先週113円台後半まで上昇し、次の展開が注目されていたドル円でしたが、13日に開催されたFOMC政策発表を受けて112円目前まで円高が進み、再び111−114円のレンジに戻りました。今回のFOMC声明では、それほどドル売りで反応する材料ではないと思われ、やや過剰反応だったというのが、個人的な印象でした。メンバーの予想するドットチャートでも2018年に3回の利上げ観測に変化はなく、景気が緩やかに拡大するという見方にも変化はありませんでした。
あえてドル円下落の理由を探せば、来年の利上げ回数を4回と予想する向きがあったため、事前の期待が高まっていた分「失望」からドルが売られた面もあったかと思います。また最も反応したのが債券市場で、緩やかな利上げが続くとの見方が債券買いを呼び込み、10年債利回りが急低下したことがドル売りに結びついたと言えます。
注目の米税制改革法案が先週末に、法人税を21%に引き下げ、2018年から実施との形で決まりました。共和党内の反対議員が賛成に回ったことで、明日にも上院で可決し、その後下院での可決を経て早ければ20日にも大統領が署名して正式に成立する見込みとなりました。このため、それほど大きな動きとは言えませんが、ドル高が進み、ドル円は112円台後半まで上昇し、週明けのアジア市場でも112円93銭まで前後までドル高が進んでいます。
もっとも、株式市場の反応はさらに大きく、先週末のNY株式市場は主要3指数とも揃って最高値を更新しており、それを受けて日経平均株価も月曜日の午後のザラ場では320円を超える大幅な上昇を見せています。日米で株価の上昇が見られた割には、ドル円の動意は限定的です。先週のFOMCの通過で今年の材料は出尽くした感もあり、このまま年内は111円台〜113円台で終わりそうな雰囲気も出てきました。北朝鮮や中東問題が依然としてドルの上値を抑える役目をする一方、良好な米ファンダメンタルズがドルを支える構図が続いていると見られます。
今後ドル円はやはり米長期金利の動きに連動している以上、米金利次第というところです。その米金利が2.3%台でもみ合っており、こちらも動意が見られません。年末にかけてトランプ政権のもう一つの柱である「インフラ投資」がより具体的になれば、為替と金利が一緒に動き出すと思われますが、どこまで具体化するのか注目しています。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
