ドル円は底堅い動きを見せています。先週は週を通じてほぼ一貫して上昇し、週末には111円台までドル高円安が進みました。緩やかな上昇でしたが、しかし確実にドルが買われました。「3歩前進しては1歩後退する」、そんな展開だったと言えます。この動きは109円台に入った5月の第2週から続いており、一旦ショートすると、なかなか買い戻すチャンスがない状況です。取り巻く状況を見渡せば、それなりにリスクはあり、円が買われる局面もあるものの、市場はリスクに対して極めてら楽観的になっているものと思われます。
ドル円は、本コメント執筆時も、一時111円27銭まで買われ、先週末海外でつけた、111円08銭を上回る水準まで続伸しています。テクニカルでは、110円の重要な節目を上抜けしてから、レジスタンスポイントを次々と抜き111円台までドル高が進みました。今週はそれほど重要な経済指標の発表がない中、このペースを維持して112円、113円方向へとさらにドル高が進むのかどうかが、注目されるところです。
北朝鮮リスクや米中貿易問題は、かなにリスクが後退しているのは事実ですが、中東では米国がイラン核合意から離脱したこともあり、かなり紛争リスクが高まってきました。それでも、米長期今利の上昇が、これらの「リスクを相殺して余りある」ということなのか、安全通貨の円が売られる展開が続いています。個人的にはドルロングのポジションを作っても、安心してキープするにはまだ心もとないし、落ち着かない状況だと考えています。ドルを売っても機能しない展開ですが、だからと言って買うと、はしごをはずされるのではないかといった懸念が残ります。
今週の焦点は、明日ワシントンで行われる米韓首脳会談の中身です。6月12日の「本番」に向けて、北朝鮮の非核化に関してどのような要求をするのがベストなのかが話し合われるものと思われます。歴史的な米朝首脳会談は、ここまでは順調に進んで来ましたが、ここに来て、北朝鮮の対応がやや硬化してきました。会談終了までは、まだどうなるか分かりません。
週足チャートをみると、先週まで「8週連続で陽線」を示現してきました。今週もし111円台で越週すると「9週連続陽線」となりますが、これは2013年10月以来ということになり、こちらにも注目しています。「9週連続陽線」ということは、ほぼ2カ月間ドルが上昇しているということになり、そうある現象ではありません。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
