今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(6/6〜 6/10)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・  79.00 〜 82.00
ユーロ/円 ・・・ 114.00 〜 119.00
豪ドル/円 ・・・  84.00 〜 88.00
ユーロ/ドル・・・ 1.4200 〜 1.4800





先週は相変わらず米経済指標の悪化が目立ち、ドルは主要通貨に対して売られ易い展開でした。


特に水曜日に発表された5月ADP雇用者数は事前予想を大きく下回り、これが先週末の雇用統計本番に


「もしかしたら」といった、漠然とした不安を与えていました。


その雇用統計では非農業部門雇用者数が5.4万人の増加と、不安は的中し、市場にとっては大きなサプライズでした。


今年に入り順調に拡大を続けてきた「雇用」にも、ついに景気悪化の「TSUNAMI」が襲ってきた感があります。





ここまでの米景気は、住宅市場の回復だけは依然として遅れながらも、


その他の指標は株高による「資産効果」の影響もあり個人消費を中心に


順調に回復して来ました。


しかし、4月くらいからは原油高などを背景に再び個人の財布のヒモは固くなり、


個人消費の悪化から、企業業績の悪化、雇用市場の縮小といった、


2010年後半まで続いた「負のスパイラル」が再度、頭をもたげる状況になってきてました。


そんな状況下での今回の雇用統計の発表でした。





今月末で終了する予定の「QE2」も、一部には「QE3」待望論のようなものも出てきましたが、FOMCの「ハト派」メンバーは冷静に


利上げ観測を打ち消す発言を繰り返してきました。


彼らにとってはある程度予見されたことだったのかも知れません。


これでしばらく、米国の「出口戦略」の実施時期は遅れ、米経済指標の悪化がどこまで続くのかを見極める展開かと


思われます。





雇用の急激な悪化を受け、米景気の減速はあるていど確認された格好になり、


市場ではドルの「上値が重い」との予想が増えてきました。


ドル円で言えば、82円台は重く、場合によっては81円50銭を上抜けするのも「難義」との意見もあります。


個人的にもドルの戻りは鈍いと思います。


今週には80円割れの場面があると予想します。


米株式市場の調整が続き、長期金利の低下傾向は、市場が、「米景気の回復には時間がかかる」と見ていることを表しています。


このような状況下ではなかなかドルが反発するきっかけは見つかりません。


ここしばらくはドルが緩やかに下落する展開が続き、どの水準でドルの反発があるのか注目して見たいと思います。





ドル円は3月17日に記録した76円25銭を一気に目指すとも思えませんが、5月5日の79円57銭を割り込むと


市場には急速に円高観測が台頭する危険性もあります。


そして危惧するのは、80円を割り込み、長い間80円以下での取引が続くと「80円台割れが定着」してくることです。


市場参加者の「目」も次第に慣れてきて、水準として80円以上は売り場といった雰囲気が定着することです。





上述のように、今週は「基本的にはドル安」が進行するものと予想しますが、ユーロも円も手放しで買い進めるものでもありません。


両通貨とも売られる要因を内包しているため、「消極的」な買いに終わることも考えられます。


結局、今安心して買うことにできる通貨は「豪ドルとスイス」ではないかと思います。


金利先高観もあり、国内景気が堅調な豪ドル。一方スイスは「避難通貨」の代表として値動きも堅調です。


もっとも、豪ドルには中国リスクと、資源価格リスクが常に付きまとっていることも忘れてはならない事実ですが、


上記3通貨に比べれば買い安心感があると言えます。


今週もバーナンキ議長をはじめ、FRB関係者の講演が多く予定されています。


労働市場の急速な悪化を踏まえて、今後の米景気に対してどのような見方を示すのか。また、「QE2」終了後のFRBの金融スタンス


を見極める上で重要になってきそうです。









■ 今週の注目材料 ■



6/6 (月)

  • 欧   ユーロ圏4月生産者物価指数
  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演(カナダ)
  • 欧   ユンケル議長・レーニン委員長、欧州議会で証言
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁パネルディスカッションに参加(ヘルシンキ)
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
  • 米   ガイトナー・財務長官講演
  • 米   バーナンキ・FRB議長講演



  • 6/7 (火)

  • 豪   RBAキャッシュターゲット
  • 日   4月景気動向指数
  • 欧   ユーロ圏4月小売売上高
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   4月消費者信用残高
  • 米   バーナンキ・FRB議長講演



  • 6/8 (水)

  • 日   4月国際収支
  • 日   5月マネーストック
  • 日   5月景気ウォッチャー調査
  • 独   独4月貿易収支
  • 独   独4月鉱工業生産
  • 欧   ユーロ圏1−3月期GDP(改定値)
  • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米   ホーニング・カンザス連銀総裁講演
  • 加   カナダ5月住宅着工件数



  • 6/9 (木)

  • 豪   豪5月雇用統計
  • 日   1−3月期GDP(2次速報)
  • 欧   ECB理事会
  • 英   BOE政策金利発表
  • 英   英4月貿易収支
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   4月貿易収支
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米   イエレン・FRB副議長講演



  • 6/10(金)

  • 中   中国5月貿易収支
  • 独   独5月消費者物価指数(確報)
  • 英   英4月鉱工業生産
  • 英   英5月生産者物価指数
  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演
  • 加   カナダ5月失業率




  • ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。