今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
10月28日 〜 11月3日
ドル/円
149.00〜155.00
ユーロ/円
160.00〜167.00
豪ドル/円
99.00〜103.00

昨日27日(日)の衆院選において、「自公が過半数割れ」したことを材料に取引が始まった28日週明けでしたが、想定外の動きになっています。主因は、日経平均株価の急騰です。「自公過半数割れ」が決まり、政治的混乱から日経平均株価は大きく売られると予想しました。事実、取引開始前の日経先物は売られており、実際に取引が始まったら「現物株がどこまで売られるのか?」というのが、焦点の一つでした。

ところが取引が始まると、マイナスでは始まりましたが、直ぐにプラスに転じその後は見る見るうちに上昇幅が拡大し、前場では一時先週末比700円を超える大幅高を示現しました。ドル円もリスク選好の流れから大きく上昇し、こちらは一時153円87銭までドルが買われ、先週記録した153円19銭の戻り高値を大きく上回りました。予想されたシナリオは「株価が大きく下落し、リスク回避の円高が進行」といった予想と、もう一つは「株価が大きく売られ、『日本売り』のシナリオから円が売られる」というものでしたが、株高・円安という想定外の展開でした。自公が過半数を大きく割り込んだことで、石破首相は他の野党との連立を模索し始めることになります。

本日午後2時から記者会見に臨んだ石破首相は、「今回の敗戦を踏まえて、政治改革をさらに進め、政治資金の透明性を国民が分かるように改める」と述べ、これからの政権運営については、「今回大きく議席を伸ばした政党が、どのような政策が支持されたかを分析し、国民のために協力できる他の党ともやっていく」と、国民民主党を念頭に置いているような発言を行いました。これに先立ち、同党の玉木代表は、自民党との連立政権への参加を否定しながらも、「政策が一致すれば協力する意志がある」と述べていました。

この会見を境に日経平均株価は一段と上昇を加速させ、800円を超える上昇となっています。今回の衆院選では、選挙前から自民党の苦戦が予想されており、その通りであれば「選挙は買い」といった、株式市場のアノマリーが崩れると言われていましたが、結局アノマリーは今回も生きており、「選挙は買い」でした。

ドル円は153円後半まで上昇したことで、「週足」でもローソク足が「雲抜け」を完成させ、一段と上昇機運を高めています。ここまで来ると、いよいよ155円台が視野に入って来そうな気配です。

今週の注目材料

  • 10/28(月)
    特になし
  • 10/29(火)
    日 9月失業率
    独 独11月GFK消費者信頼調査
    英 英9月消費者信用残高
    米 8月ケース・シラ−住宅価格指数
    米 8月FHFA住宅価格指数
    米 9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
    米 10月コンファレンスボード消費者信頼感指数
    米 企業決算 → ファイザー、マクドナルド、ペイパル、ビザ、アルファベット
  • 10/30(水)
    豪 豪第3四半期卸売物価指数
    豪 豪9月消費者物価指数
    独 独10月雇用統計
    独 独7−9月期GDP(速報値)
    独 独10月消費者物価指数(速報値)
    欧 ユーロ圏10月消費者信頼感(確定値)
    欧 ユーロ圏7−9月期GDP(速報値)
    米 10月ADP雇用者数
    米 7−9月GDP(速報値)
    米 9月中古住宅販売成約件数
    米 企業決算 → イーライリリー、メタ、プルデンシャル、マイクロソフト、スターバックス
  • 10/31(木)
    豪 豪9月住宅建設許可件数
    豪 豪9月小売売上高
    日 日銀金融政策決定会合
    日 植田日銀総裁記者会見
    日 9月鉱工業生産
    欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(速報値)
    欧 ユーロ圏9月失業率
    欧 ECB経済報告
    米 新規失業保険申請件数
    米 7−9月雇用コスト指数
    米 9月個人所得
    米 9月個人支出
    米 9月PCEデフレータ(前月比)
    米 9月PCEデフレータ(前年比)    
    米 9月PCEコアデフレータ(前月比)
    米 9月PCEコアデフレータ(前年比)
    米 企業決算 → コムキャスト、ウーバー、アップル、アマゾン、インテル、マスターカード
  • 11/1(金)
    中 10月財新製造業PMI
    独 独10月製造業PMI(改定値)
    欧 ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
    英 英10月製造業PMI(改定値)
    米 10月雇用統計
    米 10月ISM製造業景況指数
    米 10月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
    米 10月自動車販売台数 
    米 企業決算 → シェブロン、エクソンモービル
  • 11/2(土)
  • 11/3(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。