今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(11/21〜 11/25)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・  75.00〜 77.50
ユーロ/円 ・・・ 101.00 〜 107.00
豪ドル/円 ・・・  75.00〜 80.00
ユーロ/ドル・・・ 1.3200 〜 1.3800





先週もユーロ中心の相場展開が続き、そのユーロは欧州各国の国債の値動きに左右される流れでした。


イタリアに波及した債務問題はベルルスコーニ政権を崩壊させ、モンティ新政権を樹立させました。


しかも、モンティ新首相は閣僚の全員を政治家以外から選び、財政再建へ強い決意を示した格好になっています。


さらに、スペインでは国債の入札が不調に終わり、10年債利回りが一時「危険水域」の7%に近づく場面もあり、これに


呼応する形でユーロドルは1.34台前半まで下落し、ユーロ円も103円半ばまで売られ、ユーロ全面安の様相でした。





ユーロ圏の国債価格の下落(金利の上昇)は独仏英の大銀行の経営にもろに影響を与えます。


イタリアやスペインの国債を大量に保有していることから、価格の下落で時価会計決算を行うと多額のマイナス要因となり、


場合によっては債務超過となり、格下げに繋がる可能性があります。


このため、大手欧州銀行の中には損を覚悟で上記国債をを全て売却したところもあり、これがさらに国債価格の下落を引き起こしている


ようです。


この現象は欧州銀行だけではなく、日本の欧州債を組み込んだ投資信託にも大きな影響を与えています。





今週の「日経ヴェリタス」紙によりますと、ユーロを組み入れた主な投資信託の中でも、大和・グローバル債券ファンドや


グローバル・ソブリンなど大型のファンドの値下がりが厳しいと報じています。基準価格は昨年末に比べ軒並み6−8%下落し


純資産残高は2−3割減少し、運用成績は一段と悪化しそうだと述べています。


欧州債務問題はなかなか根本的な解決策が見いだせず、「時間稼ぎの」域を出ていません。


また、問題はそう簡単に解決しないと観れば、ユーロの上値は限定的であると思います。


今週も引き続き、フランス、スペインの国債の入札が予定されています。


個人的には特にフランス国債の入札に注目しています。


ドイツと並ぶユーロ圏の重要国だけに、これ以上国債利回りが上昇すると調達コストの上昇に繋がり、財政悪化から「格下げ」に


繋がる恐れがあるからです。





欧州金融安定(EFSF)への資金負担が大きい国だけに、格下げに繋がると今後EFSF拡充案そのものが立ち効かなくなる危険性があります。


財政赤字のGDP比も7%に近く、域内で相対的に「高水準」なことから、国債への売り圧力が依然として強いとの指摘も気になります。





一方、今週は米国サイドの問題にも注目が集まりそうです。


財政赤字削減を巡る超党派協議の決着期限が23日に迫っていることです。


この期限までに最低でも1.2兆ドル(約92兆円)分の削減案をまとめなければならず、23日の成立を目指すには、遅くとも21日(月曜日)


にも成立させる必要があります。


今のところ、成立の可能性は低く、かりに成立しないとすればドル売り、円買いの圧力がかかり易いといえます。


結局、欧州債務問題で円買い圧力がかかり、さらに米国の債務問題でも円買い圧力がかかり、どちらにしても「円高要因」になりそうな


状況に変わりはありません。





ドル円がさらに円高方向に振れ、先週末に記録した76円台半ばを割り込むと76円程度まで円が強含む可能性も出てきそうです。


そしてその際、政府・日銀による介入が実施されるのかどうかも注目されます。


円は対ドルだけではなく、ユーロ円など主要通貨に対して強含むと考えておくべきでしょう。






■ 今週の注目材料 ■



11/21 (月)

  • 日   10月貿易統計
  • 欧   ユーロ圏9月経常収支
  • 欧   シュタルク・ECB理事講演
  • 欧   フィヨン・仏首相講演
  • 米   10月中古住宅販売件数
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演



  • 11/22 (火)

  • 欧   ユーロ圏11月消費者信頼感指数
  • 欧   バローゾ・欧州委員長講演
  • 欧   パパデモス・ギリシャ首相、ユンケルユーロ圏議長と会談
  • 欧   ショイブレ・独財務相講演
  • 米   7−9月GDP(改定値)
  • 米   11月リッチモンド連銀製造業指数
  • 米   FOMC議事録(11/1,2日分)
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演


    11/23 (水)

  • 日   東京市場休場(勤労感謝の日)
  • 日   ASEAN+3財務相・中央銀行総裁会議
  • 独   独11月製造業PMI
  • 独   独11月非製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏11月製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏11月製造業非PMI
  • 英   BOE議事録
  • 米   10月耐久財受注
  • 米   10月個人所得
  • 米   10月個人支出
  • 米   10月PCE・コア・デフレーター
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   11月ミシガン大学消費者信頼感指数(11月)
  • 米   11月カンザスシティー連銀製造業活動
  • 加   カーニー・カナダ中銀総裁講演


    11/24 (木)

  • 豪   スティーブンス・RBA連銀総裁講演
  • 独   独7−9月期GDP(確報値)
  • 独   独ifo景況指数
  • 英   英7−9月期GDP
  • 米   NY市場休場(感謝祭)


    11/25(金)

  • 日   10月消費者物価指数(CPI)
  • 欧   バローゾ・欧州委員長講演




  • ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。