今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
11月19日 〜 11月25日
ドル/円
112.00 〜 114.00
ユーロ/円
127.00 〜 130.50
豪ドル/円
81.00 〜 83.50

ユーロやポンドが対ドルで売られたことで、円も対ドルで連れ安となり、ドル円は114円台に乗せる場面がありましたが、先週は週後半に向けてやや円が買われる展開になりました。米10年債が株安の影響から買い進まれ、長期金利が低下したことがその背景でした。長期金利は直近の3.23%台から先週末には3.06%台まで低下し、ドル円もこの動きに呼応するかのように112円台半ばまでドル売りが進み、週明け月曜日も112円60−70銭近辺で推移しています。

2週間ぶりのドル安水準をつけてはいますが、これによってドル高傾向が崩れたとはまだ言い切れません。チャートの基本である「日足」では依然として「雲」の上で推移しており、今朝はちょうど「雲の上限」で反発するのか、このまま雲の中へ突入すのかの分岐点に差し掛かっているところです。ここから112円割れを目指し111円台に入るのか、それともここで踏ん張って、113円台を回復できるのかが、今年の残り1カ月半の相場展開にとっても、あるいは2019年度初旬の相場を見る上でも重要な意味合いを持ってきそうです。

相場を見る上での焦点は2つと考えます。ひとつは、米中貿易戦争の行方です。先週末には、この問題に関連して「好材料と悪材料」が出ており、依然として今月末にアルゼンチンで予定されている「米中首脳会談」を巡る不透明さは払拭できていません。中国が米国に対して142項目の行動計画を提出したことで、貿易戦争に対する懸念が後退しましたが、パプアニューギニアで開催されたAPECでは、米中の貿易通商を巡る考えが対立し、激しい言葉の応酬となり、「首脳宣言」を断念させざるを得ないという異例な事態となりました。中国側がある程度の譲歩を見せ、事態打開の糸口が見えかけたものの、まだ予断を許す状況ではないことが確認された形です。

もうひとつは、米政策金利の引き上げがどの段階で停止されるのかという点です。今年すでに3回の利上げが実施され、さらに12月に開催される、今年最後のFOMCでも利上げが行われると見られます。ただここに来て、今後も政策金利の緩やかな引き上げが継続されるという見方にも、FRB内部から慎重な声が上がり始めています。米中貿易戦争の影響から景気のピークアウトが囁かれ、そこでの利上げは景気を一気に冷やす可能性があるとの声です。

FRBのクラリダ副議長は、金融当局として世界経済に関心を払っているとした上で、「その鈍化の証拠が幾つかある」と、先週述べていました。金利上昇により住宅市場はいち早く鈍化に見舞われ、金融市場のボラティリティー高まっています。また世界的な成長は減速すると予想されています。「パウエルFRB」がこのような景気鈍化をどの程度政策金利に反映させるのかどうかが、今後の利上げ回数を決めることになります。

今週末は日本が祝日にあたり、米国で22日が「サンクスギビングデー」で休日です。翌日の23日が「ブラックフライデー」で、この日からクリスマス商戦が始まります。因みに、「ブラックフライデー」の「ブラック」は、小売店が売り上げを伸ばすことから黒字(Black)になるという意味で、このように呼ばれています。昨年末の減税の効果もあり、今年の「ブラックフライデー商戦」が注目されています。

予想を上回るようだと、利上げ観測が再び高まる可能性があります。

今週の注目材料

  • 11/19(月)
    豪 豪第3四半期生産者物価指数
    日 10月貿易収支
    日 黒田日銀総裁講演
    欧 ユーロ圏9月経常収支
    米 11月NAHB住宅市場指数
    米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
  • 11/20(火)
    豪 RBA議事録
    独 独10月生産者物価指数
    米 10月住宅着工件数
    米 10月建設許可件数
  • 11/21(水)
    欧 OECD経済見通し
    米 10月耐久財受注
    米 新規失業保険申請件数
    米 10月景気先行指標総合指数
    米 10月中古住宅販売件数
    米 11月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
  • 11/22(木)
    日 10月消費者物価指数
    欧 ユーロ圏11月消費者信頼感(速報値)
    米 株式、債券市場休場 (サンクスギビングデー)
  • 11/23(金)
    独 独7−9月期GDP(改定値)
    独 独11月製造業PMI(速報値)
    独 独11月サービス業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏11月製造業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏11月サービス業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏11月総合PMI(速報値)
    米 感謝際翌日の「ブラックフイデー」株式、債券市場休場は短縮取引
    加 カナダ9月小売売上高
    加 カナダ10月消費者物価指数
  • 11/24(土)
  • 11/25(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。