今週前半はクリスマス休暇のため、東京や中東を除く主要市場は休みです。
そのため、為替相場は特別なニュースでも出ない限り、大きく動くことはないでしょう。但し、28日前後からは米経済指標の発表もあり、値動きが戻る可能性もありますが、今度は日本が年末年始の休暇に向かうことから、参加者が減ることになり、今週は値動きが極めて少ないと予想されます。
2017年は、1月に118円台前半で始まり、この水準が今年のドルの最高値でした。前年11月の米大統領選挙で、大方の予想に反してトランプ氏が勝利し、直後はドルが売られたものの、期待感から急激なドルの反発で118円台まで一気にドル高が進み、今年の1月には「その余韻」を引きずった状況でした。
その後はインフレ率や賃金が上昇しないことでドルの上値が徐々に重くなり、9月には北朝鮮が水爆実験を実施し、さらに米国南部の州を大型のハリケーンが襲ったことで107円台までドル安が進みました。そして、足元では米長期金利の上昇傾向を材料に反発し113円台までドル高が進み、結局今年の高値から安値の半値戻しを実現したことになります。ある意味、この112円〜113円台が居心地のいい水準なのかもしれません。
今年のドル円の特徴は、値幅が出なかったことと同時に、低ボラティリティーが続いたことでした。先週には1カ月のボラティリティーが「6.22」まで低下し、2015年以来の変動率の低さを記録したばかりです。税制改革法案は先週ようやく大統領の署名をもって成立しました。そして市場の関心は次の政策の柱である「インフラ投資」に移ります。米景気はインフレ率と賃金を除いてはほぼ良好と言えます。今回の税制改革法案の成立が企業業績だけではなく、多くの個人にも恩恵を与えます。加えて、足元の米株価は好調です。いずれ個人消費の拡大と賃金の上昇につながるとすれば、ドル円も緩やかに上昇すると見るのが順当かと思われます。
もちろん、北朝鮮リスクが払拭されたわけではなく、小康状態です。国連安保理は先週、北朝鮮に対する追加制裁決議を全会一致で採択しました。その内容は、石油精製品の北朝鮮向け輸出を9割削減するというもので、さらに北朝鮮がミサイルの発射を繰り返した場合、石油の供給をさらに制限するというものです。今回の追加制裁案には中国と、ロシアも賛成に回っており、北朝鮮が孤立化することも予想されます。その結果、ティラーソン米国務長官が提案した、「交渉のテーブルに着く」可能性も浮上してくることも考えられますが、これはかなり楽観的な予想かもしれません。
2018年の相場展開を描くタイミングです。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
