12月28日から始まった年末年始でしたが、長く休めた人は9連休と、今年はゆっくり出来た人も多かったのではないかと思います。ドル円はその間ほぼ156〜158円で推移し、大きな動きはありませんでした。ただ、ユーロドルは一時1.0225まで売られ、2022年11月以来の「ドル高ユーロ安」を記録し、この間では最も動いた通貨と言えます。ここから見ると、今年もドル高の流れは続きそうです。第二次トランプ政権がどのような形で出航するのか、実際に見なければわかりませんが、FRBのインフレ目標である2%は、近いようで意外に遠いような気もします。
今週末には早くも「12月の雇用統計」が発表されます。ブルームバーグの集計によると、12月の非農業部門雇用者数(NFP)は「16万人の増加」が見込まれており、仮にこの数字通りだとすれば2024年の平均月間雇用者増は、ハリケーンや大規模ストライキの影響を受けなかったとすれば、「18万人程度の増加」と計算され、過去3年間と比較すればやや低いものの、堅調な労働市場だったと言えます。リッチモンド連銀のバーキン総裁も3日の講演で、2025年の米経済に対し楽観的な見通しを示し、「フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標をこれまで100ベーシス・ポイント引き下げ4.3%とした。インフレ率はまだ目標値には戻っておらず、まだやるべきことはある。しかし、以前程景気抑制的になる必要はないと考えている」と述べていました。つまり、インフレ率は目標値よりも高いが、労働市場など米経済は堅調であることから、高金利を続けて行く必要性がないということで、ややハト派的な発言かとは思いますが、現時点ではニュートラルな見方かと思われます。
今週はまた、9日には四半期に一度の日銀支店長会議が行われます。植田総裁は昨年最後の講演でも、次の利上げの判断に至るまでに「もう1ノッチ欲しい」と繰り返していました。支店長会議では地方も含め、より詳細なデータも上がってくるため、ここでも想定通りのものであれば、今月23−24日の金融政策決定会合での追加利上げに一歩近づくことになるかもしれません。 因みに筆者は、依然として流動的ではありますが現時点では、今月の会合で0.25%の利上げが決定されると予想しています。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。