今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(11/14〜 11/18)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・  76.00 〜 79.00
ユーロ/円 ・・・ 104.00 〜 109.00
豪ドル/円 ・・・  77.00 〜 82.00
ユーロ/ドル・・・ 1.3400 〜 1.4000





欧州債務危機問題を背景に相変わらず値動きの大きいユーロドルですが、


ギリシャ問題はパパデモス新首相の就任でやや「過去のこと」になりつつあります。


先週からはギリシャに代わってイタリアが最大の注目を集めることになり、イタリア国債が乱高下を繰り反しています。


同国10年債利回りが一時7.4%台まで売られ、「7%の重要な節目」を抜けたことでユーロが急落しました。


しかし、先週末には議会で財政緊縮法案が議会を通過したことや、長期政権を維持してきたベルルスコーニ首相があっさりと辞任し、


元欧州委員会委員のモンティ氏が新首相に就任し、連立政権を組閣するとの見通しになったことでユーロは急伸。


イタリアからのニュースに翻弄された1週間でした。





今週も引き続き欧州のソブリンリスクに注目が集まりそうです。


特に本日はイタリアの5年債の入札があります。


この入札の結果次第では同国の国債が再び売られ、リスク回避の動きからユーロが下落するリスクは否定できません。


また、欧州債務危機問題はさらに拡大しそうな気配も見せています。


現在ユーロ圏内でドイツを筆頭に「AAA」(トリプルA)の格付けを保有する国は、オランダ、フランス、オーストリアの4カ国です。


そのトリプルA国債の中でもフランスとオーストリアの国債の下落傾向が鮮明になりつつあります。


両国債とも10年債利回りは3%台前半ですから、ドイツ国債との利回りスプレッドは拡大してはいますが、


危険水域からはまだ遠いと言えます。


ただ、今後格下げへのリスクはあり、フランスは「AAA」格維持が目的とも思われる「緊縮財政案」に既に着手しています。


今後とも投資家のソブリンリスクへの対応は厳しく、いずれは日本国債にも同様な思惑が注がれる懸念は残るものと思います。





ユーロドルは基本的にはレンジを抜けていません。


それは材料的には「欧州債務問題」だけに的が当たっていることと関係がないとは言えません。


債券相場との関連性が強まり、債券が売られるとユーロも売られ、債券が買われるとユーロも上昇します。


ソブリンリスクを減らすには歳入、歳出のバランスを変えるしかありません。


緊縮財政を貫き、一方で増税を行うことで財政赤字を減らすしか方法はありません。


既に、ギリシャだけではなくフランス、イタリアなど多くのユーロ圏諸国では緊縮財政に取り組んでいます。


当然ですが、この緊縮財政は経済成長率の伸びを抑え、景気拡大にブレイキをかけることになります。


その結果、この先景気後退がさらに進行するもう一つのリスクが浮上する懸念がでてきます。





先週発表されたユーロ圏9月の鉱工業生産はマイナス2.3%と、8月のプラス1.4%から急減しています。


この数値は今年最も低い数字で、ユーロ圏の製造業の低迷を表しています。


今後、債務危機が収束に向かっても新たに「景気後退」というリスクが顕著になってくる可能性も考えておかなければなりません。





ドル円は77円50銭を明確に下回ったことから再び円の高値を試す展開が予想されます。


78円台が重くなりつつある中、現在は77円台前半で推移していることから、


今後は77円50銭より上が重くなってくる可能性も出てきます。


結局円がじりじり買われる展開が続き、今週はどこまで円高が進み、


政府・日銀の介入が再度観測されるのかどうかが最大の焦点です。


10月31日の75円台半ばで、政府・日銀は「75円割れを防ぐ」という観点からも大規模介入に踏み切りましたが、


その後のG20では単独介入に対するやや批判的な意見も観られ、


今後の介入姿勢に影響を与えるかもしれません。


このまま単独介入を止めることはないとしても、少なくとも「為替相場の投機的な動き」といった「大義名分」が必要となり、


政府・日銀も「介入しずらい」状況にはなりそうです。


76円台半ばに入っても介入の気配が観られない様だと、投機筋は「介入はない」と観て、


ドル売り円買いを積極的に進めてくる可能性もあります。


値動きの鈍い展開が続くなら76円ー78円のレンジを予想しますが、


荒っぽい動きがあれば75円−78円のレンジが必要かも知れません。






■ 今週の注目材料 ■



11/14 (月)

  • 日   9月鉱工業生産(確報値)
  • 日   7−9月期GDP(速報値)
  • 欧   ユーロ圏9月鉱工業生産



  • 11/15 (火)

  • 豪   RBA議事録
  • 日   日銀金融政策決定会合
  • 独   独7−9月期GDP(速報値)
  • 独   独11月ZEW景況感調査
  • 欧   ユーロ圏7−9月期GDP
  • 欧   ユーロ圏9月貿易収支
  • 欧   ユーロ圏11月ZEW景況感調査
  • 欧   ブラート・ECB理事講演
  • 英   10月消費者物価指数(CPI)
  • 英   10月生産者物価指数(PPI)
  • 米   10月生産者物価指数(CPI)
  • 米   10月小売売上高
  • 米   11月NY連銀製造業景況指数
  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演


    11/16 (水)

  • 日   日銀金融政策決定会合
  • 日   白川・日銀総裁記者会見
  • 欧   ユーロ圏10月消費者物価指数(CPI)
  • 独   メルケル・独首相講演
  • 独   ショイブレ・独財務相講演
  • 英   英10月失業率
  • 米   10月消費者物価指数(CPI)
  • 米   10月鉱工業生産
  • 米   10月設備稼働率
  • 米   11月NAHB住宅市場指数
  • 米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演


    11/17 (木)

  • 豪   スティーブンス・RBA総裁講演
  • 独   ショイブレ・独財務相講演
  • 米   10月建設許可件数
  • 米   10月住宅着工件数
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   11月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演


    11/18(金)

  • 独   独10月生産者物価指数
  • 米   10月景気先行指数
  • 米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 加   カナダ10月消費者物価指数
  • 加   カナダ10月景気先行指数




  • ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。