先週の市場は「Brexit」一色でした。そのため、比較的ボラティリティの高いユーロドルでさえも値動きが少なく、1.12台前半から1.13台前半の100ポイント程度に収まり、ドル円もほぼ111円台で推移しました。一方ポンドドルは乱高下を繰り返しながらも「合意なき離脱」が回避できたことを好感する動きになっています。
今週も重要なイベントはなく、引き続き「Brexit」の行方と、米中通商協議の進展を見守る展開になります。19日からはFOMCが開催されますが、こちらは1月のFOMCで金融政策に柔軟な姿勢で臨む用意があることが示されたことから、金利は据え置かれる公算が高いと予想しています。焦点は、現状の経済認識をどのように示すのかという点です。
パウエル議長を始め主要地区連銀総裁は、米中貿易戦争がリスクの一つだと指摘していました。その貿易戦争も、今だに最終合意には至っていませんが、多くの分野では合意に達しており、この段階で「決裂」になることは考えられません。従って、貿易戦争によるリスクは明らかに低減しているものと見られますが、同時に世界景気の減速が徐々に今後の米景気の足を引っ張る可能性が浮上しています。特に、欧州と中国の景気減速は鮮明で、FRBが金融引き締めを停止する理由の一つに挙げるかもしれません。
また、トランプ大統領と議会民主党との対立も激化しそうな状況です。トランプ大統領は先週、「非常事態宣言」や「拒否権発動」など、国境に壁を建設する資金確保のため、なりふりかまわない姿勢を見せています。対立がさらに激化すれば、政府機関の閉鎖といった事態が再び起こりかねません。
英国のEU離脱問題も先週、議会が離脱期限の延長を可決し、これで出口が見えるかと思えましたが、英下院議長が、メイ首相の修正案がこれまでのものと大きく中身を変えない限り、3回目の採決には応じない姿勢を見せたことで、まだ予断は許さず、出口はやや遠のいた印象です。
ドル円は小動きながらも底堅い動きを見せています。値動きが少ないことから引き続き「キャリートレード」が機能する展開ですが、米長期金利の低下傾向が続いていることから、111円を割り込むと、ずるずると値を下げることも無いとはいえません。FOMCで、どの程度「ハト派寄り」の見方が示されるのかといった点もポイントになろうかと思います。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
