歴史は繰り返す「【ジョージソロスの話】Vol:8」|FX|外為オンライン FX取引 − あなたの為の、外為を。

歴史は繰り返す

 慈善活動家ジョージソロス

 これまでは投資家としてのソロスにスポットを当ててきました。

ファンドでの驚異的な運用、プラザ合意での円とマルク買い、さらにポンドを売り浴びせ

BOEを負かすなど投資家としての戦歴を書いてきました。

 今回はそのソロスが世界でも有数の慈善活動家であるということに触れてみたいと思います。

彼に慈善活動には一定の規則があります。

寄付の対象国は東欧諸国、共産主義国でした。これは、ソロスがハンガリーで生まれたことと無関係ではないのでしょう。

彼は祖国ハンガリーの『閉ざされた社会』からイギリスで、そしてアメリカで自由を 味わったのです。

彼は、東欧とソ連にいる人々に同様の機会を与えてはどうか、と考えました。

自らの財力を利用して「開かれた社会」の建設に努めようと決意しました。

大げさに言えばソロスが計画していたことは、共産主義体制を弱体化するために資金を 供給することで、東欧とソ連における革命を支援

していたことになります。

ソロスが最初に慈善活動を実行したのは南アフリカでした。

結果的に失敗しましたが、彼はケ−プタウン大学が「開かれた社会」の思想を植えつけのに

最適な場所だと目をつけました。

そのためソロスは、黒人学生に奨学金を提供しました。

その後、祖国ハンガリー、中国、ソビエト連邦、ポーランド、チェコスロバキアと手を広げて行きました。

慈善活動の拠点として各国に財団を設立してきたその数は26の国々で89のオフィスを

持つまでになっています。

また寄付した金額は数十億ドルにも達しています。

しかし、この慈善活動に対する批判もありました。

西側では、「現代のロビンフッド気取りでな裕福な西側諸国から金を奪い取り

それを貧しい東欧諸国に渡している。」と批判されたり、イギリス国民一人ひとりから

12.5ポンドを”盗んだ“。それを東欧にばら撒いているなど厳しい批判も相次ぎました。

それに対してソロスは「自由のために支払う代価としては,安いものだ。」そう答えて

いたそうです。

外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。