今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2009年9月17日(木)




おはようございます。



鳩山新内閣誕生です。

新聞でよく目を通す場所に、総理が1日どのように過ごしたかを

記録している「首相官邸」があります。

先の衆院選で大勝した翌日から「鳩山代表の1日」も併記されています。

面白いのは15日の「総理最後の日」の麻生さんと「代表最後の日」の

鳩山さんのそれぞれの夜でした。

麻生さんは松本官房副長官と平河町の天ぷら料理店「天真」で慰労会。

鳩山さんは上池台の「モスバーガー」で買い物。

これまでの総理の行動と、これからの総理の行動を象徴するようで

興味深い記事でした。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は行って来いの展開。アジアから欧州にかけて円は一時 90円12銭まで急騰。しかし、NY市場では一転ドルが買い戻されて 91円37銭まで円安の場面も。
  • 藤井新財務相が介入には否定的な発言をしたことで円買いが 進み90円をテスト。
  • NYでは株式市場が大きく上昇したことで債券が売られ、長期金利が 上昇。ドルが買い戻され91円を挟む水準で取引終了。
  • NYダウは108ドル高と9800ドルまで上昇し、1万ドルの大台が 視野に入ってきたとの声も。
  • 引き続きドルが売られる展開に、金は史上最高値を更新、原油価格も 72ドル台乗せ。
  • 8月鉱工業生産が発表され前月比0.8%のプラス。2ヶ月連続で 前月を上回る。
  • 8月消費者物価指数 →プラス0.4%

ドル/円 90.21 〜 91.37
ユーロ/円 132.50 〜 134.03
NYダウ +108.30 → 9,791.71ドル
GOLD +13.90 →  1,020.20ドル
WTI +1.58 →  72.51ドル
米10年国債 +0.028 → 3.475%


本日の注目点

           
  • 欧   7月ユーロ圏貿易収支        
  • 米   8月住宅着工件数  
  • 米   フィラデルフィア連銀景気指数                  
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   8月建設許可件数                                               

やはり、「90円の壁」は高いのでしょうか・・・。

昨日の東京市場午後3時ごろから円は急騰しました。

鳩山新内閣の藤井財務大臣が「強い円は日本に有益」との発言が伝わったことで

ドル売り円買いが加速し、ドルは一気に90円前半まで売られました。

その後90円12と、90円割れを試す展開となりましたが、NY市場が開いて

しばらくすると91円台半ばまでドル買い戻され、90円割れは失敗に終わりました。



先週の金曜日と今週月曜日、さらに昨日と、これで90円割れを3回テストしたことに

なりますが、ことごとく失敗しています。

90円近辺ではオプション絡みのドル買いなどもあり現状では大きな壁になりつつあります。

しかし、依然としてドルが相対的に売られる展開は変わっていません。

昨日はユーロドルが1.4738と約1年ぶりの水準を記録しました。

さらに、ドルが売られたことから金価格は史上最高値を更新し、原油を含む商品相場も

軒並み上昇しています。

またNYダウも前日比100ドルを超える上昇を見せ、資源、金融セクターなどが

相場全体を牽引しました。

市場からは「景気回復が早まり鉱物資源の需要が高まる」「米国の利上げが早まる」との

声も聞こえてきます。

この結果これまで買われてきた米債券は続落し、金利は上昇。これがドルの買い戻しへと

繋がったようです。



この日はヘッジファンドを顧客とする調査会社。メドレー・グローバル・アドバイザー

のリポートも材料となったようです。

同リポートでは、「FRB内には早ければ次の連邦公開市場委員会(FOMC)

で金利を引き上げるべきだ」との声もある、とブルームバーグは伝えています。



さて、鳩山新内閣は円高局面での船出となりましたが、藤井新財務相を含め

今後市場とどう向かい合っていくのかはまだ未知数です。

来週から米ピッツバーグで開かれるサミットではオバマ大統領との首脳会談も

予定されているようです。

鳩山首相は「大統領と信頼関係を構築することが第一歩。」と語っており、

巷間言われているような日米関係の悪化は考えにくいと思われます。



市場のセンチメントは引き続きドルベアです。

ドル円も91円70−80あたりがレジスタンスとなっており、この水準が

抜けない限り、再びドルの下値を試す展開があると思います。

この流れが変わるかどうかは、やはり「出口戦略」の実施が大きなカギを握っている

と思います。
               
2009年4月(PDF)   2009年5月(PDF)   2009年6月(PDF)



What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/3 トリシェECB総裁  「景気が非常に緩やかに回復している。」「今は【出口の】時ではない。 」ECB理事会後の記者会見で。 -----
9/4 ウェーバーECB理事(独連銀総裁)  「これ以上の景気拡大的措置は必要ないと認識している。」政策金利がさらに引き下げらるの可能性があるか、という記者団の質問に答えて。 -----
9/9 フィッシャー ダラス連銀総裁  「FRBは出口戦略については議論をしており、適切な時期には行動する。」「適切な時期とは企業業績が安定してきた時を意味する。」テレビ東京のインタビューに答えて。 -----
9/9 リッカネンECB理事(フィンランド中銀総裁)  「流動性吸収は利上げとは別物。」「ユーロ圏の成長は緩やかで、インフレ圧力はない。」ヘルシンキでの記者会見で。 -----
9/15 バーナンキFRB議長 「米景気後退は現時点で終わっている可能性が非常に高い」講演で景気後退の収束に言及。  株式市場は好感しNYダウは続伸。
9/16 藤井財務大臣 「強い円は日本にとって有益。」財務大臣就任に際して。  91円00 →90円12まで円急騰。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和