今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
4月8日 〜 4月14日
ドル/円
110.00〜112.50
ユーロ/円
123.00〜128.00
豪ドル/円
77.50〜80.50

3月の雇用統計では、失業率が3.8%と前月と変わらず、注目されていた非農業部門雇用者数は、予想を大きく上回る19.6万人でした。さらに2月分と1月分も若干ですが、上方修正され、これで1〜3月の平均で見ると、18万人を超えており、まずまずの内容です。少なくとも、現時点では労働市場の減速は見られず、好調な労働市場は維持されていると見られます。

また、同時に今回の結果を踏まえて、米景気に対する悲観論はひとまず後退したと見ることもできます。好調な雇用統計が出たことで、FRBによる利上げ期待も高まりそうな予想もありますが、物価上昇率はインフレとは無縁で、賃金上昇率の鈍化とあいまって金融政策は「ニュートラル」と見るのが自然かと思います。先週末のNY市場で株価と長期金利がともに上昇したことが、市場が「適温相場の再来」と受け止めている証左と言えます。今後の金利政策で、FRBが利上げに動くのか、あるいは利下げに動くのかは、まさに今後の経済データ次第です。

為替市場にとっては、引き続き方向感を見つけにくい相場展開が続くと見ていますが、材料不足が続く中、やはり重要な材料としては「米中通商協議」が挙げられます。先週末時点で中国の代表団との協議は一旦終わり、トランプ大統領は「大成功」と評価したものの、合意に達するかどうかは明言を避けています。ホワイトハウスは声明で.「重要な作業が残っており、交渉責任者や次官ら、交渉団メンバーは引き続き、残る問題の解決に向け協議する」と説明しており、クドロー国家経済会議(NEC)委員長もCBSの番組で、「慎重ながらも楽観的見解もしくはそれ以上のもの」発言し、今後は多くの電話会議を通じて通商合意に「一段と近づいている」との認識を示しました。一方中国国営新華社は、「残っているのは全て難問だ」と指摘しています。(ブルームバーグ)焦点は、今後の協議で中国側がさらに踏み込んだ譲歩ができるかどうかという点かと思います。

もう一つの材料は言うまでもなく、今週金曜日にEUからの離脱期限が来る Brexitです。メイ首相の3回の修正案は否決されたものの、最大野党である労働党のコービン党首と建設的な案を協議するとしたことで、まだ「合意なき離脱」を回避できる可能性は残っていますが、残された時間は多くありません。メイ首相は依然として「短期の離脱延期」をEU側に求めていますが、EU側はその前提として議会での承認を求めています。イングランド銀行のカーニー総裁は、合意なき離脱のリスクが「驚くほど高い状況にある」と述べており、今週は再び通貨ポンドが乱高下する「ポンドウィーク」になると予想されます。

ドル円については、上値は限定的と見ていましたが、予想以上の底堅さが続いています。今月は機関投資家にとっては新年度にあたるため、新規のドル買いが出易いという状況もありますが、112円台乗せも手の届くところまできました。焦点は、112円台に乗せた場合、先月記録した112円14銭のドル高値を抜けるかどうかということになります。個人的には依然として慎重姿勢を維持したいところと考えています。また、1.12割れが底堅いユーロドルの、1.11台後半が下抜けできるのかどうかという点にも注目したいと思います。

今週の注目材料

  • 4/8(月)
    日 2月国際収支
    日 3月景気ウオッチャー調査
    独 独2月貿易収支
    独 独2月経常収支
    加 カナダ3月住宅着工件数
    加 カナダ2月建設許可件数
  • 4/9(火)
    米 IMF、世界経済見通し発表
    米 クラリダ・FRB副議長講演
  • 4/10(水)
    豪 豪4月ウエストパック消費者信頼感指数
    欧 ECB政策金利発表
    欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
    英 英2月貿易収支
    英 英2月鉱工業生産
    米 3月消費者物価指数
    米 3月財政収支
    米 FOMC議事録(3月19、20日分)
  • 4/11(木)
    中 中国3月消費者物価指数
    中 中3月生産者物価指数
    独 独3月消費者物価指数(改定値)
    米 3月生産者物価指数
    米 新規失業保険申請件数
    米 G20(ワシントン)  
    米 クラリダ・FRB副議長講演
    米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 4/12(金)
    中 中国 3月貿易収支
    欧 ユーロ圏2月鉱工業生産
    英 英国のEU離脱期限
    米 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 4/13(土)
  • 4/14(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。