今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(10/24〜 10/28)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・  75.00 〜 77.50
ユーロ/円 ・・・ 103.00 〜 108.00
豪ドル/円 ・・・  76.00 〜 81.00
ユーロ/ドル・・・ 1.3600 〜 1.4100





先週のドル円は週末のNYで大幅な円高に振れ、約2ヵ月ぶりに円の史上最高値を更新しています。


市場参加者は「動かない相場」に慣れていただけに、やや「不意を突かれた」格好でした。


それまでは、動かないながらも77円台を2度ほどテストしています。


その前の週には77円48銭まで上昇し、やや動意を見せ始めていました。


住宅関連指標等の改善傾向が示されたことでドル円が買い戻され77円台には乗せますが、


77円50銭近辺が「大きな壁」になっており、何度か攻めては押し戻される展開が続いてきました。


76円50銭−77円50銭のレンジ相場が長く続き、「リスク」を取れるのか、あるいは回避するのかで相場の流れがほぼ決定される


「リスク主導」の相場でした。「リスク回避の円買い」「リスク選好の円売り」とのコメントが頻繁に登場するのもこのためでした。





ところが先週末の海外市場では、欧州債務危機の収束観測からユーロドルが急上昇、ドル安の流れが加速しました。


ドルはユーロだけではなく、ポンドやスイスフランに対しても下落しており、「ドル全面安」の様相となり、


円もその流れの一環として買われた側面が強いと観られます。


さらにドル売りを加速したのは、イエレン・FRB副議長の講演内容でした。


副議長は「失業と金融混乱が続いていることで、量的緩和第3弾が正当化されるかもしれない」と発言しています。





これまでにもバーナンキ議長が「FRBは(景気対策のための)幾つかの手段をもっている」と繰り返しており、市場は次回の


FOMCで追加緩和策の実施もあるのではないかとの認識をもっていましたが、FRBの高官が直接「QE3」に言及したことで


その可能性が一気に高まってきたと言えそうです。


一段の追加緩和は為替市場ではドル売り材料と捉えられます。


ユ−ロが急速に買い戻されドル安が進んだところに、追加緩和の可能性が高まったことで円買いに拍車がかかり、


最高値の更新に繋がったものと思われます。


76円50銭を割り込むと「ストップロス」のドル売りが執行され、さらに76円割れでは同様の注文が執行されたものと思われます。





今後のドル円ですが、このままドル安円高が一気に進み、75円割れがすぐに実現するとも思えません。


ドルの上値が重い展開は続くものの、この水準からドル売りを仕掛けるのもそれなりの勇気が必要です。


介入が行われれば最大で2円くらいもっていかれる覚悟が必要です。


しかしだからと言って介入をバックにドル買いで攻めるのも得策ではありません。市場の流れがドル安に傾いており、


特に海外市場ではドルが下落しやすい状況だからです。





海外市場で仮に75円台まで下落しても、東京では再びドルが買われる展開が続き、


75円台−76円台のレンジが続くのではないかと予想します。


26日に行われるEU首脳会議でEFSFの拡充案を含む包括案が合意される見通しですが、まだ安心はできません。


また、木曜の日銀金融政策決定会合で、足元で進んでいる円高阻止のために、


追加緩和策などの対策が出されるのかどうかにも注目したいと思います。


今回の円最高値更新には特に決定的な材料は見当たりません。


米追加緩和が実施される見通しがさらに高まれば、


米株価の上昇→債券相場の下落→米長期金利の上昇→ドル高円安要因といったストーリーも


考えられそうです。





注意したいのは市場参加者が現在の相場水準に慣れてしまい、76円台は売り場、75円台は買い場、


といった相場観が定着してしまうことです。


8月に77円台を割り込んでから約2ヵ月間はそういった相場観が上値を重くし、結局75円台へ下落するベースになっていたからです。


ドル円は膠着相場から今度は荒っぽい相場に変わりそうです。





ユーロドルも1.39台まで乗せてきたことで、「日足」では雲の下限までユーロ高が回復してきました。


ギリシャ問題から1.32台まで下落し、「1.30割れは時間の問題」と観られていたユーロはその後、


ユーロ圏首脳の努力があったにせよ、ほとんど大きな調整もなく1.39台まで反発しています。


欧州危機が収束する観測はあるものの、市場参加者の多くが「このまま危機が終わることはない」と予想する中、


ここまでユ−ロが反発したことに正直やや驚きを隠せません。


ただ、さすがにここから1.40台に乗せ安定するには材料不足だと思います。


ユーロ圏には債務問題だけではなく、景気後退、利下げ観測など「下落要因」はまだ他にもあるからです。









■ 今週の注目材料 ■



10/24 (月)

  • 豪   豪第3四半期生産者物価指数(PPI)
  • 日   9月貿易統計
  • 独   独10月製造業PMI
  • 独   独10月非製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏10月製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏10月非製造業PMI
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演



  • 10/25 (火)

  • 豪   バッテリーノ・RBA副総裁講演
  • 中   中国、EU首脳会議
  • 独   独11月GFK消費者信頼感
  • 欧   ユンケル・ユーログループ議長講演
  • 米   8月ケース・シラー住宅価格指数
  • 米   10月消費者信頼感指数
  • 米   10月住宅価格指数
  • 米   10月リッチモンド連銀製造業指数
  • 加   カナダ中銀政策金利発表


    10/26 (水)

  • 豪   豪第3四半期生産者物価指数(CPI)
  • 欧   EU、ユーロ圏首脳会議
  • 欧   ドラギ・イタリア中銀総裁、トレモンティ・イタリア財務相講演
  • 欧   メルケル・独首相講演
  • 欧   コンスタンシオ・ECB副総裁講演
  • 欧   シュタルク・ECB理事講演
  • 米   9月耐久財受注
  • 米   9月新築住宅販売


    10/27 (木)

  • 日   日銀金融政策決定会合
  • 中   中国9月工業利益
  • 独   独10月消費者物価指数(CPI)
  • 欧   ユーロ圏9月マネーサプライ
  • 米   7−9月期GDP
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   仮契約住宅販売指数
  • 加   カーニー・カナダ中銀総講演



  • 10/28(金)

  • 日   9月失業率
  • 日   9月消費者物価指数(CPI)
  • 日   9月鉱工業生産
  • 米   9月個人所得
  • 米   9月個人支出
  • 米   8月PCEコアデフレーター
  • 米   10月ミシガン大学消費者信頼感




  • ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。