業PMI
    中 2月中国サービス業PMI
    中 2月財新製造業PMI
    独 独2月製造業PMI(改定値)
    独 独2月サービス業PMI(改定値)
    欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
    欧 ユーロ圏2月製造PMI(改定値)
    欧 ユーロ圏1月失業率
    米 2月ISM製造業景況指数
    米 2月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
    米 2月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
  • 3/2(土)
  • 3/3(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。