今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(9/4 〜 9/10)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・ 108.00 〜 111.00
ユーロ/円 ・・・  128.00 〜 133.00
豪ドル/円 ・・・  86.00  〜 89.00
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先週は、週明け早朝に北朝鮮のミサイル発射というリスクが発生し、ドル円は急落。


オセアニア市場では108円34銭まで円高が進み、その後の欧州市場でも108円27銭まで


円高が進み、108円割れを試す可能性が高いと、私自身も予想しました。





しかし実際には翌日には109円台を回復し、翌々日には110円台半ばまでドルが反発しました。


米4−6月期のGDP改定値が3.0%まで上方修正されたことや、北朝鮮に対して強気の姿勢に


変わったトランプ大統領が、思いの他過激な発言をしなかったことで、「実際の武力衝突は直ぐにはない」


といった見方が広がり、株価の上昇とともにドルが買われたと見ています。


4月に108円13銭の円高水準を記録した後、何度も108円台前半から半ばを試す動きが


ありましたが、いまだに108円割れは示現していません。


108円台が思った以上に底堅い印象です。





ところが北朝鮮は3日の午後、再び挑発行為を強行しました。しかも今回はミサイル発射ではなく、核実験の


実施という暴挙にでました。


先週末にはNY市場で110円25銭前後で取引を終えたドル円は、週明けには再び窓を開け、109円台


前半まで円買いが進んでいます。


日米に加え、中国も北朝鮮に対する経済制裁に参加しているものの、北朝鮮は挑発行為をやめる気配が


ないどころか、ますまエスカレートしており、「米国は軍事行動には出られない」と考えているような、


足元を見た行為に出ています。





ただ今回は、トランプ大統領やペンス副大統領との会談を終えたマティス防衛長官は「大規模な軍事的


対応、効果的かつ圧倒的な対応を取る」と記者団に述べています。(ブルームバーグ)


またトランプ大統領も北朝鮮とのビジネスを行う国と貿易停止を考えていると述べています。


それでもこれまでの北朝鮮の出方を見るとその効果は期待できません。


徐々に「軍事行動にでることも止むを得ない」よいう雰囲気が醸成されているようです。





ドル円は北朝鮮問題があるとはいえ、110円台半ばから上値は重い感じがします。


「108円割れのリスクは一旦後退したものの、108円割れか、111円超えのどちらが先か」


と問われれば、108円の方が近いと言わざるを得ません。


ただ、かりに米国が軍事行動に出た場合には、先ずは円を買う動きが先行すると思われますが、もし日本に


向けミサイル攻撃をするようなら、果たして円買いでいいのかどうかは疑問です


ないとは思いますが、万が一の際には慎に見極めることが必要です。





北朝鮮以外では、木曜日のECB理事会が注目されます。


量的緩和の縮小については「秋に議論する」と述べているドラギ総裁ですが、今週の理事会ではそのヒント


を得るにはまだ時期尚早ではないかと思います。


そのため、ユーロドルも1.2070をつけてからは1.19を挟む水準で調整している状況です。


ECBによる政策変更は時間の問題かと思いますが、同時にECB高官による足元のユーロ高を


けん制する動きも十分想定されます。


今週のユーロドルはかなりの値動きがあるのではないでしょか。









■ 今週の注目材料 ■



9/4(月)

  • 日   8月マネタリーベース
  • 中   BRICS首脳会議(アモイ)
  • 欧   ユーロ圏7月生産者物価指数
  • 米 株式、債券市場休場 (レイバーデー)



  • 9/5(火)

  • 豪   RBA、キャッシュターゲット
  • 中   中国 8月財新サービス業PMI
  • 中   中国 8月財新コンポジットPMI
  • 欧   ユーロ圏8月総合PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏7月小売売上高
  • 欧   ユーロ圏4−6月期GDP(確定値)
  • 英   英8月サービス業PMI
  • 米   ブレイナード・FRB理事講演
  • 米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演



  • 9/6(水)

  • 豪   豪4−6月期GDP
  • 米  7月貿易収支
  • 米   8月ISM非製造業景況指数
  • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告) <
  • 加   カナダ中銀政策金利発表 LI>加   カナダ7月貿易収支



  • 9/7(木)

    豪   豪7月小売売上高
  • 豪   豪7月貿易収支
  • 中   中国 8月外貨準備高
  • 独   独7月鉱工業生産
  • 欧   ECB政策金利発表
  • 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 加   カナダ7月建設許可件数



  • 9/8(金)

  • 日   4−6月GDP(改定値)
  • 日   7月国際収支
  • 日  8月景気ウオッチャー調査
  • 中   中国 8月貿易統計
  • 独   独7月貿易収支
  • 英   英7月鉱工業生産
  • 英   英7月貿易収支
  • 米   7月消費者信用残高
  • 米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演



  •  
    9/9(土)

  • 中   中国 8月消費者物価指数
  • 中   中国 8月生産者物価指数
  • 朝   北朝鮮 建国記念日  



  • 9/10(日)





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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。