今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
5月20日 〜 5月26日
ドル/円
109.00〜111.00
ユーロ/円
121.50〜124.50
豪ドル/円
75.00〜78.50

先週、米トランプ政権が中国製品2000億ドルに対して、これまでの10%の関税を25%に引き上げ、さらに報復関税第4弾として残りの3000億ドルにも25%の関税をかけると、中国に対して圧力をかけました。実際に、USTR(米通商代表部)は対象となる中国製品3800品目を発表しています。これに対して中国も6月1日から米国製品600億ドルに対して5〜25%の関税をかける対抗措置を発表し、まさに「貿易戦争」の様相を見せてきました。

このためドル円はリスクオフの流れから円を買う動きが強まり先週には2度、109円を試す動きが見られました。109円割れは何とか回避でき、日米株価の方も週後半にかけて上昇に転じたことで、110円台で越週しています。

本日朝方、日本の1−3月期のGDP速報値が発表されました。事前予想は、前期比で0.1%減、年率換算で0.2%減でしたが、発表された数字は前期比0.5%増、年率換算で2.1%増と、市場予想を大きく上回るもので、ポジティブサプライズと言ってもいい内容でした。今回のGDPは、結果次第では10月の消費税率引き上げが延期されるかどうかにも大きな影響を与えると見られていました。今回の、予想を大きく上回る結果を受けて、どうやら消費税は10月から10%に引き上げられることになりそうな気配です。正式には24日に予定されている政府の「月例経済報告」を経て決定されるものと思われますが、ドル円はGDPの上振れを受けて一時は110円32銭までドル高が進み、先週末にNY市場でつけたドルの戻り高値をわずかですが上回る水準を示現しています。

ただ、109円手前で折り返したドル円がこのまますんなりと上昇に転じるとは思えません。米長期金利の水準を見ると、先週末は2.39%台で、低下傾向にあります。3月27日に記録した2.36%台へ向かっているようにも見えます。米長期金利との相関が強いドル円が、米金利の低下に収斂する形でドル安が進む可能性も否定できません。また米長期金利の低位安定は、取りもなおさず米中通商協議のリスクを織り込んでいるものと判断できます。米CNBCが「米中協議は行き詰っているようだ」と報じたように、協議は今後も継続されるとしたものの、再開のメドは示されていません。また比較的柔軟な姿勢を見せてきた中国も、ここに来て強気の態度に変わってきました。最前線で交渉にあたった劉鶴副首相の対応を、「弱腰すぎる」と批判した中国共産党の幹部の言葉も、一部メディアは伝えています。

市場関係者が注目しているのは、来月末に大阪で開催される「G20」の席で、予定通り米中首脳会談があるのかどうかです。予定通り開催されるのであれば、まだ協議の進展や、場合によっては「合意」の可能性も残っているものと思います。ただ、この問題は米中の覇権争いが底辺にあると言われていることから、簡単には決着がつく問題ではないことは認識しておく必要がありそうです。

今週末には、令和の国賓第一号であるトランプ大統領夫妻が来日します。日米首脳会談もあると思いますが、ここでも日米物品貿易協定(TAG)に関する進展があるかもしれません。「貿易」が相場変動のキーワードになっている状況が続きます。

今週の注目材料

  • 5/20(月)
    日 1−3月GDP(速報値)
    日 3月鉱工業生産
    独 独4月生産者物価指数
    欧 ユーロ圏3月経常収支
    米 パウエル・FRB議長講演
    米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 5/21(火)
    豪 RBA議事録
    欧 ユーロ圏5月消費者信頼感(速報値)
    欧 OECD世界経済見通し
    英 カーニー・BOE総裁議会証言
    米 4月中古住宅販売件数
    米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 5/22(水)
    日 4月貿易収支
    欧 ドラギ・ECB総裁講演
    英 英4月消費者物価指数
    米 FOMC議事録(4月30日−5月1日分)
    米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
    米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
    米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
    加 カナダ3月小売売上高
  • 5/23(木)
    独 独1−3月期GDP(速報値)
    独 独5月ifo景況感指数
    独 独5月製造業PMI(速報値)
    独 独5月サービス業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏5月総合PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏5月製造業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏5月サービス業PMI(速報値)
    欧 欧州議会選挙
    米 新規失業保険申請件数
    米 4月新築住宅販売件数
    米 ダラス連銀総裁、SF連銀総裁、アトランタ連銀総裁、リッチモン連銀総裁がパネル討論
  • 5/24(金)
    日 4月消費者物価指数
    英 英4月小売売上高
    米 債券市場は短縮取引
    米 4月耐久財受注
  • 5/25(土)
    日 トランプ大統領夫妻、国賓として来日(28日まで)
  • 5/26(日)
    欧 スペイン地方選挙
    欧 ベルギー下院選挙、 地域議会選挙
    独 ブレーメン州議会選挙
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。