今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(11/28〜 12/2)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・  76.00〜 78.50
ユーロ/円 ・・・ 101.00 〜 107.00
豪ドル/円 ・・・  75.00〜 80.00
ユーロ/ドル・・・ 1.3000 〜 1.3600





先週の為替市場は相変わらずユーロ中心の相場展開で、そのユーロはイタリアやスペインの債券相場を睨みながら概ね下落しました。


イタリア国債が再び7%を超えたり、スペインの国債が7%に近づく度にユーロが売られる展開でした。


また、欧州国債の中では比較的格付けの高い、オランダやフランス、フィンランド国債までも売られ、週後半には域内で最も安全だと言われる


ドイツ国債にまで信用不安が及んできました。


このため、ユーロドルは1.32台前半まで下落し、約1ヵ月振りのユーロ安を記録しています。


独仏伊3ヵ国首脳による会談での「ユーロ共同債」構想も、ドイツの反対で実現にはまだハードルが高いようです。





今週はイタリアやスペイン、それにベルギーの国債入札が予定されています。


欧州にとって明日のユーロ圏財務相会合と並んで、今週最大のイベントと位置付けることができると思います。


先週末のイタリア国債の入札不調で見られたように、借換債の調達コストが上昇することは、緊縮財政に苦しむイタリアにとって


財政赤字が拡大することを意味し、今後の財政赤字削減計画が進まなくなることに繋がります。


このため、イタリア紙が伝えた様に、IMFを中心とする公的機関が「万が一」に備えて4000−6000億ユ−ロ(約62兆円)の


資金支援を行う可能性が出てきたようです。


しかも、その際の貸付金利は4−5%と言われ、イタリア救済の色彩が強く出ています。





イタリアやスペイン国債だけではなく、中堅国のドイツやフランスの国債までもが売り浴びせられ、欧州債務問題は危機的状況となってきました。


結局、独仏両首脳は「ユーロは守る」と口では言いながらも、最後の部分では両国の利害もぶつかり、欧州金融安定化基金(EFSF)などの


セーフティー・ネットの構築は進んでいません。


このあたりの遅れが市場の不安を増幅させ、欧州債離れに繋がったものと思われます。


しかし、ことはIMFがイタリア救済に乗り出す可能性にまで発展してきました。


ギリシャ危機が拡大した際には「PIGS」との言葉が大はやりしましたが、それでも「まさかイタリアは・・・」との見方が支配的でした。br>

今や、そのイタリアの行方が欧州危機の象徴になっています。





もはやこのまま放置することは、ユーロ圏の崩壊に繋がりかねません。なかなか具体的な解決策は見いだせないものの、欧州各国の債券相場を


安定させることが第一です。


EFSFの拡充を最大限行うことや、ECBによる債券買い入れを大幅に増やすなどの策を実施するしかありません。


それには、ドイツの欧州の盟主としての「英断」が求められます。


そのタイミングは明日のユーロ圏財務相会合にあると言えそうです。





週末にはいよいよ今年最後の米雇用統計の発表があります。


先月発表された10月分では、非農業部門雇用者数はほぼ予想通りでしたが、前月分と前々月分が上方修正され、ややドル高に振れました。


先週の感謝祭明けの「ブラック・フライデー」ではクリスマス商戦もまずまずの結果でしたが、これが雇用に結び付くかは疑問です。


全米小売業協会によると、今回の「ブラック・フライデー」での一人当たりの消費額は前年比9.1%増でしたが、ネットで買い物をした人の数は


前年の2億1200万人から2億2600万人と、1400万人も増えています。


当然ですが、ネット上のショップでは雇用の増加は必要ありません。





非農業雇用者数については12万人前後が予想されており、失業率は9%と横ばいです。


先月のFOMCでは追加緩和(QE3)期待が強かったもののその実施は見送られましたが、週末の雇用統計の結果次第では


再び、期待感が強まることも考えられます。


バーナンキ議長は「失業率は高すぎる」と繰り返し述べてきました。今回の雇用統計でさらに悪化していれば追加緩和の実施を早まる


ことになろうかと思います。






■ 今週の注目材料 ■



11/28 (月)

  • 欧   ユーロ圏10月M3
  • 欧   ファンロンパイ・EU大統領、バローゾ欧州委員長、オバマ大統領と会談
  • 独   独12月GFK消費者信頼感指数
  • 独   独11月消費者物価指数(確報値)
  • 米   10月新築住宅販件数



  • 11/29 (火)

  • 日   10月失業率
  • 欧   ユーロ圏財務相会合
  • 欧   ファンロンパイ・EU大統領、傳中国外務次官講演
  • 欧   11月ユーロ圏景況感指数
  • 独   10月独小売売上高
  • 米   9月ケース・シラー住宅価格指数
  • 米   11月消費者信頼感指数
  • 米   イエレン・FRB副議長講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演


    11/30 (水)

  • 豪   豪第3四半期民間設備投資
  • 日   10月鉱工業生産
  • 欧   ユーロ圏11月消費者物価指数(速報値)
  • 欧   ユーロ圏10月失業率
  • 欧   EU財務相会合
  • 独   独11月失業率
  • 米   11月ADP雇用者数
  • 米   11月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米   10月仮契約住宅販売指数
  • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 加   カナダ9月GDP


    12/1 (木)

  • 豪   豪10月小売売上高
  • 欧   ドラギ・ECB総裁講演
  • 欧   ファンロンパイ・EU大統領講演
  • 欧   ユーロ圏11月製造業PMI(改定値)
  • 英   英11月製造業PMI
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   11月ISM製造業景況指数
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演


    12/2(金)

  • 豪   豪10月住宅建設許可件数
  • 日   11月マネタリーベース
  • 欧   ユーロ圏10月生産者物価指数
  • 米   11月雇用統計
  • 加   カナダ11月失業率




  • ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。