今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
12月24日 〜 12月30日
ドル/円
109.00 〜 112.50
ユーロ/円
123.50 〜 128.00
豪ドル/円
76.00 〜 79.00

米国株が下げ止まらず、米国発同時株安の波は、日本の株式市場も飲み込み、連休明け火曜日の日経平均株価は1000円を超える大幅な下げに見舞われています。株価の大幅下落の影響から、投資家はリスク回避の姿勢を強め、安全資産の債券が買われ、通貨では円やスイスフランが買われています。ドル円は110円台に突入し、今朝は100円06銭近辺まで急激な円高が進んだおり、焦点は8月21日以来となる110円割れが実現するかどうかという点に移っています。

今年の秋口まではドル高、株高、債券高が続き、市場はリスクに鈍感となっており、金融各市場は極めて平穏なムードに包まれていました。このムードに水を差したきっかけが、米国の株式市場ですが、その背景にはトランプ政権の「米国第一主義」「保護主義政策」があったことは論を待ちません。そして、さらに拍車をかけたのが、先週のFOMCでの利上げと、来年の利上げ観測です。市場では一部に利上げ見送りの観測もあり、2019年度の利上げ回数が3回から2回に下方修正されましたが、こちらも「ゼロもしくは1回」といった、利上げに消極的な姿勢である「ハト派」的な観測もありました。

今年4回目となる利上げが米国株の下げにさらに拍車をかけ、NYダウはここ4日間で1900ドルを超える下げにつながっています。株価急落の原因は利上げだけではなく、ホワイトハウスでの相次ぐ側近の辞任に加え、暫定予算案にトランプ大統領が署名を拒否したことで、一部政府機関が閉鎖に追い込まれたことも、トランプ政権の政治的不安定さを露呈したとして売り材料になっています。トランプ大統領は自身との考え方の違いからマティス国防長官を更迭しましたが、ブルームバーグによると、ムニューシン財務長官もその次の標的になっているとか。先週は利上げを断行したFRBのパウエル議長を交代させるとの噂がありましたが、現実問題として、FRB議長を解任させるには、それ相応の事由が必要で、そう簡単にはできません。そこで、今回の株価暴落の責任をとらせる形で、ムニューシン財務長官ということのようです。

今回の米国株の下落は主要国の株価も下落に追い込みました。下落幅や下落率を見ると、これまでの調整とは明らかに異なると見れらます。来年2月末には、米中貿易協議の期限も迎え、現時点では両国が簡単に合意に達する可能性はかなり低いと予想されています。この状況で、米中貿易協議に進展が見られなければ、株価の一段の下落要因となり、やや大げさな言い方をすれば「世界恐慌以来の事態」にもなりかねません。そうなれば利上げどころか、「緩和政策」も議論される状況になります。

前NY連銀総裁のダドリー氏はブルームバーグとのインタビューで「来年は利上げが2、3回の可能性が最も高いと思うが、それは全て経済と、見通しの変化の仕方次第だ」と述べ、さらに「株式相場が下げ続け、経済が軟化し始めた場合、FED(FRB)が休止することは間違いない」と語っています。来年の利上げ回数は限りなく「ゼロ」に近いものになるかもしれません。したがって、ドル円も上値が徐々に切り下がる展開がメインになりそうです。

今週の注目材料

  • 12/24(月)
  • 12/25(火)
    日 10月景気動向CI指数(確定値)
    日 10月景気一致指数(確定値)
  • 12/26(水)
    日 日銀金融政策決定会合、議事要旨
    日 黒田日銀総裁講演(経団連審議会)
    米 10月ケース・シラ−住宅価格指数
    米 12月リッチモンド連銀製造業指数
  • 12/27(木)
    中 中国 11月工業生産
    欧 ECB月報
    米 新規失業保険申請件数
    米 10月FHFA住宅価格指数
    米 11月新築住宅販売件数
    米 12月消費者信頼感指数
  • 12/28(金)
    日 11月失業率
    日 12月東京都区部消費者物価指数
    日 11月鉱工業生産
    独 独12月消費者物価指数(速報値)
    米 11月中古住宅販売件数成約指数
    米 12月シカゴ購買部協会景気指数
  • 12/29(土)
  • 12/30(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。