先週は、日銀の買いオペ減額が「金融政策の変更への布石か?」といった憶測を呼び、ドル円は急落。113円台半ばから111円割れまでドル安が進みました。円は対ユーロなど主要通貨についても急激な円高が進み、米金利が上昇する中でも、円が買われ、ドルが売られるという、これまでの展開では見られなかった動きに終始しました。今この段階で日銀が出口戦略への布石を打つことは考えられませんが、ちょうど昨年の1月に似たような流れになっており、やや気になるところです。
週明けの月曜日には、日銀支店長会議での黒田総裁の挨拶をきっかけにさらにドル安が進み、110円63銭近辺までドルが売られました。総裁は「景気は緩やかに拡大している。消費者物価指数は2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる」と発言したことを材料にドル売りが進んだ状況です。この発言は、これまでの内容と特に変わりはなく、2%物価上昇を根気強く続けていくといった意味合いで、これでドル売りにつながったところが、今の市場の「ドル安地合い」を端的に表していると言えます。
米国では先週末から、米企業の10−12月期決算の発表が始まりました。米調査会社トムソンロイターのまとめによると、米主要500社の純利益見込みは前年同月比で11.8%増と予想されています。引き続き二桁の増益が予想されており、株価の上昇につながりそうです。事実、先週木曜日と金曜日の2日間だけでも、ダウは420ドル程上昇しており、株価の上昇を「糸の切れた凧のようだ」とたとえる人もいます。余りに上昇が急すぎるとの印象ですが、それでも上がる株価に驚くばかりです。
今週の市場の関心はユーロドルの動きです。ユーロドルは先週末、これまでの上値の壁であった「1.21」を抜け、1.22台前半まで一気に急騰しました。メルケル政権に対する政治的リスクが軽減されたことでユーロ買いが加速しましたが、足元のドル円の動きのは、このユーロドルの動きに連動する局面が多くなっており、ユーロがこの水準からさらに上昇できるかどうかが注目されます。目先は1.20−1.25の新しいレンジに入ったユーロドルですが、1.25を大きく超えていくようだと、ECB高官からユーロ高をけん制するような発言も予想されますので注意が必要です。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
