今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(7/11〜 7/15)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・  79.00 〜 82.00
ユーロ/円 ・・・ 113.00 〜 118.00
豪ドル/円 ・・・  85.00 〜 88.00
ユーロ/ドル・・・ 1.4000 〜 1.4700





先週ドル円は約1ヵ月ぶりに81円台半ばまで上昇しました。


民間の雇用統計にあたるADP雇用者数が市場予想を大幅に上回ったことで、ネガティブな事前予想が多かった週末の6月雇用統計に対する


楽観的な見方が急浮上し、ドル円はゆっくりですが6月1日以来となる81円台半ばまで上昇しました。


しかし今回も、「日足」での重要な抵抗線が多く集まる81円60−90銭の水準を一度も試すこと無く、雇用統計発表と同時に急落しています。





6月の雇用統計は無残なものでした。失業率は今年最悪となり、非農業部門雇用者数は10万人程度増加の市場予想を大幅に下回る


1万8千人の増加でした。


この予想外の結果に調査部門の多くは、「6月の卒倒」(バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ)や「希望のかけらもない」(IHSグローバル・インサイト)


と言った表現を使い落胆の色をにじませていました。(日経・ヴェリタス紙より)


それにしても今回の雇用統計の悪化は先月に続き2ヵ月連続の悪化です。先月も「一時的な現象」と見る向きもありましたが、今月も


悪化したことで、依然として「一時的な現象」と捉えていいものかどうか迷うところです。


先月末で「QE2」が終了し、その後の経済指標の悪化が懸念されていました。


ご承知のように雇用統計は「景気先行指標」と言われています。


今後6月の経済指標が順次発表されますが、いずれも悪化傾向を示すようだと「QE3」が議論される状況になるかもしれません。





今週は雇用統計も終わったことで発表予定の経済指標も「やや小粒」です。


その中で、13日にはバーナンキ・FRB議長の半期に一度の議会証言が行われます。


議長は以前より米景気の回復のスピードの遅さにいらだちを見せており、今回は6月の雇用統計発表を受けての証言となるため


その発言内容が注目されます。


米景気の回復に失望感をにじませるようなことになるとドル売りが加速する恐れがありますが、最近の講演で述べていたように


「米景気は年後半には回復し、雇用も上向く」といった内容になる可能性が高いのではないかと思われます。





さて、先週はドル円にもやや動きが出てきて80−81円のレンジを上抜けしましたが、上述にように雇用統計の結果発表で


一気に「冷や水」をかけられてしまいました。


再び80円台半ばまで水準を切り下げたドル円は80円割れを試すのかどうか気になるところです。


80円割れは6月8日を最後に割り込んではいません。


それは6月下旬からの株高を背景に「リスク選好」が進み、債券離れから米長期金利が上昇したことで、ドル買い円売りが優勢と


なったことが理由です。


特に米経済指標の改善が相次いだわけでもなく、経済指標は強弱まちまちでした。


そう考えますと、やはり今週80円割れを試すのかどうかは米株式市場の影響が最も大きいと考えることは自然の流れです。


個人的には80円台前半でもみ合う可能性があるものの、再び81円方向に緩やかなドル高が続くものと予想しています。





ロイタートムソンの集計によると、主要米500社は前期比7%の増益と予想されています。


13日には米金融機関のトップを切ってJPモルガン・チェースが決算発表を行いますが、金融機関の今決算については


概ね減益が予想されています。


一方、資源、エネルギー関連企業については好決算が見込まれています。





ユーロについては引き続き先行きが不透明です。


週明けの11日にもユーロドル、ユーロ円はともにNYクローズから値を下げて始まっており、「窓開け」が示現しております。


これはファンロンパイEU大統領がギリシャ支援とイタリアの市場の圧力に関する懸念拡大を協議するため、11日午前に


EU当局者の緊急会合を招集したとの報道に反応したものです。


財政懸念はポルトガルへ波及し、同国は格付け会社から一気に4段階格下げされました。市場の関心はイタリアへと移りつつあります。


週末の15日には欧州銀行監督機構(EBA)が主要91行のストレステストの結果を発表します。


前回7行が資本不足を指摘されていますが、今回は昨年7月のストレステストに比べると基準が厳しく、10−15行が資本不足に


なるのではないかと予想されています。


更に増えるようだとユ−ロ売りの格好の材料にされるかもしれません。









■ 今週の注目材料 ■



7/11 (月)

  • 日   6月消費動向調査
  • 日   日銀金融政策決定会合(12日まで)
  • 欧   独メルケル首相、アイルランド首相と対談
  • 加   カナダ6月住宅着工件数



  • 7/12 (火)

  • 独   独6月消費者物価指数(確報)
  • 英   英6月消費者物価指数
  • 欧   ビニスマギECB理事講演
  • 米   5月貿易収支
  • 米   FOMC議事録(6/21/22分)



  • 7/13 (水)

  • 日   5月鉱工業生産
  • 欧   ユ−ロ圏5月鉱工業生産
  • 英   英6月失業率
  • 米   バーナンキ・FRB議長半期に一度の議会証言
  • 米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演



  • 7/14 (木)

  • 中   中国6月外貨準備高(発表は15日の可能性も)
  • 欧   ユーロ圏6月消費者物価指数(CPI)
  • 欧   ユーロ圏月例報告
  • 米   6月生産者物価指数(PPI)
  • 米   6月小売売上高
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   企業決算−JPモルガン・チェース
  • 米   バーナンキ・FRB議長上院銀行委員会で半期金融政策報告



  • 7/15(金)

  • 日   日銀金融政策決定会合議事録要旨公表(6/13.14日分)
  • 欧   ユーロ圏5月貿易収支
  • 米   6月消費者物価指数(CPI)
  • 米   7月NY連銀製造業景況指数
  • 米   6月鉱工業生産
  • 米   7月ミシガン大学消費者信頼感指数
  • 米   企業決算−シティーグループ




  • ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。