今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(10/1 〜 10/8)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・ 11.00 〜 114.00
ユーロ/円 ・・・  131.00 〜 136.00
豪ドル/円 ・・・  87.00  〜 90.00
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先週はトランプ政権の政策の柱の一つである「税制改革」で、法人税が現行の35%から20%で


決着したことを受け、ドル円は113円台まで上昇しました。


この税制改革が実施されるには議会の承認が必要で、まだ簡単に議会を通るかどうかは分からない


状況ですが、市場はこのニュースに反応し、ドルを押し上げました。


正直、ここままでの反応は予想していませんでしたが、市場では織り込まれていなかったという


ことでしょうか。


ドルが買われて、円や、ユーロまでも大きく売られています。





今週から10月に入り、いよいよ今年も残り3カ月ということなりました。


先月初旬に107円32銭まで下げたドル円は、その後利上げ観測の台頭と、上述の税制改革の


骨子が発表されたことで113円台乗せまで反発し、約6円以上もの円安をつけています。


北朝鮮問題など、円が再び買われるリスクはあるものの、円安が進んだ理由のメインは、米金利の


急上昇があったと思われます。





米長期金利は9月7日には2.03%台まで低下し、ドル円はその翌日8日に107円32銭という


今年の円の最高値を更新しました。


その後米金利は上昇に転じ、先週末は2.33%台まで上昇しています。


ドル円と米金利との関係は良く知られているところですが、ここ数ヶ月は非常に相関度の強い


動きを見せています。


従って、今後もドル円を手がける以上は米金利の動きからは目が離せません。





来年2月で任期が満了するイエレンFRB議の後任選びが佳境に入っています。


先週末、トランプ大統領は最有力候補の一人であるウオーシュ元FRB理事と面談を行いました。


面談後にトランプ氏は「4週間以内に次期議長を決める」と語っています。


ウオーシュ氏は「タカ派」として知られており、仮に次期FRB議長に就任すれば、現行の利上げペースが


加速するのではないかとの見方もあります。


先週末の米債券市場で10年債が売られ、長期金利が上昇した理由の一つもここにあるようです。


今後この傾向が続くようだと、ドル円も予想外に円安が進む可能性がないとも言えません。





今週の注目はやはり週末の雇用統計です。


失業率と雇用者数はよほど予想とぶれない限り材料にはされにくいと思われます。


ただ先のハリケーンの影響から、現時点での雇用者数は8万5000人と、先月の雇用者の15.6万人から


既に大幅な減少が予想されています。


ここまで減少幅が大きくなると、むしろ、予想よりも上振れリスクの方はが高いのではとも思えます。


注目は賃金の上昇率です。


12月のFOMCでの今年3回目の利上げの確率が徐々に上昇していますが、それでもインフレ率と


賃金の上昇が低調なら、利上げを見送る可能性もあります。


12月の会合まで、この2つが最も注目される数値になると思います。


果たして12月に利上げがあるのかどうか、それによってドル円のレベルも大きく異なることに


なります。


来年も現時点では3回の利上げを見込んでおり、米金融政策はリーマンショック後の荒治療から


徐々に巡航速度に戻っているとう印象です。









■ 今週の注目材料 ■



10/2(月)

  • 日   9月日銀短観
  • 欧   ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
  • 欧   ユーロ圏8月失業率
  • 英   英9月製造業PMI
  • 米   9月ISM製造業景況指数
  • 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演



  • 10/3(火)

  • 豪   豪8月住宅建設許可件数
  • 豪   RBA、キャッシュターゲット
  • 欧   ユーロ圏8月生産者物価指数
  • 米   9月自動車販売台数



  • 10/4(水)

  • 欧   ユーロ圏9月総合PMI(改定値)
  • 欧   ユーロ圏9月サービス業PMI(改定値)
  • 欧   ユーロ圏8月小売売上高
  • 英   英9月サービス業PMI
  • 米   9月ADP雇用者数
  • 米   9月ISM非製造業景況指数
  • 米   イエレン・FRB議長講演



  • 10/5(木)

    豪   豪8月貿易収支
  • 豪   豪8月小売売上高
  • 欧   ECB議事要旨
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米  8月貿易収支
  • 米   パウエル・FRB理事講演
  • 米   ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
  • 加   カナダ8月貿易収支



  • 10/6(金)

  • 日   8月景気動向指数
  • 米   9月雇用統計
  • 米   8月消費者信用残高
  • 米   ムーディーズ、米格付け発表
  • 米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
  • 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
  • 加   カナダ9月就業者数
  • 加   カナダ9月失業率



  •  
    10/7(土)

     



    10/8(日)

  • 中   中国 9月外貨準備高




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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。