今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(12/5〜 12/9)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・  77.00 〜 79.00
ユーロ/円 ・・・ 102.00 〜 108.00
豪ドル/円 ・・・  76.00 〜 81.00
ユーロ/ドル・・・ 1.3100 〜 1.3700





先週ドル円は日本国債が売られ長期金利が上昇したことで、ドル高円安に振れ78円29銭までドルが上昇しました。


78円台ではさらに買い上げる動きはなく、結局78円台の定着には繋がっていません。


欧州債務問題の拡大から「ドル高ユーロ安」が進んだことも円売りに繋がった面もありますが、その後日米欧の6中銀が


ドル資金供給策を発表したことで「リスク選好」が進み、豪ドル、ユーロなどが急速に値を戻しました。


NY株式市場も大きく反発し、全てのリスク資産が一気に買われる展開となりましたが、一方で欧州債務問題の解決には


繋がらないとの冷めた見方も台頭しています。





このような状況では依然としてユーロの下落圧力は強く、イタリア、スペインの国債の行方と歩調を合わせる動きになっています。


注目されるのは今週8〜9日に行われる「EU首脳会議」です。


今のところ、欧州債務危機問題の拡大を防ぐための具体的行動は何も起こされていません。


これが市場の不安をかきたて、国債の下落に繋がっているとも言えます。


今回のこの会合で具体的な対策に合意できなければ、「EUは解決策をみつけることはできない」といった印象を市場に与え、


再び高債務国の国債が売られ信用不安が拡大する恐れがあります。





欧州首脳会議ではドイツがある程度前向きに妥協し、「ユーロ崩壊」を防ぐため歩み寄るのでないかとの観測もありますが、


その可能性は高いと思います。


これまで「ユーロ共同債の発行」や「ECBによる域内国債の無制限の購入」など、


欧州債務危機に対する対応策はいくつも考えられてきましたがメルケル首相はことごとく反対を表明してきました。


ドイツ国民への世論調査では、回答者の63%が「ギリシャはユーロ圏から離脱すべきだ」との結果もあります。(日経ヴェリタス紙)


しかし、今回の首脳会議でドイツが一切妥協しないようなら、「ユーロ圏の崩壊」は単なる仮説で無くなってきます。


そのあたりは、メルケル首相自身が一番認識しているはずです。


同首相はこれまでも「ユーロ圏の崩壊は欧州の崩壊を意味する」と繰り返し述べています。


メルケル首相はドイツの財政負担に対する自国民の強い世論を意識しながらも、


何らかの対応を図ると予想しますが、どうでしょうか・・・。





欧州首脳会議で市場に対して明確なメッセージを発しない限りユーロの反発は考えにくいと思いますが、


やや気になるのは投機筋のポジションです。


先週末発表されたシカゴIMMの通貨先物の建て玉では、ユーロドルの売り建て(ドル買い、ユーロ売り)のポジションがネットで


104千枚を超えており、先週比では1万5千枚も増え昨年6月以来の高水準でした。


このポジションは、先週11月29日(火曜日)時点のもので、その後のユ−ロ反発を考えると大幅に減少している可能性はありますが、


過去最大規模のユーロ売りポジションと言えそうです。


ヘッジファンドなどの投機筋は「ユーロはさらに下落する」と予想していることを表しています。


しかし、このポジションは過去の例では8万枚を超えると「反転する」傾向があります。


ポジションの極端な偏りは、時に相場を大きく反転させることがあることを頭のどこかに入れておきたいものです。


因み昨年の5−6月にかけても同様なポジションメイクがされており、約1ヵ月のもみ合いを経て1.20台から1.32台までユーロが


急速に反発しています。


今回の欧州会議で何か「サプライズ」でも出て来ると、ユーロドルが300ポイント程度反発することは十分考えられ、その際には


ユーロ円や豪ドル円も大きく円安方向に動くと予想されます。


もっとも、その反対の動きにも留意が必要なことは言うまでもありませんが。





ドル円は78円を挟んでやや膠着状態が続きそうです。


ユーロ円などの動きから影響を受ける可能性がありますが、米雇用統計も終え、ドル円自体動きにくくなりそうな気配です。


上値は78円半ばを抜けるかどうか。また下値も77円50銭を抜けるかどうかが注目されますが、大きな値動きに繋がりにくいと


思います。






■ 今週の注目材料 ■



12/5 (月)

  • 中   中国11月HSBCサービス業PMI
  • 欧   ユーロ圏10月小売売上高
  • 欧   エンリア・欧州銀行監督機構(EBA)議長講演
  • 欧   ショイブレ・独財務相、ハンガリー、ルーマニアなどの財務相と会談
  • 英   英11月サービス業PMI
  • 米   11月ISM非製造業景況感指数
  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演



  • 12/6 (火)

  • 豪   RBAキャッシュターゲット
  • 欧   ユーロ圏7−9月期GDP(改定値)
  • 米   タルーロ・FRB理事証言
  • 加   カナダ中銀政策委員会
  • 加   カナダ10月住宅建設許可


    12/7 (水)

  • 豪   豪7−9月期GDP
  • 日   10月景気動向指数
  • 独   独10月鉱工業生産
  • 独   独長期債入札(50億ユーロ)
  • 英   英10月鉱工業生産


    12/8 (木)

  • 豪   豪11月雇用統計
  • 日   10月国際収支
  • 日   11月景気ウォッチャー調査
  • 欧   EU首脳会議(9日まで、ブリュッセル)
  • 欧   ECB政策金利発表・ドラギ総裁会見
  • 欧   コンスタンシオ・ECB副総裁講演
  • 英   BOE政策金利発表
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 加   カナダ11月住宅着工件数


    12/9(金)

  • 日   7−9月期GDP(速報値)
  • 日   マネーストック
  • 中   中国11月消費者物価指数(CPI)
  • 独   独11月消費者物価指数(確報)
  • 独   独10月貿易収支
  • 欧   ギリシャ9月GDP(確報値)
  • 米   10月貿易収支
  • 米   12月ミシガン大学消費者信頼感指数




  • ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。