先週のドル円は110円台から108円前半と、値幅的にはそれほど大きくはなかったものの、神経質な動きで、トレンドレスでした。NYの株式市場が乱高下し、それに合わせて上下したものです。NYダウは先週だけで1000ドルを超える下げを2回記録し、これまでの堅調な動きがウソのような展開でした。先週末と昨日は合わせて750ドルほどの反発を見せ、一応大幅な下げは止まったかにも見えますが、まだ余震は続くと考えておいた方がいいのでしょう。
これまでは「適温相場」が長く続いてきたことから「株高、債券高」という本来相容れない動きに投資家が慣らされてきたと言えます。それが、米長期金利がそれまでの上値のメドであった「2.6%」を超えた辺りから債券相場は「弱気入りした」との見方が強まり、先週は一時2.86%前後まで急上昇してきました。金利高を嫌って上昇を続けていた株価が急落したのが先週の動きです。
足元のドル円は、株価の動きに大きく振られている状況です。株価が大きく下げると、リスクオフから円が買われ、反対に株価の上昇はドル高円安につながる傾向があります。従って、株価の動きを予想することがドル円の売買にとって極めて重要な要素になっていますが、その株価の動きを予想することはそう簡単ではありません。
現在の株価の動きは日米ともに、人の手を離れてコンピューターが自動売買する時代だからです。「アゴリズム」と言って、今流行の「AI」の世界です。瞬時に大量の株式を売買し、為替も同時に売買して利益を上げているようです。人の手を離れて自動売買されるからこそ、NYダウは1日で1000ドル以上も値動きがあり、日経平均株価も1日で1600円も売られることになるわけです。
足元のドル円は方向感がありません。108−110円のレンジ内で推移していますが、どちらかといえばリスクオフの流れがメインであるため、下値を試す可能性が高いと思われます。余り突っ込みすぎはリスクがありますが、ドルの戻りを売る戦略で、110円を明確に超えたら損切りを行うというスタンスでいいのかと思います。もちろん、このような荒っぽい動きは見送って、落ち着くまで様子を見ることも必要です。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
