引き続き日米の株価の動き、もっと言えば、中国上海株式市場の動きも含めた「株価本位制」ともいえる展開が続いています。ドル円は先週末のNY市場で一時111円38銭までドル安が進み、やや上値の重い展開にはなっていますが、それでも株式市場のボラティリティーに比べれば動きは緩慢で、値幅も今のところは限定的です。
株価さえ安定してくれればドル円も米景気の底堅さを反映して、もう少しドル高が進んでもいい状況ですが、株価の方は、特に米国株では「売りが売りを呼ぶ展開」となっており、好調な企業業績もまったく無視されている状況です。今週発売の「日経ヴェリタス」では、「総悲観は行き過ぎ」と題した特集を組んでおり、繰り返す同時株安の真相を探っています。
記事によりますと、市場を覆うのはあくまでも「不安」であって、貿易戦争による景気下振れという「現実」の証拠は乏しいとしています。したがって「売られすぎ」だと論じていますが、それでも専門家の間では今後の相場の先行きについての見方は分かれているとして、慎重に対応する必要があると述べています。
確かに記事にあるように、リーマンショック級の危機であれば、安全資産とされる金はもっと買われてもいいし、ドル円でもさらに円が買われる状況になると思われます。そうだとすれば今回の米国発世界同時株安は、これまで急上昇した株価の「調整局面」と考えることができるようです。
ただそれでもトランプ大統領が次々と仕掛ける「自国主義」に世界が混乱しており、この流れがどこかで断ち切れない限り、不安定さは変わらないと思われます。11月にアルゼンチンで行われる「G20」に合わせ実現すると見られている、米中首脳会談では、「貿易問題は議題にしない」とか、「会談に多くの期待はしていない」など、ホワイトハウスからはネガティブな声が聞こえてきます。中国とロシアを批判しながら自国の軍事力強化を進めるトランプ大統領は、これまでの「米国流外交政策」を根本から変えようとしているようです。日本との貿易問題についても、先週再び「日本が自動車市場を開放しないのであれば、日本からの自動車輸入に対して10%の関税引き上げを行う」と講演で述べています。
米中間選挙まで1週間あまりとなって来ました。依然として共和党の苦戦が伝えられていますが、トランプ大統領は支持率引き上げにやっきになっています。最後の最後まで蓋を開けて見なければわかりませんが、相場が大きく変動する可能性は十分あります。また今週は選挙結果を占う様々なメディアの予想も発表されると思いますが、その内容にも一喜一憂することになります。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
