今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
11月12日 〜 11月18日
ドル/円
112.50 〜 115.00
ユーロ/円
126.00 〜 131.00
豪ドル/円
81.00 〜 83.50

ドル円は先週、約1カ月ぶりに114円台を回復しました。今年最大のイベントであった米中間選挙では、事前予想通り上院では引き続き共和党が過半数を維持し、下院では民主党が過半数を奪回し、いわゆる「ねじれ議会」になりましたが、市場では株価が大きく上昇し、ドル円を押し上げました。また8日に公表されたFOMC声明文でも、「さらなる利上げが正当化される」との文言があり、12月のFOMCでの利上げ観測が高まったことも、ドル円が114円台に乗せる一因になったようです。

ドルは対円だけではなく、主要通貨に対して強含みで推移しており、その意味では「円安」ではなく、「ドル高」というべき状況です。長期金利を見ると、ドルは円やユーロだけではなく、ポンドや豪ドルよりも高水準で、今や主要通貨ではドルは「高金利通貨」と言えます。本来マネーは金利の高い通貨へ流れる傾向があります。では、トルコリラなど、さらに金利の高い通貨が強くなるはずといった意見も出そうですが、トルコではインフレ率が政策金利を大きく上回る状況が続いており、直近10月の消費者物価指数も25%を超えていました。

ここでは、「実質金利」を見る必要があります。実質金利は、「表面金利」(名目金利)から「インフレ率」をひいたものです。米国の10月の消費者物価指数は年率で2.3%で、長期金利は3.2%前後ですから、実質金利は0.9%ということになります。トルコの政策金利である、1週間ものレポ金利は現在24%ですので、実質金利はマイナス1%以上ということになります。マネーが、リラではなくドルに流れる理由が理解できます。もっとも通貨リラが長い間下落してきたのは、高インフレ率だけではありません。

今後の焦点はもちろん米国の長期金利と株価の行方です。「恐怖指数」と呼ばれる「VIX指数」は「16台」まで下がり、恐怖の目安と見られている「20」を下回ってきました。まだ日中の振れ幅は依然として大きいですが、やや落ち着いてきた印象です。株価が落ち着き、再び上昇に向かえばドル円も再度114円台を回復して、115円をテストする可能性もあると予想しています。米中貿易戦争の影響から、中国経済は軟調な経済指標が出ています。ちょうどこのタイミングで、当社の取引先であるドイツ銀行が中国経済の見通しに関するセミナーを、中国拠点から専門家を呼び開催しました。筆者もこのセミナーに参加してきましたので、その内容は明日の「今日のアナリストレポート」でお話したいと思います。

ユーロドルが再び1.13台前半まで下落してきました。ドル高基調が続いている上に、ユーロ圏では景気の鈍化を示す指標が相次ぎ、さらにイタリアやドイツの政治的リスクも浮上しています。今回1.13を割り込めば、今度は1.12を割り込む水準までユーロ安が進むと予想しています。

今週の注目材料

  • 11/12(月)
    米 債券市場休場(ベテランズデー)
    米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 11/13(火)
    独 独10月消費者物価指数(改定値)
    独 独11月ZEW景況感指数
    英 英10月失業率
    米 10月財政収支
    米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 11/14(水)
    日 7−9月GDP(速報値)
    中 中国 10月小売売上高
    中 中国 10月鉱工業生産
    独 独7−9月期GDP(速報値)
    欧 ユーロ圏7−9月期GDP(改定値)
    欧 ユーロ圏9月鉱工業生産
    欧 IEA月報
    英 英10月物価統計
    米 10月消費者物価指数
    米 クオールズ・FRB副議長、下院で証言
    米 パウエル・FRB議長講演
  • 11/15(木)
    豪 豪10月雇用統計
    米 10月小売売上高
    米 10月輸入物価指数
    米 新規失業保険申請件数
    米 11月NY連銀製造業景況指数
    米 11月フィラデルフィア連銀景況指数
    米 クオールズ・FRB副議長、上院で証言
    米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 11/16(金)
    欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(改定値)
    米 10月鉱工業生産
    米 10月設備稼働率
    米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 11/17(土)
  • 11/18(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。