ドル円は、日本がまだお正月気分でいる3日(木)早朝に大きく変動し、104円台へと急落しました。NY市場が終わった時間帯であり、東京勢がまだお正月休みでだったこともあり、流動性が低下していたことと相まって、レートが大きく飛んだものと思われます。そのため、この時間帯のドルの最安値も情報源によってまちまちでした。筆者が得た情報では、104円10銭もあったとか?いずれにしても、この時の市場は大混乱だったようで、レートがまちまちだったのも無理からぬところです。2016年11月にトランプ氏が大統領選で勝利した時の状況も同様でした。これがいわゆる「市場リスク」というものです。いつ、どのようなタイミングで起きるか予想できないため、高レバレッジは避けるべきでしょう。
その混乱の翌日であった先週末にはドル円は108円台半ばまで戻しています。パウエルFRB議長が、金融政策の変更に柔軟な姿勢を見せたことで、年内の利上げが停止される可能性が浮上し、株価が急反発したことで、リスク回避の流れがやや後退したことから円が売られたものです。12月の雇用統計では、失業率はやや悪化したものの3.9%と、記録的な低水準であることに変わりはなく、雇用者数は市場予想を大幅に上回る水準を維持していました。この内容から判断すれば、FRBの利上げスキームを正当化するものと思われますが、パウエル議長は市場の混乱を収束させることを優先したようです。
確かにこの判断は現時点では歓迎されるものと思います。本日から始まる米中通商協議の行方、メキシコ国境を巡る米政府機関の一部閉鎖、さらには今月から始まる日米物品貿易協議など、今後も市場を混乱させる「種」は目白押しです。米国だけではなく、世界景気の減速を避ける意味でも、金融引き締め政策の一時棚上げ棚上は適切だと思われます。
今年も毎年恒例のバイロン・ウイーン氏による「びっくり10大予想」が発表されました。ウイーン氏は、現在ブラック・ストーンの副会長をしており、当たらないケースがほとんですが、視点の奇抜さで注目されています。その中からいくつか紹介すると、先ずは、2020年の大統領選で、トランプ氏が再選される可能性は「かなり高い」という予想です。その理由としてウイーン氏は、減税や規制緩和を実施したことと、北朝鮮との戦争を防いだことを挙げています。
それ以外にも、米長期金利は3.5%未満で推移する一方、利回り曲線は「順イールド」を維持する。英国ではメイ首相が続投し、2回目の国民投票が実施され、英国はEU残留を決める。あるいは、テクノロジー株が好業績に支えられ、引き続き米国株を牽引するなど、足元の動きからは想定しずらい予想をしており、まさに「びっくり予想」でした。もしこの「びっくり」が実際に起きたら、米国は昨年前半に見たように、株高ドル高が続き、「米国の一人勝ち」に戻るということになります。さて、このうちいくつが実現するのか、楽しみです。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
